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== 自然環境 ==
== 自然環境 ==
自然環境放射性同位体の反応の研究も放射化学一つ
放射化学には環境中における放射性同位体の挙動の研究も含まれる。例えば、森林や草原で火災は放射性同位体が再び流動的になりう<ref>
{{Cite journal
|author=Yoschenko VI et al.
|title=Resuspension and redistribution of radionuclides during grassland and forest fires in the Chernobyl exclusion zone: part I. Fire experiments
|journal=Journal of Environmental Radioactivity
|volume=86
|issue=2
|year=2006
|pages=143-163
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</ref>。実験では[[チェルノブイリ]]周辺の立ち入り禁止区域で火をつけ、風下の大気の放射能が測定された。


膨大な過程により放射能が環境中に放出されうるということは注記すべき重要事項である。例えば、大気への[[宇宙線]]の作用は放射性同位体([[炭素14|<sup>14</sup>C]],[[リンの同位体|<sup>32</sup>P]]等)形成の原因であり、[[ラジウムの同位体|<sup>226</sup>Ra]]の崩壊は[[ラドンの同位体|<sup>222</sup>Rn]](これは建物に入る前、岩盤を透過して拡散し<ref>
たとえば、森林や草原の火事では再び流出しやすい放射性同位体を発生することがある<ref>Yoschenko VI ''et al'' (2006) Resuspension and redistribution of radionuclides during grassland and forest fires in the Chernobyl exclusion zone: part I. Fire experiments ''J Envir Radioact'' '''86''':143-63 PMID 16213067閲覧。</ref>。
{{Cite journal

|author=Janja Vaupotič and Ivan Kobal
[[1986年]][[4月26日]]の[[チェルノブイリ]]原発事故では、チェルノブイリ付近の立ち入り禁止区域で火事が起き、風下の空気の放射能汚染が広まった。このことは大変な速さで自然環境の中に放射能の流出が起こることに注意するため重要になった。
|title=Effective doses in schools based on nanosize radon progeny aerosols

|journal=Journal of Environmental Radioactivity
他には、[[宇宙線]]の空気中の活動は放射線同位体の構造を原因とし、(例:<sup>14</sup>[[炭素|C]]、<sup>32</sup>Pなど)
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<sup>226</sup>[[ラジウム|Ra]]の崩壊は<sup>222</sup>[[ラドン|Rn]]を発生させる。<sup>222</sup>Rnは気体で、拡散し岩を通り抜け建物に入りこみ、また水に溶かされその水が飲料水に溶けてしまうこともあると[[爆破実験]]により検証された。それは事故<ref>R. Pöllänen, M.E. Ketterer, S. Lehto, M. Hokkanen, T.K. Ikäheimonen, T. Siiskonen, M. Moring, M.P. Rubio Montero and A. Martín Sánchez, "Multi-technique characterization of a nuclearbomb particle from the Palomares accident", ''Journal of Environmental Radioactivity'', 2006, '''90''', 15-28閲覧。</ref>、工場からの放射能の流出で起こる。
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|volume=41
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|title=Human cancer from environmental pollutants: The epidemiological evidence
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|journal=Microchemical Journal
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|pages=98-102
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|title=Multi-technique characterization of a nuclearbomb particle from the Palomares accident
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|volume=90
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|year=2006
|pages=15-28
|doi=10.1016/j.jenvrad.2006.06.007
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=== アクチニドの化学的発生 ===
=== アクチニドの化学的発生 ===

2009年10月7日 (水) 14:36時点における版

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放射化学(ほうしゃかがく、: Radiochemistry)とは、化学の一部門である。

放射性物質元素天然また人工同位体の性質、非放射性の同位体の化学反応(放射性の強弱などの解明)の研究を指すが、ほとんどは放射性物質とその性質について研究される。

素粒子の変質

全ての放射性同位体は、元素、原子核崩壊を受け、放射線を放つ。放射線には三つの種類がある。

  1. アルファ線(α線)-原子核よりアルファ粒子として放出されたもの。原子量は4、原子番号は2減少する。ヘリウムの原子核と同一である。電離作用は強いが透過作用が弱く、遮るには数センチ空気か一枚ので十分である。
  2. ベータ線(β線)-中性子中の電子陽子の変化によって、電子が放出された電子線である。数ミリ程のアルミニウムで遮蔽ことができる。
  3. ガンマ線(γ線)-原子核から余剰のエネルギーが電磁波として放出されたもので、類似のものとしてエックス線がある。こちらは電子のエネルギーの変化であり、力を調節できる。質量、増減がなく、電離作用は弱いが透過力が強く、遮断するときはバリウムなどの重金属が大量に必要である。

活性化の研究

中性子の放射線治療が議論されたころ、放射能の誘導が可能になっていた。安定した同位体の活性化による放射性同位体の創造は、中性子の活性化の研究が元になっていた。ナポレオン・ボナパルトと共にその研究は訪れ、ヒ素の内部の投票者によって審査された[1]

別の実験方法もあった。別の基盤の中の元素の並びの測定方法が計画されていた。基盤の還元効果を求む元素または一方の基盤の元素に崩壊前与える放射能の計量法である。

それ以来その基盤の説が電磁波の崩壊については有力で、少しの準備が標本に必要で、活性化した汚染に対しとても敏感な中性子が製造、分析されている。

仮説では100対10対1の比でナトリウムウランコバルトの冷却時間の違いの効果は中性子のとても短い熱の運動への課題であった。

最初の放射能は24Na活性が優位を占めていたが、次第に増加し239Npなどが増え、最終的には60Co活性が大半を占める。

生化学的用途

生物学的応用の一つに、放射性の32Pを用いたDNAの研究がある。これらの研究においては安定なリンが化学的に同質な放射性の32Pで置換され、与えられた放射能が分子(訳注:32Pで標識された分子)とその挙動の分析に用いられる。

もう一つの例は、生体による硫黄セレンテルルポロニウムといった原子のメチル化について行なわれた研究である。バクテリアがこれらの原子を揮発性の化合物に変換しうることが示されてきており[2]メチルコバラミンビタミンB12)がこれらの原子をアルキル化してdimethyl(訳注:ジメチルスルフィドジメチルセレン等)を生じさせると考えられている。滅菌水においてはコバロキシムと無機ポロニウムの組み合わせにより揮発性のポロニウム化合物が生成したが、当コバルト化合物を含まない対照実験では揮発性ポロニウム化合物は生成しないことが示されている[3]。 硫黄に関しての実験では同位体の35Sが用いられた(ポロニウムの実験では207Po)。57Coを培養系に添加し、続いてバクテリアからコバラミンを単離(およびその単離されたコバラミンの放射能を測定)した関連研究においては、バクテリアが利用可能なコバルトをメチルコバラミンに変換することが示された。

自然環境

放射化学には環境中における放射性同位体の挙動の研究も含まれる。例えば、森林や草原での火災では放射性同位体が再び流動的になりうる[4]。実験ではチェルノブイリ周辺の立ち入り禁止区域で火をつけ、風下の大気の放射能が測定された。

膨大な過程により放射能が環境中に放出されうるということは注記すべき重要事項である。例えば、大気への宇宙線の作用は放射性同位体(14C32P等)形成の原因であり、226Raの崩壊は222Rn(これは建物に入る前、岩盤を透過して拡散し[5][6][7]、さらに、水に溶けることから飲料水に入る[8]ガスである)を生じさせる。加えて、核実験、事故[9]、および産業からの通常の排出といった人的活動によっても放射能は放出される。

アクチニドの化学的発生

プルトニウムなどの放射性元素の環境の化学は研究が不均化し厄介で[10]、また多様な酸化状態は一度に共存することがある。

酸化状態、プルトニウムの配位数アクチニドなどの研究がされた。[2] 関連する単純な化合物の研究方法はこれに含まれ、[11][12]またコロイドに影響する[13]2つの手がかりの元は土、岩、コンクリートであった。

プロトニウムの化学的性質はEXAFSXANES[14][3][4]の方式で研究された。

コロイドの運動

土の粒子表面の金属元素は地層を通りその運動を防ぐことがあり、その間コロイド状の地層のような放射性金属も耐えられる。

これは土の粒子で134Csをラベルするため明らかになり、土の罅を通り運動が出来るようにするため明らかになった。

背景

放射能は地球の誕生以来あらゆる所に存在する。 国際原子力機関によれば、1kgの土は主に四種類の天然の放射性同位体を含む。

その種類は370Bq40K(通常は100~700Bq)、25Bqの226Ra(通常は10~50Bq)、25Bqの238U(通常は100~700Bq)、25Bqの232Th(通常は7~50Bq)である[15]

微生物の働き

微生物にはウランを凝固させる働きがある。

サーモアナエロバクター属の微生物はクロム(VI)鉄(III)コバルト(III)マンガン(IV)ウラン(VI)などを受容体のように使い、その間アセテートグルコース水素乳酸ピルビン酸コハク酸キシロース供与体のように細菌の代謝の代行をすることがある。

このように細菌により金属を磁鉄鉱(Fe3O4)、隕鉄(FeCO3)、菱マンガン鉱(MnCO3)、閃ウラン鉱(UO2)などのように還元させることがある[16]

他の研究者はバクテリアによるウランの凝固という課題があったが[5][6][7]フランシス・R・リベンズ一行はマンチェスターで研究しており、細菌の一つ Geobacter sulfurreducens はUO2+(酸化ウラニウムイオン)を二酸化ウランに還元することはあるが、その細菌はウラニウムイオンもUO2+やUO2(酸化ウラニウム)に不均化してしまう、という説を出した。

この説はNpO2+(二酸化ネプツニウムイオン)が細菌によって酸化ネプツニウムに変えられることがなかったという観察結果から生じた。 

出典

  1. ^ H. SMITH, S. FORSHUFVUD & A. WASSÉN, Nature, 1962, 194(26 May), 725-726閲覧。
  2. ^ N. Momoshima, Li-X. Song, S. Osaki and Y. Maeda (2002). “Biologically induced Po emission from fresh water”. Journal of Environmental Radioactivity 63 (2): 187-197. doi:10.1016/S0265-931X(02)00028-0. 
  3. ^ N. Momoshima, Li-X. Song, S. Osaki and Y. Maeda (2001). “Formation and emission of volatile polonium compound by microbial activity and polonium methylation with methylcobalamin”. Environmental Science and Technology 35 (14): 2596-2960. doi:10.1021/es001730+. 
  4. ^ Yoschenko VI et al. (2006). “Resuspension and redistribution of radionuclides during grassland and forest fires in the Chernobyl exclusion zone: part I. Fire experiments”. Journal of Environmental Radioactivity 86 (2): 143-163. doi:10.1016/j.jenvrad.2005.08.003. PMID 16213067. 
  5. ^ Janja Vaupotič and Ivan Kobal (2006). “Effective doses in schools based on nanosize radon progeny aerosols”. Journal of Environmental Radioactivity 40 (39): 7494-7507. doi:10.1016/j.atmosenv.2006.07.006. 
  6. ^ Michael Durand (2006). “Indoor air pollution caused by geothermal gases”. Building and Environment 41 (11): 1607-1610. doi:10.1016/j.buildenv.2005.06.001. 
  7. ^ Paolo Boffetta (2006). “Human cancer from environmental pollutants: The epidemiological evidence”. Mutation Research/Genetic Toxicology and Environmental Mutagenesis 608 (2): 157-162. doi:10.1016/j.mrgentox.2006.02.015. 
  8. ^ M. Forte, R. Rusconi, M.T. Cazzaniga and G. Sgorbati (2007). “The measurement of radioactivity in Italian drinking waters”. Microchemical Journal 85 (1): 98-102. doi:10.1016/j.microc.2006.03.004. 
  9. ^ R. Pöllänen, M.E. Ketterer, S. Lehto, M. Hokkanen, T.K. Ikäheimonen, T. Siiskonen, M. Moring, M.P. Rubio Montero and A. Martín Sánchez (2006). “Multi-technique characterization of a nuclearbomb particle from the Palomares accident”. Journal of Environmental Radioactivity 90 (1): 15-28. doi:10.1016/j.jenvrad.2006.06.007. 
  10. ^ Rabideau, S.W., Journal of the American Chemical Society, 1957, 79, 6350-6353閲覧。
  11. ^ P. G. Allen, J. J. Bucher, D. K. Shuh, N. M. Edelstein, and T. Reich, "Investigation of Aquo and Chloro Complexes of UO22+, NpO2+, Np4+, and Pu3+ by X-ray Absorption Fine Structure Spectroscopy ", Inorganic Chemistry, 1997, 36, 4676-4683閲覧。
  12. ^ David L. Clark, Steven D. Conradson, D. Webster Keogh Phillip D. Palmer Brian L. Scott and C. Drew Tait, "Identification of the Limiting Species in the Plutonium(IV) Carbonate System. Solid State and Solution Molecular Structure of the [Pu(CO3)5]6- Ion", Inorganic Chemistry, 1998, 37, 2893-2899閲覧。
  13. ^ Jörg Rothe, Clemens Walther, Melissa A. Denecke, and Th. Fanghänel, "XAFS and LIBD Investigation of the Formation and Structure of Colloidal Pu(IV) Hydrolysis Products ", Inorganic Chemistry, 2004, 43, 4708-4718
  14. ^ M. C. Duff, D. B. Hunter, I. R. Triay, P. M. Bertsch, D. T. Reed, S. R. Sutton, G. Shea-McCarthy, J. Kitten, P. Eng, S. J. Chipera, and D. T. Vaniman, "Mineral Associations and Average Oxidation States of Sorbed Pu on Tuff", Environ. Sci. Technol, 1999, 33, 2163-2169
  15. ^ Generic Procedures for Assessment and Response during a Radiological Emergency, International Atomic Energy Agency TECDOC Series number 1162, published in 2000 [1]閲覧。
  16. ^ Yul Roh, Shi V. Liu, Guangshan Li, Heshu Huang, Tommy J. Phelps, and Jizhong Zhou, "Isolation and Characterization of Metal-Reducing Thermoanaerobacter Strains from Deep Subsurface Environments of the Piceance Basin, Colorado", Applied and Environmental Microbiology, 2002, 68, 6013-6020.

外部リンク