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2016年12月12日 (月) 15:00時点における版

ゴースト/ニューヨークの幻
Ghost
監督 ジェリー・ザッカー
脚本 ブルース・ジョエル・ルービン
製作 リサ・ウィンスタイン
製作総指揮 スティーヴン=チャールズ・ジャッフェ
出演者 パトリック・スウェイジ
デミ・ムーア
ウーピー・ゴールドバーグ
音楽 モーリス・ジャール
主題歌 ライチャス・ブラザーズアンチェインド・メロディ
撮影 アダム・グリーンバーグ
編集 ウォルター・マーチ
配給 アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画
日本の旗 パラマウント映画/UIP
公開 アメリカ合衆国の旗 1990年7月13日
日本の旗 1990年9月28日
上映時間 128分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $22,000,000[1]
興行収入 世界の旗 $505,702,588[1]
アメリカ合衆国の旗 $217,631,306[1]
日本の旗61億7000万円[2]
配給収入 日本の旗 37億5000万円[3]
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ゴースト/ニューヨークの幻』(原題:Ghost)は、1990年アメリカ映画恋愛映画

2005年から放送されていたテレビドラマの『ゴースト 〜天国からのささやき』とは関係ない。

概要

ロマンスコメディファンタジーホラーといったいくつかのジャンルに含まれる。愛する人が幽霊となって目の前に現れるというアイデアは、この映画のメガヒットで多くの亜流映画・小説を生む。

ウーピー・ゴールドバーグアカデミー助演女優賞を受賞し、作品自体もアカデミー作品賞編集賞作曲賞にノミネートされたが、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』という強豪の存在のため他はアカデミー脚本賞(ブルース・ジョエル・ルービン)を受賞するにとどまった。

主題歌は、ライチャス・ブラザーズの「アンチェインド・メロディ」(もともとは、1955年の映画『Unchained』(日本未公開)の主題歌だった。作曲はアレックス・ノース)。

監督は『裸の銃を持つ男』や『フライングハイ』などのコメディを得意とするジェリー・ザッカー。母のシャルロッテ・ザッカーを銀行の受付役、妹のスーザン・ブレスラウをサムの同僚のスーザン役で登場させている。1995年にもシリアス路線で『トゥルーナイト』を監督した。

また、脚本のブルース・ジョエル・ルービンの母親も小切手を受け取る慈善団体の教会のシスター役で登場している。

ストーリー

舞台はニューヨーク

温厚誠実な銀行員【サム・ウィート】(パトリック・スウェイジ)は、陶芸家として成功しつつある最愛の恋人【モリー・ジェンセン】(デミ・ムーア)と幸せな時間を過ごし、同僚の友人【カール・ブルーナー】(トニー・ゴールドウィン)とも良好な関係を維持しながら順調に仕事をこなし、平和な日々を送っていた。

ある日、銀行のオフィスで、サムはコンピュータにある口座のデータに異変を発見した。カールが手伝おうとしたが、サムは断り残業して調べる…。

後日、サムとモリーが「マクベス」を観劇しての帰り道、モリーがサムに自分の心を打ち明けた。「貴方と結婚したい」。今まで、彼女が避けていた問題だったのでサムは驚く。悩むサムに、モリーはなぜ「愛してる」と言葉にしてくれないのかと問い詰める。「愛してる……」とモリーが言うと、サムは必ず「Ditto(同じく)」と答えていた。

しかしそのとき、暗がりから一人の暴漢がサムを襲った。そしてサムと暴漢は揉み合いになり、暴漢が持っていた拳銃が発砲された。そして暴漢は逃げ、それを追いかけるも取り逃がしたサムが諦めて戻ると、モリーが血だらけの自分を抱いていた。サムは死んでゴーストになってしまったのだ。

ゴーストになったサムはモリーのアパートで彼女と共にいた。サムは彼女からは見えず話しても声は届かない。カールはサムが死んでモリーに近づいていくようになり、モリーは断ったが気分転換の散歩は承諾する。2人が散歩に出かけた後、一人の男がモリーのアパートに侵入して来た。その男の顔を見てサムは驚愕する。それは自分を襲って殺したあの暴漢だったのだ。サムはその男に殴りかかるが空を切るばかり。そこにモリーが帰ってきてしまい、サムは危険を知らせようとするが効果がない。咄嗟にサムはモリーの猫【フロイド】をけしかけて男を追い出し、後を追った。

暴漢の男はそのまま地下鉄に乗り、追跡するサムもそこに乗るが、突然見知らぬ男【サブウェイゴースト】(ヴィンセント・スキャヴェリ)が「ここは俺の縄張りだ!」と襲ってきた。その男もゴーストだったのだ。その場を逃れて、追跡したサムは男のアパートを突き止めた。名前は【ウィリー・ロペス】(リック・アビレス)。アパートを出ると、近くに霊媒師の看板を見つけ、サムは中へ入った。何やらインチキ臭い霊媒師【オダ=メイ・ブラウン】(ウーピー・ゴールドバーグ)が客を相手にしていた。彼女がやっていることは明らかにインチキだったが、サムが声を出すとオダ=メイは反応したのだ。彼女はそのとき初めて霊媒師として才能を開花させた[4]

サムはオダ=メイを1晩中「ヘンリー8世君」[5]を聞かせ続けるという半ば脅迫めいたやり方ではあるが説得し、モリーに会わせた。サムしか知らないことをオダ=メイから言われたモリーは彼女を信じることになる。そしてサムは自分を殺した犯人の名前がウィリー・ロペスだとオダ=メイから彼女に言い聞かせた。

モリーはそのことをカールに話し相談するが、カールはオダ=メイはペテン師だと決め付け信じなかった。しかし、思い直したカールは何処かへ出掛ける。

モリーのアパートから出たカールにサムは付いていくが、それからカールが向かった先はウィリーの住むあのアパートであった。そこでサムは、自分が殺された事件の衝撃的な真相を知る。カールは銀行で、麻薬組織から受け取っていた400万ドルもの不当な金を資金洗浄するという不正を働いていた。だがサムがそれを嗅ぎ付けたことで、カールはウィリーにサムを襲うよう依頼し、結果的にサムは殺されたのだった。

モリーはオダ=メイが詐欺師の前科があることを警察に告げられショックを受ける。その後、自宅でモリーにそれを打ち明けられたカールはそこに付け込み、モリーにキスをしようとする。その場面を見ていたサムはとっさに飛び込み写真立てが崩れ、二人は離れた。

そしてサムはあの地下鉄のゴーストを探し出し、物体を動かす方法を伝授してもらった。人間に触れることはできないが、物体なら動かせるようになる。

サムは再びオダ=メイを訪ねて銀行へ連れて行き、上手く口裏を合わせてカールの架空口座からあの不正の400万ドルを引き出すことに成功。偶然その様子をモリーに目撃されながらも大金を手にして喜ぶオダ=メイだったが、犯罪の金だとサムに一喝され、嫌々ながらもその金の小切手を慈善団体へと寄付したのだった。

一方銀行では、カールが隠していた筈の金が無くなり口座が閉じられていることを知って狼狽していた。このままでは組織に殺されてしまうカールは慌てながらモリーのアパートへと駆け込んだ。そこで偶然、モリーからオダ=メイが銀行で金を引き出していたという話を聞き金が無くなった理由を知ったカールは、すぐさま金を取り戻すべくウィリーと共にオダ=メイらが住むアパートへ向かった。サムの呼びかけで、間一髪2人から身を隠すオダ=メイとその姉妹。そして逆に、カールとウィリーからは見えないサムは物体を動かして反撃し、2人を恐怖の底へ突き落とした。ウィリーはパニックに陥りながら逃げ惑って車道に出てしまい、そのまま乗用車とバスに挟まれ死亡。彼もサムと同じくゴーストとなった。やがて、周りから闇の使者達が現れ、罪を犯したゴーストのウィリーを闇の世界へ引きずり込んで行った。

オダ=メイはモリーのアパートに逃げ込んだが、モリーはオダ=メイがかつて詐欺師として悪事を働き服役までしていたことを知った後であり、オダ=メイの能力をペテンだと思い、再び信じようとしなくなっていた。しかし、サムがかつてモリーに与えた「お守りの1セントコイン」を動かして示したことによりモリーは完全にゴーストのサムの存在とオダ=メイの能力を信じる。事情を理解してもらい警察を呼び待機していたが、「もう1度モリーに触れたい」というサムの言葉を聞いたオダ=メイはサムに自分の肉体を貸す。束の間の時間、モリーとサムは再び触れ合うことができた。

しかし警察が到着するよりも早くカールがモリーのアパートを来てしまった。屋根裏までモリーとオダ=メイを追い詰めるが、姿の見えないサムに反撃され逆に逃げ惑う。そのままカールは、天井から吊るされていた工事用のワイヤーを投げつけて部屋の窓から逃げようとするが、揺れて戻ってきたワイヤーが頭上の窓ガラスを叩き割り、残っていた窓枠のガラスが落下して彼の胸に突き刺さった。絶命しゴーストとなったカールもウィリーと同様、悪事に手を染めたために闇の使者達にさらわれていった。

サムの心残りだったモリーに危険がなくなったことで、サムの元に天国からの迎えが訪れる。ついにモリーはサムのゴーストに会うことができる。サムのゴーストはモリーに対して初めて「愛している」と告げた。彼女の答えは、サムがいつも口にしていた「Ditto(同じく)」だった。サムは、感動の涙を流すモリーと彼を惜しむオダ=メイに別れを告げ、天国へと旅立ってゆくのだった。

キャスト

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 フジテレビ テレビ朝日
サム・ウィート パトリック・スウェイジ 江原正士 堀内賢雄
モリー・ジェンセン デミ・ムーア 高島雅羅 金野恵子 松井菜桜子
オダ・メイ・ブラウン ウーピー・ゴールドバーグ 小宮和枝 今井和子 片岡富枝
カール・ブルーナー トニー・ゴールドウィン 大塚芳忠 鈴置洋孝 家中宏
ウィリー・ロペス リック・アビレス 牛山茂 福田信昭 西凜太朗
地下鉄のゴースト ヴィンセント・スキャヴェリ 吉水慶 青野武 水野龍司
緊急治療室のゴースト フィル・リーズ 峰恵研 中庸助
ローザ・サンティアゴ アンジェリカ・エストラーダ 秋元千賀子
クララ アルメリア・マックィーン 達依久子
ルイーズ ゲイル・ボグス 深見梨加
巡査部長 スティーヴン・ルート 有本欽隆
婦警 ローラ・ドレイク 火野カチコ
オーランド オージー・ブラント 小関一
オーティーシャ ヴィヴィアン・ボネル 片岡富枝
ライル・ファーガソン ブルース・ジャーチョウ 城山堅
銀行の同僚 ウィリアム・コート 秋元羊介
ゴースト J・クリストファー・サリヴァン 幹本雄之
アーセニオ・ホール 小室正幸
ローズ マルティナ・ディーグナン 亀井芳子
タクシードライバー サイード・ファラジ 古田信幸
  • ソフト版吹き替え - VHSDVDBD収録
  • フジテレビ版吹き替え - 初回放送1993年10月2日「ゴールデン洋画劇場
  • テレビ朝日版吹き替え - 初回放送1999年10月24日「日曜洋画劇場」※テレビ放送の際はよくテレビ朝日版が使用される

興行収入

製作予算は22,000,000ドルで、興行収入は世界で約500,000,000ドル[1]1991年世界歴代興行収入上位の映画一覧で最高10位にランクインした。現在でも、ロマンス・ファンタジー映画の興行収入では、1位になっている[要出典]

リメイク

2010年、当作品に着想を得たアジア版『ゴースト』の制作が発表された。松嶋菜々子と、韓国ドラマ『秋の童話』や『エデンの東』に主演する俳優ソン・スンホンとの共演で、6月クラインインで2010年秋公開[6]

舞台化

2011年7月に、『ゴースト・ザ・ミュージカル(原題:Ghost the Musical)』として、イギリスピカデリー劇場で上演。2012年4月からは、アメリカブロードウェイネダーランダー劇場にて上演されることが決定している。[7][8]

日本

キャスト

スタッフ

  • 演出:吉川徹
  • 脚色:砂本量
  • 音楽:玉麻尚一
  • 振付:西祐子
  • 美術:堀尾幸男
  • 照明:高見和義
  • 音響:山本浩一
  • イリュージョン:アンギュラ
  • アクション:渥美博
  • 衣装:宇野善子
  • 特殊メイク:馮啓孝
  • ヘアメイク:片山昌子
  • 演出助手:小川美也子
  • 舞台監督:二瓶剛雄
  • 照明チーフ&ムービング:山本義徳

その他

脚注

  1. ^ a b c d Ghost (1990)” (英語). Box Office Mojo. 2010年3月30日閲覧。
  2. ^ 歴代ランキング - CINEMAランキング通信” (2014年9月29日). 2014年10月5日閲覧。
  3. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)504頁
  4. ^ ちなみに、彼女の祖母と母には生来霊媒の能力があった。
  5. ^ ハーマンズ・ハーミッツにより全米1位を獲得した曲。
  6. ^ あの名作が松嶋菜々子&ソン・スンホン共演で蘇る!アジア版『ゴースト』今秋公開
  7. ^ 舞台版「ゴースト」、来年4月にブロードウェイで上演へロイター通信、2011年8月24日)
  8. ^ 『ゴースト/ニューヨークの幻』ミュージカル、ブロードウェイ進出!「RENT」のネダーランダー劇場で(シネマトゥデイ、2011年8月24日)

関連項目

外部リンク