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=== 刊行予定 ===
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== 参考文献 ==
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2012年12月29日 (土) 16:03時点における版

米澤 穂信
(よねざわ ほのぶ)
ペンネーム 米澤 穂信
(よねざわ ほのぶ)
誕生 1978年????
日本の旗 日本岐阜県
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 学士
最終学歴 金沢大学文学部卒業
活動期間 2001年 -
ジャンル ミステリ
推理小説
日常の謎
学園小説
ライトノベル
代表作〈古典部〉シリーズ
『さよなら妖精』
主な受賞歴 第5回角川学園小説大賞奨励賞(2001年2011年
第64回日本推理作家協会賞2011年
デビュー作 『氷菓』
公式サイト 汎夢殿
ウィキポータル 文学
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米澤 穂信(よねざわ ほのぶ、1978年 - )は、日本小説家推理作家岐阜県出身。2007年現在、東京都に在住している。岐阜県立斐太高等学校金沢大学文学部卒業。男性。陸上日本記録保持者の小林史和とはクラスメイト。

略歴

物心ついたころから漠然と作家業を志すようになり、中学2年生あたりからオリジナルの小説を書き始めた。金沢大学文学部の2年生から、ウェブサイトでネット小説サイト「汎夢殿」(はんむでん)を運営し、作品を発表し始める(デビューが決まった後「汎夢殿」は一旦閉鎖され、これら作品は現在読むことができない[1])。様々な種類のエンターテイメント作品を書いていたが、大学時代に北村薫の『六の宮の姫君』(東京創元社1992年)を読み、ミステリーへの方向性を決める[1]

大学卒業後も、「2年間だけ小説の夢にチャレンジしたい」と両親を説得して、岐阜県高山市で書店員をしながら[2]執筆を続ける。そして2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞してデビュー。この賞に応募した理由として、ライトノベルとミステリーの組合せに未来を感じたこと[3]と、そして、別の賞の締切りに遅れてしまったこと、のふたつをあげている。『〈古典部〉シリーズ』である『氷菓』が角川スニーカー文庫内に新たに立てられた「スニーカー・ミステリ倶楽部」の第1回配本として、続いて『愚者のエンドロール』が刊行されるも売上げが延びず、それ以上本が出せない状態となった。

苦境に陥ったが、推理作家の笠井潔の推薦もあって[4]、推理小説に強い東京創元社から『さよなら妖精』が出版される運びとなる。2005年版の『このミステリーがすごい!』(以下「このミス」、宝島社)の国内部門で20位となり、米澤穂信の名を広く世に広める結果となった本作は、現在なお代表作であると目されている。

他にも『このミス』では、2006年版では『犬はどこだ』で8位、2007年版では『夏期限定トロピカルパフェ事件』で10位・『ボトルネック』で15位、2008年版では『インシテミル』で10位、2010年版では『追想五断章』で4位・『秋期限定栗きんとん事件』で10位と、近年では毎年、トップ20以内に作品がランクインしている(2009年版では、対象期間内に新作が無かったためランクインせず)。また、『このミス』2010年版では、作家別投票第1位にランクインした。2012年よりミステリーズ!新人賞の選考委員をつとめている。

文学賞受賞・候補歴

  • 2001年 - 『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞。
  • 2007年 - 『心あたりのある者は』で第60回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。
  • 2008年 - 『インシテミル』で第8回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。
  • 2010年 - 『追想五断章』で第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、第10回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。
  • 2011年 - 『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、第11回本格ミステリ大賞(小説部門)候補、第24回山本周五郎賞候補。

作風

殺人事件などではなく、北村薫を潮流とする「日常の謎」を扱った、青春ミステリと呼ばれるジャンルの作品を主に発表している。作風が地味だという声もあったが、その端正な文体と登場人物に対する巧みなキャラクター設定により、特に若い世代に支持を広げている。米澤は自著について、作品群に通底するテーマは「全能感」であり、思春期における全能感の揺れ動き、変化していく過程を書いてきたと述べている[5]

近年では、「青春ミステリ」の語から連想される「爽やかさ」とは遠い作品も発表している(作者自身読者の反応が「結構不安」だったという『ボトルネック』や、「不穏当かつ非倫理的な」事件が起こる『インシテミル』など)。

作品

〈古典部〉シリーズ

  • 氷菓(2001年11月 角川スニーカー文庫 / 2006年 角川文庫
  • 愚者のエンドロール(2002年8月 角川スニーカー文庫 / 2007年 角川文庫)
  • クドリャフカの順番(2005年6月 角川書店 / 2008年5月 角川文庫)
  • 遠まわりする雛(2007年10月 角川書店 / 2010年7月 角川文庫)
  • ふたりの距離の概算(2010年6月 角川書店 / 2012年6月 角川文庫)

〈小市民〉シリーズ

  • 春期限定いちごタルト事件(2004年12月 創元推理文庫
  • 夏期限定トロピカルパフェ事件(2006年4月 創元推理文庫)
  • 秋期限定栗きんとん事件(2009年3月 創元推理文庫)

〈S&R〉シリーズ

その他の小説

  • さよなら妖精(2004年2月 東京創元社 / 2006年6月 創元推理文庫)
  • ボトルネック(2006年8月 新潮社 / 2009年9月 新潮文庫
  • インシテミル(2007年8月 文藝春秋 / 2010年6月 文春文庫
  • 儚い羊たちの祝宴(2008年11月 新潮社 / 2011年7月 新潮文庫)
    • 身内に不幸がありまして / 北の館の罪人 / 山荘秘聞 / 玉野五十鈴の誉れ / 儚い羊たちの晩餐(書き下ろし)
  • 追想五断章(2009年8月 集英社 / 2012年4月 集英社文庫
  • 折れた竜骨(2010年11月 東京創元社ミステリ・フロンティア)
  • リカーシブル(2013年1月発売予定 新潮社)

単行本未収録作品・連載中作品

連載

読切

  • 失礼、お見苦しいところを(『ユリイカ2007年4月号、青土社)※ベルーフシリーズ
  • 音楽がなければ生きられない(『読売新聞夕刊』2007年11月10日発行号)
  • 恋累心中(『ミステリーズ!』2007年12月号、東京創元社)※ベルーフシリーズ
  • 川越にやってください(『ミステリマガジン』2008年1月号、早川書房
  • 連峰は晴れているか(『野性時代』2008年7月号、角川書店)※古典部シリーズ
  • 青田買い(『ビッグイシュー日本版』2009年1月15日発行号)
  • 柘榴(『小説新潮』2010年9月号、新潮社)
  • 軽い雨(『オールスイリ2010』、文藝春秋)
  • 死人宿(『小説すばる』2011年1月号、集英社)
  • 馬辺里探訪(『小説新潮』2011年1月号、新潮社)
  • 万灯 まんとう(『小説新潮』2011年5月号、新潮社)
  • 名を刻む死(『ミステリーズ!』2011年6月号、東京創元社)※ベルーフシリーズ
  • 茄子のよう(『オール讀物』2011年7月号、文藝春秋)
  • 913(『小説すばる』2012年1月号、集英社)
  • 一続きの音(『小説新潮』2012年5月号、新潮社)
  • 下津山縁起(『別册文藝春秋』2012年7月号、文藝春秋)
  • 鏡には映らない(『野性時代』2012年8月号、角川書店)※古典部シリーズ

アンソロジー

  • Do you love me?(『犯人は秘かに笑う』に収録)
  • リカーシブル―リブート(『Story Seller 2』に収録)
  • 満願(『Story Seller 3』に収録)
  • 怪盗Xからの挑戦状(『探偵Xからの挑戦状! 3』に収録)
  • ナイフを失われた思い出の中に(アンソロジー『蝦蟇倉(がまくら)市事件 (2) 』〈2010年2月 東京創元社)※ベルーフシリーズ

刊行予定

[6]

参考文献

脚注

  1. ^ a b 「Long Interview:豊穣の地で学びたい」『野性時代』7月号(vol.56)、角川書店2008年6月、p.18
  2. ^ 「ボトルネック」を書いた:米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)さん
  3. ^ 畢生の十周年企画 100の質問「Q25:ミステリの第一線で活躍なされている米澤先生ですが、なぜライトノベル系列の新人賞に応募されたのですか?」
  4. ^ 同時に、桜庭一樹も推薦された。米澤穂信、笠井潔対談「ミステリという方舟の向かう先:「第四の波」を待ちながら」『ユリイカ』第39巻第4号、2007年、p.92
  5. ^ 米澤穂信、笠井潔対談「ミステリという方舟の向かう先:「第四の波」を待ちながら」『ユリイカ』第39巻第4号、2007年、p.77
  6. ^ 著者公式サイト『汎夢殿』予定情報一覧

外部リンク

著者