「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」の版間の差分
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:アルヌス協同組合の食堂で働くヴォーリアバニー。フォルマル伯爵家の密偵であったが、テューレの策略により紀子殺害の命を実行するも失敗する。 |
:アルヌス協同組合の食堂で働くヴォーリアバニー。フォルマル伯爵家の密偵であったが、テューレの策略により紀子殺害の命を実行するも失敗する。 |
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;ディアボ |
;ディアボ |
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:ゾルザルの弟、ピニャの兄に当たる、帝国の第二皇子。ゾルザルと違い、知性派を自認している |
:ゾルザルの弟、ピニャの兄に当たる、帝国の第二皇子。ゾルザルと違い、知性派を自認している。 |
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:確かに人並み以上の知性は持っているが、人としての器量は小者で、頭脳も、本人が思っているほど切れるわけではない。 |
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:ゾルザルのクーデターにより帝都を脱出し、アルヌスに潜伏。『門』閉鎖後はアルヌスの知事 |
:ゾルザルのクーデターにより帝都を脱出し、アルヌスに潜伏。『門』閉鎖後はアルヌスの知事となる。 |
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;メトメス |
;メトメス |
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:ディアボの従者。それなりに忠実。 |
:ディアボの従者。それなりに忠実。 |
2012年6月23日 (土) 03:02時点における版
ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり | |
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ジャンル | ファンタジー |
小説 | |
著者 | 柳内たくみ |
イラスト | Daisuke Izuka |
出版社 | アルファポリス |
巻数 | 全5巻 |
テンプレート - ノート |
『ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり』(ゲート じえいたいかのちにてかくたたかえり)は、柳内たくみのファンタジー小説。
2006年4月から2009年6月にかけて、『自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』として投稿小説サイト「Arcadia」で連載されたのち、2010年にアルファポリスから単行本化された。第1・2巻は当初の連載版に比べて政治批判など一部の表現をやわらげた「弱毒版」(これも投稿されていた)であり、第3巻についても大幅な書き直しがなされた。
当初の予定では第3巻で完結の予定[1]であり、結果的に第4巻まで延長されたが、作中で起こる内容が東日本大震災を連想させるため、配慮して第5巻を出す形に加筆が施された[2]。第5巻刊行時点でシリーズ累計20万部を突破している[3]。
本編とは別に『湯煙温泉編』『商売繁盛編』と称された外伝も存在し、単行本には収録されていないが、「Arcadia」においてサイト管理者の了解を得たうえで掲載されている(『商売繁盛編』は未完)。
2011年7月よりアルファポリスwebサイト上にて竿尾悟の作画によるコミカライズ版がwebコミック形式で連載されている。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
あらすじ
20××年8月、東京・銀座に突然開いた『門(ゲート)』から中世ヨーロッパの騎士のような姿をした異世界の軍勢が出現、多数の民間人を殺傷した。所謂「銀座事件」である。
事件発生から7日後に敵勢力を撃退し異世界側の『門』を占拠した日本政府は、『門』の向こう側の世界を「特別地域」略して「特地」と呼び、その実態調査と事件の再発防止のために自衛隊を派遣、特地側の『門』を確保する。年期の入ったオタクであり、銀座事件での活躍(その動機は「このままだと夏の同人誌即売会が中止になってしまう!」というものだったが)により二等陸尉に昇進した伊丹耀司は偵察隊を率いて特地の奥深くへと進出し、そこで炎龍の被害を調査したことがきっかけで3人の美少女(魔法使い、ハイエルフ、亜神)と関わりを持つ。
銀座事件の当事者である「帝国」に対して日本政府は補償を求めるが、人権や国際法といった概念を持たない相手との交渉は難航し、『門』のこちら側でも自衛隊の「侵略」に対する反対運動や特地の権益を狙う他国からの干渉などが起きる。
一方、自衛隊の橋頭堡の近くにはドラゴンに襲われた村からの避難民たちが住み着き、自衛官たちとの交流を通じて日本(地球)の文明や文化が特地に広まっていく。
登場人物
地球
自衛隊関係者
第3偵察隊メンバー
- 伊丹 耀司(いたみ ようじ)
- 主人公。33歳で自衛隊二等陸尉、元第3偵察部隊隊長、現特地資源状況調査担当。モットーは「喰う寝る遊ぶ、その合間にほんのちょっと人生」。
- 銀座事件の際に逃げ惑う人々を誘導し数千もの人を救った功績から、三等陸尉から昇進した。炎龍討伐成功の報酬としてエルベ藩王国から卿の称号を貰い、ダークエルフ族から人頭大のダイヤモンド(ロゥリィとレレイとダークエルフ族の呪い付き)とヤオの身、特地各地から多数の感謝状を贈られている。しかしその際、命令を無視し部下を置いて討伐へ向かったため、第3偵察部隊隊長の任を罷免されている。
- オタクであり勤務態度は不真面目だが、レンジャー徽章を取得しており、特殊作戦群に所属していたこともあり軍人としては優秀。なお特殊作戦群にいたときに自分の趣味を布教したためコードネームと作戦名などにその影響がみられる(伊丹のコードネームはアベンジャー)。
- 咄嗟の判断力に優れ、機転が利く。また、仲間の為にルールを破れる人間である。ただし「こんな奴、よくも幹部にしたものだ」「オタク」「ホントの意味での月給泥棒」「反戦自衛官の方が主張したいことが解るだけマシ」と身近な知り合い以外からの評価は低い。危機察知能力が高く逃走能力も特殊作戦群でも捕まえられないほど高い。
- ロゥリィと契約したことで負傷した傷をロゥリィが肩代わりしてもらえる(ただし殺されれば死ぬ)。
- 様々な戦果を残したことで他国からルテナント・イタミと呼ばれ特戦の情報操作も手伝って過大評価されている。
- 昔結婚していたが今は離婚している。割と女性からの評価は高く『亜神』『魔導師』『エルフ』『ダークエルフ』『皇女』から好意を持たれている。
- 栗林 志乃(くりばやし しの)
- 第3偵察隊所属。24歳。女性。二等陸曹。近接格闘が得意(格闘徽章を持つ)で割と戦闘狂な面があり、作中でも武勇伝を積み重ねている。巨乳。
- 身長が自衛隊合格基準(150cm)未満だが、色々誤魔化して入隊した。伊丹のオタク趣味を快く思っていないが仲が悪いわけではない。レンジャー徽章と特戦に憧れている。
- 富田に告白して振られたが諦めてはおらず、『門』の封鎖にも構わず最期まで戦い続ける事を選んだ。
- 富田 章(とみた あきら)
- 第3偵察隊所属。27歳。二等陸曹。レンジャーと空挺徽章両方を取得している。
- ボーゼスのような女性が好みのタイプで、作品が進むうちに交際に発展、結婚まで意識するようになる。
- 『門』が閉じた後も特地に残る。
- 倉田(くらた)
- 第3偵察隊所属。21歳。三等陸曹。高機動車ドライバーで高い技術を持つ。北海道名寄駐屯地から招集された。猫耳萌(ケモノ系萌)。
- 先輩である伊丹とはおたく話で盛り上がる仲。フォルマル家のメイドに気がある。
- 古田(ふるた)
- 第3偵察隊所属。陸士長。元板前。自分の店を持つのが夢で、開店資金を稼ぐために自衛官になった、という異色の経歴の持ち主。
- 特地においてはその技量を発揮して多くの人を喜ばせてきたが、潜入活動中ゾルザルに気に入られて、彼の下で調理人として雇われることになる。
- 桑原
- 第3偵察隊所属。50歳。陸曹長。軍歴が長く経験豊富で、伊丹不在時の実質的リーダー格。最近孫が生まれた。
- 黒川 茉莉(くろかわ まり)
- 第3偵察隊所属。23歳。女性。二等陸曹。看護資格を持っており、救出活動における主幹人員である。身長190cmと長身。お淑やかな口調だが割と毒舌。
- 伊丹の入院を機に自衛隊中央病院に務める事となり、『門』封鎖より4年後は看護師長を任されている。
- 仁科
- 第3偵察隊所属。一等陸曹。
- 笹川
- 第3偵察隊所属。陸士長。写真撮影が趣味。
- 勝本(かつもと)
- 第3偵察隊所属。三等陸曹。少し軽薄で軽い性格。炎龍の腕を破壊した。
特殊作戦群隊
ライダーの本名は劇中未表記。なお、伊丹も特殊作戦群所属時にアベンジャーのコードネームを持っていた。
- 出雲 / キャスター
- 特殊作戦群隊長。色々あり伊丹を少し恨んでいる。
- 剣崎 / セイバー
- 特殊作戦群隊員。三等陸尉。フランクだが職務には忠実。
- 的射 / アーチャー
- 特殊作戦群隊員。三等陸尉。コードネーム通り高い狙撃技術を持つ。
- 忍野 / アサシン
- 特殊作戦群隊員。コードネーム通り帝国兵を一瞬で暗殺した。
- ライダー
- 特殊作戦群隊員。
- 槍田 / ランサー
- 特殊作戦群隊員。剣崎たちと帝都に侵入した。
- 赤井弓人 / アーチャー
- 特殊作戦群隊員。番外編に登場、勘が鋭い。
その他
- 健軍(けんぐん)
- 第4戦闘団隊長。一等陸佐。騎士団のヴィフィータと交際する。
- 神子田
- 航空自衛隊からの出向組。二等空佐。パイロットとして、愛機F-4ファントムIIを操り空を舞う。
- パイロットとしては超ベテランであり飛行時間も千の単位。ドラゴンとチキンランをする等少々無鉄砲な性格。
- 久里浜
- 航空自衛隊からの出向組。二等空佐。神子田のコ・パイロットであり、その精密な管制はコンピュータとすら評される。
- いつでも冷静に物事を観察しており、熱くなりがちな神子田にブレーキを掛ける役割も持つ。
- 狭間
- 特地方面派遣部隊指揮官。陸将。東京大学の哲学科を卒業後、二等陸士から昇進を重ねた自衛官。座右の銘は「叩き上げ」。
- 帝国内に日本人が連れ去られ奴隷化されていたことが判明すると元老院への爆撃を命じたり、独断で炎龍退治に向かった伊丹を救出するために部隊を派遣するなど大胆な行動をとる。
- 『門』が閉じるとき将校として特地側に残る事を選択する。
- 柳田(やなぎだ)
- 特地方面派遣部隊幕僚。二等陸尉。防衛大学を優秀な成績で卒業し、日頃の言動にエリート意識が漂い鼻につく。ただ、東大を落ちており、学歴・キャリア・実務能力・兵士としての力量全てにおいて上である狭間陸将には妬みを抱きつつも頭が上がらない。
- デリラに暗殺されかけた紀子を救おうとして大怪我を負ったが、後に裁判を経たデリラの介護のもと回復を果たす。
政治家
- 菅原 浩二(すがわら こうじ)
- 外務省官僚。帝国と交渉するために特地に派遣される。
- 真珠を贈った事でシェリーに好かれる。外交官として公私混同を避けようとするものの、伊丹のゾルザル暴行を容認したり、掃除夫にシェリーが捕まりそうになった時に同僚の制止を振り切って助けたりと、悩んだ末に規則を逸脱してしまう。
- 『門』が閉じた時に政治家として特地側に残る。
- 本位(もとい)
- 本編開始時点での内閣総理大臣。
- 特地からの「賓客」を引き渡すようディレル大統領に圧力を受け、密約を結ばされるが、直後に総辞職することによって密約を葬り去り信頼する嘉納に後を託した。
- 森田(もりた)
- 辞任した本位の後を継いだ総理大臣。事なかれ主義で、物事を深く考えていない様に見える為、周囲から不安視されている。
- 最終的には中国の思惑により『門』の管理を諸外国に売り渡そうと目論むが、嘉納の手によって失脚する。
- 嘉納 太郎(かのう たろう)
- 本位内閣防衛大臣兼務特地問題対策大臣→森田内閣外務大臣→内閣総理大臣。漫画好きで「閣下」の通称を持ち、伊丹とも古くからの友人。日本のために尽力する。
- 長倉(ながくら)
- 名前のみ登場。『門』封鎖より4年後に内閣総理大臣を務めていた人物。
- 夏目(なつめ)
- 防衛大臣。嘉納が引退した後、保守党の党首となる。
公安
- 駒門(こまかど)
- 警察。腰を痛めて杖を突いている。
マスコミ
- 肥田木(ひだぎ)
- テレビ局社長。森田総理と関係が深い。
- トゥーレン・ホゥナのハニートラップによる枕営業に手を染めており、森田総理の失脚に合わせて児童買春の現行犯で逮捕された。
- 古村崎 哲朗(こむらざき てつろう)
- ジャーナリスト。広告代理店や各国に牛耳られるマスコミの中で自由に報道するために、ありとあらゆる事に対し否定的に報道する。学生時代は全共闘運動に参加していた。
- マスゴミを代表するような人物と思われていたが、後輩に対し助言を与えるなど一定の配慮を見せる。
- 栗林 菜々美(くりばやし ななみ)
- ジャーナリスト。古村崎の後輩であり、自衛隊の栗林志乃の妹。
- 砂川
- カメラマン。
民間人
- 梨紗(りさ)
- 伊丹の元妻で売れない同人作家。
- 高校の先輩でもあり、安定収入がある伊丹に「食べさせてもらう代わりに」結婚を申し込み、伊丹もそれに応じて夫婦となったが、銀座事件を切っ掛けにすれ違いが表面化し離婚した。それ以降も友人に近い形で付き合いを続けている。
- 望月 紀子(もちづき のりこ)
- 帝国の日本偵察員に拉致され、以後ゾルザルの奴隷とされていた所を伊丹によって救出される。
- 家族は銀座事件で死亡、同時に拉致された恋人は奴隷として売られ落盤事故で死亡している。
- テューレの策略により命を狙われるが、柳田によって助けられる。
- 古村崎に出会い、彼に対する反感から正しい情報を発信していこうと決意する。
- 漆畑教授(うるしばた -)
- 宇宙生物学を研究している。
- 白位博士(しらい -)
- 博士。
- 養鳴教授(ようめい -)
- 東大出身。
各国首脳・関係者
- ディレル
- アメリカ合衆国大統領。資本主義経済の下、特地から得られる利益と資源を狙って様々な工作を仕掛ける。
- 董 徳愁(とう とくしゅう)
- 中華人民共和国国家主席。膨れ上がった人口やエネルギー需要を解消する為、特地に移民を送りたがっている。
- ジェガノフ
- ロシア連邦大統領。特地からの資源流入によるロシアの発言力低下を恐れている。
- 劉(りゅう)
- 董の命令で活動する男。人民を操作して『門』の独占・破壊を目論んだが、蟲獣に食い殺された。
- 鈴芳香(りん ほうか)
- 中国の女性工作員。正規の軍人ほど戦闘力はないが、語学力などに優れる。
- トゥーレン・ホゥナ
- 10代、表向きは東アジアのスーパースターだが実態はハニートラップ要員。
- ジェイキンズ
特別地域
アルヌス
自衛隊協力者
- テュカ・ルナ・マルソー
- ハイエルフの娘、見た目は10代だが年齢は165歳。金髪碧眼。弓と竪琴が得意。音楽の神ルナリューを信仰している。
- コダ村に近い森の中のエルフの村で父親と暮らしていたが、村は火龍に滅ぼされ、彼女だけが生き残って伊丹たちに助けられる。伊丹に好意を持っている。火龍の襲撃のショックで精神が錯乱し、父が死んだのを信じられずに伊丹を父と認識した。
- その後炎龍を倒した事により回復するも、未だにクセが抜けず伊丹のことをお父さんと呼んでいる。
- レレイ・ラ・レレーナ
- コダ村に住むカトー老師のもとで魔法を学んでいた15歳の少女(3巻以降は16歳)。銃器の原理を独力で理解し、日本語を短期間で習得、ノイマン効果を利用した魔法の開発、自動車運転をマスターするなど頭脳明晰。
- 基本的に無表情で冷静だが、伊丹に近寄る女性に嫉妬したり、対炎龍戦では饒舌になったりと無感情というわけではない。
- 元々通訳・魔導士など、様々な形で自衛隊側・特地側双方で一目置かれる存在だったが、ハーディの思惑によって日本と特地の運命を左右するキーパーソンにまで押し上げられることになる。
- ロゥリィ・マーキュリー
- 死と断罪の神エムロイに仕える亜神(人の肉体を持ったまま、神としての力を得た存在)。見た目は10代前半だが961歳であり、不老不死。ゴスロリに似た黒い神官服を身にまとい、大人が数人で抱えるようなハルバードを振り回して戦う。伊丹に興味と好意を併せ持っており、彼を誘惑したりする。
- 普段の言動は所謂ギャルだが、自分の仕事や信条には非情なまでに忠実であり、価値観は常人と大きく異なる。戦闘能力は非常に高く、ジゼル曰く自分と新生龍2匹が束になって互角。
- 特地の兵士は勿論のこと米中露の特殊工作員の集団を軽々と殲滅することができ、実質個人単位では最強クラス。ハーディに求愛されているが迷惑に思っている。
- ヤオ・ハー・デュッシ
- 外見は30歳前後に見える肉感的な美人ダークエルフ。315歳。
- 伊丹たちが手負いにした火龍に居住地を襲われたため、(そうとは知らずに)集落の代表として伊丹たちに火龍退治を依頼しに来た。夫とは結婚してまもなく死別し、その葬式で言い寄られた男も事故死、それなのに自分が取り仕切った友人の結婚式の余興のくじで1等を引く等とんでもなく薄幸。
- 休眠期の炎龍を起こしたのがハーディの部下のジゼルと知り、信仰する神をロゥリィに改宗し、ヤオ・ロゥ・デュッシと改名する。
- 書類上では伊丹の炎龍退治の功績として彼の所有物となっている。
- ロウリィからもらった5円玉をお守りとして大事にしており、本人曰く「5円玉をもらってから嫌なことが起きにくくなっている」らしい。後に500円玉などを用いたお守りも自作している。
アルヌス協同組合
- カトー
- 魔導師中の魔導師と呼ばれている戦闘魔法の大家、レレイの師匠。組合の幹部。
- デリラ
- アルヌス協同組合の食堂で働くヴォーリアバニー。フォルマル伯爵家の密偵であったが、テューレの策略により紀子殺害の命を実行するも失敗する。
- ディアボ
- ゾルザルの弟、ピニャの兄に当たる、帝国の第二皇子。ゾルザルと違い、知性派を自認している。
- 確かに人並み以上の知性は持っているが、人としての器量は小者で、頭脳も、本人が思っているほど切れるわけではない。
- ゾルザルのクーデターにより帝都を脱出し、アルヌスに潜伏。『門』閉鎖後はアルヌスの知事となる。
- メトメス
- ディアボの従者。それなりに忠実。
- ガストン・ノル・ボァ
- 料理長。少々利己的。
- メイア
- アルヌス協同組合で働く、キャットピープル。
- ウォルフ
- ワーウルフの傭兵。
- テュワル
- ミューティ・ルナ・サイレス
- 番外編に登場。元は傭兵だったが紆余曲折を経て盗賊になった。
- トラウト
- 番外編に登場。商人、妻に頭が上がらない。
帝国関係者
「騎士団」メンバー
- ピニャ・コ・ラーダ
- 「帝国」の第三皇女。19歳。美少女。モルトの5番目の子供。趣味で同世代の貴族の子女を集め、自前の騎士団を結成している。
- イタリカ防衛戦で自衛隊の実力をいち早く認識させられ、和平交渉の仲介役を引き受ける。梨紗の部屋で目撃した、日本のある「特殊な芸術」に傾倒しいてる。部下に残酷な命令を出すこともあるが皇族としての義務感が強く慕われている。伊丹の軍人としての能力を信頼しており、また梨紗とのパイプとしても利用している。
- ゾルザルに対抗する為、モルトによって皇太女に据えられた、当初は乗り気ではなかったがシェリーの説得でイタリカに帝国正統政府を開府する。
- ハミルトン・ロー
- ピニャの騎士団に所属する。ピニャの秘書。
- ボーゼス・コ・イグルー
- ピニャの騎士団に所属する、お嬢様然とした女性。ピニャに対して忠誠を立てており、無謀な状況でも彼女を助けようと単騎敵地に乗り込んだ。
- とある理由で伊丹を籠絡するよう命じられるが、失敗。その後富田と交際し、妊娠する。
- ヴィフィータ・エ・カティ
- 騎士団に所属。男勝りで情に厚い性格。健軍と交際する。
- パナシュ
- 騎士団に所属する、見た目が男装の麗人でボーゼスと比べれば落ち着いた性格。伊丹を籠絡するよう命じられる。
- グレイ・コ・アルド
- 歴戦の騎士。騎士団の中では数少ない男性。
- シャンディー・ガフ・マレア
- ミーハーな性格。伊丹を籠絡する任務を受け、当初は乗り気では無かったが、炎龍を退治して英雄になった伊丹に好意を持つ。後に笛吹男に操られレレイを暗殺しようとした。
講和派
- モルト・ソル・アウグスタス
- 「帝国」の皇帝。
- 帝国の領土拡大を狙い、『門』を越えて日本に出兵を試みる。出兵が失敗し、逆に自衛隊が『門』を越えてくると、連合諸王国軍を結成して自衛隊と戦わせることによって周辺諸国に対する帝国の優位を保とうとする。
- ゾルザルのクーデターにより意識不明に陥るも、伊丹らによって救助され、ピニャを皇太女に任命する。
- マルクス
- 帝国の内務相である伯爵。モルトの腹心。
- カーゼル
- 帝国の名門貴族。ゾルザルのクーデター後は粛清の対象になるが自衛隊に救出される。
- キケロ
- 帝国の名門貴族。ゾルザルのクーデター後は粛清の対象になるが自衛隊に救出される。
- シェリー・テュエリ
- テュエリ家の令嬢。12歳。12歳の少女とは思えぬ程に知略に富んでいる。
- 外交パーティの席で真珠のネックレスをプレゼントされて以来、菅原に対して好意を抱き婚約を迫っていた。しかし実際は領地も持たない自家を隆興するためだったのだが、翡翠宮で助けられた事から本当に菅原への好意を抱いている。
- 『門』の封鎖より4年後は、伯爵夫人として駐日帝国大使に就いている。
主戦派
- ゾルザル・エル・カエサル
- 皇帝の第1子で、ピニャの腹違いの兄。傲慢な性格で日本との主戦論者。
- 次代の皇帝の座を狙いクーデターを実行、講和派を投獄・処刑し議会を掌握する。実際はテューレの傀儡になっている。
- ボルホス
- 帝国の将軍。部下からの信頼が高く真面目で愚直。
- ヘルム
- 帝国の将軍。元騎士団。
- カラスタ
- 帝国の将軍。
- ミュドラ
- 帝国の将軍。
- ポダワン
- 帝国の将軍。デュランに殺される。
- アブサン
- 帝権擁護委員部『オプリーチニナ』。あまり快く思われていない。
- テューレ
- ウォーリアバニーの族長。
- 国を滅ぼさない身代わりとしてゾルザルの奴隷となるも、彼女の知らぬ所で約束は反故にされる。そのため仲間からは国を売った裏切り者と言われている。
- 自分の目の前で紀子が救出されたことに嫉妬し、帝国や日本を含めて人間を恨み、全員を不幸にしようと画策するが、その最中で古田に惹かれる。
イタリカ
- ミュイ・フォルマル
- フォルマル伯爵家令嬢。年の近いシェリーと仲良くなる。
- 老メイド
- ヒト種、フォルマル伯爵家メイド長。
- ペルシア
- キャットピープル、フォルマル伯爵家のメイド。
- アウレア
- メドゥサ、フォルマル伯爵家のメイド。
帝都悪所街
- ミザリィ
- 翼人種の娼婦。自衛隊の協力者
- レットー
- 番外編に登場。ヒト種とワーウルフの混血。リーダー格。
- エッド
- 番外編に登場。サブリーダー。
- シャープス
- 番外編に登場。一番の下っ端。
その他の人物
- デュラン
- エルベ藩王国国王。
- 連合諸王国軍の一員としてアルヌスの丘に攻撃を仕掛けるが、自衛隊に壊滅させられ、自らも手足を失う重傷を負う。自衛隊に関する情報を聞き出そうとするピニャに「帝国」への恨み言をもって応じる。
- 消息不明となった際に息子に奪われた国政を取り戻すため、金銀銅などの貨幣に使用する金属以外の地下資源と関税特権の交換条件で、自衛隊に協力を要請した。
- ジゼル
- 冥府の王ハーディに仕える亜神。龍人族出身。見た目は20代だが年齢が400歳を超えている。白いゴスロリを着崩しているため臍とか肩が隠せていない。大鎌が武器。
- ハーディにローリィ捕縛を命じられる。そのために眠っていた炎龍を起こし、水龍とつがいにして生まれた新生龍2匹を手懐けた。新生龍2匹を従えてロウリィに挑むも、75式自走155mmりゅう弾砲とF-4、AH-1と74式戦車によって新生龍が一瞬にして倒されたのを目撃し、勝機なしと判断し逃走する。
- アルペジオ・エル・レレーナ
- レレイの義姉。レレイとは正反対の性格。鉱物魔法を使う。
- 笛吹男(バイパー)
- 暗殺者。特殊な手口で標的を殺害する。
特地の神
特地では信仰する神の名前の始めをミドルネームにする文化があり、地球側と違い宗教による対立はない。ハーディ以外の神は劇中には登場せず、名前のみ挙げられている。
- ハーディ(冥府の神)
- 特殊な性癖を持っていてロゥリィに求愛している。銀座と特地を結ぶ『門』を作り出した、意外と気さくだが自分勝手な性格で魂をコレクションしている。レレイに『門』を作り出す能力を与えた。使徒はジゼル。
- エムロイ(暗黒神)
- 死と断罪と狂気と戦いを司る。使徒はロゥリィ。
- パラパン(復讐の神)
- デルトード(盟約の神)
- エルランとラー(学問の神)
- 亜神の頃にロンデルを作った。
- ルナリュー(音楽の神)
- ミリッタ
unknown
- 蟲獣(ちゅうじゅう)
- 地球や特地とはまた別の『門』により繋がった異世界に棲む、人間の背丈ほどの蟲の姿をした怪物。カマキリ型・ゴキブリ型など様々な種類が存在し、数が多いうえに個々の戦闘力も高い。
種族
- ヒト種
- 特地側の人間。一番勢力がある種族で人数が多い。
- エルフ
- ファンタジーに出てくるエルフに似た種族、寿命が長い。
- ダークエルフ
- ファンタジーに出てくるダークエルフに似た種族、エルフと違い褐色の肌を持つ。
- ドワーフ
- ファンタジーに出てくるドワーフに似た種族、小柄だが剛腕。
- ヴォーリアバニー
- ウサギに似た耳を持つ亜人。アマゾネスのような生態系をしている。
- キャットピープル
- 猫に似た亜人。高い身体能力を持つ。
- メデュサ
- ギリシャ神話のメドゥーサによく似た種族。
- 龍人属
- 翼があり飛行能力がある。作中の描写では龍を使役するのに優れた一面を見せている。
- 六肢族
- 二対四本の腕と高い臂力を持つ。
- ゴブリン
- 小柄な亜人、野蛮な人間をゴブリンに例えられることから特地での評価はあまり高くない。
- オーク
- 巨大な獣人。棍棒の一振りで人間を押し潰すほどの力を持つ。
- 亜神
- 不死身の肉体と超人的な身体能力を持ち、転生して1000年位で寿命を終えると神となる。特地では畏怖される存在で、人間がなるのは稀。外見は亜神になった時の姿で固定され、幾ら時を経ても外見が老いることは無い。
用語
- 『門(ゲート)』
- 銀座と特地を結ぶ、文字通りの『門』。ハーディが作り出したとされている。
- 特殊作戦群
- 実在する自衛隊の精鋭部隊。対テロ・ゲリラ作戦を主眼に置いた運用がなされているが、劇中では特地派遣によって初めて隊員が他国における偵察活動や特殊行動を行うことになる。
- かつて伊丹が所属していた影響で所謂オタク趣味が広まっており、隊員たちのコードネームや作戦名などはあるゲームをモデルにしている。
- 魔法
- 特地の特殊な技術、ロンデルで盛ん。
- 古代龍
- 飛行能力と、ダイヤモンドのモース硬度10に継ぐ9の硬さでタングステンの7分の1の軽さを持つ鱗を備えている。空を飛ぶ戦車と喩えられ、特地派遣隊の装備する自動小銃では効果はなく、対戦車ミサイルや砲撃でしかダメージを与えられない。その撃退の困難さゆえ、鱗は特地では貴重で高額で取引される。
- 帝権擁護委員部『オプリーチニキ』
- 皇太子となったゾルザルが設置した組織。帝権干犯(つまりゾルザルに対して不満を持つ)した人間を投獄、弾圧する。いわば旧ソ連のNKVDのような物。部員はコボルトを象った兜を被り、箒を携帯している(裏切り者にコボルトのように噛み付き、国から掃き出すという意思の象徴)ため、民衆からは『掃除夫』と卑称されている。
- モデルとなったのはロシア帝国にかつて存在した皇帝分割資産部で[要出典]、こちらの部員は犬の頭と箒を馬の鞍に下げていた。その意味するところは同じ。
登場兵器・武器
自衛隊の特地派遣部隊には、万一の事態に備えて放棄しても惜しくない旧式兵器が優先的に装備されている。派遣当初は地上部隊とヘリコプターのみだったがのちに戦闘機と輸送機が分解したうえで運び込まれる。
- 軽火器・重火器類
- 64式小銃、89式小銃、ミニミ軽機関銃、M2重機関銃、パンツァーファウスト3、35mm2連装高射機関砲 L-90
- 車輛
- 73式小型トラック、高機動車、軽装甲機動車、96式装輪装甲車、74式戦車、75式自走155mmりゅう弾砲
- ヘリコプター
- UH-1、UH-60、CH-47、AH-1
- 戦闘機・輸送機
- F-4、C-1
国家・地域
地球
- 日本
- 20××年8月に『門』が東京・銀座に出現したとされる以外に明確な年代は描かれていないが、4巻では尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件や東日本大震災、ウィキリークスの事件が過去に起きている事が示唆されている。
- アメリカ
- 日本には比較的協力的な立場。
- 中国
- 増えすぎた人口を特地に送り込むことを目論み、陰湿な戦略を繰り返す。
- 露西亜
- 『門』による自国の国際的な発言力低下を恐れている。
- EU
- アメリカに近い立場を取る。
特地
- 帝国
- 特地の覇権国家。知られている限りの国家、部族を従属させる唯一の「帝国」であることから国名を持たない。
- かつては共和制の小国だったが戦争で版図を広げ、その過程で一貫した政策を取れる帝政に移行した。中央集権制と封土制が併存し皇帝と元老院が統治している。軍事、風俗は中世ヨーロッパ似だが、歴史、政治制度はローマ帝国に似ている。
- 人間至上主義社会で亜人は差別されていた。安定しすぎているが故に行き詰り、閉塞感を打破するためにろくな調査を行わないまま異世界(日本)に出兵し軍の大半を失い、逆に攻め込まれ存亡の危機におちいる。
- 帝都
- 帝国の首都。人口100万の城砦都市。特地の情報と物資の集積地であるために自衛隊は密かに「悪所」と呼ばれるスラム街に事務所を置き情報収集をしていた。
- アルヌス
- 特地側の『門』が存在する丘。丘とはいってもほぼ平坦。『門』を中心に自衛隊が駐屯地を築いている。2巻ではその周りの難民キャンプが賑やかな街に変貌している。3巻で以前にも『門』が開いた事があり、そのたびに様々な種族が入ってくる事で特地は様々な種族が溢れた可能性が語られた。
- イタリカ
- フォルマル伯爵家の領地。先代の領主であるコルトが開明的な考えの持ち主で、亜人達の庇護を掲げ領内に幾つかの亜人達の避難民の集落が作られており、伯爵家には(この帝国内としては珍しい)亜人のメイドがいる。
- エルベ藩王国
- 資源が豊富。
- 学都ロンデル
- 学問が盛んな都。学問の神エルランとラーに作られた。
- ベルナーゴ神殿
- ハーディを祀る神殿。
- クナップヌイ
既刊一覧
- 接触編(2010年4月12日発売 ISBN 978-4434142352)
- 炎龍編(2010年8月5日発売 ISBN 978-4434147630)
- 動乱編(2010年12月24日発売 ISBN 978-4434152542)
- 総撃編(2011年6月24日発売 ISBN 978-4434157202)
- 冥門編(2011年12月22日発売 ISBN 978-4434162381)
漫画版
単行本レーベルはアルファポリスCOMICS。
- 2012年6月15日発売予定 ISBN 978-4434167034
脚注
外部リンク
- 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり (Arcadia)
- 現在本編は削除され、外伝のみが掲載されている。
- アルファポリスの紹介
- 公式PV
- コミカライズ版の掲載ページ(月末更新)