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信号レベルが小さいときに量子化雑音を低減するため(i.e. 音量が小さいときのノイズを少なくするため)、非直線量子化が行われる。圧伸特性として、'''[[μ-law]]'''(北米・日本で使用)および'''[[A-law]]'''(欧州その他で使用)の二つが規定されているが、そのうち後者はコンピュータによる処理の容易性を特に考慮している。また、音声レベル0dBを定義するための符号化サンプルも規格に含まれている。
信号レベルが小さいときに量子化雑音を低減するため(i.e. 音量が小さいときのノイズを少なくするため)、非直線量子化が行われる。圧伸特性として、'''[[μ-law]]'''(北米・日本で使用)および'''[[A-law]]'''(欧州その他で使用)の二つが規定されているが、そのうち後者はコンピュータによる処理の容易性を特に考慮している。また、音声レベル0dBを定義するための符号化サンプルも規格に含まれている。


μ-lawは、14ビット符号付き線形PCMの1標本を対数的に8ビットに符号化する。A-lawでは13ビット符号付き線形PCMの1標本を対数的に8ビットに符号化する。標本化周波数が8000Hzなので、符号化器の出力ビットレートは64kbpsとなる。
'''[[μ-law]]'''は、14ビット符号付き線形PCMの1標本を対数的に8ビットに符号化する。'''[[A-law]]'''では13ビット符号付き線形PCMの1標本を対数的に8ビットに符号化する。標本化周波数が8000Hzなので、符号化器の出力ビットレートは64kbpsとなる。


== A-law ==
== '''[[A-law]]''' ==
{{see also|A-lawアルゴリズム}}
{{see also|'''[[A-law]]'''アルゴリズム}}
A-law符号化器の入力・出力対照表は以下の通り。
'''[[A-law]]'''符号化器の入力・出力対照表は以下の通り。


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2009年9月8日 (火) 05:42時点における版

G.711はCCITT(現在のITU-T)によって策定された音声符号化の規格で、1972年に制定された。符号化方式は非線形パルス符号変調であり、標本化周波数は8000Hzである。固定電話網内の音声信号の伝送などに広く用いられている。

圧伸特性

信号レベルが小さいときに量子化雑音を低減するため(i.e. 音量が小さいときのノイズを少なくするため)、非直線量子化が行われる。圧伸特性として、μ-law(北米・日本で使用)およびA-law(欧州その他で使用)の二つが規定されているが、そのうち後者はコンピュータによる処理の容易性を特に考慮している。また、音声レベル0dBを定義するための符号化サンプルも規格に含まれている。

μ-lawは、14ビット符号付き線形PCMの1標本を対数的に8ビットに符号化する。A-lawでは13ビット符号付き線形PCMの1標本を対数的に8ビットに符号化する。標本化周波数が8000Hzなので、符号化器の出力ビットレートは64kbpsとなる。

A-law

A-law符号化器の入力・出力対照表は以下の通り。

線形の入力値 出力値
s0000000wxyza... s000wxyz
s0000001wxyza... s001wxyz
s000001wxyzab... s010wxyz
s00001wxyzabc... s011wxyz
s0001wxyzabcd... s100wxyz
s001wxyzabcde... s101wxyz
s01wxyzabcdef... s110wxyz
s1wxyzabcdefg... s111wxyz

sは符号部。例をあげると、入力値1000000010101111は表の1行目に従い10001010に変換され、0000000110101111は2行目に従い00011010に変換される。このように、A-lawの符号化後の値は仮数部4ビット・指数部3ビットの浮動小数点数とみなすことができる。

特徴

  • 標本化周波数 - 8kHz
  • ビットレート - 64kbps(標本化周波数8kHz × 8ビット符号)
  • アルゴリズムによる遅延は通常0.125ms。先読み遅延はない。

関連項目

外部リンク