愛知サマーセミナー

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愛知サマーセミナー
Aichi Summer Seminar
第30回サマーセミナーin椙山女学園高等学校
サマーセミナーののぼり(2018年7月、名古屋市千種区)
開催時期 7月
初回開催 1988年
主催 愛知サマーセミナー実行委員会[WEB 1]
後援 愛知県・愛知県教育委員会・名古屋市・名古屋市教育委員会・県内市町村及び各教育委員会[WEB 1]
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名古屋市における会場の変遷
1
婦人会館第0回
2
市邨高等学校(第1回・第14回・第23回)
3
名古屋大谷高等学校(第2回・第26回)
4
中京大中京(第3回・第15回)
5
同朋高校(第4回・第12回・第21回)
6
東邦高校(第5回・第11回・第24回)
7
愛知淑徳高校(第6回・第20回)
8
高蔵(第7回)
9
東海学園(第8回・第17回)
10
椙山(第13回・第22回)
11
東海(第14回・第16回・第23回)
12
南山(第18回・第25回)
13
高蔵(第19回・第26回)
愛知サマーセミナーの位置(愛知県内)
10(桜丘)
10(桜丘)
8(安城)
8(安城)
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知サマーセミナー
愛知県内における会場の変遷
講座風景(荒野行動頂上決戦)

愛知サマーセミナー(あいちサマーセミナー)は、愛知県において毎年7月に行われている公開講座。通称サマセミ。後述するように、1996年の第8回が同県安城市と1998年の第10回が同県豊橋市で実施された以外は、名古屋市内の会場で行われている。

概要[編集]

愛知サマーセミナーは1988年から愛知県で開催されている市民参加型セミナー。「誰でも先生になれる」、「誰でも生徒になれる」を特徴としている。

初回の1988年は発案者の社会科の先生3人が8講座を行った。この年は「社会科セミナー」の名称で行われた[公式 1]。翌年の1989年以降、外部の著名人にセミナーの校長を委嘱して愛知県内各地の学校を会場にする現在のサマーセミナー方式となったので、この回が第1回となっている[WEB 2][WEB 3]

1992年の第4回大会からは 教師だけでなく高校生の父母などの一般の人も講座を持てる現在の形になった[1]。このとき市民講師の応募に110人が応じたが、生徒の希望が多かった28人の講師が選ばれ、講座を開いたという[新聞 1]

2018年は30回目を迎え7月14-16日の3日間開催された[2]

イベントの運営については愛知サマーセミナー実行委員会が担うが、そのメンバーは愛知県内の私立中学校・高等学校の教職員・生徒・その父母らにより構成されている[新聞 2]。公式サイトにおいては、7万人規模のイベントの事前準備から当日運営までの全てがボランティアスタッフにより賄われていることが大きな特色であると紹介している[公式 2]

会場は毎年展開する学校を変えて開催されている。また、各回において有名人を「校長」として招聘している。歴代の会場と校長については、以下の各回概要において示す。

各回概要[編集]

第0回(1988年)[編集]

第1回(1989年)[編集]

第2回(1990年)[編集]

第3回(1991年)[編集]

第4回(1992年)[編集]

  • 会場 - 同朋高等学校[公式 1]中村区
  • 校長 - ジェームス三木[4]
  • 会期 - 7月23日から26日(4日間)[新聞 3]
  • 講座数 - 260講座[新聞 4]
  • 参加者数 - 10,626人[公式 1]
    • この回より、一般市民や保護者、生徒による講座が開講されることとなり、全260講座となった[新聞 4]
    • イベント開催前の5月15日時点では会場として名古屋大学または愛知大学の名前が挙げられていた[新聞 5]。しかし、名古屋大学は、文部省の規定などを理由にして会場の提供を断ったという[5]
    • ザ・ブルーハーツによる屋外コンサートが大正橋緑地において行われたが、このイベントに限っては運営協力券の名目で1000円の入場料が設定されたという[新聞 3]。主催者発表によれば、このコンサートだけで7500人が来場したという[新聞 4]
    • また、この回では企画として「難民に缶詰百万個を送る」という取り組みが行われた[新聞 1]。この企画はイベント終了後の同年8月30日に「難民に送る缶詰百万個の会」へと発展した[新聞 6]。最終的には33万個の缶詰が全国から寄せられることとなった[新聞 7]

第5回(1993年)[編集]

第6回(1994年)[編集]

第7回(1995年)[編集]

第8回(1996年)[編集]

  • 会場 - 安城学園高等学校[公式 1]安城市
  • 校長 - 河野美代子[3]
  • 講座数 - 406講座[公式 1]
  • 参加者数 - 16,239人[公式 1]
    • スローガンとして「1万人でつくる夢の学校」を打ち出し、406講座(うち生徒55講座、保護者38講座、市民82講座)を展開し、16000人の参加があったという[3]
    • 講座としては、校長として招聘された河野美代子による特別講座「性と生を考える」、愛知県西尾市中学生いじめ自殺事件の自殺生徒の父親も参加して行われた「徹底討論いじめ」などが行われた[3]。また、会場外では岐阜県可児市にある地下壕を見学する「強制連行の現場を訪ねる」と題したフィールドワークも行われた[3]

第9回(1997年)[編集]

第10回(1998年)[編集]

第11回(1999年)[編集]

第12回(2000年)[編集]

第13回(2001年)[編集]

第14回(2002年)[編集]

第15回(2003年)[編集]

第16回(2004年)[編集]

第17回(2005年)[編集]

第18回(2006年)[編集]

第19回(2007年)[編集]

第20回(2008年)[編集]

第21回(2009年)[編集]

第22回(2010年)[編集]

第23回(2011年)[編集]

第24回(2012年)[編集]

第25回(2013年)[編集]

第26回(2014年)[編集]

第27回(2015年)[編集]

  • 会場 - 愛知淑徳高校・中学、椙山女学園大学、東星中学校、星ヶ丘小学校、星が丘テラス他[公式 3](千種区)
  • 校長 - 倉本聰

第28回(2016年)[編集]

第29回(2017年)[編集]

  • 会場 - 同朋大学、同朋高等学校、名古屋音楽大学 他[公式 5](中村区)
  • 校長 - 益川敏英
  • 会期 - 7月15日から17日(3日間)[公式 5]
  • 講座数 - 2,120講座[公式 5]
    • 原爆投下後の広島の惨事を描いた映画[新聞 13]

第30回(2018年)[編集]

2018年の愛知サマーセミナーの入口
  • 会場 - 椙山女学園大学、椙山女学園高等学校・中学校 他[公式 6](千種区)
  • 校長 - 佐藤康光
  • 会期 - 7月14日から16日(3日間)[公式 6]
  • 講座数 - 2,124講座[公式 7]
    • 佐藤康光9段による将棋講座[8]
    • 毎日新聞は16日に椙山小学校会場で開かれたLGBT当事者が登壇した講座を報じている[新聞 14]

関連イベント[編集]

類似イベントとして公式サイトでは、2002年から同じく名古屋市内の東海中学校・高等学校において実施されているサタデープログラム、2005年から奈良市で行われている「奈良サマーセミナー」、2006年から神奈川県相模原市において行われる「夏休み みんなの一日大学」、2007年から愛知県日進市で行われている「ともまなびセミナー」、宮城県仙台市の「オータムセミナー」、茨城県水戸市の「あしたの学校」、東京都渋谷区の「シブヤ大学」、福島県会津若松市の「会津エンジン」、2015年から兵庫県尼崎市で実施されている「みんなのサマーセミナー」を挙げている[WEB 4]

脚注[編集]

WEB[編集]

  1. ^ a b 今年のサマセミ案内”. 愛知サマーセミナー実行委員会. 2018年7月16日閲覧。
  2. ^ 愛知サマーセミナー公式サイト
  3. ^ 愛知サマーセミナー公式サイト 歴史
  4. ^ 全国に広がるサマセミ”. 愛知サマーセミナー実行委員会. 2018年7月16日閲覧。

公式サイト[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo bp bq br bs bt bu bv bw bx by bz ca cb cc cd ce cf cg ch ci cj ck cl cm cn co cp cq cr cs ct cu cv cw cx cy cz 愛知サマーセミナーの歴史”. 愛知サマーセミナー実行委員会. 2018年7月16日閲覧。
  2. ^ 運営はボランティア”. 愛知サマーセミナー実行委員会. 2018年7月17日閲覧。
  3. ^ 愛知サマーセミナー:::みんなでつくる夢の学校(2015)”. www.samasemi.net. 2018年7月17日閲覧。
  4. ^ 愛知サマーセミナー:::みんなでつくる夢の学校(2016)”. www.samasemi.net. 2018年7月17日閲覧。
  5. ^ a b c 愛知サマーセミナー:::みんなでつくる夢の学校(2017)”. www.samasemi.net. 2018年7月17日閲覧。
  6. ^ a b 愛知サマーセミナー:::みんなでつくる夢の学校(2018)”. www.samasemi.net. 2018年12月13日閲覧。
  7. ^ 愛知サマーセミナー:::みんなでつくる夢の学校”. www.samasemi.net. 2018年12月13日閲覧。

新聞[編集]

  1. ^ a b “「私学サマーセミナー」が面白い 来月、名古屋で 職種さまざま28人 市民講師が登場 プロの“技”じっくり”. 中日新聞 朝刊 県内版: p. 16. (1992年6月28日) 
  2. ^ 中野祐紀 (2017年7月16日). “益川さん「夢語り合って」 同朋大など サマーセミナー始まる” (日本語). 中日新聞朝刊 県内広域版 (中日新聞社): p. 19 
  3. ^ a b “多彩な講座、遊び心もたっぷり “市民学生”熱い学習 「愛知サマーセミナー」”. 中日新聞 朝刊 県内版: p. 20. (1992年7月24日) 
  4. ^ a b c “高校だより 多彩な講師陣 260講座開く 愛知サマーセミナー”. 中日新聞 朝刊 市民総合版: p. 13. (1992年8月13日) 
  5. ^ “200講座、1万人めざし 愛知サマーセミナー 一般からも講師募集”. 中日新聞 朝刊 県内版 (中日新聞社): p. 18. (1992年5月15日) 
  6. ^ “アフリカ救済 草の根運動 全員の缶詰はや1万5千個 150人、汗だくこん包 名古屋の東別院私学関係者が奉仕”. 中日新聞: p. 18. (1992年8月30日) 
  7. ^ “愛の缶詰、33万個に 難民へ向けて 最終仕分け終える”. 中日新聞 朝刊 市民版: p. 16. (1993年2月7日) 
  8. ^ “カラオケ、超能力、大阪弁 こんな授業があったらなあ… 私立高生アンケート やりましょう サマーセミナー 実行委が市民講師を公募”. 中日新聞 朝刊 県内版: p. 16. (1993年6月6日) 
  9. ^ a b “平和や環境学ぶ セミナー770講座 19日から名古屋で”. 中日新聞: p. 18. (2003年7月17日) 
  10. ^ “さかなクンが海の生物紹介” (日本語). 中日新聞 朝刊 県内広域: p. 19. (2009年7月22日) 
  11. ^ a b c d “有名人招きサマーセミナー 名古屋で16日から”. 中日新聞 朝刊 県内総合: p. 21. (2011年7月14日) 
  12. ^ 2016年7月17日 中日新聞 朝刊 朝刊なごや東版 10面「父の沖縄戦争 悲惨さ訴え」
  13. ^ 2017年7月16日 中日新聞 朝刊 朝刊市民版 18面 「幻の反戦映画 全国で」
  14. ^ “当事者が体験を語る講座 10人登壇 千種区 /愛知” (日本語). 毎日新聞社. (2018年7月17日). https://mainichi.jp/articles/20180717/ddl/k23/040/095000c 2018年7月17日閲覧。 

書籍[編集]

  1. ^ 寺内義和 2005, p. 316.
  2. ^ 第30回愛知サマーセミナーガイドブック p2
  3. ^ a b c d e f 寺内義和 1996, p. 48.
  4. ^ 寺内義和 2005, p. 319.
  5. ^ 寺内義和 1996, p. 174.
  6. ^ 特別講座紹介”. 愛知サマーセミナー公式サイト. 2019年3月31日閲覧。
  7. ^ サマセミ2016チラシ(PDF)”. 愛知サマーセミナー実行委員会. 2018年7月16日閲覧。
  8. ^ 愛知サマーセミナーパンフレット

参考文献[編集]

  • 寺内義和『大きな学力』労働旬報社、1996年12月10日。ISBN 4-8451-0457-1 
  • 寺内義和『されど波風体験 自分の「大きな力」に気づくとき』株式会社ルネッサンスブックス、2005年。ISBN 4779000246 

外部リンク[編集]