LIBOR

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LIBOR (ライボー、London Interbank Offered Rate) とは、ロンドンにおいてインターバンク取引で資金の出し手から提示される金利のことで、ロンドン銀行間取引金利とも呼ばれる。

概要[編集]

一般的には、指定された複数の有力銀行(リファレンスバンク)から報告された毎営業日11:00時点のレートを指す。この集計・発表はかつては英国銀行協会(BBA)が実施し、「BBA LIBOR」と呼ばれていた。現在は改革が行われて責任がBBAから移管され、インターコンチネンタル取引所英語版(ICE)が「ICE LIBOR」を公表している。

資金調達コストの基準として用いられ、特に6か月物は短期金利の指標として使われることが多い。調達コストの割高/割安もLIBORとの比較で表現されることが多い。例えば、LIBORと同水準で社債等が発行された場合には「LIBORフラット(ライボー・フラット)」或いは単に「Lフラット(エル・フラット)」と表現される。また、特に信用力の高い企業では、LIBORよりも低い水準で資金調達を行なうことができ、その場合「サブLIBOR(サブ・ライボー)」と云われる。

2008年5月29日ウォールストリートジャーナルはLIBORについて「実勢よりも低く見えるように数値が操作されている」と報じた。

2011年7月、フィナンシャル・タイムズは「LIBOR、TIBORの不正操作疑惑に関してアメリカ、イギリス、欧州(EU)、日本の金融規制当局が捜査に着手した」と報じた。 2012年2月3日、スイスの連邦競争委員会(日本における公正取引委員会に相当)が不正操作疑惑の捜査のため、日米欧の金融大手12行の調査を開始[1]。4月、LIBORはイングランド銀行の監督を受けるようになった[2]。8月、英国政府が10の改革案を示した[3]2013年10月29日、ラボバンクがLIBORをふくむ国際的な指標金利の不正操作に関わったとして、オランダ当局は同行へ7億7400万ユーロの制裁金を課した[4][5]。 12月4日、欧州委員会は同様の不正操作について、複数のメガバンクカルテルを実施したとして合計で約17億1千万ユーロの制裁金を科した。制裁の対象は、ドイツ銀行ソシエテ・ジェネラルロイヤル・バンク・オブ・スコットランドJPモルガンシティバンクUBSである。バークレイズUBS内部告発を評価されて制裁を免除された。不正操作に関する調査はHSBCにも及んだ[6]

2015年8月3日、トム・ヘイズが一連の不正操作をめぐり個人で初の有罪判決を受けた[7]2016年5月25日、米商品先物取引委員会がシティグループに合計4億2500万ドルの罰金を課すと発表した[8]。この2日前には、ニューヨークの第2巡回区連邦控訴裁判所でシティ他、バンカメ、JPモルガンなどメガバンク16行に対して、LIBOR不正操作による反トラスト法訴訟が受理されている[9]

種類[編集]

現在は5通貨、7期間、あわせて35種類の金利が毎営業日公表されている。

概要でふれた2012年~2013年の改革により、通貨と期間が大幅に削減された[10]

通貨

英ポンドと4外貨のユーロカレンシーが対象

2013年に廃止された公表対象通貨

期間

  • 1日:USD、EUR、GBP、CADはオーバー・ナイト(O/N)、その他通貨はスポット・ネクスト(s/n)[11]
  • 1週間
  • 1ヶ月
  • 2ヶ月
  • 3ヶ月
  • 6ヶ月
  • 12ヶ月
2013年に廃止された公表対象期間
  • 2週間
  • 4、5、7、8、9、10、11ヶ月


出典[編集]

  1. ^ “指標操作の疑い、大手邦銀など調査…スイス当局”. 読売新聞. (2012年2月3日). http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120203-OYT1T01188.htm 2012年2月4日閲覧。 
  2. ^ 井澤秀記 「LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の制度再設計に関する研究」 2014年2月24日 p.5.
  3. ^ The Wheatley Review of LIBOR: August 2012
  4. ^ ロイター 蘭ラボバンク、LIBOR問題で欧米当局が7.7億ユーロの制裁金 2013年10月30日
  5. ^ 2014年1月、ラボバンクのトレーダーであった英国人のポール・ロブソン被告、オーストラリア人のポール・トンプソン被告、日本人のモトムラ・テツヤ被告の3人が訴追された。彼らは電信詐欺罪およびその共謀を含む罪状15件に問われた。6月10日、ラボバンクで日本円を担当していた元トレーダーのヤガミ・タカユキ被告は、この3人へLIBORの不正操作を働きかけるなどして共謀したことを認めた。
    WSJ ラボバンクの元トレーダー、LIBOR不正操作で有罪認める 2014年6月12日
  6. ^ 日経新聞電子版 欧州委、制裁金2400億円 LIBOR不正で 2013/12/5
  7. ^ AFP LIBOR不正操作、英元トレーダーに禁錮14年 2015年8月4日
  8. ^ 日経新聞電子版 米シティグループに罰金470億円 不正操作企て巡りCFTC 2016/5/26
  9. ^ WSJ電子版 「LIBOR不正操作めぐる訴訟、銀行業績への影響は」 By John Carney 2016年5月25日
  10. ^ http://www.bbalibor.com/news-releases/bba-reports-findings-of-libor-reform-consultation
  11. ^ http://www.bbalibor.com/explained/faqs

関連[編集]