龍口直太郎
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龍口 直太郎(たつのくち なおたろう、1903年9月14日 - 1979年8月1日)は、日本のアメリカ文学研究者。早稲田大学名誉教授。
経歴
東京府生まれ。聖学院中学校(現聖学院高等学校)卒業後、東京外国語学校英語科に進学、卒業。アメリカ文学を専攻し、早稲田大学教育学部教授を長年務め、退職後は名誉教授に就いた。
人物
- スタインベック、コールドウェル、カポーティなどの作品を数多く翻訳。また英国文学でもモームの翻訳が多く、日本モーム協会に参加[1]。
- 英文解釈や作文などの教科書も数多く執筆した。
- 早稲田大学での教え子に角野栄子がいた[2]。
- 「瀧口直太郎」「滝口直太郎」と名前が誤記されることもある。
著書
- 『英文解釈の基礎と応用』(三省堂 1938年)
- 『新英文解釈研究』(時事英語社 1947年)
- 『コンサイス英文基本形集成』(開隆堂 1948年)
- 『米語の生態 (語学出版社 1949年)
- 『高等英文解釋 (評論社 1951年)
- 『コンサイス英文解釋讀本 基礎篇』(開隆堂出版 1952年)
- 『英文法 基礎と応用』(評論社 1953年)
- 『公式中心英文解釈の基礎』(評論社 1956年)
- 『三位一体テーブル式基礎英語便覧』(評論社 1957年)
- 『基礎英作文便覧』(評論社 1957年)
- 『とらいあんぐる』(評論社 1958年)
- 『旅と作家と私と』(評論社 1960年)
- 『長い英文のこなし方』(評論社 1963年)
その他共編、改訂で教科書、参考書が多数にのぼる。
翻訳
- 『動物園に入つた男』(A Man in the Zoo、デイヴイツト・ガーネツト、春陽堂) 1933年 のち角川文庫
- 『吾等がために踊れ』(ジョン・ゴールズワージ、岩波文庫) 1937年
- 『別れの歌 ルーシー・ゲイハート』(Lucy Gayheart、ウィラ・キャサー、新潮社) 1940年 のち角川文庫
- 『アメリカ笑話集』(東西出版社) 1946年
- 『禁断の実 スリラー小説』(ジェームス・ハリス、文京出版) 1949年
- 『グスタッフ・ヴァーサの脱走と冒険』(H・W・ヴァン・ルーン、雄鶏社) 1949年
- 『血の宣言』(Kingsblood Royal、シンクレア・ルイス、リスナー社) 1949年
- 『アダムの日記』(Papers from the Adam Family、マーク・トウェイン、杉木喬共訳、八雲書店) 1949年
- 『巡回牧師』(Journeyman、アースキン・コールドウェル、月曜書房) 1950年 のち新潮文庫
- 『神を求める人』(上・下)(The God-Seeker、シンクレア・ルイス、三笠書房) 1950年
- 『病気と私』(ベティ・マクドナルド(Betty MacDonald)、雄鶏社) 1950年
- 『1984』(ジョージ・オーウェル、吉田健一共訳、文藝春秋新社) 1950年
- 『アメリカ式作法と会話』(ジェイムス・ハリス、有精堂) 1950年
- 『サンクチュアリ - 罪の祭壇』(Sanctuary、W・フォークナー、西川正身共訳、月曜書房) 1950 のち新潮文庫
- 『劇場』 (サマセット・モーム、三笠書房、サマセット・モーム選集4) 1950年 のち新潮文庫
- 『人間マルクス』(レオポルト・シュワルツシルト(Leopold Schwarzschild)、雄鶏社) 1950年
- 『英語の歴史』(ローガン・P・スミス、国際出版社) 1951年
- 『卵と私』(ベティ・マクドナルド、雄鶏社) 1951年
- 『いまひとたびの春』(One More Spring、ロバート・ネイサン、岩波書店) 1951年
- 『私の英文手紙 書き方と実例』(ジェイムス・ハリス、有精堂) 1951年
- 『女ごころ』(Up at the villa、三笠書房、サマセット・モーム選集7) 1951年 のち新潮文庫
- 『イヴの日記』(Papers from the Adam Family、マーク・トウェイン、岩波文庫) 1952年
- 『エミリーの薔薇』(A Rose for Emily、W・フオークナー、コスモポリタン社) 1952年 のち「フォークナー短篇集」(新潮文庫)
- 『神の小さな土地』(God's Little Acre、コールドウェル、三笠書房) 1952年 のち新潮文庫
- 『神の確かな手』(The Sure Hand of God、コールドウェル、三笠書房) 1953年
- 『キリマンジャロの雪』(ヘミングウェイ、角川文庫) 1953年
- 『山彦の家』(T・F・ポイス(Theodore Francis Powys)、筑摩書房) 1953年
- 『月は沈みぬ』(The Moon Is Down、スタインベック、新潮文庫) 1953年
- 『秘密の花園』(フランシス・ホジスン・バーネット、新潮文庫) 1954年
- 『アメリカ社会文化史』全3巻 (M・カーチ、鶴見和子、鵜飼信成共訳、法政大学出版局) 1954年 - 1958年
- 『鎧なき騎士』(ジェイムズ・ヒルトン、生活百科刊行会、世界大衆小説全集) 1955年 のち創元推理文庫
- 『七月の騒動』(Trouble in July、コールドウェル、新潮文庫) 1955年
- 『アメリカの短篇小説』(レイ・B・ウェスト Jr.、大橋吉之輔共訳、評論社) 1955年
- 『恋と金』(Love and Money、コールドウェル、新潮社) 1955年
- 『コスモポリタン 短篇集』(サマセット・モーム、新潮社、サマセット・モーム全集20) 1955年
- 『モーム短篇集 第10 人間的要素』(新潮文庫) 1961年
- 『モーム短篇集11 コスモポリタン』(新潮文庫) 1962年
- 『敵も人間』(ラインホルト・パーベル、田中書店) 1956年
- 『苺つみの頃』(The strawberry season、コールドウエル、小林健治共訳、河出文庫) 1956年
- 『シートン選集 第1期 第1 - 第6巻』(シートン、評論社) 1956年 - 1957年
- 『秘密諜報部員』(サマセット・モーム、東京創元社) 1956年 のち創元推理文庫
- 『夜はやさし』(Tender is the Night、F・スコット・フィッツジェラルド、荒地出版社、現代アメリカ文学全集3) 1957年
- 『タバコ・ロード』(コールドウェル、新潮文庫) 1957年
- 『コールドウェル短篇集 第1』(コールドウェル、新潮文庫) 1957年
- 『ボムベイの夜』(上・下)(ルイス・ブロムフイールド、東京創元社、世界大ロマン全集) 1957年
- 『学校の殺人』(Murder at School、ジェイムス・ヒルトン、東京創元社) 1958年 のち創元推理文庫
- 『遠い山彦』(ダグラス・ラザフォード(Douglas Rutherford)、東京創元社、クライム・クラブ) 1958年
- 『若い恋人たち』(ジュリアン・ヘィルヴィ(Julian Halevy)、講談社) 1958年
- 『現代心理小説研究』(リオン・エデル(Leon Edel)、高橋道共訳、評論社) 1959年
- 『月と六ペンス』(モーム、筑摩書房、世界名作全集) 1960年 のち旺文社文庫
- 『文芸推理小説26人集 第1・2』(エラリー・クイーン編、東京創元社) 1960年 - 1961年
- 『ティファニーで朝食を』(トルーマン・カポーティー、新潮社) 1960年 のち新潮文庫
- 『追跡者』(T・フリードマン、朝日新聞社) 1961年
- 『過ぎし愛へのかけ橋』(パール・バック、河出書房新社) 1963年
- 『冷血』(カポーティー、新潮社) 1967年 のち新潮文庫
- 『エリダー 黄金の国』(アラン・ガーナー、評論社) 1969年
- 『失われた世界』(コナン・ドイル、創元推理文庫) 1969年
- 『夜の樹』(A Tree of Night、カポーティ、新潮社) 1970年 のち新潮文庫
- 『毒ガス帯』(コナン・ドイル、創元推理文庫) 1971年
- 『霧の国』(コナン・ドイル、創元推理文庫) 1971年
- 『お菓子とビール』(Cakes and Ale、モーム、旺文社文庫) 1971年
- 『アメリカの短篇小説』(レイ・B・ウェスト、大橋吉之輔共訳、評論社) 1971年
- 『赤い小馬』(The Red Pony、スタインベック、旺文社文庫) 1972年
- 『愛しき背信者』(シーラ・グレアム、新潮社) 1973年
- 『アーサー王宮廷のヤンキー』(マーク・トウェイン、創元推理文庫) 1976年
共編著
- 『欧米人との社交常識』(グレン・エフ・ベイカー共著、三省堂) 1941年
- 『現代アメリカ文学』(吉武好孝共編、有信堂) 1958年
記念論集
- 『とらんしじょん 龍口直太郎教授古稀記念文集』(評論社) 1973年
脚注
- ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
- ^ 早稲田大学公式ホームページ 『児童文学作家 角野栄子さん 第二世紀へのメッセージ』、2015年2月9日