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WBCに参加した際の東京ドームでのチェコ国旗
2023 ワールド・ベースボール・クラシック・チェコ代表(英語:2023 World Baseball Classic Team Czech Republic)は、2022年9月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第5回大会予選、2023年3月に開催された本戦に出場したチェコ代表である。
2020年1月28日に第5回WBC予選の組み分けが発表され、チェコは予選2組(2020年3月20日から25日)で開幕を迎えることになった[1]。しかし、3月12日にMLBはCOVID-19の影響のためWBC予選を無期限の延期とすることを発表した[2]。
2022年7月8日に新たなWBC予選日程が発表され、チェコは2022年9月にドイツのレーゲンスブルクで開催される予選A組で開幕を迎えることになった[3]。9月13日にチェコ野球協会が代表選手を発表した[4]。9月16日にWBC公式サイトがロースターを掲載[5]。ドイツで行われた予選では2回戦でスペインに敗れるも、敗者復活戦でフランス、ドイツに勝利。9月21日の敗者復活決勝戦でスペインと再び対戦して勝利し、同国代表として初となる本戦出場を決めた[6]。
2023年3月に開催された本戦ではB組に配置された。初戦の中国戦で勝利し本戦初出場で初勝利を収めるが、日本戦、韓国戦を連敗する。その後、試合結果によっては準々決勝進出の可能性もあったオーストラリア戦も敗戦。B組1勝3敗で第1ラウンド敗退となった[7]。しかし、中国に勝利していたことでB組4位を確保。第6回WBCの予選が免除され本戦への出場が決定した[8]。
チェコがWBCに出場した結果、国民に対する野球への関心が高まり、野球中継を行った国営放送のチェコ・テレビによると、4:00(UTC+1)試合開始の対中国戦では計39万人が試合を視聴、11:00(UTC+1)試合開始の対日本戦では平均約24万人、累計約84万人が視聴したとされた[9]。
来日時の様子と日本との交流[編集]
大会前[編集]
大会開幕前には宮崎県で調整を行った。
近くには内陸国のチェコには存在しない海があったため、練習の合間には3月でありながら海水浴に興じる様子などが代表の公式インスタグラムでアップされている[10]。チェコ代表はドーム球場でのプレー経験がほとんどなく、東京ドームと満員の観客に驚いた選手も多かったという。
一方、日本のメディアはこれまでヨーロッパ野球、とりわけチェコの野球を取り上げた例が少なく、実力も未知数だった事から、選手のほとんどが本職と兼業で野球をやっている「(仕事と野球の)二刀流選手の国」をチームの特徴として挙げた[11]。
日本戦[編集]
日本との対戦では、先発投手であった佐々木朗希がウィリー・エスカラに対してデッドボールを当ててしまうも、エスカラは一塁ベースに進んだ後全力疾走で無事をアピールしたことから日本の観戦客から大きな拍手を浴び、佐々木もイニング終了後謝罪している。チェコは敗戦したものの、勝利した日本代表へ拍手を送り、試合の観戦に来ていた観客たちにも帽子を取って感謝の意を表したことで、日本の野球ファンからもそのスポーツマンシップを称えられた[12]。
試合後、佐々木はチェコの宿泊先へコンビニで購入したお菓子の袋を持ってお詫びに行き、メディアから注目を浴びた[13]。他にも選手たちが大谷翔平にサインを求めたり道具を交換するといった交流が行われ、準決勝で日本代表がアメリカのマイアミに到着した際には大谷がチェコ代表の帽子を被って現れるという場面もあった[14]。
大会後[編集]
大会後、スポーツマンシップに則った国際交流は選手だけならず、日本野球や外交にも影響を与え、佐々木やコーチとして参加した吉井理人の所属する千葉ロッテマリーンズはチェコ共和国との関係強化のために「マリーンズ-チェコ ベースボールブリッジプログラム」を立ち上げ[15]、チェコのイヴァン・バルトシュ副首相は衆議院議員の河野太郎との会談前にチェコ代表のユニフォームをプレゼントした[16]。チェコ代表の選手の中には日本のチームでプレーを希望する選手も現れ、秋季に沖縄県で開催される「ジャパンウィンターリーグ」に参加予定の選手もいるという[17]。
また、日本代表監督の栗山英樹は大会後の講演で、チェコの選手たちが佐々木朗希との対戦を喜んでいた姿を見て感銘を受け、ヨーロッパ野球を巡るプランを立てていると述べた[18]。
代表選手[編集]
本戦ロースター[編集]
予選ロースター[編集]
[4][5][19]
試合結果[編集]
練習試合[編集]
3月3日[編集]
3月3日 ひなたひむかスタジアム
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1 |
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チェコ
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0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
1 |
0 |
3 |
7 |
REXパワーズ
| 0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
5 |
- 開始:12時00分
[20]
3月4日[編集]
3月4日 ひなたひむかスタジアム
|
R |
チェコ
| 7 |
宮崎大学
| 0 |
- 4イニング制
- 開始:12時00分
[21]
3月4日 ひなたひむかスタジアム
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
R |
チェコ
| 0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
宮崎サンシャインズ
| 0 |
0 |
0 |
1 |
6 |
X |
7 |
- 6イニング制
- 開始:14時00分
公式強化試合[編集]
3月6日[編集]
3月6日 宮崎
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1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
チェコ
| 2 |
2 |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
7 |
14 |
宮崎梅田学園
| 0 |
1 |
1 |
2 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
5 |
- 開始:19時00分
[22][23]
3月7日[編集]
3月7日 宮崎
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
チェコ
| 0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
3 |
3 |
2 |
0 |
9 |
JR九州
| 0 |
0 |
0 |
1 |
2 |
0 |
0 |
1 |
0 |
4 |
- 開始:19時00分
[24][25]
第1ラウンドB組[編集]
3月10日[編集]
チェコ
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8 - 5
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中国
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3月11日[編集]
チェコ
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2 - 10
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日本
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チェコ代表 対 日本代表の試合前スコアボード
3月11日 東京ドーム 41,637人
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1 |
2 |
3 |
4 |
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8 |
9 |
R |
H |
E |
チェコ
| 1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
4 |
1 |
日本
| 0 |
0 |
3 |
4 |
1 |
0 |
0 |
2 |
x |
10 |
11 |
1 |
- チ:サトリア、フロウフ、トメク、ドゥフェク、チャプカ、ラビノビッツ - チェルベンカ、バブルシャ
- 日:佐々木、宇田川、宮城 - 甲斐
- 勝利:佐々木(1勝)
- セーブ:宮城(1S)
- 敗戦:サトリア(1敗)
- 本塁打
日:牧2号(8回ソロ・チャプカ) - 審判
[球審]メイ
[塁審]デヘスース(英語版)(1B)、スアレス(2B)、ファブリーツィ(3B) - 開始:19時08分 試合時間:3時間26分
3月12日[編集]
試合当日の韓国とチェコの両国国旗
チェコ
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3 - 7
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韓国
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3月12日 東京ドーム
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1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
チェコ
| 0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
1 |
0 |
3 |
6 |
1 |
韓国
| 5 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
x |
7 |
11 |
0 |
- チ:エルツォリ、バート、ノバーク - チェルベンカ
- 韓:朴世雄、郭彬、鄭哲元、高永表、金元中、李庸燦 - 梁義智、李知栄
- 勝利:朴世雄(1勝)
- セーブ:李庸燦(1S)
- 敗戦:エルツォリ(1敗)
- 本塁打
韓:金河成1号(2回ソロ・エルツォリ)、金河成2号(7回ソロ・バート) - 審判
[球審]コローン(英語版)
[塁審]ディアス(英語版)(1B)、ファブリージィ(2B)、メイ(3B) - 開始:12時08分 試合時間:2時間55分
3月13日[編集]
3月13日 東京ドーム
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1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
オーストラリア
| 1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
3 |
2 |
8 |
8 |
0 |
チェコ
| 0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
3 |
8 |
0 |
- 豪:オローリン(英語版)、ニューンボーン、マグラス、ホランド、ケネディ - パーキンス
- チ:シュナイデル、ミナリク、パディサク、コバラ、トメク - チェルベンカ
- 勝利:マグラス(1勝)
- 敗戦:ミナリク(1勝1敗)
- 本塁打
豪:ホール2号(1回ソロ・シュナイデル)
- 審判
[球審]デゼズス
[塁審]コロン(1B)、ディアス(2B)、ファブリージィ(3B) - 開始:12時08分 試合時間:3時間04分
- ^ “Qualifying Round brackets set for '21 Classic”. MLB.com. (2020年1月29日). https://www.mlb.com/news/world-baseball-classic-qualifying-round-brackets?t=world-baseball-classic 2020年3月8日閲覧。
- ^ “Major League Baseball to delay 2020 Opening Day by at least two weeks”. MLB.com. (2020年3月12日). https://www.mlb.com/press-release/press-release-major-league-baseball-to-delay-2020-opening-day-by-at-least-two-we 2020年3月13日閲覧。
- ^ “World Baseball Classic 2023 venues, pools announced”. MLB.com. (2022年7月7日). https://www.mlb.com/news/world-baseball-classic-2023-dates-pools-revealed 2022年7月8日閲覧。
- ^ a b “Nominace na WBCq” (チェコ語). Oficiální web České baseballové asociace (2022年9月13日). 2022年9月13日閲覧。
- ^ a b “World Baseball Classic Rosters” (英語). MLB. 2022年9月16日閲覧。
- ^ Michael Clair (2022年9月21日). “Czech ousts Spain, qualifying for World Baseball Classic” (英語). MLB.com. 2022年9月22日閲覧。
- ^ Michael Clair (2023年3月13日). “Australia books first trip to Classic quarterfinals” (英語). WBC. 2023年3月13日閲覧。
- ^ “【WBC】チェコは次回26年大会は予選免除「次回も東京で会いたい」侍ジャパンと再戦願う声も”. 日刊スポーツ (2023年3月14日). 2023年3月28日閲覧。
- ^ “WBC奮闘チェコ、日本戦で記録的熱狂 野球中継では「国史上最多の視聴者数」...国営TV解説者明かす”. J-CASTニュース. (2023年3月15日). https://www.j-cast.com/2023/03/15457935.html?p=all 2023年3月16日閲覧。
- ^ “WBCチェコ代表、日本のオフに満喫した意外な場所とは 屈強な男たちが笑顔で大はしゃぎ”. THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュース・コラム (2023年3月6日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ 千尋, 川峯 (2023年3月10日). “【WBC】〝二刀流軍団〟チェコ 劇的3ランで初勝利”. 産経ニュース. 2023年9月4日閲覧。
- ^ “チェコ監督「日本のファンは世界一」 満員ドームに万感…試合後はナインと感謝の拍手”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2023年3月11日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “「朗希にもらったお菓子で一番は…」WBCで脚光を浴びたチェコ代表のエスカラが母校HPで赤裸々告白!「本当の日本文化を体感した」(THE DIGEST)”. Yahoo!ニュース. 2023年9月4日閲覧。
- ^ 初映, 梶原. “「僕はラーメンに恋をした」チェコ代表の“大谷翔平から三振を奪った電気技師”が日本で得たもの”. 文春オンライン. 2023年9月4日閲覧。
- ^ “「マリーンズ-チェコ ベースボールブリッジプログラム」を通じたチェコ共和国との友好関係強化”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年8月4日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/konotarogomame/status/1668416996705439744”. X (formerly Twitter). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “チェコの選手が来日か、NPBからも派遣へ 沖縄で実施「ウインターリーグ」が拡大”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2023年7月31日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ 古川真弥. “侍ジャパン前監督の栗山英樹氏「ヨーロッパの野球見てみたい」野球発展途上国での指導プラン企画 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年9月4日閲覧。
- ^ @BaseballCzech (2022年9月13日). "THE ROSTER IS OUT!". X(旧Twitter)より2022年9月13日閲覧。
- ^ 【公式】REXパワーズ [@REX04586325] (2023年3月3日). "【試合結果】". X(旧Twitter)より2023年3月3日閲覧。
- ^ “OP戦日程のお知らせ”. 2023年3月2日閲覧。
- ^ “宮崎梅田学園硬式野球部公式サイト 3月のスケジュール”. 2023年1月28日閲覧。
- ^ “【WBC】チェコ先発全員14安打で打ち勝つ「コンディション良い」チェルベンカ 11日日本戦 - WBC2023 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年9月27日閲覧。
- ^ “スケジュール” (PDF). JR九州硬式野球部 (2023年2月21日). 2023年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月22日閲覧。
- ^ “韓国が阪神に勝つ WBC、B組強化試合|秋田魁新報電子版”. 秋田魁新報電子版 (2023年9月26日). 2023年9月27日閲覧。
関連項目[編集]