石島 (韓国)

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石島(ソクト)は、1900年10月25日大韓帝国「勅令第四十一号」で、鬱陵島と共に江原道鬱島郡に管轄させた島。現在のどの島を指すのか確実に特定できる資料がなく、日本の研究者は韓国の鬱陵島の北東近傍にある小島の「観音島」とし、韓国では現在日本と領有権争いをしている「竹島」であるとしている。

この勅令の中では、鬱島郡の管轄する地域が「鬱陵全島と竹島石島」と規定されている。この中の「竹島」は鬱陵島のすぐ東にある小島(日本では一般に竹嶼と呼ばれている)とされているが、「石島」がどの島にあたるかについて日韓間で意見の違いがある。原文では「竹島石島」となっており、句読点が入っていないので、「竹島、石島」と読むとも限らない。こういった考えから「竹島石島」を「竹島一名石島」と解釈し、竹島と石島が一つの島である可能性もあるとの見方もある。ただこの勅令全文において句読点は一切使われておらず、日韓併合条約に至るまで韓国政府に句読点を使う習慣はなかった。[要出典]

朝鮮語の標準語には、「石」や「岩」を意味する「トル」という固有語がある。韓国の全羅道の南海岸の方言ではこれが「トク」となるため、韓国では、ここから鬱陵島に移住した人が竹島(韓国名:独島 トクト)を「トクソム」(石の島)と呼んでいたとし、大韓帝国の勅令では竹島(独島)を「石島」と表記したとする。また、「独」の音読(トク)が同音であるため、後に「独島」と表記されたとする。ただし、これには発音が同じであるということ以外の根拠はない。

また、「石」という漢字の朝鮮語音(音読み)自体は「ソク」である。朝鮮でも限定的ながら漢字の訓読みが行われており、また「石」と「乙」を組み合わせ朝鮮語固有語の「トル」を表す国字(乭)も存在するなどしているが、地名に現れる「石」の字を「独」に変えた例、あるいはその逆の例といったものは他に確認されておらず、「石島」と「独島」を代替可能とする説は一般性に欠けている。

また、日本が竹島を島根県に編入した1905年の5年前に大韓帝国政府がこの勅令を出しているので、これを竹島(独島)が韓国領である根拠の一つとしているが、島の特定には根拠が乏しく、また1905年以前に、日本同様、韓国が竹島(独島)を実効支配した事実もない。

大韓帝国時代の「皇城新聞」1906年05月19日付の記事に、「本郡所属の独島は外洋百余里の外に在るが、本月四日に、日本官人一行が官舎に来到し、自ら云うには、独島が今、日本の領地になった故、視察のついでに来到し、・・・(中略)(日本官人一行は)戸数人口と土地の生産の多少と人員及び経費幾許、諸般の事務を調査して録去した」と記載がある。 しかし、「皇城新聞」の1906年07月13日付の記事には、鬱陵島の配置顛末との題で、「郡所管の島は鬱陵島と竹島(竹嶼)と石島。東西六十里、南北四十里、」と記載されており、郡所管の地域は東西六十里(約24km)、南北四十里(約16km)としている。5月19日付で独島は外洋百余里(約40km余り)としていることから、石島と独島は別の島と言える。(参考:鬱陵島は東西南北とも10km程度の島。現在の竹島は鬱陵島より東南東に約92km離れている。)

日本では、鬱陵島の古地図に記されている鬱陵島近傍の島の位置関係から、勅令の「竹島」が現在の竹嶼で、「石島」が現在の観音島であると言う見方が強い。また、古地図においては鬱陵島近傍の島のうち二つに「大于島」「小于島」という名称がついているものがあり、このうち「大于島」が後に「竹島」(竹嶼の韓国名)という名称になっている。竹嶼は鬱陵島近傍にある島の中で一番大きく、観音島がこれに次いで大きい。共に鬱陵島の北東近傍にあり観音島は竹嶼の北西に位置する。この竹嶼と観音島の位置関係は、古地図にある大于島と小于島の位置関係にほぼ対応している。ただし、観音島は古地図ではいくつかの名称で呼ばれているものの、直接「石島」と記載した例は現時点では見つかっていない。

韓国はまた、竹島(独島)は岩石でできているのでその名に相応しいとしているが、観音島も上部の表土以外は岩石でできている。また、葛生修亮1901年に書いた「韓海通漁指針」では当時の朝鮮人は竹島(独島)を「ヤンコ」(リアンクール岩礁に由来。日本では「リャンコ」)と呼んでいたという記述はあるが、韓国固有の名称についての記述は無い。

韓国の慶尚北道は大韓帝国「勅令第四十一号」が出された1900年10月を「独島の月」に制定し、竹島(独島)の領有権確立をPRする月間としている。これは日本の島根県が「竹島の日」を制定した事に対抗した事による。


大韓帝国 勅令第41号の原文 (一部ハングルで書かれている付属語を日本語に訳している)

勅令第四十一号

   鬱陵島を鬱島と改称し島監を郡守に改正する件

第一条 鬱陵島を鬱島と改称し江原道に所属させ島監を郡守に改正し官制に編入し郡等級は五等にする事
第二条 郡庁は台霞洞に置き区域は鬱陵全島と竹島石島を管轄する事
(略)

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