柘植駅
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画像提供依頼:蒸気機関車時代に使用されていた転車台の画像提供をお願いします。(2022年9月) |
柘植駅 | |
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駅舎 | |
つげ Tsuge | |
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所在地 | 三重県伊賀市柘植町 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
電報略号 | ツケ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
308人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1890年(明治23年)2月19日[1] |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | V 関西本線 |
キロ程 |
79.9km(名古屋起点) 亀山から20.0 km |
◄加太 (8.9 km) (6.2 km) 新堂► | |
所属路線 | C 草津線 |
キロ程 | 0.0 km(柘植起点) |
(5.3 km) 油日► | |
備考 | 簡易委託駅 |
柘植駅(つげえき)は、三重県伊賀市柘植町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅である。
概要[編集]
三重県で最初に開業した駅である[2]。旧伊賀町の代表駅であった。
当駅の所属線である関西本線[3]と、当駅を起点とする草津線との接続駅となっている。
当駅は近畿統括本部が管轄する。草津線についても三重県と滋賀県の県境付近にある境界標までの約1.4kmの区間は近畿統括本部の管理である。なお、当駅から関西本線加茂方面および草津線方面が大阪近郊区間に入る。
歴史[編集]
年表[編集]

- 1890年(明治23年)
- 1897年(明治30年)1月15日:関西鉄道線が上野駅(現在の伊賀上野駅)まで延伸。
- 1907年(明治40年)10月1日:関西鉄道が国有化[1]。国有鉄道の駅となる。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定により、関西本線所属となる[6](ただし、貴生川方面は草津線となる)。
- 1972年(昭和47年)4月1日:貨物営業廃止(旅客駅となる)[3]。
- 1984年(昭和59年)2月1日:荷物扱い廃止[3]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道の駅となる[1]。
- 2018年(平成30年)3月17日:草津線でICカード「ICOCA」の利用が可能となる[7]。
- 2021年(令和3年)
鉄道唱歌[編集]
と歌われている。なお、「トンネル」とは加太トンネル(関西本線)のことである。
駅構造[編集]
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅で、関西本線は列車交換が可能である。駅舎は単式の1番ホーム側にあり、島式の2・3番ホームへは駅の北側にある跨線橋で連絡している。跨線橋には「柘植のホント!かるた」ボードを掲げ、郷土の名所や松尾芭蕉などを紹介している[2]。
トイレは1番ホームの跨線橋階段横に設置されている。明治時代の建造でかつては男女共用であったが、近年改修されて男女別になった。
当駅は簡易委託駅であり、自動券売機は設置されておらず、近距離きっぷも窓口で購入する必要がある。早朝と夕方以降は、無人になる。窓口営業時間外に関西本線を利用する場合は車内の運賃箱または駅窓口で運賃を支払い、草津線に乗車する場合は車掌から乗車券を購入する必要がある。なお、ICOCAは草津線方面、亀山方面および加茂方面とも利用できる(※簡易ICOCA改札機で対応)。また、加茂方面と草津線方面は大阪近郊区間内であるため、運賃は最短経路で計算される。
のりば[編集]
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | V 関西本線 | 下り | 伊賀上野・加茂方面[9] | 一部2番のりば |
2 | 上り | 亀山方面[9] | 一部3番のりば | |
3 | C 草津線 | - | 貴生川・草津方面[9] | 一部2番のりば |
付記事項[編集]
- ホーム
- かつては1番のりばと2番のりばの間に中線があった(※留置線として一部は存続)。なお、2番のりば・3番のりばと北側留置線には架線が張られているが、1番のりばには架線が張られていない。
- 当駅の運転取り扱い上はのりば表示と運転番線の呼称が逆となるため、3番のりばが「1番線」、2番のりばが「2番線」、1番のりばは「4番線」となる(※撤去された中線は「3番線」だった)。
- 当駅では関西本線の使用車両がキハ47系・キハ58系気動車からキハ120形気動車に変更された時にホームが嵩上げされた。かつては改札口の上部やホームに反転フラップ式案内表示機が設置されていたが、急行「かすが」の廃止を機にすべて撤去された。
- 2・3番のりばには柘植乗務員乗継詰所があり、当駅の構内には柘植駅乗務員宿泊所を併設している(※関西本線・草津線ともに夜間滞泊の設定があるため)。
- 2・3番のりばの亀山方には、「海抜二四三米(八〇〇尺)」と漢数字で書かれた、当駅の標高243mを示す木製の標柱が立っている。
- 列車運行
- 前日の夜に加茂発の最終列車が到着した後、そのまま夜間滞泊となるため、早朝(朝5時台)に運行する当駅始発の加茂行きは2番のりばから発車する。
- 平日は朝1本のみ草津・東海道線経由、京都以西快速の大阪行きが運行されている。これはJR在来線列車及び近鉄以外としては三重県から大阪方面に直通する唯一の電車(列車)である。
- 蒸気機関車が走っていた頃は、当駅 - 亀山駅間の「加太越」のための補機機関車がここで折り返していた。そのための給水塔や転車台があったが、今は撤去されている。なお、ホーム北側にはかつて貨物列車の組成用ヤードとして使われた側線が残っており、現在は草津線を走行する電車の留置線(夜間滞泊用)として使われる。
- 早朝および夜間に草津線を走行する電車の入換作業があるため、夜間から朝のラッシュ時間帯には、運転取り扱い社員がいる。
- 民営化当初は、奈良方面から0時過ぎに当駅に到着する列車が設定されていた[10]。
- その他
- 駅舎西側には、1890年(明治23年)の開業時に建てられた煉瓦積みの危険品庫(ランプ小屋)がある。駅舎は建物財産標が付いていないため建築年は不明。ホームの基礎はフランス積み煉瓦で、上屋は1890年1月と1919年(大正8年)12月付の建物財産標が付いた物が現存する。
- 三重県にあるJR西日本管轄の駅としては唯一、自社の電車が発着する駅である(※草津線は「電車」、関西本線は「列車」と称するため)。
- 関西本線の伊賀上野方面より草津線が先に開通したため、亀山方面から草津線へ向かう線路がほぼまっすぐ敷かれている。
- 当駅と大阪駅の間が経路特定区間に指定されていた時期があり、この区間をまたがって乗車する場合は関西本線・城東線(現在の大阪環状線の東半分)経由で乗車しても距離が短い草津線・東海道本線経由で運賃を計算していた。
- 蒸気機関車時代に使用されていた転車台が完全な形で残っているが[11]、雑草に覆われている[12]。
利用状況[編集]
「三重県統計書」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通り[13]。この数字には各線の乗り換え客は含まれていない。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1997年 | 485 |
1998年 | 486 |
1999年 | 515 |
2000年 | 520 |
2001年 | 475 |
2002年 | 470 |
2003年 | 492 |
2004年 | 478 |
2005年 | 479 |
2006年 | 467 |
2007年 | 466 |
2008年 | 436 |
2009年 | 418 |
2010年 | 393 |
2011年 | 404 |
2012年 | 391 |
2013年 | 376 |
2014年 | 341 |
2015年 | 339 |
2016年 | 336 |
2017年 | 327 |
2018年 | 322 |
2019年 | 308 |
駅周辺[編集]
駅の南には旧伊賀街道とその宿場町が残るが、駅周囲には市街地は形成されていない。かつて乗換駅として賑わっていた頃は駅前に旅館が軒を連ねていた[2]。なお、名阪国道は当駅から南へ1kmほど離れたを通る(当駅からは伊賀インターチェンジが最寄りとなる)。
バス路線[編集]
駅前を通る三重・滋賀県道50号線上に「柘植駅前」停留所があり、いがまち行政サービスによる巡回型コミュニティバスが乗り入れる(※平日のみ運行)。
- いがまち行政サービス巡回車
- 柘植・西柘植線
- 伊賀支所
- 保健福祉センター
- 柘植・西柘植線
- 備考
精算に関して[編集]
2021年(令和3年)3月13日以降はICカード「ICOCA」の利用が可能となった(先述)が、ここでは切符(乗車券)または整理券で乗車した場合の精算方法を解説する。
- 関西本線の列車から当駅で下車する場合
- 当駅までの乗車券を投入する(※乗車券を持ってない場合・乗り越しとなる場合は運賃を投入する。なお、整理券を持っている場合はそれも投入する)。
- 草津線の列車から当駅で下車する場合
- 改札口の運賃箱に乗車券を投入する(※乗車券を持ってない場合・乗り越しとなる場合は運賃を投入する)。
- 関西本線の列車と草津線の両線に乗車し、他の駅で下車する場合
- 乗車券および整理券(※関西本線など、ワンマン列車の無人駅から乗車した時のみ)を持ったまま乗り換える。なお、整理券で乗車した場合は車内改札または下車駅で精算する。
隣の駅[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e 石野 1998, p. 347.
- ^ a b c 河野晴気「波の詩 県内初の鉄道駅」中日新聞2019年10月27日付朝刊、三重版12ページ
- ^ a b c d 石野 1998, p. 338.
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ 「関西参宮鉄道案内記」(明治31年10月8日発行)に掲載された写真。「鉄道史料」第83号(鉄道史資料保存会、1996年)に再録。
- ^ 曽根悟(監修)「関西本線・草津線・奈良線・おおさか東線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第8号、朝日新聞出版、2009年8月30日、 13頁。
- ^ “2018年春 草津線ICOCA利用可能エリア拡大日が決まりました” (日本語) (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2017年12月15日), オリジナルの2019年6月5日時点におけるアーカイブ。 2021年1月19日閲覧。
- ^ “関西本線 加茂駅〜亀山駅間 ICOCAエリア拡大日決定! 〜2021年3月13日サービス開始〜” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2021年1月19日), オリジナルの2021年1月19日時点におけるアーカイブ。 2021年1月19日閲覧。
- ^ a b c “柘植駅|構内図”. 西日本旅客鉄道. 2022年7月25日閲覧。
- ^ 交通公社の時刻表 復刻版 1987年4月号
- ^ “柘植駅の転車台の復元 (PDF)”. 伊賀市. 2022年9月11日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2022年9月11日閲覧。
- ^ “【てくてく歩記】県内初の鉄道駅沿線を歩く 伊賀市・柘植町周辺”. 伊賀タウン情報ユー(YOU). 株式会社ユー (2018年4月28日). 2022年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月4日閲覧。
- ^ 三重県統計書 - 三重県
- ^ “伊藤精工 会社情報”. 伊藤精工. 2022年4月15日閲覧。
参考文献[編集]
- 石野哲(編) 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 柘植駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道