国家機密

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国家機密(こっかきみつ)とは、法律に基づき政府が公表しない事実や情報を指す。戦略や、外交の手の内は、言論の自由のある国でも国家機密にするが、独裁国家では権力者が己の地位を維持し、または自身に不都合な情報を隠蔽する目的で、“国家機密”指定を濫用している場合が少なくない。

日本における事例[編集]

日本には国家機密を直接保護する法律はない。公務員守秘義務および民間企業の就業規則個人情報の保護など)だけでは、民間人スパイによる機密漏洩に対応できず、保守系を中心に必要論は根強いが、戦前幅を利かせた言論統制に対する反発や、知る権利との絡み、また黒幕は外交官であることが多く不可罰なことから、反対論が強く、実現に至っていない。

東西冷戦期、国家機密保護の必要性の認識が高まったとき、当時の日本社会党は、国家秘密保護法と表現したが、日本共産党は、より危険度を強調し、国家機密保護法と表現した。

中華人民共和国の事例[編集]

中華人民共和国の「保守国家秘密法[1]」では、国家機密の範囲を「国家に安全や利益に関する事柄で、法定の手続きで確定され、一定期間において、一定の範囲内の人員のみ限定して周知される事項」を定義されている(第2条)。ここでいう「法定の手続き」とは、国家保密工作部門が制定する「実施弁法[2]」(第33条)および中央軍事委員会が制定する「人民解放軍保密条例」におよび条例(第34条)だと思われる。

前者の「実施弁法」では、第4条において具体的な範囲が箇条書きで示されているが、国家秘密が広範囲にわたっており、「経済利害を損なう」ことも含まれている。また、省・直轄市や地区・市など地方政府の中にも国家保密局が設置され、さらに地方ごとの実施弁法まで存在する。そのため、これらの下部法は人権知る権利との衝突を避けるため、範囲を限定しているとは言いがたい。

中華人民共和国では、政府幹部の身体に関することも国家機密とされており、胡錦涛身長すら公表されていない。これは朝鮮民主主義人民共和国も同じで、訪朝し金正日と会見した桂銀淑が金正日の血液型を尋ねたところ、「それは国家機密」と制止する側近を振り払い、「いいよ、A型だよ」と答えた事例がある。

中華民国(台湾)の事例[編集]

民主化以前は、戒厳令がしかれ、国家機密は現在よりも広範にわたっており、処罰も厳しかった。なお、2003年に現行の「国家機密保護法」と「政府資訊公開法」(情報公開法)が同時に制定、施行されている。

関連事項[編集]