出血性大腸炎

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出血性大腸炎(しゅっけつせいだいちょうえん、英語: Hemorrhagic colitis)は、大腸感染症の一種。腸管出血性大腸菌志賀赤痢菌大腸感染してベロ毒素志賀毒素)を産生し、血便を伴う下痢と重篤な合併症を起こす。

  • どの年齢層にも起こり得るが、特に小児高齢者に最も多くみられる。出血性大腸炎を起こす最も一般的な腸管出血性大腸菌の株はO157:H7である。O157はもともと健康なウシに生息しているものである。加熱が不十分な牛ひき肉や殺菌されていない牛乳果汁、また汚染されたを摂取することで集団発生することがある。出血性大腸炎は人から人へ伝染し、特におむつをつけている乳幼児の間で伝染する。
  • 腸管出血性大腸菌のつくる毒素は大腸の粘膜に損傷を与える。毒素が血流中に吸収されると腎臓などの大腸以外の臓器にも影響を及ぼす。
  • なお抗生物質など薬剤の副作用によって起こることもある(薬剤性腸炎)が、ここでは主に感染症による出血性大腸炎について記述する。

症状[編集]

  • 痙攣性の激しい腹痛と水様性の下痢が突然始まり、下痢は24時間以内に血便になることが多い。下痢は通常1~8日間続く。発熱は無いか、あっても37℃台の微熱であることが多いが、まれに39℃以上の高熱になることもある。
  • 出血性大腸炎を起こした人の約2~7%に、溶血性尿毒症症候群という重い合併症がみられる。その症状は、赤血球が破壊されることによる貧血溶血性貧血)からくる疲労、脱力感、たちくらみなど、血小板数の低下(血小板減少症)、突然の腎不全などである。溶血性尿毒症症候群の中には、痙攣発作や脳卒中など、神経の障害に関わる合併症が起こる場合がある。これらの合併症は出血性大腸炎の症状が出てから2週目ごろに現れ、その前兆として体温が上昇することもある。溶血性尿毒症症候群を起こしやすいのは、5歳未満の乳幼児と高齢者である。
  • また、高齢者の場合、溶血性尿毒症症候群の有無にかかわらず、出血性大腸炎自体が死亡の原因になることがある。

診断[編集]

患者が血便を伴う下痢を訴えた場合は、出血性大腸炎が疑われる。診断をつけるには便のサンプルを調べて大腸菌の菌株を調べる。大腸菌が産生する毒素を検出する便検査を行うこともある。血便の原因として他の病気(潰瘍性大腸炎大腸癌など)が考えられる場合は、大腸内視鏡検査など他の検査も行うことがある。

治療[編集]

  • 治療において最も重要なことは水分補給である。大量の体液が失われてしまった場合には輸液で補給する必要がある。下痢止め(止瀉薬)や抗生物質などは溶血性尿毒症症候群を起こすリスクを高めるので、原則使用しない。
  • 合併症を起こした場合は入院して集中治療を受けることが必要となる。腎透析が必要なこともある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]