冬休み
冬休み(ふゆやすみ)とは、冬の長期休暇のことである。学校における正式な名称では、冬季休業(とうききゅうぎょう)ということが多い。3学期制の学校では2学期と3学期の間におかれる。
ヨーロッパには、冬休みが存在せず、クリスマス休暇があるだけで、元日の1月1日は祝日扱いで休日であるが、1月2日からは、平常の授業になる。中国・台湾や韓国は旧正月を祝うため、これもまた事情が異なる。
期間[編集]
日本[編集]
小学校・中学校・高校[編集]
関東以南では一般的に12月25日頃から1月7日頃までだが、曜日配列によっては12月22日から始まったり、あるいは1月10日までとなる年度もある。
一方、冬休みが長い代わりに夏休みの短い地域(北海道はすべての教育局管内[注釈 1]。他に北東北の一部)では最長で1月14〜20日頃まである地域も存在する。なお日数の長い北海道でも、中学校の場合は冬休みが長いと高校入試の準備に影響が出やすいため、札幌市など一部の市は12月25日頃から1月15日頃までとしている(小学校より冬休みが3〜5日程度短く、その分中学校の夏休みは増える)。
なお、沖縄県の冬休みは本土よりさらに短く、概ね12月26日頃から1月4日頃までである。2学期中に台風などの気象災害によって臨時休校が発生した場合はさらに短くなり、冬休みが12月29日からとなったり、さらには1月3日までとなる年度もある。
日本の元号が平成であった1989年から2018年までは天皇誕生日が12月23日であり、冬休みを12月23日からとする学校も多かった。2000年以降は、ハッピーマンデー制度の実施により成人の日が1月第2月曜日になってからは、暦の都合で冬休みが1月10日までとなる場合もある。一方、学校週5日制の実施・自然災害による休校・インフルエンザなどの学級閉鎖に伴う授業時間数の減少などに対処して、12月25日〜28日に終業式を行ったり、1月4日〜7日に始業式を前倒しして行う学校、年度もある。
自殺
- 内閣府「平成27年版自殺対策白書」の(過去40年間)「20歳以下の日別自殺者数」では三学期が始まる1月8日前後で突出した自殺数となっている。
- 冬休み中における就学生徒の自殺は冬休み終盤に向けて集中しており、1月8日がピークとされる。自殺総合対策推進センターは「休み明け直後は大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすい」と述べている。
短期大学[編集]
小中学生のそれに近いが、「冬休み明けの講義は1月のみで終わってしまい、2月は試験だけ」という短期大学がほとんどである。
大学[編集]
小中学生のそれに近いが、「冬休み明けの講義は1月のみで終わってしまい、2月は試験だけ」という大学がほとんどである。
専修学校[編集]
学校によって異なり、小中学校と同様の年末年始を中心とした時期のみの学校がある一方、資格試験が少ない学校では12月中旬頃から始まることもある。(大原学園専門課程の2年次など)。
社会人(一般企業など)[編集]
1月1日(元日)前後の4〜7日間を休みとして取ることが多く、平均して下記の公務員の期間に準ずる場合が多いが、一部の大手製造業では10日間程度の長い休みを取る場合もみられる。年末が特に多忙な業種を中心に、12月の第3もしくは第4土曜日(2018年以前は12月23日の祝日も)を出勤にして、後で長い休みをとる場合もある。しかし、最近では一部の大手小売・サービス業、中小企業社員、交代勤務社員、フリーター等で冬休みが無いケースが多くなってきている。また、コンピューターシステムの更新やメンテナンスといった大掛かりな作業は、GWや年末年始といった時期にしか行えないので、そのような作業に携わる人たちも冬休みが無いケースが多い。
公務員[編集]
国家公務員の場合、12月29日〜1月3日。ただし、その前後の日(12月27日・28日、1月4日・5日)が土曜日、日曜日にあたるとその前後の日も事実上含まれる。
防災対応を行う気象庁と、警察・消防など、公共の安全を図るための機関のうち、事務手続きに関する以外の職種は、この期間も業務を行っている。また職員の交代勤務制で言えば、病院(入院患者の看病)や浄水場(施設の管理保全)、動物園(飼育動物の給餌)も同様である。
地方公務員の場合は自治体ごとに条例で休日が定められるため、必ずしも国家公務員の休暇期間と一致しない。
太平洋戦争に突入した1941年から1945年にかけては、時局重大であるとして年末年始の期間(12月28日-1月5日)も平常勤務となった[1]。
銀行など金融機関[編集]
12月31日〜1月3日[注釈 2]。なお、その前後の日(12月29日・30日、1月4日・5日)が土曜日、日曜日にあたるとその前後の日も事実上含まれる。従来、正月三が日(1月1日〜3日)は大半の金融機関で預金の引き落としを店頭の機械(CD・ATM)により行うことが出来なかったが、2007年よりメガバンク(三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)の全てが年中無休で出揃い、また、りそな銀行も正月三が日や5月の大型連休のATMの利用が可能となった。ゆうちょ銀行のATMについても、2008年から、正月三箇日の利用が可能となった。ただし、ホリデーサービスを実施しているATMに限る。
海外[編集]
アメリカ合衆国[編集]
アメリカ合衆国の学校では一般的に12月22日から1月3日まで冬休み期間となる。宿題はない。一方、アラスカ州では小学校では12月16日から1月22日まで約1ヶ月ぐらい冬休み期間となる。しかしハワイの冬休みは本土よりさらに短く、概ね12月29日頃から1月2日頃までである。
カナダ[編集]
カナダの学校では12月21日から1月4日まで冬休み期間となる。 一方、カナダの小学校では日本の北海道の小学校の冬休みとそれほど同じく12月21日から1月22日まで約1ヶ月ぐらい冬休み期間となる。
ロシア連邦[編集]
ロシア連邦の学校では12月21日から1月4日まで冬休み期間となる。 一方、ロシア連邦の小学校では12月19日から1月7日まで約3週間ぐらい冬休み期間となる。
スウェーデン[編集]
スウェーデンの学校では12月26日から1月4日まで冬休み期間となる。
韓国[編集]
韓国では2学期制の小中高校の冬休みは日本と同じく12月25日ころから1月7日ころまでとなっている。
中国[編集]
中国では小中高校の冬休みは春節三が日を含めた1月後半から2月後半までとなっていっている、大体4週。
フィリピン[編集]
フィリピンの学校では次の学事年度6月に始まるため、冬休み期間は12月25日から1月3日までとなっている。
インドネシア[編集]
インドネシアは国土が赤道近辺にあるため、季節として冬を特定できない。なお北半球では12月25日または26日から1月3日までの約10日間。
メキシコ[編集]
メキシコの学校では12月29日から1月2日まで冬休み期間となる。
ブラジル[編集]
ブラジルは国土が赤道近辺にあるため、季節として冬を特定できない。しかし北半球では12月30日または31日から1月4日までの約5日間。
タイ[編集]
タイの学校では冬休み期間は12月25日または26日から1月3日までの約10日間までとしている。
南半球の国[編集]
北半球と夏冬が逆転するため、冬休みは7月25日から8月5日までとしている。
冬休みの過ごし方[編集]
学校の児童や生徒の場合、夏休みほど活動的な時期ではないことが多い。期間の短さや、途中の正月行事による中断、地方によっては積雪があることの他、冬場の風邪の流行などが外出を手控える要因とされる。さらに小中高校の最終学年にあたる児童や生徒の場合は上級学校の受験を直前に控えているケースが少なくなく、その準備に追われることも要因の一つである。
両親の実家など親の帰省、年末年始の家族旅行、さらにはウィンタースポーツに出かける学生もかなり多いが、夏休みに比べると帰省以外の外出は多くない。近年では、百貨店やスーパーマーケットにて大々的に初売りが行われるため、初詣でお寺や神社に向かうように、家族で店に向かうのは冬休みならではの外出とも言える。
また、学校の宿題も、「読書感想文」や「自由研究」などは日数の長い北海道を除き、夏休みと違って一般的には出されることが少ない。このため、冬場ならではの自然観察を行う学生は趣味で行う場合が多く、夏休みに比べると行う学生も多くない。
冬休みの宿題[編集]
冬休みのイベント[編集]
冬休みを題材にした作品[編集]
- 児童文学
- 映画
- 「ポーラー・エクスプレス」 2004年アメリカ映画
- 音楽
- 西村知美「想い出の冬休み」
脚注[編集]
- 注釈
- 出典
- ^ 富山市史編纂委員会編 『富山市史 第二巻』p1047 1960年 富山市