春休み
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春休み(はるやすみ)とは、春季に設けられる休暇の期間。
日本の春休み[編集]
学校等で年度末から年度始めにかけて設けられる春の長期休暇のことである。正式には学年末休業と学年始休業、あるいは2つを合わせて春季休業と呼称するが、一般に春休みと呼ばれている。大学および3学期制の学校では学期間の休みとなる。
4月を年度の始まりとみなす日本では年度の境目であり、年度の終了および年度始めの準備期間としての意義がある。この時期になると、多くの百貨店・スーパーマーケット・ホームセンターなどでは、新入学や新生活のためのキャンペーンが設けられ、主に学用品(入学服・ランドセル・学習机など)や、一人暮らしに必要とされる家具、電気製品などの生活用品を買い求める姿が多く見られる。また、企業の年度替りの事情から大規模な人事異動が行われることが多く、引越しの需要が多い時期でもある。なお、引越しなどをしない者にとっては文字通りの春季の休業となり、この時期に「春」という季節を十分に味わうことができる。
なお、学校における春季休業であるだけに、一部を除いた大多数の社会人(職業人)には与えられておらず、むしろ年度末・年度始めで普段より忙しいことも少なくない(学校の教職員も同様に勤務日である)。このライフスタイルの違いゆえに、成人後の多くの人にとって、学校における春休みの存在感や自身の学校時代の春休みの記憶は、夏休みや冬休みのそれに比べて希薄な傾向にある。
期間[編集]
- 小学校・中学校・高等学校
- 公立学校の場合3月25日頃から4月5日頃(2000年代以降は学校週5日制やハッピーマンデーの影響もあり、自治体や学校によっては期間が短くなるところも増えてきている)、私立学校の場合は3月29日から4月7日までの10連休となり[要出典]、学校休業日になるところもある。
- ただし、卒業年生については卒業式以降が休みとなることが多いためこれ以降が春休みとなり、上記より長くなる傾向がある。なお、式後も3月31日(年度末)まではその学校の児童・生徒である。
- 大学(短期大学を含む)
- 2月上旬から4月上旬までの2ヶ月丸々休みになる所が多い。2月になると各大学とも入試のために設備や職員の配置を割かなければならないためである。
- 専修学校
- 設置者やそのカリキュラム、資格試験・国家試験の受験日によりさまざまである。4月に試験が行われる場合(4月第3日曜日の情報処理技術者試験春期など)、春休みを試験後にずらし、場合によっては春季大型連休とまとめて取る事もある。
春休み中のイベント等[編集]
- 春休み中に登校日を設け(卒業年生を含む)、教職員の離任式や入学式の準備もしくは式自体を行う地域も見られる。特に3月28日・3月29日に集中する。
- お花見
- 堤防・花壇などで春の草花を見て楽しむ
- 学習塾や進学教室の春季講習
- 人事異動を受けた家族の転勤などに伴う引越しおよび自身の転校
- 新入社員研修(入社前研修) - セブン&アイ・ホールディングスなどのように、3月に前倒しで入社式を行なう企業もある。
- 選抜高校野球・プロ野球の開幕戦などのスポーツ大会
欧米の春休み[編集]
アメリカ、カナダなどでも「スプリング・ブレイク、英: Spring break」と呼ばれる同時期の休暇がある。アメリカでは通常一週間程度と短い。アメリカやカナダの学校年度(Academic Year)は夏休み明けの秋から新年度となり翌年の初夏に終わるため、スプリング・ブレイクは一般的な二学期制の場合後期(春学期)の半ばにおかれる。
欧米では復活祭(イースター)の時期に当たり、イースターホリデー(Easter holiday)やイースターバケーション(Easter vacation)と呼ばれる休暇が春に設けられる。例えばスペインでは3月から4月にかけてイースターを含む週にセマーナ・サンタ(聖週間)と呼ばれる連休が設定されることがある[1]。
なお、フランスやドイツでは渋滞や混雑の緩和を目的として、春休みや冬休みについて休暇の分散化の取り組みが行われている[2][3]。この休業分散化の取り組みは、交通渋滞や混雑緩和による移動時間の短縮だけでなく、ピーク需要の平準化による旅行料金の低廉化、環境負荷の軽減、インフラの効率化、観光地における雇用の安定化、生産性の向上などの目的もある[2]。
フランス[編集]
フランスでは全土を「ゾーンA」「ゾーンB」「ゾーンC」の三つに分けて、冬休みや春休みを1週間ずつずらしてとる休業分散化が行われている[2][3]。
例えば、2010年の学校休業日の分散化では、ゾーンAの地域(カン、クレルモン・フェラン、グルノーブル、リヨン、モンペリエ、ナンシ-メッツ、ナント、レンヌ、トゥールーズ)では4月10日から4月26日、ゾーンBの地域(エクス-マルセイユ、アミアン、ブザンソン、ディジョン、リール、リモージュ、ニース、オルレアン-トゥール、ポワティエ、ランス、ルーアン、ストラスブール)では4月3日から4月19日、ゾーンCの地域(ボルドー、クレテイユ、パリ、ヴェルサイユ)では4月17日から5月3日に春休みが設定された[2]。
なお、フランスの学校休業日の分散化は、休業時期が毎年同じにならないように、ゾーンごとに毎年入れ替わり変動する仕組みになっている[2]。
ドイツ[編集]
ドイツでも春休みの休業分散化が行われている[3]。ドイツの学校休業日の分散化は州ごとに行われている[2]。
春休みを題材にした主な作品[編集]
脚注[編集]
- ^ 林信吾 『熟年留学のススメ』ミスターパートナー、2011年。
- ^ a b c d e f “参考資料”. 観光庁. 2022年5月9日閲覧。
- ^ a b c “「キッズウィーク」への期待と課題~課題は山積み、まずは労働者が柔軟に休める仕組み作りを”. ニッセイ基礎研究所 (2017年6月15日). 2022年5月9日閲覧。