ハッピーマンデー制度

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ハッピーマンデー制度(ハッピーマンデーせいど)とは、日本において国民の祝日の一部を、従来の固定日から特定週の月曜日に移動させた法改正である。

概説[編集]

公務員や中規模以上の企業を中心に週休2日制が浸透したため、月曜日を強制的に国民の祝日とする事によって土曜日・日曜日と合わせた3連休とし、余暇を過ごしてもらおうという趣旨で制定された。

「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」(平成10年法律第141号)によって「成人の日」および「体育の日」が、「国民の祝日に関する法律及び老人福祉法の一部を改正する法律」(平成13年法律第59号)によって「海の日」および「敬老の日」が、それぞれ月曜日に移動した。

なお、移動方法については「従来の日付に近い方の月曜日」のような追従型でなく、「○月の第○月曜日」のように固定型となっている。これらの祝日設定は、アメリカ合衆国にある同様の制度(月曜休日統一法)の設定にならったものである。また、暦の並びによっては月曜固定祝日だけでなく月日指定の祝日も含め月曜日に集中することにより、学校のカリキュラムで月曜日の授業が消化できないことや、三連休となることにより医療機関に通うことができない日々が続く、大都市部に興行が行われ地方都市の興行にしわ寄せがくる、月曜日に強制的に休ませるため週全体に負担がかかり、かえって長時間労働の増加や年休消化ができないといった問題点が多い。一般的に月曜日や三連休明けは業務の他に全体ミーティング(朝礼)が行われる場合が多く業務量が輻輳するため週の中で最も忙しい。そのため一般企業は月曜日や三連休明けは出勤人数を増配置して業務の輻輳緩和や常態的な長時間労働の抑制をしようと努めていることが多く、週の中で最も忙しい月曜日や三連休明けに好んで休むと「ごくつぶし」のように思われたり、交代制勤務(特に運輸業・サービス業・医療機関)で月曜日に休みが続くと暗に「戦力外通告」「仕事を辞めろ」という意味合いがあるため、全体的に月曜日に休むことを敬遠する・嫌う・罪悪感を感じる(月曜日や三連休明けの休みはタブーである)風潮が強い。そのため「ハッピーマンデー」とは呼ばず「月曜固定祝日」「月曜強制休日」と呼ぶ人も多い[要出典]

国民の祝日
日付 移動年 祝日名
1月1日 元日
1月第2月曜日 2000年 成人の日
2月11日 建国記念の日
2月23日 天皇誕生日
3月20日頃 春分の日
4月29日 昭和の日
5月3日 憲法記念日
5月4日 みどりの日
5月5日 こどもの日
7月第3月曜日 2003年 海の日
8月11日 山の日
9月第3月曜日 2003年 敬老の日
9月23日頃 秋分の日
10月第2月曜日 2000年 スポーツの日
11月3日 文化の日
11月23日 勤労感謝の日

このうち「勤労感謝の日」に関しては、「秋の大型連休」構想(シルバーウィーク § 10月末 - 11月頭の大型連休)として「体育の日」と「勤労感謝の日」を「文化の日」前後へ移動させ、土曜日・日曜日や振替休日、国民の休日と合わせて5連休以上にすることが、2007年5月に自公連立政権によって検討されたことがある。

これは景気対策を狙ったものだったが、自民党内からも「祝日の本来の意味が失われる」と反対論が多く、実現には至らなかった。もっとも、現行法でも暦の関係で、偶発的に9月の大型連休(土日の週末連休+敬老の日+国民の休日+秋分の日の5連休)が発生することはある(実例:2009年〈平成21年〉、2015年〈平成27年〉)。

なお2020年および2021年に関しては、東京オリンピックの開催(2021年に延期)に伴い制定された「改正オリンピック特別措置法」(2018年6月13日成立)により、本来の上記日程とは異なり、海の日を東京五輪開幕前日の2020年7月23日(延期後は2021年7月22日)、体育の日改めスポーツの日を五輪開幕当日の2020年7月24日(延期後は2021年7月23日)、またハッピーマンデーの適用外である山の日を閉会翌日の2020年8月10日(延期後は閉会当日の2021年8月8日)、延期後の閉幕翌日の2021年8月9日は「山の日の振替休日」にそれぞれ変更して施行する予定である[1]その理由は2021年8月9日月曜日に月曜固定祝日制度のように移動しようとしたところ8月9日が長崎原爆忌にあたるため「8月9日の長崎原爆忌は長崎原爆投下によって幾多の犠牲になった人々に対する追悼の日であり、オリンピック閉幕翌日の混雑を避けるためだけの理由で月曜固定祝日制度のように安易に祝日を移動することは長崎原爆投下によって幾多の犠牲になった人々の心情を踏みにじる行為だ。断じて8月9日を祝日として施行することは許されないことである。」と強い反対があったためである[要出典]

ハッピーマンデーに対する批評[編集]

上述しているように、この制度は祝日を月曜日に持ってくることで土曜日から月曜日に掛けて3連休とし、余暇を過ごしてもらおうという趣旨によって制定されたものであるが、前述した「勤労感謝の日」を月曜固定祝日(ハッピーマンデー)化する構想に対して与党が「祝日の本来の意味が失われる」と反論したように、「成人の日」「海の日」「体育の日」など、歴史的経緯によって制定された日付由来の祝日が全く所縁の無い日付に移動したため、この制度に対して批判が非常に多い。特に「成人の日」は第2月曜日に指定されていることで、本来の日付である1月15日が「成人の日」になることが在り得なくなったため、尚更否定的な意見が強い。また、月曜固定祝日制度については月曜日を強制休日にする反動によりサービス業では前週の金曜日および翌日の火曜日・学校関係は学期末に月曜固定祝日で穴が開いた分のカリキュラムの消化に負担が増大する、月曜日を強制的に休ませるため1週間全体に負担がかかり、長時間労働の増加や年休消化が進まなくなるため月曜固定祝日を廃止するべきとの声も大きい。また、カレンダーの配列によっては月日指定の祝日・振替休日が月曜日に集中するため、月曜固定祝日を含む週末は前週末の土曜日を代替出勤日(平日扱い)にして是正しなければならなくなる。そのため、中には「月曜固定祝日は祝日として認めていないので平日扱いとする(月曜固定祝日・月曜強制休日反対派における祝日手当の受取・祝日代休の付与を拒否・ボイコットする)」「この月曜固定祝日・月曜強制休日制度(ハッピーマンデー制度)自体が「悪法も法」の最たるものであるため、最も良いのは月曜固定祝日・月曜強制休日制度(ハッピーマンデー制度)を廃止し、年次有給制度の上限(現行の年次有給制度は最大20日)を引き上げることである」という考え方の人もいる。また、2019年現在の祝日法では、土曜日と祝日が重なった場合は振替休日の対象にならないため、台湾の祝日制度のように土曜日と祝日が重なった場合は前日の金曜日を振替休日にし、月曜固定祝日を廃止すれば月曜固定祝日制度の弊害が多少は解消できるのではとの案もある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2020年祝日大移動!7・23海の日、7・24体育の日、8・10山の日(サンケイスポーツ)