ラブドール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラブドールデリヘルから転送)
ナビゲーションに移動 検索に移動
ラブドールの例
ラブドールの例(オリエント工業)

ラブドールとは、主に男性セックスを擬似的に楽しむための実物の女性に近い形状の人形ダッチワイフと呼ばれる同じ目的で作られた人形の中でも、特に皮膚に相当する部分がシリコーンなどで作られ、感触や形状が実物の女性に近い高価な人形を指す。主に女性向けの実物の男性に近い人形もわずかに存在するが、この記事では男性向けについて記す。

概要[編集]

西洋人風のラブドール

主に男性がセックスを擬似的に楽しむための実物の女性に近い形状の人形であるが、セックスに限らず愛玩、観賞、写真撮影等にも使用されることがある。皮膚や女性性器も実物に近い感触の素材や形状で作られている。女性性器を模った専用のオナホールを着脱できるものも多く洗浄が容易になっている。一般に頭部は付け替えが可能で、好みの顔を選ぶことができる。内部に金属製の骨格があり腕や脚が可動し様々な姿勢を維持できるものが多い。形状や感触は実物に近いが、身長は比較的小さく体重も軽いものが多い。また体温はないため触ると冷たい。皮膚に相当する素材にはシリコーンエラストマーソフトビニールなどが使用されている。

シリコーン製[編集]

シリコーン製ラブドール(シリコーンドール)の多くは、骨格が内蔵されており、ある程度自由なポーズを取らせることができる。シリコーンの弾力で元に戻らないよう関節を固定しポージングを決める[注 1]。また、シリコーンは比重が高いので内部もシリコーンを使用すると体重が実際の人間に近づくが[1]、自分では動かないため抱いたときに重量感がある。そこで、ウレタン繊維強化プラスチック(FRP)などの中子で容積を稼ぎ、軽量化を図っている。これは骨格を兼ねる場合があるほか、ボディーラインなどの形状を保持する役目も持つ。一般的なシリコーン製ラブドールは、骨格、中子、シリコーンの三重構造を持っている。等身大のもので、重量は20 - 35kg程度、価格は50万円 - 60万円台となっている[2]

シリコーンの摩擦強度は高いが引き裂き強度は低く[注 2]以外に肛門を作り使用すると裂ける恐れがあるため肛門はない。また、口を大きく開けさせる事も困難であり、口を使用するフェラチオも難しい。素材の改良やシリコーンの二層構造[注 3]などにより感触自体は改善はされつつある。

近年は可愛いらしく美しい顔も追求されており、清楚系やギャル系、幼い系など、頭部の種類も豊富である。頭部、胴体、腕、脚の各パーツが簡単に着脱可能なものも発売されており、好みに応じて選択することができる。髪の毛は専用のかつらを装着するが、一般に市販されているものを装着させることもできる。

エラストマー製[3][編集]

新素材の熱可塑性エラストマーシリコーンより安価で柔らかいため最近よく使用されるようになった。より女性の肌の感触に近くなったとされるが、反面傷付きやすい。 エラストマーラブドールには更に弾力性がある。

ソフトビニール製[4][編集]

ソフトビニール製はシリコーン製に比べて価格が安い[5]。一般的なソフトビニール人形と比較するとサイズが大型でありソフトビニールのみで形状を保つ事は困難であるため、内部に発泡ウレタンなどが充填されている。骨格がなくソフトビニール部材どうしで結合されているため、関節部は360度回転する。高級品であるシリコーン製に比べ、丈夫で安価で軽量[6]ではあるものの、見た目に実物らしくない点、手触りも人体に近いとは言えず、乳房なども固いと言う欠点を持つ。

処分の問題[編集]

ラブドールは細かく切断して分別廃棄するには手間と時間がかかり、そのまま家庭ごみとして廃棄する場合、多くの自治体では粗大ゴミとして扱われることになるが、モノの性格上家庭ごみとして出すには抵抗があるという人も少なくない。不法投棄され死体と間違われる可能性も大いにある[7]

このようなことから、オリエント工業などの一部のメーカーでは不用ラブドールを「里帰り」と称し無償または有償で引き取り[8]メーカーの方で廃棄することも行っている。また、ラブドールはオナホールが着脱式のため、里子里親の仲介、中古買取などの仲介者による中古品の有料斡旋もある。

主なラブドールメーカー[編集]

ラブドールをテーマとした作品[編集]

2018年は“<人形協力>4woods、早乙女トトロ、七彩”とあり、人間モデルではないが人形を特定する重要な情報としてこれを記載した。 4woodsラブドール製造メーカー、早乙女トトロはラブドールレンタル店エロエロ天使店主、七彩マネキン人形製造メーカーである。

ラブドールを扱った映像作品 [編集]

  • ラースと、その彼女』(2007年 アメリカ映画)
  • 『純情メイド物語』*成人映画
    • 監督:長江隆美 DVD発売日:2006年11月25日 販売元:ながえスタイル 収録時間:72分
    • ドール:オリエント工業製 ジュエルライト [要出典]
  • 『純情メイド物語第二章』*成人映画
    • 監督:長江隆美 DVD発売日:2006年8月25日 販売元:ながえスタイル 収録時間:95分
    • ドール:オリエント工業製 ジュエルライト [要出典]
  • 空気人形』*R15+指定
  • 『ラブドール 抱きしめたい!』*成人映画
    • 監督:村上賢司  劇場公開日:2009年10月10日 DVD発売日:2009年11月20日 販売元:エースデュースエンタテインメント 収録時間:65分
    • ドール:オリエント工業製 ジュエル 葵、小雪、めぐ、麗、愛、智子、キララ、空、凛[要出典]
  • 『いもうと りん』*成人映画
    • DVD発売日:2011年2月19日 収録時間:65分 メーカー:SODクリエイト
    • ドール:オリエント工業製 NANOシリコン バスト小 雛[要出典]
  • 『体温』
    • 監督:緒方貴臣 劇場公開日:2013年2月23日 DVD発売日:2013年11月2日 販売元:アルバトロス 収録時間:72分
    • ドール:オリエント工業製:アンジェバスト大 みずき[要出典]
  • LOVETOPIA(ラブトピア)』BSフジ および DVD 上巻・下巻
  • 『BSフジ開局15周年記念ドラマ リアルホラー 第4話 クライアイズ』BSフジ
    • 監督:寺内康太郎 原作:鈴木光司 TV放送:2015年3月22日BSフジ
    • ドール:オリエント工業製:アンジェバスト大・ジュエル・セパレート 小雪・みずき・愛
  • 『女のかわいさはんぱない!』
    • 監督:庭月野議啓 DVD発売日:2015年11月20日 販売元:[テイチクレコード]
    • ドール:オリエント工業製:みずき、杏奈、絵梨花、小雪、恵、ゆい
    • 女のかわいさはんぱない!

ラブドールをテーマとしたイベント[編集]

  • 『人造乙女博覧会』(2007年6月18日〜6月30日 ヴァニラ画廊
  • 『人造乙女博覧会 II』(2010年4月26日〜5月15日 ヴァニラ画廊)
  • 『人造乙女博覧会 III』(2012年10月8日〜10月20日 ヴァニラ画廊)
オリエント工業35周年記念特別展示。
  • 『ローリー・シモンズ展 The Love Doll: Days9-35』(2009年4月20日(土)~5月25日 小山登美夫ギャラリー)
  • 篠山紀信 写真展 LOVE DOLL ×SHINOYAMA KISHIN』(2017年4月29日(土)~5月14日 アツコバルー)

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ ただし後述する通りシリコーンの引っ張り強度には限界があり可動域は相応に限定されるため、どの様なポーズも可能というわけではない。
  2. ^ 摩擦を下げる為にはベビーパウダーなどが有効である。
  3. ^ 例えば、深層は強度重視、表層は触感重視、など。

出典[編集]

  1. ^ シリコーン製の乳房は実物の感触に近く、乳癌で摘出した乳房の代わり(人工乳房)として使用されたり、乳房の小さい女性がブラジャー内部に挿入するシリコンパッドとしても使用されている。
  2. ^ 『南極1号伝説』(文庫版) p.66 2008年現在。
  3. ^ このセクションの特記無き記述は、高月靖『南極1号伝説』(文庫版) p.40 - p.64 を参照。
  4. ^ このセクションの特記無き記述は、高月靖『南極1号伝説』(文庫版) p.65 - p.70 を参照。
  5. ^ 『南極1号伝説』(文庫版) p.66 2008年現在。
  6. ^ 『南極1号伝説』(文庫版) p.70
  7. ^ “すわっ、殺人事件と本格捜査!寝袋開けたら人形だった…”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2008年9月1日). オリジナルの2008年9月10日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080910065837/http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080901/crm0809011759022-n1.htm 
  8. ^ 「里帰り」はオリエント工業などで行われている。『セックスメディア30年史』p.223、Q&A - よくいただくご質問”. オリエント工業. 2011年8月20日閲覧。

参考文献[編集]

  • 高月靖 『南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで 特殊用途愛玩人形の戦後史』(2008年4月 バジリコ)

関連項目[編集]