モルゴーア・クァルテット

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モルゴーア・クァルテット
MORGAUA QUARTET
出身地 日本の旗 日本
ジャンル 弦楽四重奏
活動期間 1992年 -
レーベル マイスター・ミュージック
日本コロムビア
公式サイト Label Website
メンバー 荒井英治 (第1ヴァイオリン)
戸澤哲夫 (第2ヴァイオリン)
小野富士 (ヴィオラ)
藤森亮一 (チェロ)
旧メンバー 青木高志 (第2ヴァイオリン)

モルゴーア・クァルテット英語: MORGAŬA QUARTET)は、日本弦楽四重奏団ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を中心に据え、プログレッシヴ・ロックをもう一つの柱として、類例を見ない演奏活動を続けている。「モルゴーア(morgaŭa , これは英語読みで、元来は「モルガウア」と発音するのが正しい)」とはエスペラント語で「明日の」の意。

主な活動[編集]

メンバー[編集]

荒井英治(あらいえいじ)
第1ヴァイオリン。2016年まで東京フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスターを務める。現在は、日本センチュリー交響楽団首席客員コンサートマスターおよび名古屋フィルハーモニー交響楽団の首席客演コンサートマスター、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団特別客演コンサートマスター。東京音楽大学教授。
1957年生まれ。桐朋学園大学出身。鈴木共子江藤俊哉に師事。
1971年全日本学生音楽コンクール中学の部で東日本第2位を獲得。1973年には、同コンクール高校の部で全国1位を獲得した。
プログレッシブ・ロックの大ファンであることを公言しており、アルバム『21世紀の精神正常者たち』及び『原子心母の危機』では編曲を務めた。
戸澤哲夫(とざわてつお)
第2ヴァイオリン東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団コンサートマスター。
1971年東京都生まれ。東京藝術大学出身、同大学院修士課程を修了。大学院在学中の1995年1月より、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団コンサートマスターに就任、現在も活動を続けている。
1996年から安田弦楽四重奏団のメンバーに参加。東京シティ・フィル新星日本交響楽団東京フィルハーモニー交響楽団)、広島交響楽団など、ソリストとしても協演を果たす。1997年4月には、チャイコフスキーの協奏曲にてアメリカデビューを果たした。
1998年11月より1年間、ドイツベルリン留学、元ベルリン・フィルコンサートマスターライナー・クスマウルのもとで研鑽を積む。
2001年4月、現メンバーとして加わる。
小野富士(おのひさし)
ヴィオラ。元NHK交響楽団ヴィオラ奏者。
1955年福島県出まれ。東海大学工学部電気工学科、及び東京藝術大学音楽学部器楽科ヴィオラ専攻卒業。
1986年、第21回東京国際音楽コンクール弦楽四重奏部門で"齋藤秀雄賞"受賞。
1981年1985年東京フィルハーモニー交響楽団副首席奏者を務める。1987年3月、NHK交響楽団に入団。同年10月から2015年2月まで同楽団フォアシュピーラーを務める。
藤森亮一(ふじもりりょういち)
チェロ。NHK交響楽団首席奏者。東邦音楽大学特任教授、国立音楽大学客員教授、東京藝術大学非常勤講師を務める。
1963年京都府出まれ。徳永兼一郎上村昇河野文昭ワルター・ノータスに師事。
1982年東京音楽大学に特待生で入学、同年に第29回文化放送音楽賞を受賞。1983年、第52回日本音楽コンクールチェロ部門第1位。1986年、第21回東京国際音楽コンクール弦楽四重奏部門・斉藤秀雄賞受賞。1987年、NHK交響楽団に入団。1990年ドイツ留学ミュンヘンでさらに研鑽を積む。
2000年にはチェロ四重奏ラ・クァルティーナを結成。2007年には第26回京都府文化賞功労賞を受賞した。

プログレッシブ・ロック作品[編集]

荒井英治は大のプログレッシブ・ロックファンを公言しており、小学校高学年から1970年代にかけて熱中していたと発言している[2]日本コロムビアより発売された「21世紀の精神正常者たち」、「原子心母の危機」では、キング・クリムゾンイエスキース・エマーソンなどによるプログレッシブ・ロック楽曲を弦楽四重奏で再現。荒井は吉松隆編曲によるエマーソン・レイク・アンド・パーマー/「タルカス」オーケストラ版の録音に東京交響楽団コンサートマスターとして参加しており、「原子心母の危機」に収録された「ザ・ランド・オブ・ライジング・サン」はキース・エマーソン本人が東日本大震災被災者に捧げたピアノ曲の弦楽四重奏曲への編曲を荒井に提案したことにより実現した演奏である[3]。また、定期演奏会では同じ楽曲を演奏しないという原則を置いているが、プログレッシブ・ロックだけは例外とされている。

ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

  • ディストラクション ロック・ミーツ・ストリングス(1998年2月25日)
    1. アトム・ハーツ・クラブ・クァルテット(吉松隆)
    2. レッド・ツェッペリンに導かれて
    3. イエス・ストーリー
      1. ラウンド・アバウト
      2. ロング・ディスタンス・ラン・アラウンド
      3. シベリアン・カントゥルー
    4. キング・クリムゾンの肖像
      1. レディース・オブ・ザ・ロード
      2. 太陽と戦慄パート1~3.21世紀の精神異常者
  • ボロディン:弦楽四重奏曲集(2005年4月25日)
    1. 弦楽四重奏曲第2番 ニ長調(String Quartet No. 2 in D Major)
      1. Allegro moderato
      2. Scherzo: Allegro
      3. Notturno: Andante
      4. Finale: Andante - Vivace
    2. 弦楽四重奏曲第1番 イ長調(String Quartet No. 1 in A Major)
      1. Moderato - Allegro
      2. Andante con moto - Fugato: Un poco piu moso
      3. Scherzo: Prestissimo
      4. Andante - Allegro risoluto
  • 夜の歌 尾崎宗吉作品集成 (2011年11月7日)
    1. 小弦楽四重奏曲
      1. Allegro
      2. Andante
      3. Rondo Scherzando.Vivace
    2. 幻想曲とフーガ
    3. 初夏小品
    4. チェロ・ソナタ
      1. Allegro
      2. Andante
    5. ヴァイオリン・ソナタ第2番
      1. Allegretto
      2. Lento
      3. Allegro
      4. Nachtstuck.Langsam,mit wenig Ausdruck
      5. Toccata.Schnelle Halbe
    6. 夜の歌

脚注[編集]

  1. ^ プログレ弦楽四重奏団モルゴーアが結成25周年(日経電子版2017年2月4日)/[1]
  2. ^ 弦楽四重奏でプログレ 「時代超えた強さ」 モルゴーア・クァルテット アルバム第2弾”. SankeiBiz (2014年6月11日). 2014年6月11日閲覧。
  3. ^ 4つの弦で奏でるロック魂”. ぶらあぼ (2014年6月18日). 2016年3月19日閲覧。

外部リンク[編集]