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モスクワは涙を信じない

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モスクワは涙を信じない
Москва Слезам Не Верит
監督 ウラジーミル・メニショフ
脚本 ワレンチン・チェルヌィフ
出演者 ヴェーラ・アレントワ
イリーナ・ムラヴィヨワ
ライサ・リャザノワ
アレクセイ・バターロフ
オレグ・タバコフロシア語版英語版
音楽 セルゲイ・ニキーチン
撮影 イーゴリ・スラブネヴィッチ
編集 イェレナ・ミハイロワ
製作会社 モスフィルム
配給 日本の旗 東映ユニバース
公開 ソビエト連邦の旗 1980年2月11日
日本の旗 1982年1月29日
上映時間 140分
製作国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
言語 ロシア語
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モスクワは涙を信じない』(モスクワはなみだをしんじない、原題・ロシア語: Москва Слезам Не Веритマスクヴァー・スリザーム・ニ・ヴィェーリト、ラテン文字転写の例:Moskva slezam ne verit;題:Moscow Does Not Believe In Tears)は、1979年に製作されたソビエト連邦映画である。脚本ワレンチン・チェルヌィフ、監督はウラジーミル・メニショフ。 1950年代後半から1970年代後半にかけてのモスクワを舞台に、田舎から出てきた3人の女性を描いた物語で、制作期間は約4か月。主演は後にメニショフの妻となるヴェーラ・アレントヴァと、アレクセイ・バターロフであった。なお、題名の「モスクワは涙を信じない」とは「泣いたところで誰も助けてはくれないものだ」という意味を持つロシア語の格言である。

あらすじ

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第一部・1958年モスクワ。 カテリーナ(ヴェーラ・アレントヴァ)、リュドミーラ(イリーナ・ムラヴィヨヴァ)、アントニーナ(ライサ・リャザノヴァ)の三人は、郊外の女子労働者寮で同室に暮らすことになり、やがて友人となっていく。カテリーナは学位を取得しようと努力する傍ら、工場で働いている。金持ちとの結婚願望があるリュドミーラは、カテリーナを教授の娘に仕立て上げてパーティーを開いて、裕福な人たちを招く。 リュドミーラはそこで、アイス・ホッケー選手セルゲイ(アレクザンドル・ファチューシン)と知合い、カテリーナはテレビ局のカメラマンをしているルドルフ(ユーリー・ヴァシリエフ)と出会って愛し合うようになり、彼女は妊娠する。しかしカテリーナが工場労働者にすぎないことを知ったルドルフは彼女を捨て、カテリーナは中絶を決意。ルドルフの母はカテリーナに手切れ金を手渡そうとするが、彼女は受け取りを拒否する。

やがてアントニーナは同僚のニコライ(ボリス・スモルチコフ)と結婚し、彼女が去った寮でカテリーナが娘アレクサンドラを育てつつ、深夜まで勉強し、涙を流しながら眠りにつく。

第二部・1978年モスクワ。 カテリーナは目覚まし時計の音に起こされる。彼女は未婚であるが、既に大工場の責任者となっていて、特権階級としての車を持ち、娘アレクサンドラ(ナターリヤ・ヴァヴィーロヴァ)も美しく成長していた。彼女にはウラジミールという年配の愛人(オレグ・タバコフ)がいるが、彼は既婚者であり、彼女は人生に何か不足を感じている。 リュドミーラはセルゲイがアルコール中毒になった為に離婚しており、再び裕福な人との結婚を考えている。アントニーナはニコライと結婚して3人の子供と幸せに暮らしている。

ある晩、カテリーナがダーチャから電車で家に戻ると、ゴーシャ(アレクセイ・バターロフ)と出会う。2人はお互いを見つめ始めるが、それは予期しないルドルフの訪問によってご破算となる。ルドルフはカテリーナの工場における驚異的な生産率を報道するため、ニュース制作スタッフの一員として派遣されてきたのだった。ルドルフはかつての恋人カテリーナと再会し、娘に対して償いをし、顔を見たいと願う。カテリーナは自分が結婚する予定であり、電話もして欲しくない、家にも来ないで欲しいという。しかしルドルフはそれを聞き入れず、ゴーシャとカテリーナ、アレクサンドラの3人が夕食を楽しむところに訪問する。彼は番組でのインタビューの話をし、その結果ゴーシャはカテリーナが工場長であること、そして自分よりもはるかに高額な給与を得ていることを知る。いかなる形であれ妻が夫より上位にある家族を認められないゴーシャは、混乱してその場を立ち去る。

その後しばらく、彼はカテリーナに電話もよこさず、家を訪ねることもなかった。カテリーナとかつてのルームメイトたちは、何かしなければならないと考える。アントニーナの夫ニコライはゴーシャを探す算段を立てる。ニコライは酔っ払っているゴーシャを見つけて一緒に酒を飲み、カテリーナの元に戻るようゴーシャを説得する。 カテリーナの家の台所で、ゴーシャはスープを飲み、カテリーナは目に涙を浮かべながら彼を見つめる。8日間もの間音信不通にしていたことを詫びるゴーシャに対し、カテリーナは「一生涯あなたを探していたような気がする」と伝えるのであった。

キャスト

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  • カテリーナ・アレクサンドロヴナ・チホミロヴァ(「カティア」) : ヴェーラ・アレントヴァ - 工場労働者
  • ゲオルギー・イワノビッチ(「ゴーシャ」): アレクセイ・バターロフ - カテリーナのパートナー
  • リュドミーラ・スビリドヴァ(「リュダ」): イリーナ・ムラヴィヨヴァ - カテリーナのルームメイト
  • アントニーナ・ブヤノヴァ (「トーシャ」) : ライサ・リャザノワ - カテリーナのルームメイト
  • アレクサンドラ : ナターリヤ・ヴァヴィーロヴァ - カテリーナの娘
  • ロディオン・ラチコフ(「ルドルフ」): ユーリー・ヴァシリエフ - テレビのカメラマンで、カテリーナと付き合うが別れる
  • ニコライ : ボリス・スモルチコフ - アントニーナの同僚で後に結婚
  • セルゲイ・グーリン(「セリョージャ」): アレクザンドル・ファチューシン - ホッケー選手、リュドミーラと結婚するが後にアルコール依存症となり離婚
  • ミハイル・イヴァノビッチ : ヴィクトル・ウラルスキー - ニコライの父
  • アンナ・ニキチナ : ヴァレンティーナ・ウシャコヴァ - ニコライの母親
  • ロディオンの母親 : エフゲニヤ・ハナエワ - カテリーナに手切れ金を渡そうとする
  • オリガ・パヴロヴナ : リヤ・アクジャコヴァ - シングルのクラブディレクター
  • 「叔母」パシャ : ゾーヤ・フョードロヴァ - 寮事務員
  • ウラジーミル : オレグ・タバコフロシア語版英語版 - カテリーナの恋人
  • アントン・クルグロフ : ウラジーミル・バソフ - 中央委員会副委員長
  • ゴーシャの友人 : アレクサンドル・ボロディアンスキー
  • 化学工場の主任技師 : ガリ・バルディン

公開

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  • ソ連では1979年の末にモスクワの映画館で公開。その後、1980年2月11日にテレビで放映された[1]
  • 9300万人以上がこの映画を鑑賞し、ソ連史上最も成功した映画の1つとなった[2][3]

受賞・評価

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劇中曲

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  • ベサメ・ムーチョ
  • セルゲイ・ニキーチンとタチアナ・ニキーチナによる作品
    • Александра (アレクサンドラ)
    • Диалог у новогодней елки (クリスマスツリーの下のダイアログ;A dialogue by the New Year's tree)
  • クラウディヤ・シュリジェンコの歌
    • Давай закурим (一服しようぜ;Davai zakurim / "Lets take a smoke" 1943年)
  • ゲリーナ・ヴェリカーノヴァの歌
    • Ландыши (すずらん;Landyshi / "Deluxe" 1959年、日本ではダークダックスがメインに歌った曲)

エピソード

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  • アメリカのロナルド・レーガン大統領はソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領と会見する前、この映画を少なくとも二回鑑賞して一般のロシア人の心をより深く理解しようと務めたと言われている。2000年にロシアで制作されたDVD版では、主題歌「アレクサンドラ」を歌ったセルゲイ・ニキーチンへのインタビューで彼はこの事に触れている。
  • それまで『鶴は翔んでゆく』等に数々の映画出演歴のあるバターロフに対し、ヴェーラ・アレントーヴァはこれまでTVドラマには主演していたが、映画での主演は初であった。以降彼女は多くの作品に主演を果たすきっかけとなった。

脚注

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  1. 映画で学ぶロシア語『モスクワは涙を信じない』”. 小石 (2021年2月6日). 2025年12月15日閲覧。
  2. Русская кинодвадцатка Радио Свобода "Москва слезам не верит"”. Radio Svoboda. 2021年10月15日閲覧。
  3. Richard Stites (1992). Russian Popular Culture: Entertainment and Society Since 1900. Cambridge University Press. p. 173. ISBN 0-521-36214-8
  4. Россияне назвали своим самым любимым советским фильмом "Москва слезам не верит" (ロシア語). Meduza. 2022年1月7日閲覧。

外部リンク

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