フューチャー・イズ・ワイルド
『フューチャー・イズ・ワイルド』(原題: The Future is Wild)は、2003年にイギリスで製作されたテレビ番組、及びそれに基づいた書籍。通称「F.I.W」[1]。『アフターマン』のドゥーガル・ディクソンが中心となり、何十人もの科学者へのインタビューに基づいて未来の地球でどんな進化が起こり、どんな生物が現れるかを予想し、それらをコンピュータグラフィックスによる画像で表現した。
この作品は日本でも大きな人気を得ている。書籍の日本語版は2004年1月に発行された。ほぼ同時期にテレビ版もNHK教育の『地球ドラマチック』枠内で『オドロキ!これが未来の生き物だ』の題で3回シリーズに編集して放送され、後に原題にてDVD化して発売された。また、ディスカバリーチャンネルにおいてもThe Future is Wildのタイトルで放映された。2005年には新江ノ島水族館で特別展や原作者を招いてのイベントなどが開かれたほか、登場する生物のフィギュア化もなされている。
目次
スタッフ[編集]
- 原作
- プロデューサー
- プロジェクトに関わった科学者
- R・マクニール・アレクサンダー - バイオメカニクス専門家
- リティシア・アビレス - 生態学・進化生物学者
- フィリップ・カリー - 古生物学者、古鳥類学者
- リチャード・フォーティ - 古生物学者
- ウィリアム・ギリー - 細胞生物学者、海洋生物学者
- スティーブン・ハリス - 哺乳類学者
- マイク・リンリー - 爬虫類・両生類学者
- ロイ・リバーモア - 古地理学者
- カール・ニクラス - 植物学者
- スティーブン・パルンビ - 海洋生物学者
- ジェレミー・レイナー - 動物学者
- ブルース・ティフニー - 古植物学者
- ポール・バルデス - 古気候学者
- スティーブン・スパークス - 地理学者
概要[編集]
基本的には『アフターマン』と同様、人類をはじめとする現在の生物がほぼ絶滅することによって生態的地位(ニッチ)の空白が生じ、生き残った生物がそれを埋める方向に進化して新しい生物種が現れるというものだが、全体は3つの年代に分れており、後の時代になるほど現在の生物相からかけ離れた姿になっていく。
各年代について4つ(全部で12)の特徴的な地域を取り上げ、そこの生態系を描いている。テレビ版は全13回で、第1回を「後の各回についての簡単な概略 (Welcome to the Future)」とし、1話ごとに1つの生態系を紹介している。
日本語によるNHKの番組及びDVDでは各年代毎の3巻構成となっている。
- 「500万年後〜氷の世界〜」
- 「1億年後〜灼熱の世界〜」
- 「2億年後〜超巨大大陸の出現〜」
「進化する地球」[編集]
書籍版の第1章ではプレートテクトニクスと進化について述べ、地球生物の誕生から人類の時代に至るまでの歴史の中に見られるいくつかのパターンを説明している。これらのパターンは人類絶滅後においても繰り返されることになる。
テレビ版では、地球を離れた人類が遺した衛星の視点(NHK教育にて放映時)、あるいは、地球を離れた人類が、故郷に送り込んだ探査機の視点(ディスカバリーチャンネルにて放映時)で捉えている。
「500万年後の世界」[編集]
地球は氷河期のピークを迎えており、海水が凍って海面が低下している。北半球ではパリまで、南半球ではブエノスアイレスまでの広い範囲が氷床に覆われている。ヨーロッパの大部分は極寒のツンドラである。アフリカはヨーロッパとぶつかって地中海が閉鎖される。そのため地中海は干上がり、塩水湖の点在する巨大な塩の平原となる。アマゾンの熱帯雨林は乾燥した草原となる。北アメリカは寒冷な砂漠となる[2]。
以下、描かれている地域と生物を列挙する(カッコ内はテレビ版のタイトル)。生物の詳細はフューチャー・イズ・ワイルドの生物一覧を参照。
- 北ヨーロッパ氷原 (Return of the Ice)
- 地中海盆地 (The Vanished Sea)
- アマゾン草原 (Prairies of Amazonia)
- 北アメリカ砂漠 (Cold Kansas Desert)
やがて氷河時代も終わり、地球は2000年かけてゆっくりと温暖化していく。寒冷な気候に適応していた生物の多くは滅び、新たな進化が始まる。
「1億年後の世界」[編集]
火山活動によって二酸化炭素の濃度が上がり、地球は巨大な温室と化している。大陸のほとんどが浅い海に浸かり、その周辺は淡海水の沼地となる。南極大陸は熱帯へ移動し、再び3億年前と同様に木々が生い茂る。オーストラリアはアジア(TV放映版では北米大陸)と衝突し、平均海抜10000mと、今のヒマラヤより高い巨大台地を作り上げる[4]。
- 大浅海地 (Flooded World)
- ベンガル沼地 (Waterland)
- 南極森林地 (Tropical Antarctica)
- グレートプラトー (The Great Plateau)
火山活動は更に激しさを増し、地球は火山灰の雲と酸性雨に包まれる。地球史上何度目かの大量絶滅が起きるが、それでも生物の進化は続いていく。
「2億年後の世界」[編集]
全ての大陸は互いにぶつかり合い、融合して一つの超大陸「第二パンゲア[6]」となる。超大陸の中央には広大な砂漠が広がり、そこに住む生物は地下深くの帯水層を利用できるものに限られる。地球海から超大陸に向かって吹く風は、南部では海岸の山脈に遮られ、内陸部に雨が降ることはほとんどない。一方、北西部の平地には雨が降り続け、針葉樹の森に覆われている。
- 中央砂漠 (The Endless Desert)
- 地球海 (The Global Ocean)
- レインシャドー砂漠 (Graveyard Desert)
- 北部森林地 (The Tentacled Forest)
第二パンゲアはいずれ分裂する。生物はその変化にも対応し、また新たな種を生み出していくだろう。
書籍[編集]
- 『フューチャー・イズ・ワイルド 驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界』
- ダイヤモンド社、ISBN 4-478-86045-9
- 著:ドゥーガル・ディクソン/ジョン・アダムス、訳:土屋晶子、監修:松井孝典
- 『フューチャー・イズ・ワイルド完全図解 驚異の進化を遂げた2億年後の未来生物たち』
- ダイヤモンド社、ISBN 4-478-86049-1
- 著:クレアー・パイ、訳:土屋晶子、監修:疋田努
漫画[編集]
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「漫画アクション」(双葉社)刊にて2006年2月21日号から2007年3月20日号まで不定期連載された。
- 『フューチャー・イズ・ワイルド コミック版 驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界』
- 双葉社、ISBN 978-4-575-29971-7
- 著:ドゥーガル・ディクソン/ジョン・アダムス、作画:小川隆章
脚注[編集]
- ^ フューチャー・イズ・ワイルド日本語版公式サイト
- ^ フューチャー・イズ・ワイルド日本語版公式サイト・500万年後の世界
- ^ フューチャー・イズ・ワイルド日本語版公式サイト・未来生物
- ^ フューチャー・イズ・ワイルド日本語版公式サイト・1億年後の世界
- ^ フューチャー・イズ・ワイルド日本語版公式サイト・未来生物
- ^ 未来の超大陸についてはアメイジア大陸やパンゲア・ウルティマ大陸といったモデルが提示されている。「第二パンゲア」はロイ・リヴァモアの考案したノヴォパンゲア大陸がベースになっており、アメイジアに近いがオーストラリア大陸と南極大陸はより北に移動している。なお、書籍版では両アメリカ大陸が東に移動するというパンゲア・ウルティマに準じた記述がある。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
日本語
- フューチャー・イズ・ワイルド 日本語版公式ページ(インターネットアーカイブ)
英語
