パンゲア・ウルティマ大陸

パンゲア・ウルティマ大陸(パンゲア・ウルティマたいりく、Pangaea Ultima)とは、約2億5000万年後から約4億年後にかけて形成されると考えられている超大陸の形態の一つである。名前は過去の超大陸であるパンゲア大陸に倣ったもので、「最後のパンゲア」「最終的なパンゲア」の意味。パンゲア・プロクシマ大陸(パンゲア・プロクシマたいりく、Pangea Proxima、「次のパンゲア」)と呼ばれることもある。
超大陸の定義は明確ではないが、一般的に複数の陸塊が合体して一つの大きな大陸になったものを指す。中でも過去20億年の間に4回か5回、地球上の全ての(あるいはほぼ全ての)大陸が集まった超大陸が形成されたと推定されており、パンゲア・ウルティマ大陸もこの意味での超大陸である。
予測されるシナリオ
[編集]パンゲア・ウルティマ大陸のシナリオでは、将来アメリカ大陸の東海岸の西大西洋に海溝ができて沈み込みが始まり、大西洋中央海嶺が沈み込み、その後大西洋海盆が消滅して、大西洋が閉じることになり、現在アフリカ大陸とユーラシア大陸から離れつつある北アメリカ大陸、南アメリカ大陸が、再びアフリカ大陸とユーラシア大陸の方へ戻ってきて合体するだろうと考えられている。かつてのパンゲア大陸では北アメリカとヨーロッパ、南アメリカとアフリカが隣接していたが、アフリカ大陸はその後ずっとヨーロッパを押し上げるように北上し続けているため、北アメリカは今度はアフリカと衝突し、南アメリカはアフリカの南側に回り込んでその端がインドシナ半島付近に達する。オーストラリア大陸と南極大陸については、東アジアに衝突するか独立した大陸のまま残るか予想が分かれている。
気候
[編集]2023年の Alexander Farnsworth らによる研究によると、約2億5000万年後にパンゲア・ウルティマ大陸が形成された地球の気候と陸棲哺乳類の生存可能性は次のように予測されている。[1][2]
大気中の二酸化炭素濃度には不確実性があるが、現在の約1.5倍の 621 ppm(410 - 816 ppm)であることが予想される。また、2億5000万年後の太陽はエネルギーの放射量が 2.5 % 増加している。二酸化炭素濃度 560 ppm のパンゲア・ウルティマ大陸の環境シミュレーションでは、産業革命前の環境[注釈 1]との比較で、地球全体の平均気温は 11.63 ℃ 上昇するが、パンゲア・ウルティマ大陸は赤道付近にあること、超大陸においては大陸性気候が極端化するため、大陸のみでの平均気温は 23.96 ℃ 上昇する。
超大陸全体では、日平均気温が40℃を超えることになる。このため、大陸全体の陸棲哺乳類が生息可能な環境[注釈 2]の面積の割合は、わずか 16 % になることが予想される。地表の平均標高を2倍に補正しても、生息可能な面積の割合は 19 % に過ぎない。産業革命前の 66 % から大幅に減少するため、陸棲哺乳類は絶滅する可能性がある。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ↑ Alexander Farnsworth, et al. (2023-09-25). “Climate extremes likely to drive land mammal extinction during next supercontinent assembly”. Nature Geoscience (Nature Portfolio) 16 (10): 901-908. doi:10.1038/s41561-023-01259-3 2026年7月18日閲覧。.
- ↑ “Extreme heat likely to cause next mass extinction”. University of Leeds (2023年9月25日). 2026年7月18日閲覧。
参考文献
[編集]- テッド・ニールド 著、松浦俊輔 訳『超大陸 : 100億年の地球史』青土社、2008年。ISBN 978-4-7917-6442-6。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- パンゲア・ウルティマ大陸の地図(Christopher R. Scotese による)
- アメイジア(ノヴォパンゲア)とパンゲア・プロクシマ