シラキ

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シラキ
紅葉したシラキ、鈴鹿山脈、三重県いなべ市にて、2019年10月28日撮影
紅葉したシラキ、鈴鹿山脈三重県いなべ市にて
2019年10月撮影
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
: キントラノオ目 Malpighiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
: シラキ属 Neoshirakia
: シラキ N. japonica
学名
Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Esser[1]
シノニム

Sapium japonicum (Siebold et Zucc.) Pax et K.Hoffm.[2]

和名
シラキ

シラキ(白木、学名Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Esser[1])は、トウダイグサ科シラキ属分類される落葉小高木の1[3][4]和名が白いことに由来する[3][5]。別名がシロキ[4]、アツバシラキ、オオバシラキ[1]

特徴[編集]

高は5-9 m[3]直径10-30 cm[3]。全株無毛[5]樹皮は灰褐色または灰白色でなめらかで縦すじが入り[6]、老木では縦に細く浅い裂け目がある[4]を切ると白い乳液が出る[3][5]。葉はカキノキに似た形で[6]単葉で互生し、葉身楕円形、先端は鋭く尖り、長さ7-13 cm、幅6-11 cm[4]、全縁で縁は波打つことがあるが、鋸歯はない[7]。葉の形状に変異が著しい[8]。葉の表面には多少光沢があり[8]。葉の裏面は薄緑白色で無毛で[4]葉脈が隆起し、葉縁近くの葉脈上に腺が散在する[8]。葉身の基部は切形、葉柄は長さ1-2.5 cm、葉身の基部または葉柄が葉身につく部分に腺点がある[4]托葉は狭長楕円形で長さ1-2 cmで、落ちやすい[9]。若い葉柄は紫色を帯び、葉は秋に美しく黄葉-紅葉する[3]。知名度は低いが紅葉の美しさはトップクラス[7]

花は単性で雌雄同株[10]。若枝に長さ5-10 cmの総状花序を出し、花序の上部に多数の黄色の雄花を付け、基部に1-3個の雌花を付けるが[3]、雌花を欠くこともある[4]。雄花の花柄の長さは2.5-3 mm[4]、雄花に花弁はなく、片は2-3個で[11]皿状で、2-3個の雄蕊があり、花糸は短くて基部で合着する[3]。雌花に花弁はなく、柄の長さは約7 ㎜、萼は2-3個で3裂して長さ1 mmほど、子房は2-3室[11]花柱は3個で基部が合着する[4]。花期は5-7月[4]果実は直径1.8 cmの三角状球形の蒴果で先端に花柱が残り[4]、3稜がある[6]。果実は10-11月に黒褐色に熟し3つに裂け、白い糸で3個の種子をぶら下げる[3]。種子は直径8 mmの扁球形で、薄黄色に黒い斑紋が入り、細かなしわがあり、約50パーセント分を含む[3]。冬芽は三角形で尖る[6]、仮頂芽は長さ3-5 ㎜の長三角形、芽鱗は2個、無毛[11]。葉痕は半円形で大きく、維管束痕は3個[11]。葉痕の角に托葉痕がある[11]

分布と生育環境[編集]

山地の落葉樹林帯に生育するシラキ

中国朝鮮半島日本に分布する[3][5]

日本では、本州四国九州沖縄に分布する[3][5]。北限が岩手県[5]

山地丘陵地の落葉単葉樹林帯に生育し、特に渓流沿いに多い[4]

用途[編集]

庭木公園樹として植栽されている[4]。木材は器具材、細工物、薪炭などに利用されている[3]。かつては種子の油をしぼって、食用油灯油塗料整髪料などに利用されていた[3][9]

種の保全状況評価[編集]

日本では国レベルの環境省によるレッドリストの指定はないが[12]、以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シラキ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年4月23日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シラキ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年4月23日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 林 (2011)、384頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 菱山 (2011)、159頁
  5. ^ a b c d e f 牧野 (1982)、283頁
  6. ^ a b c d 林 (2017)、95頁
  7. ^ a b 林 (2008)、39頁
  8. ^ a b c 田中 (2008)、222頁
  9. ^ a b 太田 (2000)、195頁
  10. ^ 馬場 (2009)、253頁
  11. ^ a b c d e 太田 (2000)、194頁
  12. ^ 環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2020年4月24日閲覧。
  13. ^ 「秋田県の絶滅のおそれのある野生生物 秋田県版レッドデータブック2014-維管束植物-」の発刊について”. 秋田県. 2020年4月24日閲覧。
  14. ^ 掲載種リスト (PDF)”. 沖縄県. pp. 81. 2020年4月24日閲覧。
  15. ^ 植物準絶滅危惧(784種)(平成27年度改訂)”. 鹿児島県 . 2020年4月24日閲覧。

参考文献[編集]

  • 太田和夫、勝山輝男、高橋秀男、茂木透、他『樹に咲く花―離弁花〈2〉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉、2000年10月1日。ISBN 978-4635070041
  • 『樹皮・葉でわかる樹木図鑑』菱山忠三郎(監修)、成美堂出版、2011年6月。ISBN 978-4415310183
  • 田中啓幾『落葉樹の葉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑12〉、2008年6月6日。ISBN 978-4635070249
  • 馬場多久男『花実でわかる樹木 951種の検索』信濃毎日新聞社、2009年1月1日。ISBN 978-4784070930
  • 林将之『秋の樹木図鑑 (紅葉・実・どんぐりで見分ける400種)』廣済堂出版、2017年9月12日。ISBN 978-4331521267
  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4635070324
  • 林将之『樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑14〉、2014年4月15日。ISBN 978-4635070324
  • 林弥栄『日本の樹木』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2011年11月30日、増補改訂新版。ISBN 978-4635090438
  • 牧野富太郎『原色牧野植物大図鑑』北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE。

外部リンク[編集]