カラスウリ

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カラスウリ
Trichosanthes cucumeroides0.jpg
日没後開花した花
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: スミレ目 Violales
: ウリ科 Cucurbitaceae
: カラスウリ属 Trichosanthes
: カラスウリ
T. cucumeroides
学名
Trichosanthes cucumeroides
和名
カラスウリ

カラスウリ烏瓜Trichosanthes cucumeroides)はウリ科植物で、つる性の多年草。朱色の果実と、夜間だけ開く花で知られる。 地下には塊根を有する。

概要[編集]

原産地は中国日本で、日本では本州四国九州に自生する。林や藪の草木にからみついて成長する。葉はハート型で表面は短い毛で覆われる。雌雄異株で、ひとつの株には雄花か雌花かのいずれかのみがつく。 別名:玉章(たまずさ)・ツチウリ・キツネノマクラ・ヤマウリ。

生態[編集]

4月~6月にかけて塊根から発芽、あるいは実生する。花期は夏で、7月~9月にかけての日没後から開花する。雄花の花芽は一ヶ所から複数つき、数日間連続して開花する。対して雌花の花芽は、おおむね単独でつくが、固体によっては複数つく場合もある。花弁は白色で主に5弁(4弁、6弁もある)で、やや後部に反り返り、縁部が無数の白く細いひも状になって伸び、直径7~10cm程度の網あるいはレース状に広がる。花は翌朝、日の出前には萎む。 こうした目立つ花になった理由は、受粉のため夜行性のを引き寄せるためであると考えられており、ポリネーターは大型のスズメガである。カラスウリの花筒は非常に長く、スズメガ級の長い口吻を持ったガでなければ花の奥の蜜には到達することはできず、結果として送粉できないためである。

雌花の咲く雌株にのみ果実をつける。果実は直径5~7cmの卵型形状で、形状は楕円形や丸いものなど様々。熟する前は縦の線が通った緑色をしており光沢がある。10月から11月末に熟し、オレンジ色ないし朱色になり、冬に枯れたつるにぶらさがった姿がポツンと目立つ。鮮やかな色の薄い果皮を破ると、内部には胎座由来の黄色の果肉にくるまれた、カマキリの頭部に似た特異な形状をした黒褐色の種子がある。この果肉はヒトの舌には舐めると一瞬甘みを感じるものの非常に苦く、人間の食用には適さない。鳥がこの果肉を摂食し、同時に種子を飲み込んで運ぶ場合もある。しかし名前と異なり、特にカラスの好物という観察例はほとんどない。

栄養繁殖の状況 上に突き出しているのが、前年土中にもぐりこんだ蔓の跡

地下にはデンプンタンパク質をふんだんに含んだ芋状の塊根が発達しており、これで越冬する。夏の間に延びた地上の蔓は、秋になると地面に向かって延び、先端が地表に触れるとそこから根を出し、ここにも新しい塊根を形成して栄養繁殖を行う。

名前については、カラスが好んで食べる、ないし熟した赤い実がカラスが食べのこしたように見えることから命名された等、諸説[1]ある。

昆虫との関係[編集]

  • ミスジミバエ

開花後落花した雄花にはミバエ科のハエであるミスジミバエ Zeugodacus scutellatus (Hendel, 1912) の雌が飛来し、産卵する。落花した雄花はミバエの幼虫1個体を養うだけの食物量でしかないが、ミスジミバエの1齢幼虫の口鉤(こうこう:ハエの幼虫独特の口器で、大顎の変化した1対の鉤状の器官)は非常に鋭く発達しており、他の雌が産みつけた卵から孵化した1齢幼虫と争って口鉤で刺し殺し、餌を独占する。

  • ミバエ類
    実の中のミバエの幼虫

結実直後の実にのみ産卵する種がある。幼虫は短期間で成長、羽化する。

利用[編集]

種子はその形から打ち出の小槌にも喩えられる。そのため財布に入れて携帯すると富みに通じる縁起物として扱われることもある。中国では医薬原料として活用されており、果実・種子・塊根ともに生薬として利用されている[2][3]。かつては日本でも、しもやけの薬として実から取れるエキスが使用された。 若い実は漬物にするほか、中身を取り出し穴をあけてランタンにする遊びに使われる。近年ではインテリアなどの用途として栽培もされており、一部ではカラスウリの雌雄両株を出荷する農園も存在する。

近縁種[編集]

赤熟過程のヘビウリの実

キカラスウリ[編集]

キカラスウリ(Trichosanthes kirilowii var. japonica)は、生態や花・葉の形状からカラスウリと混同される事が多い。かつては、様々な用途に利用された。

ヘビウリ[編集]

ヘビウリ(Trichosanthes cucumerina; 英語: snake gourd)はインド原産の近縁種で、実は細長くのびながらくねくねと湾曲し、ヘビそっくりの姿になる。カラスウリ同様赤橙色に熟す。

東南アジアの一部では若い実を食用にする。ゴーヤを淡白にしたような味である。日本では主に観賞用に栽培される。

画像[編集]

カラスウリの登場する作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 参考・和泉晃一氏HP「草木名のはなし」カラスウリの項[1]
  2. ^ カラスウリ,きからすうり,黄烏瓜,王瓜根(おうがこん),王瓜子(おうがし),王瓜仁(おうがにん),Trichosanthes kirilowii var.japonica,ウリ科カラスウリ属 - イー薬草・ドット・コム
  3. ^ カラスウリ(王瓜・土瓜) - 日中医薬研究会・関西支部

参考文献[編集]

外部リンク[編集]