クワイエット・プレイス

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クワイエット・プレイス
A Quiet Place
監督 ジョン・クラシンスキー
脚本 ジョン・クラシンスキー
スコット・ベック
ブライアン・ウッズ
原案 スコット・ベック
ブライアン・ウッズ
製作 マイケル・ベイ
アンドリュー・フォーム
ブラッドリー・フラー
出演者 エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー
ミリセント・シモンズ
ノア・ジュープ
音楽 マルコ・ベルトラミ
撮影 シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
編集 クリストファー・テレフセン
製作会社 サンデー・ナイト
プラチナム・デューンズ
配給 アメリカ合衆国の旗パラマウント映画
日本の旗東和ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗2018年4月6日
日本の旗2018年9月28日
上映時間 95分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
アメリカ手話
製作費 1600万ドル[1]
興行収入 世界の旗$325,392,638[2]
次作 A Quiet Place 2(仮)
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クワイエット・プレイス』(原題:A Quiet Place)は2018年アメリカ合衆国で公開されたホラー映画である。監督はジョン・クラシンスキー、主演はエミリー・ブラントが務めた。

ストーリー[編集]

2020年、宇宙からやって来た怪物のために世界中が恐怖に陥っていた。怪物は盲目であったが、極めて鋭敏な聴覚を有しており、それを利用して人間を食い散らかしていたのである。そんな世界を逞しく生き延びていたのがアボット一家であった。一家は手話を使用することで音を立てずに意思疎通を図っていた。物資を補充した帰り道、一家の末っ子であるビューは音を立てたばかりに怪物に殺されてしまった。

それから一年後、アボット一家は引き続いて音を立てない生活を心がけていたが、怪物の方は一家の存在を感知していた。リーは娘のリーガンに「ビューが死んだのはお前のせいじゃない」と手話で言い聞かせたが、リーガンはそれに納得しなかった。リーとリーガンの関係は徐々に険悪なものになって行き、リーガンは一家の中で孤立していると感じるようになった。リーガンの目には、弟のマーカスが自分以上に両親に愛されていると映っており、それが一層疎外感を強めるのだった。

ある日、リーがマーカスと釣りに行くと知ったリーガンは同行を願ったが、妊娠中の母親(イヴリン)を見ているようにと言われた。釣り場の近くに滝があったため、リーとマーカスは数ヶ月ぶりに話をすることができた。2人はビューの死とリーガンが抱えているであろう家族への不信感について話し合った。リーはマーカスから「リーガンを愛しているなら、はっきりそう伝えないとダメじゃないか」と言われた。帰宅する途中、2人は妻を亡くして悲嘆に暮れる老人に遭遇した。老人は叫び声を上げ、そのまま怪物に殺されてしまった。いつ終わるとも知れぬ孤独な生活を恐れての自殺だったのだろう。

その頃、イヴリンは産気付いていた。安全な場所で出産するために、イヴリンとリーガンは地下室に移動することにしたが、その途中で誤って音を立ててしまった。その結果、一家は怪物数体と死闘を繰り広げなければならない状況に陥った。

キャスト[編集]

製作[編集]

ジョン・クラシンスキーはスコット・ベック及びブライアン・ウッズと共に本作の脚本を執筆した。ベックとウッズはアイオワ州の出身で、大学在学中に数え切れないほどのサイレント映画を鑑賞したのだという。2013年の段階で、2人は本作の原案の執筆に取りかかっていた。穀物を貯蔵するサイロをホラー演出に使うというアイデアは、2人が農場の近くで暮らしてきた経験に基づくものであった。やがて、2人は15ページの覚書を書き上げた[3]

2016年1月、ベックとウッズは覚書を元に長編映画の脚本を書き始めた[4]。その完成稿がクラシンスキーの手に渡ったのは7月のことであった[5]。彼の妻であるエミリー・ブラントが妊娠していたこともあって、クラシンスキーは子供を怪物から守る親というアイデアに興味を惹かれたのだという[6]。ブラントの勧めもあって、クラシンスキーはメガホンを取ることになった[5]2017年3月、本作の映画化権を獲得したパラマウント映画がクラシンスキーの起用を正式に発表した。その際、彼は脚本のリライトも行うことになった[7]。脚本の完成稿を読んだブラントが是非出演したいと申し出たため、彼女が主演に起用されることとなった[7]

リーガン役に起用されたミリセント・シモンズは聾者であった。このことに関してクラシンスキーは「私は耳が聞こえる女優さんに聾者の役を演じてもらいたくないのです。理由はいくつかありますが、最大の理由は、聾者の女優は私の聾者に関する知識と彼/彼女が置かれる状況に対する理解を十数倍深めてくれるからです。」と語っている[6]。なお、シモンズは撮影現場でアメリカ手話のレクチャーを行った[8]。 また、マーカス役にノア・ジュープを起用するに当たって、クラシンスキーはジュープが出演した『サバービコン 仮面を被った街』(2017年公開)を鑑賞したのだという[6]

本作の製作は2017年5月から12月にかけて行われた。撮影のほとんどはニューヨーク州ダッチェス郡アルスター郡で行われた。撮影にあたって、製作サイドは地元の農家に約20トンのトウモロコシの栽培を依頼した[9]。物語の設定の関係で、スタッフは撮影時に極力音を立てないように心がけ、意図された音のみが収録されるように心がけていた。ポスト・プロダクションの過程で、撮影時に収録された音を増幅する処理が行われた。なお、本作にはミュージカルの古典の楽曲が使用されている。このことに関してクラシンスキーは「観客の皆様に違和感を覚えて欲しくないのです。本作を実験的なサイレント映画だと思ってもらいたくないのです。」と語っている[10]

ホラー映画に馴染みが薄かったクラシンスキーは、本作の演出を手掛けるにあたって『ドント・ブリーズ』や『ゲット・アウト』、『ジョーズ』を参照した。また、クラシンスキーは本作が親子の物語であるだけではなく、アメリカの政治に対する風刺にもなっていると語っている。つまり、今そこにある危機を解決しようとするどころか、それから目を背けたり、逆に便乗したりする人々が存在することを風刺しているのだという[11]

当初、プロデューサー陣は本作の手話でのやり取りに一切の字幕を付与しないつもりだったが、ストーリー上重要なシーン(リーとリーガンが補聴器について話すシーン)を字幕なしで理解するのはほぼ不可能だと気付かされた。そのシーンだけ字幕を付けると不自然になるため、手話でのやり取り全てに字幕を付けることになった[12]

マーケティング・公開[編集]

2017年11月、パラマウント映画は本作のファースト・トレイラーを公開した[13]。2018年2月4日、第52回スーパーボウルの放送中に30秒間のCMが流れた[14]。同番組の放送中、他にも7作品の予告編が放送されたが、本作は他の作品ほどSNS上で注目を集められず、YouTubeでの再生数も伸び悩んだ[15][16]。12日、クラシンスキーが出演した『エレンの部屋』において、完全版の予告編が放送された[17]

2018年3月9日、本作はサウス・バイ・サウスウエストでプレミアを迎えた[18]。本作のプレミア上映のチケットを求めて2458人もの応募があったのだという[19]。プレミア上映後に出てきたレビューが絶賛一色だったこともあり[20]、本作に対する注目は俄に高まった。2018年3月15日の段階で、本作の予告編は5200万回弱の再生数に達しており、その伸び具合は前年に公開されて大ヒットを記録した『ゲット・アウト』を上回るものであった[21]

興行収入[編集]

本作は『Blockers』や『Chappaquiddick』、『The Miracle Season』と同じ週に封切られ、公開初週末に1700万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていた[22]。しかし、本作が極めて高く評価されていることを踏まえ、後に予測値は2750万ドルに上方修正された[23]。なお、Box Office Mojoは初動で3400万ドルを稼ぎ出すと予想していたが[24]、実際の数字はこれらをはるかに上回るものであった。2018年4月6日、本作は全米3508館で封切られ、公開初週末に5020万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となった[25]。ホラー映画のオープニング興収が5000万ドルを超えたのは『パラノーマル・アクティビティ3』(2011年)以来の快挙であった[26]

評価[編集]

本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには267件のレビューがあり、批評家支持率は95%、平均点は10点満点で8.1点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『クワイエット・プレイス』」となっている容赦ない知的生命体―そのオリジナリティは恐ろしさと同じくらいある―を登場させることで、根源的な恐怖を巧みに利用している。同作によって、ジョン・クラシンスキーは自身が新進気鋭の映画監督であることを立証した。」となっている[27]。また、Metacriticには55件のレビューがあり、加重平均値は82/100となっている[28]。なお、本作のシネマスコアはB+となっている[29]

ハリウッド・レポーター』のジョン・デフォアは「恐ろしいスリラー映画だが、心の温かさもある。」「親としての責任と恐怖の組み合わせを表現するために、ここまで想像力を働かせた作品は『テイク・シェルター』以来ではないか」と称賛している[30]

続編[編集]

公開直後のインタビューで、スコット・ベックとブライアン・ウッズは続編のアイデアがあると述べていた[31]。2018年4月25日、パラマウントが続編の製作を開始したとの報道があった[32]

出典[編集]

  1. ^ A Quiet Place”. 2018年4月6日閲覧。
  2. ^ A Quiet Place”. 2018年6月16日閲覧。
  3. ^ “How Do You Communicate Backstory, Motivation and Theme Without Dialogue?” A Quiet Place Screenwriters Bryan Woods and Scott Beck at SXSW 2018”. 2018年4月6日閲覧。
  4. ^ Q-C filmmakers sell screenplay to Paramount”. 2018年4月6日閲覧。
  5. ^ a b Emily Blunt: World, Meet Your New Mary Poppins”. 2018年4月6日閲覧。
  6. ^ a b c A Quiet Place: John Krasinski Discusses Directing Silent Terror, Plus Exclusive Photo Gallery - IGN First”. 2018年4月6日閲覧。
  7. ^ a b John Krasinski to Write, Direct and Star With Emily Blunt in ‘Quiet’ Thriller”. 2018年4月6日閲覧。
  8. ^ John Krasinski on the Importance of Casting Deaf Actress Millicent Simmonds in ‘A Quiet Place’”. 2018年4月6日閲覧。
  9. ^ Krasinski's 'A Quiet Place' leaves sweeping impact on Dutchess and Ulster”. 2018年4月6日閲覧。
  10. ^ A Quiet Place: John Krasinski and Emily Blunt on the Challenges of Making an Almost Silent Movie”. 2018年4月6日閲覧。
  11. ^ The Playboy Interview: John Krasinski is Breaking Into Horror, and the World is Watching”. 2018年4月6日閲覧。
  12. ^ The Scene That Convinced A Quiet Place Producers To Use Subtitles For Its Sign Language”. 2018年4月14日閲覧。
  13. ^ Emily Blunt, John Krasinski Stay Silent to Survive in Creepy ‘A Quiet Place’ Trailer”. 2018年4月6日閲覧。
  14. ^ Super Bowl Movie Trailers: Netflix’s ‘Cloverfield’ Sequel To Run Spot? Jennifer Lawrence Pic ‘Red Sparrow’ Flies In”. 2018年4月6日閲覧。
  15. ^ Super Bowl Movie Ads: 'Avengers: Infinity War' Is Big Winner”. 2018年4月6日閲覧。
  16. ^ 'Avengers' and 'Jurassic World' Trailers Go Head To Head At The Super Bowl”. 2018年4月6日閲覧。
  17. ^ New A Quiet Place trailer sheds light on film's dystopian setting”. 2018年4月6日閲覧。
  18. ^ John Krasinski and Emily Blunt supernatural thriller A Quiet Place to open SXSW Film Festival”. 2018年4月6日閲覧。
  19. ^ Bettendorf natives' screenplay, 'A Quiet Place,' will premiere opening night of SXSW”. 2018年4月6日閲覧。
  20. ^ ‘A Quiet Place’ Review Roundup: John Krasinski’s SXSW Thriller Is Leaving Critics Speechless”. 2018年4月6日閲覧。
  21. ^ ‘A Quiet Place’ Gets Loud On Social Media Post SXSW Premiere”. 2018年4月6日閲覧。
  22. ^ Long Range Tracking: ‘Blockers’ & ‘A Quiet Place’ Could Mark Positive Start to April Box Office”. 2018年4月6日閲覧。
  23. ^ Long Range Tracking: ‘Solo: A Star Wars Story’”. 2018年4月6日閲覧。
  24. ^ 'A Quiet Place' and 'Blockers' Look Strong Heading into Weekend”. 2018年4月6日閲覧。
  25. ^ April 6-8, 2018”. 2018年4月14日閲覧。
  26. ^ 'A Quiet Place' Delivers Not So Quiet $50 Million Opening”. 2018年4月14日閲覧。
  27. ^ A Quiet Place”. 2018年6月16日閲覧。
  28. ^ A Quiet Place (2018)”. 2018年6月16日閲覧。
  29. ^ ‘A Quiet Place’ Makes Noise With $45 Million-Plus Opening”. 2018年6月16日閲覧。
  30. ^ 'A Quiet Place': Film Review”. 2018年4月6日閲覧。
  31. ^ Could A Quiet Place 2 Happen? Here’s What The Writers Say”. 2018年6月14日閲覧。
  32. ^ ‘A Quiet Place 2’ Is “In The Works”, Paramount Boss Says – CinemaCon”. 2018年6月14日閲覧。

外部リンク[編集]