いけいけ熱血ホッケー部

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いけいけ! 熱血ホッケー部
「すべってころんで大乱闘」
ジャンル スポーツゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発元 テクノスジャパン
発売元 テクノスジャパン
デザイナー 甲斐浩二
プログラマー あべひでゆき
豊島祥一
たけのうちたかひろ
高橋充
かしわやひでとし
音楽 平沢道也
かめおかよしひろ
澤和雄
美術 大竹剛
つくだみか
シリーズ くにおくんシリーズ
人数 1 - 4人(同時プレイ)
メディア 2メガビットロムカセット
発売日 日本 199202071992年2月7日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
その他 型式:TJC-13
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いけいけ熱血ホッケー部』(いけいけねっけつホッケーぶ)は、テクノスジャパンより1992年2月7日に発売された、ファミコンゲームソフト。

正式タイトルは「いけいけ! 熱血ホッケー部「すべってころんで大乱闘」」。

概要[編集]

「ホッケー」とはアイスホッケーを指し、3人制で3分3ピリオドのゲーム形式を採っている。実際のホッケーにもあるショルダータックルやスティックでのはじき合いはもちろん、パンチやキック、スティックで直接相手の体を殴って妨害でき、さらに衝撃波にバックドロップに必殺シュートが飛び交う熱血シリーズ恒例のケンカスポーツゲームである。各キャラクターが持つチャージ攻撃も健在。しかし本作では、何度も攻撃されると怒り状態になり、その状態で反撃すると反則が取られペナルティを被る設定。ペナルティ対象となったキャラクターは、ピリオド中は所属チームが点を取られるまで退場となる。

シナリオモードと対戦モードの二つが選べる。プレイヤーはキーパーと一緒に動かす一人プレイとキーパーを別の人が動かす二人プレイを選ぶことができる。

ゲームデザインは甲斐浩二。

ゲーム内容[編集]

シナリオモード[編集]

弱小チームで次の対抗戦に敗北すると廃部が決定する熱血高校ホッケー部。主将のよういちが落胆しているところに、ドッジボールの練習をしていたくにおのナッツシュートが誤って命中する。介抱とその後の帰宅の際にくにおは事情を聴き、よういちを元気付けるためドッジボール部との紅白戦を計画する。紅白戦当日、弱小ホッケー部は素人であるはずのドッジボール部にも負けてしまい、更に弱気になるよういちはついには「ホッケー部なんか潰れてしまえ」などと口走ってしまう。そんなよういちに活を入れたくにおは、次の対抗戦までに自身も兼部する形で、他校も含めた有力部活チームによる特訓試合を計画する。何度もくにおたちにしごかれながらもホッケー部は特訓試合をこなし、運命の対抗戦を迎える。

試合を勝っていくにつれて、新入部員も出てくる。

シナリオモードでは同点は敗北扱いとなる。

ステータス[編集]

  • パワー - この数値が0になると、必殺ショットを打つことができない。攻撃を受けたり必殺ショットを使用すると減少する。
  • スピード - 移動スピード。Uターンする場合のカーブの大きさでもある。
  • 重さ - この数値が高いと中々吹き飛ばされにくくなる。
  • 怒りやすさ - 各キャラクターごとに激情・短気・冷静の3区分に分かれている。
  • キーパー - キーパーとしてのキャッチングの上手さ。ゴールから離れないキャラほど高い。

コスチューム[編集]

この作品では、試合に勝利するとコスチュームがもらえ、それを装備することによってパワーアップできる。

コスチューム
種類 備考
ほっけー 16 25 初期装備。
けんどう 28 32 衝撃波が打てる。熱血高校剣道部より継承。
やきゅう 24 12 キーパーがショットを打ち返せる。熱血高校野球部より継承。
すぺ・1 28 62 守備に特化した女装コスチューム。装備すると仕草が女性っぽくなる(攻撃を受けた時など)。百合ヶ丘女子ホッケー倶楽部より継承。
あめふと 30 50 パックを持っている相手にバックドロップが使える。花園高校アメフト部より継承。
ろーらー 46 19 溜めショットのモーションが棒術スペシャルになる。谷花高校ローラーチームより継承。
すぺ・2 28 80 最強の守備力を持つコスチューム。白金高校ホッケー部より継承。
すぺ・3 45 72 ローラーには及ばないが高い攻撃力と、すぺ2ほどではないが高い守備力を持つ最強のコスチューム。幡馬実業高校ホッケー部より継承。

登場人物[編集]

味方チーム[編集]

熱血高校ホッケー部withくにお、かおり
  • くにお - 熱血硬派。今回その熱血おせっかいぶりを遺憾なく発揮。必殺技はナッツショット。
  • よういち - ホッケー部主将。力・技ともに良いものを持っているが今一歩何かが足りない。その気弱な性格はよく周りをイライラさせてしまう。必殺技は吹っ飛ばした選手の体力を0に下げるしおしおショット。
  • ひでき - ディフェンスが得意な選手。必殺技は圧縮ショット。
  • つよし - 体重が100kgオーバーのキーパー。怒ると怖い。必殺技はあらうんどショット。
  • まさし - チーム1のスピードを誇る選手。体力は余り無い。キーパー能力がチーム内で最も低いが、それゆえ唯一通常よりゴールから前に出て守ることもできる。必殺ショットはワンクッションショット。
  • とよいち - 花園高校戦後に入部してくる新入部員。パワー・スピードともに優れる。必殺技はバッキーンショット。
  • ひで - 幡馬実業戦後に入部してくる新入部員。謎の選手。重さは軽いがつよしよりもキーパーのキーパーの実力がある。必殺技は大カーブショット。
  • かおり - 熱血高校新聞部。ホッケー部の活躍を陰ながら見守る。よういち以外のホッケー部員を「たこ」呼ばわりする。実はよういちとくにおを同時に吹っ飛ばす豪腕の持ち主。シナリオモードでの勝利を諦めた場合、通常はくにおによういちが殴り飛ばされゲームオーバーになるが、5点差以上つけられた場合に限り彼女が登場、二人とも吹っ飛ばされゲームオーバーとなる。
熱血高校ドッジボール部
くにおのおせっかいにより、紅白戦に付き合わされる。全選手ともに能力はホッケー部よりも高い。必殺技は全員共通でパワーショット。とあるパスワードを入力すると、ドッジボール部でシナリオを進めることができる(ただし、途中で表示されるパスワードは通常と変わらないため、実質パスワードでの再開はできない)。
  • しんいち - ウイング。移動スピードが最も早い。
  • こうじ - ディフェンダー。意外にも重さがある。
  • ひろし - キーパー。重さ、キーパー能力共に高い。
  • みつひろ - 控えのキーパー。キーパー能力はひろしと同じだがスピードはチームで最も遅い。

相手チーム[編集]

熱血高校剣道部
くにおの友人とおるの率いるチーム。竹刀を振れば衝撃波が飛び出す。その代わり、必殺技はない。剣道部という性質のためか、滅多なことでは怒らない。
  • とおる - 過去2回の全国制覇の経験を持つ剣豪。茶道も嗜む。
  • たかひろ
  • まこと
  • あぐり
  • とものり
熱血高校野球部
くにおの友人さだおの率いるチーム。バッティングセンスを利用した、ショット弾き返しが強力。必殺技は消える魔球のごとくパックを消す、ワープショット。尚、『ダウンタウン熱血べーすぼーる物語』がまだ登場する前なので、キャプテンのたちばなはいない。
  • さだお - 150km/hのスピードボールをホームランにすることもできる高校球界の十指に入るスラッガー。
  • たかゆき
  • だいさく
  • しんご
  • のぼる
百合ヶ丘女子ホッケー倶楽部
くにおの友人ようこの率いるチーム。全員が女性だが、ホッケーの玄人なので油断ならない。怒ると非常に怖い。全体的に能力は平均的で、キーパーが弱い。
また、同団体はマジック同好会のメンバーでもある。必殺技はくまさんショット。
なお、ショット際に出現する熊は第2ピリオド終了時に登場することもある。
  • ようこ - マジック同好会会長でもある、結構バリバリな女子高生。
  • さつき
  • みか
  • かずよ
  • みゆき
花園高校アメフトクラブ
りきの率いるチーム。頭突きからバックドロップのコンビネーション、浴びせ蹴りなど強力な攻撃技を持つが、反面機動力・守備力は低い。必殺技はアッパーショット。
このリンクは壁にぶつかると弾む。
  • りき
  • ぼぶ
  • たくろう
  • けんた
  • ひさと
谷花高校ローラーチーム
五代の率いるチーム。乱暴なプレイスタイルで怒ると怖い、血の気の多いチーム。溜めショットが強力。必殺技は縦回転ショット。攻撃能力は非常に高い上、キーパーも強い。
このリンクにはどこにあるのかわからない地雷が埋めてある。
  • ごだい
  • しらこ
  • よこやま
  • せんだ
  • みつる
白金高校ホッケー部
廃部をかけた対校試合の相手。全体的に攻撃力が高いが、機動力が低い。
リンクの表面が粗く、パックが引っかかり、あらぬ方向へ進んでしまうこともある。
  • やました - 必殺技は横回転ショット。
  • にしお - 必殺技は圧縮ショット。
  • くりた - 必殺技は横回転ショット。
  • ゆもと - 必殺技圧縮ショット。
  • ふるさわ - 必殺技は横回転ショット。
幡馬実業高校ホッケー部
インターハイ初戦の相手。攻撃力・守備力はほぼ最強の強豪だが、機動力はやや低い。東北地方の高校。肌の色が若干赤い。
対戦モードでは登場しない。
  • さくらい - 必殺技はコンニャクショット。
  • みわ - 必殺技は大カーブショット。
  • ごうろ - 必殺技はコンニャクショット。
  • からさわ - 必殺技はコンニャクショット。
  • さいき - 必殺技はコンニャクショット(データのみ存在)。
四天王寺学院ホッケー部
インターハイ準決勝戦の相手。とにかく非常に血の気が多く、攻撃力・機動力共に高い関西の強豪チーム。
おくむらのバッキーンシュートでパックが落ちてくる間もキーパーを執拗に殴り続けキャッチできなくする。得点を入れれば中指を立てる等、やや柄の悪い描写がある。対戦モードでは登場しない。
  • あづま - 必殺技はクッションショット。
  • ありどめ - 必殺技はクッションショット。
  • おくむら - 必殺技はバッキーンショット。
  • かどわき - 必殺技はクッションショット。キーパーでありながら他のチームメイトよりキーパーに必要な能力は低いが、逆を言えばゴールから前に出て執拗に殴りつけてくる。
  • たかせ - 必殺技はクッションショット(データのみ存在)。
大雪山高校ホッケー部
インターハイ決勝戦の相手チームで、優勝候補No.1。全員ヘッドギアを装着しており、捕らえられないスピード、止め辛い必殺シュートの嵐、堅牢なディフェンス、どれをとっても最強レベルを誇る北海道の高校。
さらに、控えのはなおかも他チームではレギュラー以上の実力を持つ。
  • とびやま - カナダのプロチームも注目している超高校級選手だが、ゲーム内の能力は他のチームメイトより低い。必殺技はハリケーンショット。
  • あかい - 必殺技はクッションショット。
  • たるたに - 必殺技はあらうんどショット。
  • せら - 必殺技は大カーブショット。
  • はなおか - 必殺技はバッキーンショット。

他機種版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 いけいけ! 熱血ホッケー部
「熱血ホッケー部すべってころんで大乱闘」
日本 200908182009年8月18日
Wii テクノスジャパン アークシステムワークス ダウンロード
(バーチャルコンソール)
-
2 いけいけ! 熱血ホッケー部
「熱血ホッケー部すべってころんで大乱闘」
日本 201308072013年8月7日
ニンテンドー3DS テクノスジャパン アークシステムワークス ダウンロード
(バーチャルコンソール)
-
3 いけいけ! 熱血ホッケー部
「熱血ホッケー部すべってころんで大乱闘」
日本 201406192014年6月19日
Wii U テクノスジャパン アークシステムワークス ダウンロード
(バーチャルコンソール)
-
4 くにおくん熱血コンプリート
ファミコン編
日本 2016年12月8日
ニンテンドー3DS アークシステムワークス 3DSカード CTR-P-BKCJ 他シリーズのファミコン10作品との合同収録作
5 くにおくん ザ・ワールド
〜クラシックスコレクション〜
日本 2018年12月20日
Nintendo Switch
PlayStation 4
Xbox One
Steam
アークシステムワークス Switch専用ゲームカード
ディスクROM
ダウンロード
他シリーズのファミコン17作品との合同収録作

この他、携帯電話アプリゲームとしても配信されている。登場キャラクターはFC版と同じだが、以下の違いがある。

  • オープニング、スタッフロールがない。
  • ホッケー部のメンバーで使用出来るのはよういち、ひできのみ。
  • ドッジボール部のメンバーも相手チームに追加された。
  • 試合に勝利すると、相手チームから1人引き抜く事が出来る。
  • アイテムが無くなった代わりに練習試合というモードが追加され、そこで勝利する事で体力・パワー・重さ・スピードを強化出来るようになった(ステータスがランダムで1から3必ず上昇する。上限は255)。
  • 熱血高校剣道部に必殺ショットが実装された。
  • 幡馬実業チームと四天王寺学院チームのユニフォームカラーが入れ替わっている。
  • BGM、ステージは1種類に固定された。

スタッフ[編集]

  • グラフィック:大竹剛、つくだみか
  • プログラム:あべひでゆき、豊島祥一、たけのうちたかひろ、高橋充、べんがる かしわや(かしわやひでとし)
  • サウンド:ひらさわくん(平沢道也)、かめおか ぷーやん(亀岡義弘)、あみーご さわ(澤和雄
  • サンクス:よしだ!しらこ!もけっ!、おかむらさつき
  • パッケージ:やまちゃん(山根明子)、うああくみこ(向井久美子)
  • ゲーム・デザイン:しおしお かい(甲斐浩二)

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通24/40点[1]
ファミリーコンピュータMagazine22.4/30点[2]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・5・7・6の合計24点(満40点)となっており[3][1]、レビュアーの意見としては、「アイスホッケーとして捉えるならけっこう不満があるけど、ゲームとして考えるならかなり遊べる」などと評されている[3]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 4.1 3.5 3.7 3.6 4.0 3.6 22.4

脚注[編集]

  1. ^ a b いけいけ!熱血ホッケー部 「すべってころんで大乱闘」 まとめ [ファミコン] / ファミ通.com”. KADOKAWA CORPORATION. 2017年7月30日閲覧。
  2. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、14頁、雑誌26556-4/15。 
  3. ^ a b ファミコン通信』、アスキー、1992年2月14日。 

外部リンク[編集]