虫 (アルバム)

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ザ・スターリンスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル パンク・ロック
時間
レーベル クライマックスレコード
チャート最高順位
ザ・スターリン アルバム 年表
STOP JAP
1982年

1983年
Fish Inn
1984年
遠藤ミチロウ関連のアルバム 年表
STOP JAP
1982年

(1983年)
ベトナム伝説
1984年
『虫』収録のシングル
  1. GO GO スターリン
    リリース: 1983年2月10日
  2. NOTHING
    リリース: 1983年4月25日
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(むし)は、日本のロックバンドであるザ・スターリンの通算3枚目のアルバム。

1983年4月25日クライマックスレコードよりリリースされた。

初回プレスはLPのジャケット前面が円く穴のあいた特殊ジャケットで、丸尾末広画のピクチャーレコードになっており、特典として同ジャケットのB2版のポスターが付属していた。

解説

ザ・スターリンの通算3枚目となるフルアルバム。ジャケット裏面に各曲のタイトルと歌詞、「作詞・作曲・編曲・演奏・ザ・スターリン」と記載されているのみで、その他の情報は一切記載されていない。前作『STOP JAP』に比べると、ハードコア色が増し、歌詞は単語の言い切りが多く、この大きな変化に当時のファンは戸惑った。特にタイトル曲である「虫」は、10分近くにも及ぶ大曲で、全体的にどっしりとした重厚な楽曲となっている。これは前作『STOP JAP』が「歌詞はいいが、音は平凡」というような風評への反抗であり、同じく前作においてレコ倫による多くの歌詞修正[1]という言葉狩りをされたことに対しての意思表示であった。また、この時期のザ・スターリンはメンバーがかなり流動的で、アルバムのリリース後にライブツアーを行っているが、レコーディングメンバーとは異なっている。また、同年6月11日に明治学院大学で行われたライヴを最後にギター+ベースのメンバー2人が脱退、ボーカルの遠藤ミチロウは「ザ・スターリンはこの時点で事実上解散した」と語っている。ちなみに、このアルバムの録音中、隣のスタジオでは16才の中森明菜が録音していた。そしてこのアルバムにはレコーディング時のメンバー、中田ケイゴの行動より生まれたタイトルが多くあると後に遠藤が語っている。

リリース履歴

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1983年4月25日 徳間音楽工業/クライマックスレコード LPCT CMC-2512 (LP)・25CMC-1013 (CT) 2位 初回プレスは特殊ジャケット、ピクチャーレコード
特典として同ジャケットのB2版のポスターが付属
2 1989年4月25日 徳間ジャパン/WAX RECORDS CD 32WXD-115 -
3 1993年12月21日 徳間ジャパン/WAX RECORDS CD TKCA-70222 -
4 1998年12月23日 徳間ジャパン/WAX RECORDS CD TKCA-71508 - デジパック仕様
5 2003年10月22日 徳間ジャパン/クライマックスレコード CD TKCA-72603 - デジタルリマスタリング盤
紙ジャケット仕様
ボーナストラック4曲追加収録

収録曲

A面
全作詞・作曲・編曲: ザ・スターリン。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「水銀」ザ・スターリンザ・スターリン
2.「365」ザ・スターリンザ・スターリン
3.「泥棒」ザ・スターリンザ・スターリン
4.「天プラ」ザ・スターリンザ・スターリン
5.「Fifteen(15才)」ザ・スターリンザ・スターリン
6.「ING,O!(夢遊病)」ザ・スターリンザ・スターリン
7.「Die In」ザ・スターリンザ・スターリン
8.「取り消し自由」ザ・スターリンザ・スターリン
B面
#タイトル作詞作曲・編曲時間
9.GO GO スターリン  
10.Nothing  
11.「アザラシ」  
12.「虫」  
合計時間:
ボーナストラック(2003年リマスター盤)
#タイトル作詞作曲時間
13.「GO GO スターリン (single version)」遠藤みちろう晋太郎
14.「カタログZ」遠藤みちろうタム
15.「先天性労働者」遠藤みちろう晋太郎、タム
16.「虫(未発表ライヴ)」ザ・スターリンザ・スターリン

曲解説

  1. 水銀
    シングル「NOTHING」のB面曲。
  2. 365
    丸尾末広の短編「童貞厠之助 俺の名はマイナス」(『DDT―僕、耳なし芳一です―』収録)に歌詞が引用されている。
  3. 泥棒
  4. 天プラ
  5. Fifteen(15才)
  6. ING,O!(夢遊病)
  7. Die In
  8. 取り消し自由
  9. GO GO スターリン
  10. Nothing
    4枚目(インディーズ時代からの通算では6枚目)のシングル曲。
  11. アザラシ
  12. パンク・ロックバンドの楽曲では稀に見る10分にも及ぶミドルテンポの重厚な楽曲。ライブの1曲目に演奏される事が多かった。
  13. GO GO スターリン (single version)
  14. カタログZ
  15. 先天性労働者
    原曲として「TOKYO」というライブで演奏されていた未発表曲がある。
  16. 虫(未発表ライヴ)
    1983年5月2日の後楽園ホールでの音源から収録されている。

参加ミュージシャン

脚注

  1. ^ レコ倫ことレコード倫理審査会は、日本レコード協会に加盟するメーカー各社による組織で、その協会に加盟するメーカー各社が発売する邦楽の歌詞を検討して問題があれば指摘、そのまま市場に出した場合に起こると考えられる問題の予測をメーカーに通達する。ただし発売禁止などの権限は無く、歌詞の変更や削除、発売中止などは、あくまでメーカー各社に決定権があり、そもそも協会に加盟していないメーカー(インディーズ等)は審査の対象外となっている。