福岡市交通局2000系電車

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福岡市交通局2000系電車
2000系23編成 姪浜駅にて
主要諸元
編成 6両編成
軌間 1,067
最高運転速度 85
設計最高速度 110
起動加速度 3.5
減速度(常用) 3.5
減速度(非常) 4.0
編成定員 854人
車両定員 146人(先頭車135人)
編成重量 197t
全長 20,000(先頭車20,500)
全幅 2,860
全高 最高4,135
主電動機 かご形三相誘導電動機
駆動方式 中実軸平行カルダン方式
制御装置 VVVFインバータ制御
(19~23編成:GTOサイリスタ素子、24編成:IGBT素子
制動装置 回生ブレーキ併用電気演算形電気指令式ブレーキ
保安装置 ATCATO(地下鉄線内)、ATS-SK(筑肥線内)
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字幕式の方向幕を装備する2000系20編成 姪浜駅にて

福岡市交通局2000系電車(ふくおかしこうつうきょく2000けいでんしゃ)は、福岡市交通局(福岡市地下鉄)空港線箱崎線用の通勤形電車である。

概要

1993年平成5年)3月3日の空港線博多駅 - 福岡空港駅間の開業に備えて、1992年(平成4年)から導入された。1000系の増備車両という位置づけであり、1000系と同様、空港線・箱崎線および九州旅客鉄道(JR九州)筑肥線乗り入れで使用されている。

1000系の製造開始後12年が経過し技術革新が進んだことから、快適性向上、省エネルギー、保守の省力化を目的とした新技術が取り入れられている。4回にわたって製造されており、そのたびにマイナーチェンジが実施されている。

車両構造

車体

車体は1000系のセミステンレス構造とは異なり、骨組みも含めてステンレス製としたオールステンレス構造である。車体配色も1000系と共通の無塗装に白と青のストライプであるが、1994年(平成6年)以降に製造された増備車はストライプの配色が青・白・青の3本線に変更された。車体寸法は1000系と同一で、全長20m(先頭車は20.5m)、片側4扉である。扉間の窓は固定式の1枚大窓となり、窓中央部分の柱がなくなった。

先頭部は1000系に比べてやや丸みを帯びた形状で、前照灯尾灯は角型の横一列配置に改められた。地下鉄車両であるため、非常用扉が設置されている。ステンレス車体の電車では工作の容易化のため前頭部は普通鋼製となることが多いが、2000系電車では前頭部がステンレスで造形されている。運転室側壁には交通局のシンボルマークの「f」と「SERIES 2000」のアクセントがある。

外部の行先表示器は最初に製造された3編成は字幕式であったが、増備車はLED式とされた。

台車・機器

SS131台車(電動車)

台車はボルスタレス空気バネ、SUミンデン式軸箱支持方式の住友金属工業製SS-131(局形式FDT-2、電動車用)、SS-031A・SS-031B(局形式FTR-2A・FTR-2B、制御車用)を履く。

制御装置は1000系の電機子チョッパ制御に代わりGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御となった。その後1998年(平成10年)に製造された第24編成は素子がIGBTとされた。架線式であることから集電装置は下枠交差式パンタグラフである。

運転装置としては1000系と同様のATOを備え、空港線・箱崎線ではワンマン運転が実施されている。筑肥線内は手動運転で車掌が乗務するため、手動運転用のワンハンドルマスコンATS-SK、車掌用機器も備えている。

車内設備

2000系車内

座席はすべてロングシートで、緑色モケットを張ったバケットシートが採用されている。内装材は1000系と異なり、ベージュ系の内装である。1000系の装備に加え、車内案内表示装置・ドア開閉チャイム車椅子スペースを設置した。車内案内装置は第19編成~第23編成は液晶ディスプレイにより次駅名・行き先・乗り換え案内・駅シンボルマークを表示するものであったが、最終増備の第24編成ではLED式となった。第19編成~第23編成は装置の劣化が進み、2000年(平成12年)頃から2002年(平成14年)頃に第24編成に設置されたものと同じLED式に交換された。現在1000系に設置されているものと異なり、路線図内の駅名や矢印も点灯・点滅する仕様となっている。2012年10月ごろから24編成を除いて、筑肥線走行時もLED部分のみ表示されるようになった(駅名部分の点灯はない)。ただし、駅到着時、上行に日本語駅名、下行にローマ字駅名が表示される点は同じであるが、地下鉄は日本語名が極端に大きいのに対し、筑肥線は同じ大きさである。

冷房装置集約分散式ユニットクーラ3台を搭載する。

編成

1000系と同様に、先頭車を制御車 (Tc) 、中間車を電動車 (M) としたMT比4M2Tの6両編成を組む。下り(姪浜)側から2500形(奇数) - 2000形(奇数) - 2100形(奇数) - 2000形(偶数) - 2100形(偶数) - 2500形(偶数)の編成である。車両番号の下2桁の数字は揃えられている。

全部で6本36両が製造されたが、編成番号は1000系の続き番号とし、製造順に19 - 24の番号が与えられている。

製造・運用

1992年に19(末尾01/02)- 21(末尾05/06)の3編成(近畿車輛製)、1994年、1997年(平成9年、川崎重工業製)、1998年にそれぞれ1編成ずつ(日本車輌製造製)、計6編成36両が製造された。

全編成が姪浜車両基地に配属され、1000系と共通に地下鉄空港線・箱崎線全線および筑肥線姪浜 - 筑前深江間で運用されている。

リニューアル

製造開始から20年以上が経過したことから2015年末から2016年10月にかけて内装などを中心にリニューアル工事を実施することとなり[1]、最初の編成が2015年12月21日より運行を開始した。主な改造内容は以下の通り。

  • 座席を1人ずつに区分けしたバケットシートに変更し、表地の色を明るいグリーンに変更。
  • 座席の中間部分にスタンションポールを追加
  • 行先表示器方向幕や3色LED方式から、4言語表示のフルカラーLED[2]へ交換。表示スタイルは幕式のものに近いものとなっており、駅番号も併記している。このリニューアルによって、幕式の表示器をつけた車両は福岡市交通局から消滅する。

主要諸元

脚注

  1. ^ 2000系車両の座席がリニューアル - 福岡市交通局施設部車両課、2015年12月19日発表、2015年12月29日閲覧。
  2. ^ 空港線(福岡空港・博多・西新・姪浜行き)はオレンジ、箱崎線(貝塚・中洲川端行き)は青、筑肥線(筑前前原・筑前深江行き)は白で表示される。

外部リンク