桜庭一樹

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桜庭 一樹
(さくらば かずき)
ペンネーム 桜庭 一樹
(さくらば かずき)
誕生 (1971-07-26) 1971年7月26日(52歳)
日本の旗 日本
島根県
職業 小説家
ゲームシナリオライター
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 鳥取県立米子東高等学校
活動期間 1996年 -
ジャンル 推理小説ミステリライトノベル
代表作赤朽葉家の伝説』(2006年)
私の男』(2007年)
主な受賞歴 日本推理作家協会賞(2007年)
直木三十五賞(2008年)
デビュー作 アークザラッド
(ゲームのノベライズ、山田桜丸名義)
配偶者 友野英俊
公式サイト 桜庭一樹オフィシャルサイト
ウィキポータル 文学
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桜庭 一樹(さくらば かずき、1971年7月26日 - )は、日本作家小説家である。女性。島根県出身。本名・前嶋真理子[1]

経歴

鳥取県米子市出身(出生地は島根県)。鳥取県立米子東高等学校卒業。高校の同期生に難波美帆(サイエンスライター)、大田祐樹(山陰放送アナウンサー)がいる。 大学在学中の1993年にDENiMライター新人賞受賞。フリーライターとして活動し、「フロム・エー」等にて執筆。1996年山田桜丸名義で『アークザラッド』ノベライズにて作家デビュー。以後、コンピュータゲームシナリオ、ゲームノベライズ等を手がける。

1999年桜庭一樹名義で「夜空に、満天の星」を第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門に応募、佳作入選。同作は『ロンリネス・ガーティアン』と改題・出版される(オリジナル小説デビュー作)。以後しばらくの間は桜庭一樹名義でライトノベルを、山田桜丸名義でノベライズを執筆。2003年に開始したライトノベルの『GOSICK -ゴシック-』シリーズで人気を得た後、2004年に『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』で幅広い注目を集める。これをきっかけにSF、ミステリー、一般文芸誌などへ進出し、『少女には向かない職業』(2005年)、『少女七竈と七人の可愛そうな大人』(2006年)、『赤朽葉家の伝説』(2006年)、『青年のための読書クラブ』(2007年)などの佳作を立て続けに発表。特に『赤朽葉家の伝説』は第60回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞し、第28回吉川英治文学新人賞候補や第137回直木三十五賞候補となり新進作家としての注目を集める。なお「脂肪遊戯」で日本推理作家協会賞(短編部門)候補にも挙げられたが、規定により同時に両部門の候補になることはできないため辞退している。2008年、『私の男』で第138回直木三十五賞を受賞した。

人物

読書家としても知られる。創作活動は午前中に終わらせ午後は専ら書店まわりと読書に費やし、1日1冊以上年間400冊のペースで本を読んでいる、とインタビュー等で発言している。特に影響を受けた作品としてガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』、ヘルマン・ヘッセの『デミアン』(『知と愛』と答えている場合も多い)、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』、神林長平の『七胴落とし』、小野不由美の『悪霊シリーズ』などを様々なインタビューであげている。

名前から男性作家と間違えられることがあり、そのため書店で著作が男性作家のコーナーに陳列されていることもある。本名は「真理子」である(『推定少女』のファミ通文庫版のあとがきに記載。角川文庫版では伏せ字)。両親からは愛称の「まりすけ」と呼ばれている。

秋口ぎぐるからは「業界随一の美少女作家」と評されていた。[2]

27歳の頃より極真会館(松井派)で空手を習っている。きっかけは『推定少女』の執筆の際、再三の書き直しを迫られ最終的に構想と正反対の結末を書くに至った自分の弱さを悔い、勝負の世界に身をおきたかったからとのこと、と流布されていたが、2008年6月12日の産経新聞において、「『違います!』って声をからして言ってるんですけど。単に当時、K-1ブームだったから」と述べている。

2009年の2月某日に入籍したことを3月5日更新の『続々・桜庭一樹 読書日記』内にて発表した。結婚相手は、お笑い芸人の友野英俊。同年5月11日に結婚式を行った[3]

作風

ほとんどの作品の主人公は女性である(GOSICKシリーズは除く)。一般文芸に転じた後も、特に10代の少女を描いた作品が多い。ライトノベルからの転進のきっかけになった『砂糖菓子の弾丸』と『私の男』では少女への虐待、『少女には向かない職業』『推定少女』などでは少女による親殺し、『少女七竈』では実の兄弟への恋心の断念などがモチーフに使われている。ライトノベル時代の『赤×ピンク』では際物(きわもの)的少女プロレスショーに出演する少女達が抱える内面を丹念に描いている。

執筆するジャンルが幅広く舞台設定も様々だが、現代日本の地方都市を扱ったものが目立ち(『赤朽葉』『少女七竈』『少女には向かない職業』『砂糖菓子』『私の男』『荒野』)、ガルシア=マルケスに範を取ったと思われるマジックリアリズム的な物語がときに寓話的、ときに神話的に展開する。『赤朽葉』は山陰の地方都市を舞台とした女性3代記を、『青年のための読書クラブ』はミッション女子校の伝記的裏百年史を、『私の男』は10数年に渡る父と娘の近親相姦史を時間遡行しながら描いた。

作品一覧

一般小説

GOSICK -ゴシック-シリーズ

  • GOSICK -ゴシック- 長編作品(刊行中)
  • GOSICKs -ゴシックエス- 短編集(刊行中)

単行本未収録・未刊行作品

一覧は2012年5月現在

(読切)

  • 青年のための推理クラブ(『小説新潮』2006年4月号)
  • このたびはとんだことで(『群像』2006年5月号)
  • じごくゆきっ(『小説すばる』2006年5月号)
  • モコ&猫(『小説すばる』2007年1月号)
  • 五月雨(『オール読物』2007年7月号)
  • 冬の牡丹(『オール読物』2008年3月号)
  • 釦と鈎の話(『小説現代』2008年7月号)
  • 解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の話(『オール読物』2008年12月号)

アンソロジー

  • 暴君(『異形コレクション・オバケヤシキ』)2005年8月
  • 脂肪遊戯(『異形コレクション・闇電話』)2006年5月
  • 少年バンコラン! 夜歩く犬(『密室と奇蹟 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー』)2006年11月
  • ライティング(『桜庭一樹 物語る少女と野獣』)2008年7月
  • A(『みじかい眠りにつく前にIII』)2009年7月

ライトノベル・レーベル

エッセイ集

  • 二代目のバカにつける薬(1996年12月、イーハトーブ出版、ISBN 4-900779-08-3
山田桜丸名義

コンピュータゲームシナリオ

いずれも山田桜丸名義。

ノベライズ

山田桜丸名義
  • 学園都市ヴァラノワール 未来は薔薇の色(2002年11月、ファミ通文庫、ISBN 4-7577-1159-X
学園都市 ヴァラノワール』のノベライズ
  • ジェネレーション・オブ・カオス3 時の封印(2003年5月、エンターブレイン、ISBN 4-7577-1460-2
PS2の同名RPGのノベライズ
映画『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』のノベライズ

EVEシリーズ

山田桜丸名義、自身がシナリオを書いた同名ゲームのノベライズ
  • イヴゼロ The Beginning EVE(2000年4月、ファミ通文庫、ISBN 4-7577-0004-0
山田桜丸名義、本作以降はオリジナルストーリー
  • EVE TFA 亡き王女のための殺人遊戯(2001年9月、ファミ通文庫、ISBN 4-7577-0573-5
本作以降は桜庭一樹名義
  • EVE burst error PLUS サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ(2003年8月、ファミ通文庫、ISBN 4-7577-1547-1

漫画原作

山田桜丸名義。

  1. (1999年9月、ISBN 4-09-149591-5
  2. (2000年3月、ISBN 4-09-149592-3
ゲーム『サンリオタイムネット』の漫画化。
以下桜庭一樹名義のもの。
  1. (2008年3月、ISBN 978-4-04-854171-8
  2. (2008年3月、ISBN 978-4-04-854172-5
  1. (2009年1月、ISBN 978-4-7973-5215-3
  2. (2010年9月、ISBN 978-4-7973-6141-4
  1. (2012年2月、ISBN 978-4-06-364338-1

共著

レッサーパンダの写真集。イッセイハットリが写真、桜庭一樹が文を担当

過去の出演番組

脚注

  1. ^ 国会図書館リファレンス
  2. ^ 『B-EDGE AGE 獅子たちはノアの方舟で』作者紹介より
  3. ^ 成島敏晴の「みんな幸せにNARU(ナル)」 友野英俊結婚式!!

外部リンク