百年の孤独

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百年の孤独
Cien años de soledad
著者 ガブリエル・ガルシア=マルケス
発行日 1967年
ジャンル 小説
コロンビアの旗 コロンビア
言語 スペイン語
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百年の孤独』(ひゃくねんのこどく、Cien Años de Soledad、シエン アニョス デ ソレダッ)は、ガブリエル・ガルシア=マルケス長編小説。初版は1967年に出版。日本語版の刊行は、1972年新潮社

ガルシア=マルケスの代表作品。世界各国でベストセラーになり、ラテンアメリカ文学ブームを巻き起こした。本作を主に、ガルシア=マルケスは1982年ノーベル文学賞を受賞。2002年ノルウェイブッククラブによって「世界傑作文学100」に選ばれている。

1982年、日本の寺山修司監督によりいったん映画化されたが、原作者と係争となって公開できず、改題(「さらば箱舟」)および原作クレジットの削除などの条件を受諾して2年後に公開された。したがって現在は無関係な作品として扱われるが、ストーリーは共通している。

あらすじ[編集]

ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランを始祖とするブエンディア一族が蜃気楼の村、マコンドを創設し、隆盛を迎えながらも、やがて滅亡するまでの100年間を舞台としている。幻想的な出来事、個性的な人物が登場する。生と死、希望と絶望などを織り交ぜながら、ブエンディア家の孤独の運命について描いている。 池澤夏樹は、要約が無意味になるほどの無数の挿話からなり、そしてそれらが全体でフラクタルを成している、と評している。

コロンビアリオアチャにあるコミュニティでは近い血縁での婚姻が続いて、豚の尻尾が生えた奇形児が生まれてしまった。それを見たウルスラは性行為を拒否し、その事を馬鹿にされたため、彼女の又従兄弟で夫のホセ・アルカディオはその馬鹿にした男を殺してしまう。その殺された男が夫婦の前にずっと現れ続けたために、ホセ・アルカディオ夫妻は故郷を離れてジャングルを放浪した末に新しい住処「マコンド」を開拓する。そして、ウルスラは「豚のしっぽ」が生まれないように、婚姻の相手は血の繋がりが無い相手に限定する、という家訓を残した。様々な人間模様や紆余曲折がありながら「マコンド」は繁栄していったが、しかし、ウルスラが残した家訓は玄孫の代に叔母と甥の恋愛結婚という形で破られ、「マコンド」は衰退と滅亡へ向かっていく。

登場人物[編集]

第一世代[編集]

ホセ・アルカディオ・ブエンディア(José Arcadio Buendía)
ブエンディア一族の祖。作品の舞台となるマコンドの創成者。ウルスラ・イグアランの夫。
ウルスラ・イグアラン(Úrsula Iguarán)
ホセ・アルカディオ・ブエンディアの妻にして又従兄弟。豚の尻尾が生えた子供(奇形児)が生まれないように近親相姦を禁じる家訓を残す。

第二世代[編集]

ホセ・アルカディオ(José Arcadio)
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの間の長男。
アウレリャノ・ブエンディア大佐(Coronel Aureliano Buendía)
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの間の次男。
レメディオス・モスコテ(Remedios Moscote)
ドン・アポリナル・モスコテの娘。9歳の時、アウレリャノに見初められ恋をし、その後結婚する。
アマランタ(Amaranta)
ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの間の長女。
レベーカ(Rebeca)
皮革商人に連れられてホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの元に届けられ、ブエンディア家の一員として育てられる。

第三世代[編集]

アルカディオ(Arcadio)
ホセ・アルカディオとピラル・テルネラの間の子。
アウレリャノ・ホセ(Aureliano José)
アウレリャノ・ブエンディア大佐とピラル・テルネラの間の子。
サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ(Santa Sofía de la Piedad)
アルカディオの妻。
17人のアウレリャノ(17 Aurelianos)
戦地で、アウレリャノ・ブエンディア大佐が違う女に生ませた17人の子供。

第四世代[編集]

小町娘のレメディオス(Remedios the Beauty)

アルカディオとサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダの長女。

ホセ・アルカディオ・セグンド(José Arcadio Segundo)
アウレリャノ・セグンド(Aureliano Segundo)
アルカディオとサンタ・ソフィアの子で双子。
フェルナンダ・デル=カルピオ(Fernanda del Carpio)
アウレリャノ・セグンドの正妻。

第五世代[編集]

ホセ・アルカディオII(José Arcadio II)
アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの第一子。
レナータ・レメディオス(メメ)(Renata Remedios (Meme))
アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの長女。
アマランタ・ウルスラ(Amaranta Úrsula)
アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの末娘。

第六世代[編集]

アウレリャノ・バビロニア(Aureliano Babilonia (Aureliano II))
レナータ・レメディオスとマウリシオ・バビロニアとの子。

第七世代[編集]

アウレリャノ・バビロニア(Aureliano (III))
アマランタ・ウルスラとアウレリャノ・バビロニアの子。

その他の人物[編集]

メルキアデス(Melquíades)
マコンド創設の頃、毎年三月に当地を訪れたジプシー。マコンドとホセ・アルカディオ・ブエンディアに文明の利器・技術を持ち込む。
ピラル・テルネラ(Pilar Ternera)
マコンド建設当時からの住人。
ピエトロ・クレスピ(Pietro Crespi)
イタリア人技師。
ペトラ・コテス(Petra Cotes)
アウレリャノ・セグンドの愛人。
ミスター・ハーバートとミスター・ブラウン(Mr. Herbert and Mr. Brown)
ミスター・ハーバートがマコンドに立ち寄りバナナを一房食べ、ジャック・ブラウン等の調査団が送られ、バナナ工場ができる。
マウリシオ・バビロニア(Mauricio Babilonia)
マコンドで生まれ育ったバナナ会社の見習工。
ガストン(Gastón)
アマランタ・ウルスラの夫。
ガブリエル(Gabriel)
アウレリャノ・バビロニアの四人の友人の一人。ヘリネルド・マルケス大佐の曾孫。フランスの雑誌の懸賞に当選し、パリへ旅立つ。作者自身がモデルであるといわれている。
マコンドの神父
(初代)ニカノール・レイナ神父
(2代)コロネル神父
(3代)アントニオ・イサベル神父
(4代)アウグスト・アンヘル神父
(5代)老齢の司祭

日本語訳[編集]

  • 「百年の孤独」、訳者:鼓直(以下同)、新潮社、初版1972年1月
  • 新装版、新潮社「新潮.現代世界の文学」、1987年 
  • 改訳版、新潮社、 1999年8月、ISBN 978-4-10-509008-1
  • 「ガルシア=マルケス作品集」、新潮社、2006年12月、ISBN 978-4-10-509011-1

関連項目[編集]