大冒険
大冒険 | |
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監督 | 古澤憲吾 |
脚本 | 田波靖男、笠原良三 |
製作 | 藤本真澄、渡辺晋 |
出演者 | 植木等、谷啓 |
音楽 | 広瀬健次郎、萩原哲晶 |
撮影 | 飯村正、小泉福造 |
編集 | 黒岩義民 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1965年10月31日 |
上映時間 | 107分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
前作 | 無責任遊侠伝 |
次作 | クレージーだよ奇想天外 |
『大冒険』(だいぼうけん)は、クレージーキャッツ結成10周年を記念して東宝と渡辺プロダクションが1965年に製作・公開した映画である。併映作は『喜劇 駅前大学』(佐伯幸三監督)であった。
概要
世界で初めてワイヤーアクションを使用した映画と言われており、主演の植木等はアクションシーンのほとんどをスタントなしで演じている[1]。また、特技監督を円谷英二が担当してミニチュア特撮が用いられているのも特徴。
プロデューサーの藤本真澄は自身が目標に掲げるスタンリー・クレイマーの『おかしなおかしなおかしな世界』を参考にしたという[1]。
あらすじ
世界中で、専門家でも見分けが付かないほど精巧に作られた偽札が発見される。そして遂に日本でも偽壱万円札が発見される。国際的な陰謀団の存在が囁かれる中、警視庁は内閣の依頼で秘密裏に捜査を開始する。一方、都内のとあるアパートに住む、元体操選手の雑誌記者の植松唯人は、片想いの隣人悦子と結婚するため、悦子の兄で元サントリー社員のアマチュア発明家の啓介に「オール天然色複写機」を作らせ、特許を取って社長になろうとしていた。しかしその複写機のテスト中に、悦子のボーイフレンドである石崎から貰った壱万円札が偽札であることを発見する。植松は早速偽札の記事を書くが、その時警察は植松を指名手配していた。しかも石崎に融資をしていた「森垣金融」を配下に入れる謎の組織も植松の命を狙い始め、三つ巴の大闘争劇が始まった。
スタッフ
キャスト
※映画クレジット順
- 花井部長刑事、本人(2役):ハナ肇
- 植松唯人、本人(2役):植木等
- 谷井啓介、本人(2役):谷啓
- 乾刑事、本人(2役):犬塚弘
- 市橋刑事、本人(2役):石橋エータロー
- 加倉井編集長、本人(2役):桜井センリ
- 石崎、本人(2役):安田伸
- 谷井悦子:団令子
- 森垣久美子:越路吹雪
- クラブサハラの歌手:ザ・ピーナッツ
- ナチス陰謀団アジア地区隊長:中村哲
- 警視総監:佐々木孝丸
- 安岡捜査本部長:村上冬樹
- 大蔵大臣:高田稔
- 日銀総裁:柳永二郎
- 名古屋の警官:由利徹
- パトカーの警官:人見明
- ナチス陰謀団隊員:桐野洋雄
- サントリー社長:清水元
- 日本艦隊将校:伊藤久哉
- 通産大臣:北龍二
- 日本艦隊司令:松本染升
- 潜水艦艦長:大友伸
- 黒服の男:二瓶正也
- ナチス陰謀団隊員:荒木保夫、岡豊、伊藤実
- 司令室の警官:大前亘
- ヒットラー:アンドレ・ヒューズ
- 車の女:沢井桂子
- ピンク・シックス:一ノ木晶子
- ナチス陰謀団運転手、クラブサハラのバーテン(2役):越後憲三
- 松井:西條竜介
- 髭の警官:広瀬正一
※カメオ出演者
挿入歌
- 『遺憾に存じます』
- 『ヘンチョコリンなヘンテコリンな娘』
- 作詞・作曲:ヘンリー・ドレナン
- 歌:谷啓
- 『あなたの胸に』
- 『犬山音頭』
- 『辞世の歌』
- 作詞・作曲:不詳
- 歌:植木等
- 『大冒険マーチ』(ラストの植松と悦子の結婚式会場で歌う。ちなみに仲人役は渡辺晋・美佐夫妻が扮していた。)
- 作詞:青島幸男
- 作曲:萩原哲晶
- 歌:クレージーキャッツ
その他
- 本作の紙資料や予告編では「クレージーキャッツ結成十周年記念映画」と書かれていたが、オープニング・タイトルバックではなぜか「クレージイ・キャッツ」となっていた。
- オープニング・タイトルバックのシーンは1965年当時の東京を空撮したもので、東京タワー、東京港、銀座四丁目交差点、東京駅、国立代々木競技場第一体育館、東京国際空港などが登場する。この「空撮」は当時の東宝古澤映画の恒例で、同年公開の『日本一のゴマすり男』や、前年公開の『続・若い季節』でも行っていた。
- 植木等が走行中のバイクから転倒するシーンで、小松政夫がスタントマンとして出演している。
- 神戸と設定されるロケシーンはほとんどが横浜で撮影されている。山下公園やマリンタワーなど、知名度が高く、一目で横浜とわかるロケポイントで撮影されている。
- 神戸の場面で登場する「メリケンホテル」は赤坂プリンスホテルの旧館。作中でも別館玄関の文字が映りこんでいるのが確認できる。ラストシーンのガーデンウエディング会場も同ホテル中庭であり、かつて古澤が手掛けた『若い季節』のラストにも登場した。
- 名古屋が舞台のロケーションでは当時の名古屋駅周辺の風景が登場し、国宝犬山城の天守閣でもロケーションが行われている。植木等のネイティヴの名古屋弁も登場。但し東海道新幹線名古屋駅ホームのシーンは東京駅ホームでの撮影で、車両の窓越しに丸の内駅舎が確認できる。
- 作品中で蒸気機関車(関東鉄道常総線で撮影された)や農耕馬など、当時の風俗では普通に存在した物を利用して西部劇を意識した画作りをしている。
- Uボートが浮上するシーンや日米連合艦隊が艦砲射撃をするシーンは、『潜水艦イ-57降伏せず』のシーンをモノクロのまま流用している。このほか『太平洋奇跡の作戦 キスカ』等の映像も陰謀団のモニター画面等に断片的に流用され、基地の爆破シーンでは『青島要塞爆撃命令』の映像が流用されている。
- プロローグの政府会議で、日銀総裁が偽札に対し「造幣局では、同じ番号の札を2枚も造ってる筈は有りませんからねぇ」と言っているが、これは間違いで、大蔵省印刷局が正しい。
- 全部で30作ある東宝クレージー映画の中で、最も短いタイトルをもつ作品である。
- トミーテックから「東宝名車座」企画として、劇中で使用された自動車のミニカーが映画の説明とともに発売された[2]。
映像ソフト
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脚注
外部リンク
- 大冒険 - 日本映画データベース
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