名古屋市交通局N1000形電車
名古屋市交通局N1000形電車 | |
---|---|
ファイル:Pc206633.jpg N1000形電車 | |
基本情報 | |
製造所 | 日本車輌製造 |
主要諸元 | |
編成 | 6両 |
軌間 | 1,435(標準軌) |
電気方式 |
直流600V (第三軌条方式) |
最高運転速度 | 65 |
起動加速度 | 3.3 |
減速度(常用) | 4.0 |
減速度(非常) | 4.5 |
車両定員 |
先頭車-97人(31席) 中間車-106人(37席) |
編成重量 | 140.6t |
全長 | 15580 |
車体長 |
先頭車-15100 mm 中間車-15000 |
全幅 | 2548 |
車体幅 | 2500 |
車体高 | 3440 |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 |
主電動機出力 | 75kW |
駆動方式 | 歯車形軸継手平行カルダン駆動方式 |
編成出力 | 1,200kW |
制御装置 |
VVVFインバータ制御 (IGBT素子) |
制動装置 | 遅れ込め制御付きATC連動回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ、純電気ブレーキ |
保安装置 | 車内信号式ATC |
名古屋市交通局N1000形電車(なごやしこうつうきょくN1000がたでんしゃ)は、名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)東山線用の通勤形電車。
概要
東山線としては5050形以来15年ぶりの新形式であり、1980年に登場した5000形の置き換えのため、2007年(平成19年)から順次投入されている。
従来車よりコストダウンを図り、かつバリアフリーの深度化を目指して設計された。1編成当たりの購入価格は約6億3000万円である。
車体
外観デザインは、これまでの丸みを帯びたものから直線を多用したものに変え、ステンレス製の車体は7000形まで採用されていたビードプレス工法をやめ、名古屋市営地下鉄の車両で初めて日車式ブロック工法を採用した。
車両寸法は5050形とほぼ同一であるが、床面高さを従来より60mm下げレール面から900mmとし、駅ホームと車両床面の段差が約50mmになるように設計されている。
先頭車前面は前照灯の上に尾灯が配置され、非常用貫通扉は運転台から見て右側にオフセット配置されている。行先表示器は市営地下鉄で初めてのLED式行先表示器とされた。客室の窓ガラスは5050形と同様に東山線の路線特性からカーテンを省略しているが、地上区間での居住性を考慮して熱線吸収着色ガラスを使用した。
車内
座席はオールロングシートであるが、構造は7000形で採用された片持式を踏襲する。
客用ドア上部に千鳥配置でLED式案内表示器(路線図式車内案内装置を採用した5050形とは異なる)を、全客用ドア上部にドアの開閉方向を示す表示器をそれぞれ取り付けている。客用ドアの室内側は化粧板仕上げである。また、客用ドア部の床材は識別を容易とするために黄色とされた。
冷房装置搭載部の天井は段差を解消し、結果として室内空間の拡大が図られている。車椅子スペースは5050形の両先頭車への設置から1両に1か所への設置へと拡大された。
運転台の主幹制御器は7000形に引き続き右手操作形ワンハンドル式が採用された。さらに運転台にはモニタ装置操作用の液晶ディスプレイがコンソール内に組み込まれている。
走行機器など
主回路システムは三菱電機製のVVVFインバータ制御であるが、制御素子は5050形のGTOサイリスタからIGBTに変更され、回生ブレーキおよび純電気ブレーキ機能を有する。1基のインバータ装置で4個のかご形三相誘導電動機を駆動する1C4M方式2群を1ユニットとして、中間電動車のN1200形およびN1500形に搭載される。センサレスベクトル制御を採用したことにより、空転時に適切なトルクと回転数を得ることが可能である。主電動機出力は75kW、MT比は4M2Tで5050形と同一である。
冷房装置などサービス機器の電源である補助電源装置もIGBT素子の静止形インバータ (SIV) が採用されており、これは両先頭車に搭載されている。
ブレーキシステムは遅れ込め制御を有するATC連動回生併用電気指令空気式で、両先頭車にはさらに滑走防止機能も搭載する。
台車は日本車輌製造製の円錐積層ゴム式ボルスタレス台車で、ホイールベースは1,800mmである。車輪は従来車のせん断形弾性車輪とは異なり、一体圧延防音車輪が採用された。
編成
藤が丘方面先頭から4両目に当たるN1400形は平日の朝夕ラッシュ時間帯に女性専用車両となる。
形式 | ← 藤が丘 高畑 →
|
製造年 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
N1100 (Tc1) |
N1200 (M1) |
N1300 (M2) |
N1400 (M2') |
N1500 (M1') |
N1600 (Tc2) | ||
機器類 | SIV | CONT | CP | CP | CONT | SIV | |
1次車 | N1101 | N1201 | N1301 | N1401 | N1501 | N1601 | 2007年 |
N1102 | N1202 | N1302 | N1402 | N1502 | N1602 | 2009年 | |
N1103 | N1203 | N1303 | N1403 | N1503 | N1603 | ||
N1104 | N1204 | N1304 | N1404 | N1504 | N1604 | 2010年 |
- 凡例
(2007年10月30日)
営業運転開始まで
2007年10月30日に最初の編成が日本車輌製造豊川製作所から藤が丘工場に輸送された。同年11月11日に同工場で開催された地下鉄開業50周年記念事業のメインイベントにおいて初めて一般公開された。その後は試運転を実施し、2008年3月26日から東山線で営業運転を開始した[1]。
また、第2編成であるN1102Fが2009年2月21日に、第3編成であるN1103Fが同年12月に、第4編成であるN1104Fが2010年10月にそれぞれ竣工した。
ラッピング
2010年7月1日より、名古屋開府400周年ラッピングがN1101Fに施されている。
今後の予定
将来予定されている東山線各駅へのホームドア設置に合わせ、今後は導入本数を順次多くする。2012年度には、3編成が導入される予定である。
脚注
参考文献
- 名古屋市交通局技術本部施設車両部車両課「新車ガイド 名古屋市交通局N1000形」『鉄道ファン』2008年3月号(通巻563号)p64 - 67、交友社
- 公営地下鉄 在籍両数ビッグ3 名古屋市交通局 『鉄道ファン』2009年5月号(通巻577号)p90 - 99、交友社