ジョニー・B.グッド

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ジョニー・B.グッド」 ("Johnny B. Goode")は、1958年シングルとして発売されたチャック・ベリーの楽曲。

概要

「スタンダード・ナンバー」

ロックンロールスタンダード・ナンバーの一つとして知られる。ビルボード誌では、1958年6月9日に週間ランキング最高位の第9位を獲得。1958年ビルボード誌の年間ランキングでは、第60位。

ローリング・ストーン(Rolling Stone)』誌が選んだ「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」と「オールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100」に於いて、それぞれ7位[1]と1位にランクイン。

カヴァー

その特徴的なイントロは、他の曲に引用されることも多い(ただし、チャック・ベリー・リフはこの曲が最初ではない)。また、ビートルズザ・ビーチ・ボーイズエルヴィス・プレスリーエアロスミスAC/DCジミ・ヘンドリックスジョニー・ウィンタージューダス・プリーストセックス・ピストルズプリンスグリーン・デイThe Routersチューリップ布袋寅泰など、世界中のミュージシャンによってカバーされている[2]。また、ローリング・ストーンズのように、この曲自体ではなく、いわばこの曲のセルフ・アンサー・ソングとも言うべき「Bye Bye Johnny」をカバーするという例もある。

エピソード

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)において、1955年タイムスリップした主人公のマーティ・マクフライが、指を負傷したマーヴィン・ベリーというギタリストの代理としてダンスパーティバンドギター演奏し、アンコールでこの曲を演奏するシーンがある。映画の設定上ではマーヴィンはチャックの従兄弟であり、主人公の演奏中に「新しい音楽を探していた」というチャックに電話をかけ、受話器越しに演奏を聴かせている。つまりチャック・ベリーは、未来からやってきたマーティの演奏を聴いてこの曲を着想した、というタイム・パラドックスになっている。なお、演奏中にヒートアップしたマーティがベンチャーズのクロマティック・ラン奏法(いわゆる「テケテケ」)やピート・タウンゼントのウインドミル奏法、ジミ・ヘンドリックスの背中で弾くパフォーマンス、エドワード・ヴァン・ヘイレンライトハンド奏法など、1955年以降の時代に流行する演奏スタイルを披露してしまったため、困惑した観客に向かって「君らには早いが子供の世代にはわかる」と言っている。

この曲のオリジナル演奏は、宇宙船ボイジャー1号2号に搭載された「地球の音 (The Sounds of Earth)」という地球外知的生命体へ向けたメッセージレコードロックの代表曲として録音されている。

日本でこの曲が知られるようになったのは、矢沢永吉らが在籍したロックバンドキャロルが、1973年3月25日に発売したファーストアルバム『ルイジアンナ』に本楽曲を収録して、キャロルがライブで盛んに演奏することで知名度を上げたもの[3]。この曲は当時日本ではまだ知られておらず、ライブでこの曲を演奏すると、キャロルのオリジナル曲と思った人が多かったという[3]。タイトルに"ジョニー"と付いているため、以前からジョニー大倉が歌っていた曲だった[3]

関連項目

脚注

  1. ^ [1]
  2. ^ 但し、セックス・ピストルズのそれはベリーへの敬意を持ってのカバーとは到底言い難く、ジョニー・ロットンは全編にわたって歌詞をまともに歌うことをしておらず、悪態をつきまくった挙げ句、しまいには途中で演奏を止めさせて別の曲(「Road Runner」)を演奏させている。
  3. ^ a b c ジョニー大倉『キャロル 夜明け前』主婦と生活社、2003年、216-217頁