Play Framework

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Play Framework
初版 2007年 (2007)
最新版 2.2.1 / 2013年10月31日 (2013-10-31)
プログラミング言語 Scala
サポート状況 開発中
種別 Webアプリケーションフレームワーク
ライセンス Apache License
公式サイト www.playframework-ja.org
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Play Framework(プレイ・フレームワーク)は、ScalaJava言語で書かれたオープンソースWebアプリケーションフレームワークである。Model View Controller (MVC) アーキテクチャを採用しており、設定より規約やホットリローディング、エラーのブラウザ上への表示といった方針により、開発者の生産性を上げることを目的としている。[1]

Scala言語のサポートはバージョン1.1より行われていたが[2]、バージョン2.0ではフレームワークのコア自体がScalaにより書き直されている。ビルドデプロイメントにもScalaベースのビルドツールであるSBT英語版が使用されており、テンプレートエンジンも以前のGroovyの代わりにScalaが採用されている。

歴史[編集]

Play FrameworkはZenexity社のソフトウェア開発者であるGuillaume Bortにより作成された[3]。しかしこの初期のリリースは外部には公開されておらず、インターネット上で確認できる最も古い情報は2007年5月のものである[4]。2007年になり、プレリリースバージョンが初めてZenexity社のサイトにて公開された[5]

2008年5月になって、バージョン1.0の元となるコードがLaunchpadにて公開された[6] 1.0が完全にリリースされるのは、2009年10月のことである[7]

その後LaunchpadからGitHubへの移行を経て、2010年11月にPlay 1.1がリリースされた。1.1ではコンポーネントがApache MINA英語版からJBoss Netty英語版へと変更されており、またScala言語のサポートや、GlassFishコンテナへの対応、非同期Webサービスライブラリ、OAuth認証、HTTPSのサポートなどが行われた。[8]

2011年4月にリリースされたPlay 1.2では、依存性管理ツールであるApache Ivy英語版が組み込まれるとともに、WebSocketのサポートや、DBマイグレーションの統合(ただしリバージョンは未対応[9])、H2 Databaseへの変更などが行われた[10]

2011年後半にはPlay 2.0の開発に向けSadek Drobiが加わっている。2012年3月13日にリリースされた2.0[11]では、Scalaの開発環境であるTypesafe Stackと結びついている[12]

2013年2月6日にリリースされたPlay 2.1では、Scalaが2.10へとアップデートされるとともに、モジュール化や新しいJSON API、フィルタ、それにRequireJSがサポートされた[13]

2013年9月20日にリリースされたPlay 2.2では、SBTが0.13にアップデートされるとともに、バッファリングgzip圧縮、それにいくつかのプラットフォーム用のパッケージングタスク(OS X (DMG), Linux (RPM, deb), Windows (MSI) など)がサポートされた

特徴[編集]

Play Frameworkは、Ruby on RailsDjangoから大きな影響を受けた、これらと似た同種のフレームワークである。PlayのWebアプリケーションはJava環境で動作するが、Java標準のWebアプリケーション仕様であるJava EEの中核機能は必要としない。PlayはJava EEの仕様に準拠しないが、その代わりにJava EE準拠のプラットフォームと比較してシンプルに開発を行うことができる。[14]

Play Frameworkのアプリケーションは組み込みのNetty英語版 Webサーバーを使用して実行するよう設計されている。しかし、開発したアプリケーションをWARパッケージにまとめ、Java EEのアプリケーションサーバで動作させることも可能である。[15]

他のフレームワークとの比較[編集]

他のJavaフレームワークと比べると、以下のような特徴を持つ

  • ステートレス: Play 2は完全にRESTfulである。Java EEのように接続ごとのセッションを利用しない。
  • 自動テストの統合: JUnit, Selenium英語版のサポートを含む。
  • 主に必要とされるAPIは標準で組み込まれている。
  • 静的メソッド: コントローラの全ての開始点はstatic(Scalaの場合はfunction)として宣言する。ただしPlay 2.1以降はそれ以外の形式もサポートされている。
  • 非同期IO: WebサーバーとしてNettyを使用することから、Playは非同期的に大きなリクエストを処理できる。この結果、HTTPスレッド数以上の処理を実行することができる。Java EEでは、Servlet 3.0までこうした非同期処理はサポートされていなかった。[16]
  • モジュラー構造: RailsやDjangoのように、Playはモジュール構造を採用している。
  • Scala言語のサポート: Play 2は内部的にScalaを使用しており、ScalaのAPIとJavaのAPI双方を公開している。Javaとも完全な互換性がある。

コンポーネント[編集]

Play 2.0はいくつかのJavaの一般的なライブラリを使用している。

Play Frameworkには以下のような機能が含まれている。

  • RESTフレームワーク。
  • CRUD: モデルオブジェクトをシンプルに更新するためのモジュール。
  • Secure: 単純なユーザー認証を実現するモジュール。
  • アノテーションを元としたバリデーションフレームワーク。
  • ジョブスケジューラ。
  • 簡単に使用できるSMTPメーラー。
  • JSONXMLの解析。
  • JPAを元とした永続化層。
  • 素早いデプロイメント/テストのための組み込みDB。
  • 完全に組み込まれたテスティングフレームワーク。
  • 自動的なファイルアップロード機能。
  • 複数環境向けの設定。
  • 機能を簡単に追加するためのモジュラー構造。
  • OpenIDとWebサービスのクライアント。

導入事例[編集]

Play Frameworkのメーリングリストには9,000名を超える購読者が登録されている[17]。Playは地方政府や企業のイントラネット、モバイル向けWebサイトやOSSといった幅広いプロジェクトで使用されている。

2013年10月現在、Play FrameworkはGitHubにおける最も人気のあるScalaプロジェクトとなっている[18]

また、いくつかの著名なWebサイトがPlay Frameworkを使用していることを明らかにしている[19]

2010年12月には、Play Frameworkを扱った初の電子書籍がリリースされた[22]。この書籍は後に紙媒体でも刊行されている。2011年8月には2冊目の書籍も刊行されている[23]

2011年8月、クラウドコンピューティングプラットフォームのHerokuはPlayのアプリケーションをネイティブサポートすることを発表した[24]。これはGoogle App EngineにおけるPlay 1.0(Play 2.xではない)のモジュールベースでのサポート、Amazon Web Servicesでのドキュメントによるサポートに続くものであった[25]

2013年7月には クラウドコンピューティングプラットフォームのJelastic英語版も、Play 2を同環境で使用するためのチュートリアルを公開している[26]

脚注[編集]

外部リンク[編集]