M99 (天体)

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M99
星座 かみのけ座
観測データ
種別 渦巻銀河
赤経 (RA, α) 12h18.8m (J2000.0)
赤緯 (Dec, δ) +14° 25' (J2000.0)
距離 5500万 光年
視等級 9.8
視直径 5'
物理的性質
直径 9万 光年
絶対等級 -20.7
特性 Sc型渦巻銀河
その他の名称 NGC 4254

M99(NGC4254)はかみのけ座にある渦巻銀河である。おとめ座銀河団に属している。

1781年ピエール・メシャンによって発見された。M98、M99、M100はメシャンによって同時に発見されている。同年シャルル・メシエは「星のない星雲で、青白くM98よりやや明るい。7等星と8等星の間にはさまれている」とした。ジョン・ハーシェルは「極めて目立つ目標。明るくまるく中央が明るい。3個の渦状部分からできている」とした。1848年ロス卿は「渦状で明るい星が上にある。星雲の薄い部分がこの星を横切って、ある程度のびている。主な枝は下にあり、右方向に旋回する」とした。ダレストは「大きく明るくピカピカときらめく。枝は少し分かれる。端の方で拡散しているのがはっきりする」とした。

銀河を真正面から見たフェイスオン銀河で、M51とともにロス卿によって早い時期に渦状構造が発見された銀河である。

条件がよいときに、口径6cmの望遠鏡で中心部の一部が丸く星雲状に見える。口径10cmでマラスは明るい斑点があり、これが中心から離れると数が少なくなっていく様子が好条件で見られるとした。しかし一般にはぼんやり見えるにとどまる。口径20cmでははっきりとした2個の核が見られる。マラスによる斑点はジョーンズによると星雲の南と東周辺に時々見られるとした。この外観を紙風車にっみたてる人がいる。口径30cmで2本の腕が、口径50cmで3本の腕を確認することができる。

1967年6月に14等、1972年12月に15.6等、1986年と3個の超新星が発見されている。

参考文献

  • 中野繁 星雲星団の観測 恒星社、1978年
  • 浅田英夫 星雲星団ウォッチング 地人書館、1996年
  • ニュートン別冊 メシエ天体のすべて、2007年