M-1グランプリ2015

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。一虎ファルガーロー (会話 | 投稿記録) による 2022年11月24日 (木) 07:53個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎決勝戦)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

M-1グランプリ > M-1グランプリ2015
M-1グランプリ2015
受賞対象結成15年以内の漫才師(2人以上)
開催日2015年12月6日 (敗者復活戦、決勝)
会場テレビ朝日(決勝)
日本の旗 日本
主催M-1グランプリ事務局
吉本興業
朝日放送
司会今田耕司
上戸彩
報酬賞金1000万円ほか
最新受賞者トレンディエンジェル
公式サイト公式サイト
テレビ/ラジオ放送
放送局ABCテレビ・テレビ朝日系列
放送時間2015年12月6日
18時30分 - 21時00分
視聴率17.2% (関東地方)
21.4% (関西地方)

M-1グランプリ2015』(エムワングランプリ2015)は、吉本興業朝日放送主催の漫才コンクール「M-1グランプリ」の第11回大会。2015年12月6日に決勝戦が開催され、ABCテレビ・テレビ朝日系列にて生放送された。優勝者はトレンディエンジェル

概要

2010年に終了した『M-1グランプリ』が5年ぶりに復活。この回から参加資格が結成10年以内から結成15年以内に変更された。スポンサーはオートバックスに代わり、Cygamesファミリーマート日清食品ユニクロが就任した。

プロ・アマチュア問わず3472組がエントリーし、決勝戦には準決勝を勝ち上がった和牛馬鹿よ貴方はスーパーマラドーナメイプル超合金タイムマシーン3号銀シャリジャルジャルハライチの8組、そして敗者復活戦を勝ち抜いたトレンディエンジェルを加えた9組で争われた。

審査員はこれまでの回よりも多い9名で、顔ぶれも一新。アンタッチャブル以外の歴代優勝コンビ9組から礼二中川家)、増田英彦ますだおかだ)、岩尾望フットボールアワー)、吉田敬ブラックマヨネーズ)、徳井義実チュートリアル)、富澤たけしサンドウィッチマン)、石田明NON STYLE)、佐藤哲夫パンクブーブー)、哲夫笑い飯)が参加した。

ABCラジオでは、喜多ゆかり朝日放送テレビアナウンサー)の進行で、決勝のサイマル生中継を組み込んだ特別番組『ラジオでウラ実況!?M-1グランプリ2015』を放送した。

大会経過

1回戦から準々決勝まで

1回戦は8月17日から10月4日にかけて北海道・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・沖縄の8地区で開催。その後、東京と大阪の2地区に分けて、10月5日 - 16日に2回戦、10月21日 - 28日に3回戦、11月3・5日に準々決勝が開催された。

エントリーした3472組中、2回戦に出場したのはシード獲得者を含めて929組。その中で3回戦に出場したのは290組、準々決勝に出場したのは86組。

話題を集めたコンビ

  • めいどのみやげ」(ティーチャ、サッチィー):80歳の父親と41歳の娘のコンビ
  • 「ペッパーズ」(ペッパー、金子竣):人型ロボット「Pepper」と人間のコンビ
  • 「元ホスト」(城咲仁、ランディー・ヲ様):元ホストのタレントとピン芸人のコンビ
  • 「SIZE」及び「校長・教頭」:笑いを通じてコミュニケーション能力を育む「笑育(わらいく)」を取り入れている大阪府立金岡高等学校の元生徒会長・副会長コンビと、同校の校長(放送作家出身の和栗隆史)・教頭コンビ。いずれも1回戦を突破したため、ニュースなどで取り上げられた(和栗は2017年3月の任期満了を機に退職)。

準決勝

11月19日にEX THEATER ROPPONGIで開催。準々決勝を勝ち上がった27組に、GYAO!ワイルドカード枠を獲得したニッポンの社長を加えた28組が参加した。

敗者復活戦

この回から会場が六本木ヒルズアリーナとなり、敗者復活戦の全国放送での生中継も開始された。また、復活者の選出方法も視聴者投票となった。


決勝戦

ファーストラウンド

1組目 メイプル超合金
犬のごはんの話の漫才で、カズレーザーの「聞いた話を別のものに変えてしまうボケ」「突拍子もないボケ」に対して、安藤なつの「女性を捨てた男気あるツッコミ」で返す漫才を披露。得点は796点と伸び悩んだ。増田は「漫才にどんどん新しいものが出てきている」、徳井はカズレーザーに「あの人ほんまにヤバイ人」といい、「ただ、そのヤバさがでていて良かった」と述べた。
2組目 馬鹿よ貴方は
「おにぎり屋」のネタを披露したが、得点はメイプル超合金を下回る791点に終わった。富澤は「M-1ってこんなのでしたっけ?でも、笑ってしまいますね」、岩尾は「最後の1分全て(大丈夫か、大丈夫ですよ)が凄かった」と述べた。
3組目 スーパーマラドーナ
「落武者の霊」のネタを披露。813点を記録し、暫定1位につけた。哲夫(笑い飯)は「右肩上がりでだんだんウケていく理想的な形」と述べ、佐藤は「伏線で張ってるものとかを後半に回収するところが高得点に繋がった」と絶賛した。
4組目 和牛
「結婚式を抜け出した花嫁」のネタを披露したが、得点は806点に終わった。増田からは「ああいえばこういう漫才大好きです。この続きをもう一本みたいですね」と述べた。
5組目 ジャルジャル
「言葉遣い」のネタを披露。審査員9名中6名から最高得点を叩き出し、834点で暫定1位についた。石田は「しっかり漫才師になっていて、今までの5組の中で1番拍手笑いが多かった」、一方で礼二は「漫才という大きな枠がある中で、そういうのを入れたらもう少し漫才っぽくなったと思う」と述べた。
6組目 銀シャリ
「常識」のネタを披露。818点を記録し、暫定2位につけた。佐藤は「やり取りはさすがだが、題材がよくある形なので、90点台に乗せなかった」と述べた。
7組目 ハライチ
「誘拐」のネタを披露したが、得点は788点に終わり、暫定7位(最下位)で敗退となった。吉田は「流れをつかめなかっただけで面白かった」と述べた。敗退後、アナウンサーのヒロド歩美が澤部にマイクを向けたときに「向けるなマイク!」と怒鳴り気味のリアクションがあった。
8組目 タイムマシーン3号
「言葉を太らせる、痩せさせる」というジブリや、山本の自己紹介などの言葉を太らせたり、痩せさせたりするネタを披露。山本の自己紹介にて「生まれは新潟県」を「産湯がキーマカレー」、桃太郎からは、「ももたろう」を「ゆでたろう」、ジブリなどは「コクリコ坂から」を「僕肉焼くから」、痩せさせたりする場合は、「風の谷のナウシカ」が「風呂の水がヘルシア」、最後は「滅びの呪文はタニタ」というオチで終わるというしゃべくり漫才を披露し、9名中6名が90点の高得点で、816点を記録し、暫定3位につけた。自身最高点の94点を付けた石田は「僕と同期なんですよ。本当悔しいなって思うくらい笑い取ってたので、これはもう高得点入れるしかなかったですね」と高評価した。その結果敗退したスーパマラドーナの武智が、石田に対し「俺らも同期やろ!」と敗退コメントを述べた。
9組目 トレンディエンジェル
「ハロウィーンとクリスマス」のネタを披露。825点を記録し、暫定2位で最終決戦進出を果たした。しかし徳井の評点は個人最低の88点であった。富澤は「この二人にしかできない漫才」、増田は「敗者復活戦の勢いで、あんなに楽しく、ほかの禿げている芸人が残っているのがいないぐらい全部やりつくした」、岩尾は「禿げている時点で一回負けていますからね」と述べた。

最終決戦

最終決戦はファーストラウンド1位のジャルジャル、2位のトレンディエンジェル、3位の銀シャリの3組で争われた。ファーストラウンド上位の組から順番を選択した結果、銀シャリ、トレンディエンジェル、ジャルジャルの順にネタを披露することとなった。

1組目 銀シャリ
「マンション」のネタを披露。
2組目 トレンディエンジェル
「モテる男になりたい」のネタを披露。
3組目 ジャルジャル
ファーストラウンドと同じようなネタを披露。

最終投票では、哲夫(笑い飯)がジャルジャルに、徳井と岩尾が銀シャリに、他の6名がトレンディエンジェルに投票。6票を獲得したトレンディエンジェルが11代目王者となった。

結果

  • コンビ名、所属事務所は出場当時。
  • 1位及び最終決戦の投票、2位、3位、赤数字青数字は審査員が付けた最高・最低評点。太字は全体の個人最高・最低評点。

準決勝

以下はM-1グランプリ 公式サイトからの引用[1]太字は準決勝通過組。

グループ コンビ名 所属事務所 結果
A ニッポンの社長 吉本興業 敗退
ダイタク
アインシュタイン
相席スタート
タイムマシーン3号 太田プロダクション[注 1] 通過
囲碁将棋 吉本興業 敗退
とろサーモン
B 笑撃戦隊 ワタナベエンターテインメント
セルライトスパ 吉本興業
銀シャリ 通過
ハライチ ワタナベエンターテインメント
メイプル超合金 サンミュージックプロダクション
POISON GIRL BAND 吉本興業 敗退
モンスターエンジン
C 和牛 通過
さらば青春の光 ザ・森東 敗退
ジャルジャル 吉本興業 通過
トレンディエンジェル 敗退
ダイアン
東京ダイナマイト
かまいたち
D 天竺鼠
学天即
チーモンチョーチュウ
尼神インター
馬鹿よ貴方は オフィス北野 通過
スーパーマラドーナ 吉本興業
ナイツ マセキ芸能社 敗退

敗者復活戦

この回から順位が公表されるようになった。出番順は準決勝の成績下位から順番。

とろサーモンが9大会連続9回目の敗者復活戦出場[注 2]となり、最多連続出場となった。

順位 コンビ名
所属事務所
結成年 敗者復活戦出場回数 出番順 票数 準決勝順位
1位 トレンディエンジェル
よしもとCA 東京
2004年 3大会連続3回目 18番 39753票 11位
2位 とろサーモン
よしもとCA 東京
2002年 9大会連続9回目 12番 23916票 17位
3位 ナイツ
マセキ芸能社
2000年 4大会ぶり2回目 15番 23742票 14位
4位 チーモンチョーチュウ
よしもとCA 東京
2001年 7大会連続7回目 4番 21560票 25位
5位 東京ダイナマイト
よしもとCA 東京
2001年 2大会連続6回目 16番 16426票 13位
6位 学天即
よしもとCA 大阪
2005年 6大会ぶり2回目 5番 - 24位
7位 さらば青春の光
ザ・森東
2008年 2大会ぶり2回目 20番 - 9位
8位 ダイアン
よしもとCA 大阪
2000年 2大会ぶり7回目 19番 - 10位
9位 笑撃戦隊
ワタナベエンターテインメント
2008年 2大会連続2回目 7番 - 22位
10位 天竺鼠
よしもとCA 大阪
2004年 7大会連続7回目 14番 - 15位
11位 尼神インター
よしもとCA 大阪
2007年 初出場 17番 - 12位
12位 モンスターエンジン
よしもとCA 大阪
2007年 5大会連続5回目 3番 - 26位
13位 相席スタート
よしもとCA 東京
2013年 初出場 6番 - 23位
14位 POISON GIRL BAND
よしもとCA 東京
2000年 4大会連続6回目 9番 - 20位
15位 かまいたち
よしもとCA 大阪
2004年 7大会連続7回目 8番 - 21位
16位 ダイタク
よしもとCA 東京
2008年 初出場 13番 - 16位
17位 セルライトスパ
よしもとCA 大阪
2009年 2大会連続2回目 10番 - 19位
18位 囲碁将棋
よしもとCA 東京
2004年 4大会連続4回目 11番 - 18位
19位 アインシュタイン
よしもとCA 大阪
2011年 初出場 2番 - 27位
20位 ニッポンの社長
よしもとCA 大阪
2013年 初出場 1番 - 28位

決勝戦

順位 コンビ名
所属事務所
No. 結成年 決勝出場回数 番組キャッチフレーズ 出番順 得点/得票
1/優勝 トレンディエンジェル
よしもとCA 東京
2311 2004年 初出場
(ノーシード[注 3]
(敗者復活) 9番/2番 825点/6票
2位 銀シャリ
よしもとCA 大阪
1928 2005年 2大会連続2回目 昭和をまとった新世代 再び! 6番/1番 818点/2票
3位 ジャルジャル
よしもとCA 東京
2021 2003年 2大会連続2回目 フリースタイルが止まらない! 5番/3番 834点/1票
4位 タイムマシーン3号
太田プロダクション[注 1]
1128 2000年 6大会ぶり2回目 器用なおデブさんは好きですか? 8番 816点
5位 スーパーマラドーナ
よしもとCA 大阪
634 2003年 初出場
(ノーシード[注 3]
震える子羊ボケまくる! 3番 813点
6位 和牛
よしもとCA 大阪
73 2006年 初出場
(ノーシード[注 3]
心にさされ!非情な愛のボケ 4番 806点
7位 メイプル超合金
サンミュージックプロダクション
878 2012年 初出場
(ノーシード)
誰も知らない超ダークホース 1番 796点
8位 馬鹿よ貴方は
オフィス北野
390 2008年 初出場
(ノーシード)
静かなる毒舌漫才 2番 791点
9位 ハライチ
ワタナベエンターテインメント
2929 2006年 3大会連続3回目 澤部、今日も騒ぐってよ 7番 788点
ファーストラウンド得点詳細
コンビ名 得点計 哲夫 佐藤 石田 富澤 徳井 吉田 岩尾 増田 礼二
ジャルジャル 834(649) 93 93 94 94 96 90 96 89 89
トレンディエンジェル 825(642) 91 92 92 93 88 93 89 93 94
ギン/銀シャリ 818(636) 92 89 87 92 95 89 92 91 91
タイムマシーン3号 816(635) 88 91 94 93 88 89 90 90 93
スーパーマラドーナ 813(632) 90 93 88 91 89 90 93 87 92
ワギュウ/和牛 806(627) 88 90 88 90 90 86 92 92 90
メイプル超合金 796(619) 89 89 89 92 91 85 89 85 87
ハカ/馬鹿よ貴方は 791(615) 90 90 83 93 89 83 90 85 88
ハライチ 788(613) 87 88 86 89 89 83 85 89 92
最終決戦得票詳細
コンビ名 得票数 哲夫 佐藤 石田 富澤 徳井 吉田 岩尾 増田 礼二
トレンディエンジェル 6
ギン/銀シャリ 2
ジャルジャル 1
最高評点 96点
徳井義実(ジャルジャル)
岩尾望(ジャルジャル)
最低評点 83点
石田明(馬鹿よ貴方は)
吉田敬(馬鹿よ貴方は、ハライチ)
平均点 809.7点(700点満点換算で629.7点)
備考
  • シード制度が導入された第2回以降で、ノーシードからの決勝進出が5組と過去最多となった。また、初出場組はいずれもノーシードであった。決勝進出コンビの中でノーシードが過半数となったのはこの回が唯一である。
  • 初めて2010年代結成コンビが決勝進出した(メイプル超合金)。
  • タイムマシーン3号は、前回出場時(2005年)と異なる事務所からの出場となった。
  • 初めて審査員よりも決勝進出者の方が年上になるという事例が起きた。
    • タイムマシーン3号の2人、スーパーマラドーナの2人、馬鹿よ貴方はの新道竜巳、トレンディエンジェルの斎藤司の6名が、今回の審査員の中で最年少の石田(1980年生まれ)よりも年上だった。
  • 全てのコンビが各審査員から最低1人は92点以上の評点を受けた。また、初めて全てのコンビの得点が600点以上となった(700点満点換算時)。
    • 一方で、同時に全てのコンビが最低1人から89点以下の評点を受け、第7回(2007年)以来4大会ぶり(8年ぶり)に全審査員から90点以上の得点を獲得したコンビが現れなかった。
  • 第2回(2002年)以降で初めて、決勝進出コンビがすべて最終決戦未経験コンビとなった。
  • トレンディエンジェルが第7回(2007年)のサンドウィッチマン以来史上2組目・4大会ぶり(8年ぶり)の敗者復活からの優勝を達成した。
    • コンビ揃って、第4回(2004年)のアンタッチャブル・山崎弘也以来、7大会ぶり(11年ぶり)となる関東出身の優勝者となった(たかしは東京都、斎藤司は神奈川県)。
    • 第2回(2002年)以降で初めて、ノーシードのコンビが優勝した。
    • 第9回(2009年)のパンクブーブー以来、6年ぶり(2大会ぶり)に決勝初出場組が優勝した。 
    • 第8回(2008年)から4大会連続でファーストラウンド2位通過のコンビが優勝した。
    • 1人の審査員から最低評点を付けられたコンビが優勝した(徳井の88点)。
  • ジャルジャルはファーストラウンドを単独1位で通過するも、最終決戦を3位で終えた最初のコンビになった。
  • タイムマシーン3号が「滅びの呪文はタニタ」のオチで締めくくった際、それに対してタニタが同社のTwitterで反応した[2]


社会的反応

2016年ブレイクタレントランキングでは優勝者のトレンディエンジェルが2位、第7位のメイプル超合金が1位にランクインし[3]、M-1グランプリのブランド力健在を明らかにした。

脚注

注釈

  1. ^ a b 2013年8月にジェイピィールームから移籍
  2. ^ 準決勝進出は第9回以来2大会ぶり。第10回では準々決勝敗退だったが、特例で準々決勝敗退コンビにも敗者復活戦の出場権が与えられたため、出場できた。
  3. ^ a b c 過去にシード歴あり。

出典

  1. ^ M-1グランプリ2015”. M-1グランプリ2015 公式サイト. 2022年6月23日閲覧。
  2. ^ @TANITAofficial (2015年12月6日). "【速報】 滅びの呪文 _人人人人_ > タニタ <  ̄YYYY ̄ #M1グランプリ". X(旧Twitter)より2021年1月16日閲覧
  3. ^ メイプル超合金、年間TV出演280本増 トレエン抑えNo.1ブレイク”. ORICON NEWS. 2022年8月23日閲覧。

外部リンク