ハーツ (バンド)

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ハーツ
アダム・アンダーソン(左)とセオ・ハッチクラフト(2014年撮影)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランドマンチェスター
ジャンル
活動期間 2009年 -
レーベル
メンバー
  • セオ・ハッチクラフト
  • アダム・アンダーソン

ハーツHurts)は、2009年にイギリス・マンチェスターで結成されたシンセポップデュオ。

メンバー[編集]

来歴[編集]

2005年12月に音楽性の共通項を見出したセオとアダムが出会い、バンドの原型が1年ほどかけて形成される。当初はBureau(後にDaggersと改名)というポップ・ロックバンドであったが、結局メジャーデビューできず、それまでの音楽を捨てて一からやり直すことを決意する。当時は失業手当を受けるほど困窮した生活を送っていたが、「身なりさえ綺麗であれば仕事をしていなくても他人に見下されずにプライドを保てる」という理由で、モノクロかつクラシカルな古着を着るようになる[5]。これは現在のハーツのコンセプトにも継承されている。

2009年春、"Wonderful Life"のPV[6]をアップロード。すぐに話題となり、大手レーベルと契約する。イギリスの『ガーディアン』紙にて「バンド・オブ・ザ・トゥデイ」として特集を組まれる[7]。またBBCの「2010年期待する新人」において、たった一曲しか発表していないにもかかわらず4位につけた[8]

ファーストアルバムの『ハピネス』にはデビューシングルの"Better Than Love"やカイリー・ミノーグとのデュエット曲"Devotion"、アーサー・ベイカーにリミックスもされた"Wonderful Life"などが収録されている(リミックス版はボーナストラックとして収録)。カイリーとはザ・サン紙での「ビズ・セッション」という企画で彼女の"Confide in Me"をカバーするなどの関わりが多い。2010年秋、シザー・シスターズのツアーのサポートをすることを発表[9]。また今後レオナ・ルイスと仕事をすることも発表されている。

2013年3月に2年半ぶりとなる2ndアルバム『エグザイル~孤高~』をリリース。同作のタイトルについてセオは日本でタイトルを思いついたと語っており、「日本のバーにいるときに、“エグザイル”って言葉が突然降ってきて、それが頭にこびりついて離れなくて、自分の心の中にすとんと落ちてきたし、アルバムのタイトルとしても理想的で……すごくイマジネーションを掻き立てられる言葉だし、物語を感じさせるよね。何よりも、当時の自分達の置かれている心境とシンクロしてるような気がしてね」とコメントしている[10]

エピソード[編集]

  • ライブ時にはバックコーラスにオペラ歌手を率いている。
  • TBS系列のドラマ『クローン ベイビー』に、主題歌として"Better Than Love"、挿入歌として"Wonderful Life"、中間歌として"Stay"が使用された。
  • 2011年の単独来日時、親知らずを抜いたばかりのアダムが体調不良のため東京公演の二日目を出演キャンセルする事態となった。

ディスコグラフィー[編集]

スタジオアルバム[編集]

詳細 最高順位 認定
UK AUT DEN FIN GER IRE NLD SWE SWI
2010 ハピネス 4 2 7 3 2 9 18 4 2
  • UK: ゴールド
  • GER: プラチナ
  • POL: プラチナ
  • RUS: ゴールド
  • SWI: ゴールド
2013 エグザイル~孤高~
  • 原題: Exile
  • リリース: 2013年3月8日
  • レーベル: RCA
  • フォーマット: CD, LP, デジタル・ダウンロード
9 4 31 2 3 34 20 17 2
  • GER: ゴールド
  • SWI: ゴールド
2015 サレンダー
2017
  • 原題: Desire
  • リリース: 2017年9月29日
  • レーベル: コロムビア
2020
  • 原題: Faith
  • リリース: 2020年9月4日
  • レーベル: Lento
  • フォーマット: CD, LP, カセットテープ, ストリーミング, デジタル・ダウンロード

シングル[編集]

楽曲 原題 最高順位 収録アルバム
UK AUT DEN FIN GER IRE NLD SWE SWI EU
2010 ベター・ザン・ラブ(愛に勝るもの) Better Than Love 50 88 56 ハピネス
ワンダフル・ライフ(素晴らしき人生) Wonderful Life 21 6 8 15 2 38 83 30 4 10
ステイ(行かないで) Stay 50 12 3 6
オール・アイ・ウォント・フォー・クリスマス・イズ・ニュー・イヤーズ・デイ All I Want for Christmas Is New Year's Day 67 デジタル配信
2011 サンデイ(孤独な日曜日) Sunday 57 ハピネス
イルミネイテッド(光に照らされて)/
ベター・ザン・ラブ(愛に勝るもの)
Illuminated/Better Than Love 68
ブラッド、ティアーズ&ゴールド(血と涙と富をもってしても) Blood, Tears & Gold 45 39 54
2013 ミラクル(奇跡) Miracle 120 43 23 27 エグザイル~孤高~
ブラインド(恋は盲目) Blind 180 60 52
サムバディ・トゥ・ダイ・フォー(誓い) Somebody to Die For 57 46 62
2015 Some Kind of Heaven サレンダー
Rolling Stone
Lights
Slow
Wish
2017 Beautiful Ones Desire
Ready to Go
Chaperone
2020 Voices Faith
Suffer
Redemption
Somebody
"—" はチャートインせず、もしくは未リリースを示す。

その他[編集]

楽曲 原題 最高順位 収録アルバム 詳細
GER
2010 Jeanny Jeanny - Falco 3 The 25th Anniversary Edition ファルコのカバー・リミックス。ほぼドイツ語歌詞。日本未発売
2011 Confide in Me Confide in Me 3 HAPPINESS/ハピネス ドイツ版「Stay」のシングルに収録
2011 Judas Judas - Judas – The Remixes レディー・ガガの楽曲のリミックス。米・英・仏・独アマゾン及び
iTunes(日本からは購入不可)でダウンロード販売

来日公演[編集]

ミラノにて(2010年10月撮影)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h Collar, Matt. Hurts | Biography & History - オールミュージック. 2021年6月21日閲覧。
  2. ^ a b Album Review: Hurts – "Faith" The Young Folks” (英語) (2020年9月16日). 2021年6月21日閲覧。
  3. ^ a b Hurts: Exile – review” (英語). The Guardian (2013年3月7日). 2021年6月21日閲覧。
  4. ^ a b 'Faith' Review: Hurts' new album is defiant, enjoyable and goes beyond the boundaries of synthpop” (英語). meaww.com. 2020年11月28日閲覧。
  5. ^ 『Happiness』ライナーノーツより
  6. ^ 制作費およそ20ポンド(3000円弱)のビデオで、その費用は全てダンサーの女性への謝礼である。その後ビデオは撮り直されているが、旧PVの女性の写真がプールに沈んでいる。これは当時女性が名乗らなかったので、Hurtsの2人が彼女を探すために行ったもので、その後"Blood,Tears & Gold"と"All I Want For Christmas Is New Year's Day"のPVで彼女を確認することが出来る。
  7. ^ Lester, Paul (2009年7月27日). “New band of the day 593: Hurts”. London: Guardian.co.uk. http://www.guardian.co.uk/music/2009/jul/27/new-band-hurts 2010年1月6日閲覧。 
  8. ^ “BBC Sound of 2010: Hurts”. BBC News. (2010年1月5日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/8439832.stm 2010年5月4日閲覧。 
  9. ^ http://www.informationhurts.com/gb/news/2010-09-15/uk_tour_is_sold_out[リンク切れ]
  10. ^ “ハーツ、新作『エグザイル』のタイトルは日本で思い付いたと語る”. ro69. (2013年4月7日). https://rockinon.com/news/detail/80612 2014年12月16日閲覧。 

外部リンク[編集]

セオ・ハッチクラフト
アダム・アンダーソン