GXロケット

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GXロケット
基本データ
運用国 日本
開発者 IHI
JAXA
ロッキード・マーティン
運用機関 GALEX
ULA
使用期間 2012年以降
射場 ヴァンデンバーグ空軍基地
打ち上げ数 なし
開発費用 1,500 - 2100億円
(見込み)
打ち上げ費用 150億円(試験機)
約80億円(定常運用)[1]
原型 アトラス V
公式ページ ギャラクシーエクスプレス - 製品概要
物理的特徴
段数 2段
ブースター なし
全長 52 - 54 m
直径 3.8 m(最大)
軌道投入能力
太陽同期軌道 3t強
(高度500km)
脚注
データは予定値。計画が難航していることから、今後大幅な変更がなされる可能性がある。
  

GXロケット日本の航空宇宙関係企業グループと宇宙航空研究開発機構 (JAXA)、アメリカ合衆国ロッキード・マーティンが官民共同で開発を進めている中型ロケットH-IIAロケットを使うほどでもない中小型人工衛星を専門に取り扱うギャラクシーエクスプレス社 (GALEX) が運用し、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社(ULA)との業務提携のもとヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げる予定である。

目次

[編集] 開発状況

ロケット本体の開発は2002年平成14年)に開始した。JAXAが担当する2段目のLNG系推進システムの開発が難航[2]しているが、2007年10月に実機大LNGエンジン燃焼試験シリーズが成功裡に完了した。この成果により開発が大きく前進すると見られている。

しかし、開発費用は当初見積に比べて大幅に超過している。2008年5月15日に開催された文部科学省宇宙開発委員会の第5回GXロケット評価小委員会において、JAXAとギャラクシーエクスプレスは連名で試算を提出した。この試算により、2003年度時点の当初計画で450億円(試験機を除く)であった開発費が、最終的に約1500~2100億円に達する見通しであることが明らかになった。そもそも、打ち上げ料金の低減を目的とするロケットであるにもかかわらず、世界初で開発リスクも高いLNG系推進システムを採用したことに問題があったのではとの批判もされている[3]

なお、米国はLNG系推進システムの技術移転を要求しているが、日本政府は同技術の軍事利用を懸念しているため、実現していない。[要出典]

[編集] J-I改からGXまで

宇宙開発事業団(NASDA)が、かねてから基礎研究を行っていたLNG推進系エンジンの飛行実証試験計画から発展して、LNG推進ロケットの計画はスタートした。 新たなロケットの開発はせず、既存のH-IIロケットの2段目と置き換える形でLNGエンジンを搭載し、数回の打ち上げ試験を行うに止める案もあったが、この計画に、低コストな商業ロケット打ち上げサービスを始めたいIHIが加わり、官民共同の宇宙開発計画として「J-I改ロケット」計画が生まれた。J-IAやJ-IUとも表記され、後に、J-IIロケットとも呼ばれている。 J-Iロケットの改良型のような名前となっているが、実際にはJ-Iとの共通点はまったく無く、単に予算獲得の都合などの理由により、このような名前になっていたのではないかと思われる。

1段目がケロシンを燃料とする液体燃料ロケットで固体ロケットブースターは使用せず、2段目に新規開発するLNG燃料エンジン、という全体の構成は現在のGXと同じである。 最初の計画では1段目にアトラスIIロケットの機体を改修したものにNK-33ロケットエンジンを組み合わせた、今のGXロケットよりも一回り小型のものだった。 このNK-33エンジンは元来、1960年代末にソ連が秘密理に開発していた月ロケットN-1ロケット用に開発・生産されたエンジンであり、その中止によって使用されなかったエンジンの在庫が大量に(100基前後)保管されていたものを安価に購入できる見込みであったため選ばれた。

しかしこのNK-33エンジンはアメリカの宇宙ベンチャー企業キスラー社に先に契約を結ばれてしまったため購入できず、既に生産も終了していたため同エンジンの入手は不可能となり、他のエンジンへの変更を余儀無くされた。 これにより1段目には同じくロシア製のRD-180エンジンを使用する新型のアトラスIIIロケットを購入し、一部改修した上で使用する事となった。

2001年(平成13年)3月、このロケットの開発・運用を行う民間企業としてIHI、三菱商事、川崎重工業、ほか7社の出資により(株)ギャラクシーエクスプレス社が設立され、J-IIロケットはGXロケットと命名された。

[編集] 開発の経過

当初、開発にあたって大きな技術的困難は無いと予想されており、3年という短期間で開発を完了する予定であったが、開発が始まると、炭素複合材製の推進剤タンクの開発の難航、機体重量の大幅な超過、等の問題により完成の目処が立たなくなったため2段目の設計を大幅に変更、推進剤タンクは通常の金属タンクとし、LNGエンジンもガス押し(タンク加圧)・アブレータ冷却式から、ブーストポンプ・アブレータ冷却式へと変更された。 これにより開発のスケジュールも、当初の計画より4年遅れの2009年(平成21年)の完成予定となった。 また、開発の遅れに伴い、開発費用も予定を大きく超過する見込みとなったため問題となり、宇宙開発委員会においてもこの計画の成立性を疑問視する意見も出され、一部マスコミ等でも取り上げられた。

[編集] 開発の現状

その後、1段目のロケットが 製造終了となったアトラスIIIからアトラス Vへと変更され、開発スケジュールもさらに延期、1号機の打ち上げは2012年(平成24年)の予定となった。 計画の要であるLNGエンジンについては 燃焼圧の変動等の問題も発生したが、2009年(平成21年)7月に実施された実機型エンジン燃焼試験では実飛翔秒時のテストも終了し[4]、エンジン開発には一応の目処が立ったものと見られる。

[編集] 今後

ブーストポンプ・アブレータ冷却式のエンジンとは別にターボポンプ・再生冷却式の新型エンジンの開発も、これと平行する形で始められている。 これは当初からの予定であると共に、前述の問題によりこのロケットの打ち上げ能力が計画より低下したため、より高性能な新エンジンで能力の向上を図るためでもある[5]

当初の計画では、アブレータ冷却の旧エンジンで数回運用し、後に新エンジンに切り替えるという構想であったが、現在では1号機から再生冷却型の新エンジンを使用する方針となり、上記のアブレータ冷却式のエンジンは、この新エンジンの開発が不調に終わった場合のバックアップと位置付けられている[6]

なお、この新エンジンの完成は2013年(平成25年)頃となっており、開発が順調に進捗した場合でも計画のさらなる遅れが予想される。

[編集] 仕様(予定)

2段式の液体燃料ロケットで、1段目には米国のロッキード・マーティン製アトラスIIIの1段目と第1段エンジン(ロシアから技術移転されたRD-180)を輸入、2段目には低公害・安価とされる液化天然ガス (LNG) /液体酸素を世界で初めて推進剤に利用した国産エンジン(LNG系推進システム)を採用する。ペイロードアダプタはH-IIAと同じものを使用し、一発あたりの打ち上げ料金を従来より大幅に低減させることを目標にしている[7]

主要諸元一覧[8]
  • 全長: 48m (1段目38m 2段目8m フェアリング10m)
  • 直径: 1段目 3.1 m、2段目 3.3 m、フェアリング 3.3 m
  • 全備質量: 210.2 t (1段目 196.9 t、2段目 19.6 t、フェアリング 1 t)
  • 推進薬種類: 1段目 液体酸素/ケロシン 2段目液体酸素/液化天然ガス
  • 真空中推力: 1段目 4152kN、2段目 114kN (計画値)
  • 真空中比推力: 1段目 338 s、2段目 316 s (計画値)
  • 低軌道への打ち上げ能力(ペイロード):当初予定 4,400 kg→設計変更により、約2トン[要出典]
  • 太陽同期軌道(高度500 km)への打ち上げ能力(ペイロード): 約1.0 t(夏期打ち上げ、再着火なし) ~1.8 t(冬期打ち上げ、再着火なし)[9]
当初、打ち上げ能力はH-IIAの2分の1、M-Vロケットの2倍程度としていた。しかし、その後の第2段の設計変更により、一時的に目標仕様はM-Vと同等程度まで低下していた。(夏期に、高度約500kmの太陽同期軌道に打ち上げられた「ひので」の打ち上げ時質量は0.9tである)しかし、その後の第1段のアトラスVへの変更や射場の変更によって軌道投入能力は当初目標と同等以上にまで回復している。

[編集] 打ち上げ実績および予定

  • 試験1号機
2012年(平成23年)度に打ち上げ予定
  • 試験2号機
2013年度以降に打ち上げ予定

[編集] 関連項目

[編集] 出典・脚注

[編集] 外部リンク

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