74式車載7.62mm機関銃
写真下側が74式車載7.62mm機関銃 | |
概要 | |
---|---|
種類 | 車載機関銃 |
製造国 | 日本 |
設計・製造 |
日特金属工業 住友重機械工業 |
性能 | |
口径 | .308(7.62mm) |
銃身長 | 625mm |
使用弾薬 | 7.62x51mm弾 |
装弾数 | ベルト給弾 |
作動方式 | ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ティルトボルト式、オープンボルト |
全長 | 1,085mm(1型) 1,078mm(2型) |
重量 | 20.4kg |
発射速度 | 約700-1,000発/分 |
74式車載7.62mm機関銃(ななよんしきしゃさい7.62ミリきかんじゅう)は、62式7.62mm機関銃の派生型である機関銃。基となった62式の倍の重量がある。1型のみ三脚と組み合わせる事で、機関銃単独で運用する事もできる。
陸上自衛隊の戦車・装甲車や海上自衛隊のヘリコプターなどに搭載されている。
概要
機構は62式7.62mm機関銃のままであるが、車載用途のため引き金機構が12.7mm重機関銃M2と同様のものになっている。卸下時の射撃は、銃尾(62式では銃床がある位置)の両手用銃把(ダイヤモンドグリップ)と一緒に取り付けられている引き金で行う。
銃身も、62式の放熱フィン加工のものと異なり、重厚な作りとなっている。発射速度は約700発/分と約1,000発/分を切り替えることができる。銃把が省略された2型が存在する。
使用弾種には、7.62mm M80通常弾・7.62mm M80通常弾(減装薬)・7.62mm M62えい光弾・7.62mm M162えい光弾(減装薬)・7.62mm空包がある。
なお、61式戦車以前の米軍供給兵器を知る世代の隊員からは、ブローニングM1919重機関銃(cal.30)のほうが断然信頼度が高かったという証言がなされている[1]。
2013年にメーカーである住友重機械工業は、74式の制式採用初年度の1974年より数十年間に渡り生産された機関銃の内、特定された少なくとも5,350挺の銃身の耐久性や弾の発射速度などの検査データを改ざんし、要求性能に満たない機関銃を防衛省に納入したとして指名停止処分された[2]。同省によると、改ざんがあったのは12.7ミリ重機関銃と7.62ミリ、5.56ミリ機関銃の3種類。具体的に判明した事実は以下の通りである。
- 昭和49年度(1974年)から平成14年度契約分の耐久射撃試験において、仕様書の規定を満たしていなかったが、試験成績書の試験結果を改竄して納入した。
- 発射速度試験において、射撃停止、発射不能となったが、修理及び調整をした上で、再射撃試験をすべきところを実施せず納入した。
- 発射速度試験において、発射速度が要求を満たせていなかったが試験結果を改竄し納入した。
- 平成22年度以降の契約分においては、発射速度の規格を満たすための改造を実施したが、事前に防衛省の了承許可を得ていなかった。
運用
陸上自衛隊の74式戦車、90式戦車、10式戦車、89式装甲戦闘車、87式偵察警戒車、機動戦闘車の同軸機銃(自衛隊用語でいうところの連装機銃)として使用されている。これらの同軸機銃は必要に応じて車外に持ち出して運用することも想定されており、地上におろして射撃するための三脚架が用意されている。
また、海上自衛隊でも、能登半島沖不審船事件において、小型船舶に対しての警告射撃に使用できる火器が無かった反省から、SH-60J・SH-60Kなどの哨戒ヘリコプターなどに搭載されるようになった。これらのヘリにはキャビン内から射撃するドアガンとして運用されている。
登場作品
漫画
小説
脚注
- ^ 61式戦車 Story of Type61 tank
- ^ http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013121800775
参考文献
- 自衛隊装備年鑑 '88, 朝雲新聞社, 1988 ISBN 4-7509-1009-0
- 自衛隊装備年鑑 2005-2006, 朝雲新聞社, 2005 ISBN 4-7509-1026-0