逆さ富士

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冬の山中湖より

逆さ富士(さかさふじ。古風な綴りでは逆富士)は、富士山風景を表す雅称の1つ。水面に富士山が上下反転した形で映り込むその山影、あるいは、本体とともに生み出される幾何学景観を指して言う。

目次

[編集] 概要

千円札E号券の裏面には本栖湖の逆さ富士が描かれている

逆さ富士はその美しい姿から、古くより日本人に愛でられてきた。葛飾北斎は『富嶽三十六景』のうちの1図「甲州三坂水面」で甲斐国都留郡河口湖に映る逆さ富士を描いている。また、太宰治御坂峠から見られる逆さ富士の眺望を小説『富嶽百景』の中に描いている。

現代では日本人に限らず、カメラマン画家を始めとする多くの人々に高く評価されている風景である。日本では意匠としても使われ、現代のもので例を挙げるなら、五千円紙幣D号券千円紙幣E号券の裏面に本栖湖の逆さ富士が描かれている。また、電車の表示板にも逆さ富士のデザインが存在する。

湖面が凪いだときに見られる風景であり、水面が穏やかで波が無い状態ほどくっきりと映る。映り込む地域の名を採って「○○湖の逆さ富士」「○○湖と逆さ富士」などと表現されることが多い。

[編集] ダブルダイヤモンド富士

ダイヤモンド富士と、逆さ富士の条件が合わさった状態を指す。富士山自体に見られるものと、水面に映るダイヤモンド富士と2つあるため、この名で呼ばれる。しかし、このような状態になる機会自体が少ないために、撮影は非常に困難となる。

葛飾北斎筆 『冨嶽三十六景 甲州三坂水面』

[編集] 冨嶽三十六景の逆さ富士

葛飾北斎の冨嶽三十六景にある逆さ富士は、本体と山影の位置関係が点対称で回転を加えたようにずれており、しかも、本体の富士が夏の姿でありながら湖面の富士は雪を頂く冬の装いと、季節までもが対称をなす、凝った演出の幾何学的構図となっている。また、「三坂水面」との名があるが、実際に北斎が写し取ったのは御坂峠(みさかとうげ。現・山梨県笛吹市御坂 [1])からの展望であり、したがって視点は遥かに高い。そして、確かにその地点からの富士見の構図は手前の山との位置関係から平行四辺形の額縁的様相を呈していて、今も当時と同じように見ることができる。ただし、北斎画とは左右の関係が逆である。

[編集] 逆さ富士の風景

富士五湖田貫湖芦ノ湖などで逆さ富士が望める。

Lake Motosu04.jpg 070127 tanuki-fuji.jpg Mount Fuji from Lake Yamanaka 1995-7-30.jpg Ashinoko -01.jpg
本栖湖 朝霧高原田貫湖 夏の山中湖 箱根芦ノ湖

[編集] 脚注

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  1. ^ 太宰治の小説『富嶽百景』(1938年昭和13年]頃の作)でも知られる。そこで語られる御坂峠の「天下茶屋」は1934年(昭和9年)に創業した茶屋(その屋号)であって北斎の頃から続くものではないが、天下の絶景と謳われていたこの地であれば江戸期にも茶屋があったはずである。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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