生息地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

生息地(せいそくち)とは、生物が主に生息する区域を指す。陸地だけではなく海域をさすこともあり、その場合は生息域(せいそくいき)という表現も使われる。動物の名前に地名が入っている場合は生息地の名前ということが多い。

概要[編集]

一般に言うところの生息地は、所定の生物が元々生活していた地域を指し、それらの生物はその地域によく順応しており、またその生物が繁殖に適した自然環境があることを意味する。

生物はその生活する地域において、数千年から数万年以上にも及ぶ長い期間をそこで過ごし、その地域の環境に順応したわけだが、そういった環境は他に同一の状況が無い場合も少なからずあり、それら地域の環境が何らかの影響で変化した際には、地域の環境に依存して生活していた生物にとって、大きな試練となる。

こと世代交代が緩やかな生物では、こういった環境への順応変化(適者生存進化など)も緩やかな傾向が強く、特に人間の生活活動の介在など、数十から数百年未満の短い期間における劇的な環境の変化が発生した場合には、本来の生息域から全く別の環境に投げ出されることもにも等しく、その場合において地域に生活する生物の絶滅などといった問題も懸念される(後述)。

その一方で、比較的ありふれた地域で生活している生物や、環境の状態に揺らぎがあり適応範囲の広い生物は、広い範囲に適応できる可能性を持つため、種として有利にその生息域を広げることが可能である。これは繁殖と運動能力などによって自然に拡散する場合もあるが、人為的に運搬されたことによる外来種のように、運ばれていった先によく順応し過ぎてしまい、土着生物の生存を脅かす場合もある。

様々な動物の生息地[編集]

  • ペンギン - 南極、南米、南アフリカ、オーストラリア南部、ニュージーランド
  • ゾウ - アフリカ、インド、スマトラ島

絶滅[編集]

動物が持つ生息地はその動物にとって最も生活しやすい場所であるため、生息地の環境が開発などにより変化してしまうと、動物が絶滅してしまうこともある。

ビオトープ[編集]

ビオトープは、生物の住環境を人為的に再現する試みで、生態系の構築を目標とする。この場合、動物だけではなく植物や微生物に至るまでの生態系を構築することを意味している。この活動により、例えば一度破壊された生態系を復旧させたり、周囲の開発で失われた生態系を保存して、地域に生息していた生物のシェルター(避難所)にすることが行われる。日本では水辺生態系を再構築する試みがよく知られているが、元々は水辺だけに限定された概念ではない。

生物の生存にはが不可欠となるが、水を循環させるためにポンプなど機械装置の助けを借りる場合もある(河川から支流を作る場合もある)ものの、それ以外は自然な状況の再現を目指しており、そこでは昆虫小鳥などの小動物が自由に、時には他の生物を捕食したり、逆に捕食されたりしながら生活できるようにする。

どの程度の規模・環境を再現するかは設置・運営側の意向にも拠りまちまちではあるものの、往々にしてその活動は数年にも及ぶ期間を掛けて安定させることが行われている。こういった活動の一部はバイオスフィア2などのように、将来的な宇宙開発に向けて、地球環境外で地球の自然環境を再構築するための研究にも、その裾野を見出すことが可能である。