国王演説
国王演説あるいは女王演説(Speech from the Throne, King's Speech, Queen's Speech)は、イギリスをはじめとする王国において、国王が議会の開会式で全議員を集め、今後の政府の方針を演説する儀式である。この場合、朗読するのは国王であるが、その原稿は時の政府がその方針のもとに作成したもので、国王は代読する形になる。そのため国王が自由にスピーチができるわけではない。 国王演説後には、議会は国王が演説した政府の施政方針の内容について審議し、採決する。
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[編集] 各国の例
[編集] イギリス
いくつかの国の議会に国王演説の制度があるが、最も有名なのがイギリスであろう。現在のイギリス国王はエリザベス2世であり、女王であることから、一般的には女王演説と呼ばれている。正式には「陛下の最も慈愛ある演説」(Her(またはHis) Majesty's Most Gracious Speech)。女王演説は毎年11月に議会の開会式で、上院である貴族院議場において上下両院の議員に対して行われる。演説を作成した首相や閣僚、その方針に反対する野党の影の内閣のメンバー、そして各党の平議員たちがそれを聞く。その際、上院議員は着席して聞くが、下院議員は首相に至るまで原則起立姿勢で聞く。翌日からはその演説で示された政府の施政方針について、下院で賛成・反対の立場から討論が行われる。数日間の審議を経て、女王演説を承認するかについて採決が行われ、それが可決されれば内閣は信任されたことと見なされる。
[編集] イギリス以外の英連邦王国
イギリスと君主を共有する王国(英連邦王国)でも国王演説は行われるが、通常は総督により代行される。君主がその国を訪問しているときのみ君主自身により行われる。
またカナダとオーストラリアでは、州議会でも副総督により行われる。エリザベス2世は、オーストラリアの州議会において自ら女王演説を行ったことがある。
[編集] 信任議決を伴わない類似例
日本では施政方針演説や所信表明演説がこれに類似の制度であるが、日本では帝国議会以来、天皇は開会式で簡単な勅語(戦後はおことば)を発するのみで、施政方針は首相が演説するのが慣例である。また代表質問の対象ではあるが、議決の対象ではない。ルクセンブルクも君主国であるが、同様に首相による国政報告とそれに対する討論が行われる。
アメリカ合衆国(一般教書演説)やロシア、フィリピン、南アフリカでは、大統領による両院合同会議における演説が定例化されている。これらの国では大統領は議会に責任を負わないこともあり、議決はもとより質問や討論の対象でもない。