名人・クイーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

名人・クイーン(めいじん・クイーン)とは、小倉百人一首を用いて、社団法人全日本かるた協会が定めた規則に則って行う競技、競技かるたにおいて、男性の名人戦、女性のクイーン戦の予選を勝ち抜き、さらに前年の優勝者との対戦に勝利し日本一となった者に与えられる称号である。

名人[編集]

昭和30年(1955)から実施されている。毎年10月下旬に東西で、A級四段以上の男性を対象に、東日本予選・西日本予選がトーナメント形式で実施される。11月に東日本予選・西日本予選の勝者が挑戦者決定戦の3番勝負を行い、勝者が名人位決定戦の挑戦者となる。翌年1月に名人と挑戦者で名人位決定戦の5番勝負を近江神宮で行い、勝者が名人、敗者は準名人となる。

クイーン[編集]

昭和32年(1957年)から実施。毎年10月下旬に東西で、A級四段以上の女性を対象に、東日本予選・西日本予選がトーナメントで行われる。11月に東日本予選・西日本予選の勝者が挑戦者決定戦の3番勝負を行い、勝者がクイーン位決定戦の挑戦者となる。翌年1月にクイーンと挑戦者でクイーン位決定戦の3番勝負を近江神宮で行い、勝者がクイーン、敗者は準クイーンとなる。以前はクインと称されたこともあったが、現在ではクイーンに統一されている。

永世名人・永世クイーン[編集]

名人を連続5期あるいは通算7期つとめた者には永世名人の称号が与えられる。

クイーンを通算5期つとめた者には永世クイーンの称号が与えられる。

2013年1月5日現在の永世名人・永世クイーンは以下の通り。

永世名人[編集]

  • 正木一郎(10期、1955年-10期)
  • 松川英夫(9期、1965年-3期、1970年-1期、1979年-4期、1984年-1期)
  • 種村貴史(9期、1985年-8期、1995年-1期)
  • 西郷直樹(14期、1999年-14期)

永世クイーン[編集]

  • 堀沢久美子(8期、1977年-8期)
  • 渡辺令恵(14期、1988年-3期、1992年-11期)
  • 楠木早紀 (10期、2005年-継続)

歴代名人・クイーン[編集]

歴代の名人・クイーン戦の結果および名人・クイーン(赤色)は以下のとおり。

名人戦・クイーン戦結果[編集]

  • 以下は、全日本かるた協会主催のもの(1955年~)。
  • ★の挑戦者は、元名人・クイーン。
  • 現名人、クイーンが出場辞退の場合、東日本代表と西日本代表が名人戦・クイーン戦で対戦。
年度 名人戦 クイーン戦 備考
名人 勝敗 挑戦者 クイーン 勝敗 挑戦者
1955 1 正木一郎(白妙) 4-1 鈴木俊夫(福岡白妙)
1956 2 正木一郎(白妙) 3-0 早川喜市(横浜隼)
1957 3 正木一郎(白妙) 4-0 鈴木俊夫(福岡白妙) 1 天野千恵子(仙台鵲) 3-1 森脇ゑん子(大阪暁)
1958 4 正木一郎(白妙) 4-0 鈴木俊夫(福岡白妙) 2 天野千恵子(仙台鵲) 3-1 森脇ゑん子(大阪暁)
1959 5 正木一郎(白妙) 4-2 鈴木俊夫(福岡白妙) 3 天野千恵子(仙台鵲) 1-3 大高悦子(白妙) 正木永世名人に
1960 6 正木一郎(白妙) 4-1 田口忠夫(白妙) 4 天野千恵子(仙台鵲) 3-1 土田陽子(神戸田子の浦) 大高クイーン出場辞退
1961 7 正木一郎(白妙) 4-1 田口忠夫(白妙) 5 天野千恵子(仙台鵲) 0-3 小沢教子(白妙)
1962 8 正木一郎(白妙) 3-0 田口忠夫(白妙) 6 小沢教子(白妙) 2-0 丹治迪子(仙台鵲)
1963 9 正木一郎(白妙) 4-3 山下義(大阪暁) 7 小沢教子(白妙) 3-2 丹治迪子(仙台鵲)
1964 10 正木一郎(白妙) 4-3 奥田宏(白妙) 8 小沢教子(白妙) 3-2 石川五倫(白妙)
1965 11 松川英夫(東京東) 4-2 山下義(大阪暁) 9 丹治迪子(白妙) 3-2 宮崎嘉江(金沢高砂) 正木永世名人、小沢クイーン出場辞退
1966 12 松川英夫(東京東) 3-2 森洋三(白妙) 10 丹治迪子(白妙) 2-1 椿芙美子(仙台鵲)
1967 13 松川英夫(東京東) 3-0 椿威(仙台鵲) 11 丹治迪子(白妙) 0-2 椿芙美子(仙台鵲)
1968 14 松川英夫(東京東) 2-3 田口忠夫(白妙) 12 椿芙美子(仙台鵲) 0-2 宮崎嘉江(金沢高砂)
1969 15 田口忠夫(白妙) 3-1 山下義(大阪暁) 13 宮崎嘉江(金沢高砂) 2-1 沖美智子(小野田)
1970 16 田口忠夫(白妙) 2-3 松川英夫(東京東)★ 14 宮崎嘉江(金沢高砂) 2-0 山下迪子(大阪暁)★
1971 17 遠藤健一(仙台鵲) 3-1 川瀬健男(金沢高砂) 15 宮崎嘉江(金沢高砂) 1-2 山下迪子(大阪暁)★ 松川名人出場辞退
1972 18 遠藤健一(仙台鵲) 3-1 山下義(大阪暁) 16 山下迪子(大阪暁) 1-2 沖美智子(小野田)
1973 19 遠藤健一(仙台鵲) 0-3 川瀬健男(金沢高砂) 17 沖美智子(小野田) 2-1 渡辺登喜子(白妙)
1974 20 川瀬健男(金沢高砂) 3-1 松川英夫(東京東)★ 18 沖美智子(小野田) 2-0 平山芙美子(仙台鵲)★
1975 21 川瀬健男(金沢高砂) 3-1 松川英夫(東京東)★ 19 沖美智子(小野田) 2-0 東野由美(小野田)
1976 22 川瀬健男(金沢高砂) 2-3 森洋三(白妙) 20 沖美智子(小野田) 0-2 吉田真樹子(慶応)
1977 23 森洋三(白妙) 3-1 平田裕一(大阪暁) 21 吉田真樹子(慶応) 1-2 堀沢久美子(小野田)
1978 24 森洋三(白妙) 3-0 川瀬健男(大垣むらさき)★ 22 堀沢久美子(小野田) 2-1 鶴谷智子(吉野)
1979 25 森洋三(白妙) 2-3 松川英夫(東京東)★ 23 堀沢久美子(小野田) 2-0 妹尾美枝(福山)
1980 26 松川英夫(東京東) 3-0 前田秀彦(白妙) 24 堀沢久美子(小野田) 2-0 吉井瑞枝(ICU若菜)
1981 27 松川英夫(東京東) 3-1 前田秀彦(白妙) 25 堀沢久美子(小野田) 2-1 福田美枝(福山) 松川永世名人、堀沢永世クイーンに
1982 28 松川英夫(東京東) 3-1 栗原績(福井渚) 26 堀沢久美子(小野田) 2-0 金山真樹子(吉野)★
1983 29 松川英夫(東京東) 1-3 川瀬健男(大垣むらさき)★ 27 堀沢久美子(小野田) 2-0 山崎みゆき(福井渚)
1984 30 川瀬健男(大垣むらさき) 1-3 松川英夫(東京東)★ 28 堀沢久美子(小野田) 2-0 岸上すみれ(東京東)
1985 31 松川英夫(東京東) 0-3 種村貴史(慶応) 29 北野律子(九州) 2-0 渡辺さゆり(仙台鵲) 堀沢永世クイーン出場辞退
1986 32 種村貴史(慶応) 3-0 牧野守邦(慶応) 30 北野律子(九州) 2-1 岸上すみれ(東京東)
1987 33 種村貴史(慶応) 3-0 望月仁弘(慶応) 31 北野律子(九州) 2-1 中筋規江(和歌山県協)
1988 34 種村貴史(慶応) 3-1 鶴田究(鹿児島県協) 32 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 山崎みゆき(福井渚) 北野クイーン出場辞退
1989 35 種村貴史(慶応) 3-0 石沢直樹(早大) 33 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 川中裕三子(東大阪) 種村永世名人に
1990 36 種村貴史(慶応) 3-1 松川英夫(東京東)★ 34 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 山崎みゆき(福井渚)
1991 37 種村貴史(慶応) 3-0 望月仁弘(慶応) 35 渡辺令恵(横浜隼) 0-2 山崎みゆき(福井渚)
1992 38 種村貴史(慶応) 3-2 中谷昌浩(福井渚) 36 山崎みゆき(福井渚) 0-2 渡辺令恵(横浜隼)★
1993 39 種村貴史(慶応) 2-3 平田裕一(大阪暁) 37 渡辺令恵(横浜隼) 2-1 山崎みゆき(福井渚)★ 渡辺永世クイーンに
1994 40 平田裕一(大阪暁) 3-1 中谷昌浩(福井渚) 38 渡辺令恵(横浜隼) 2-1 山崎みゆき(福井渚)★
1995 41 平田裕一(大阪暁) 2-3 種村貴史(慶応)★ 39 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 金山真樹子(吉野)★
1996 42 種村貴史(慶応) 0-3 望月仁弘(慶応) 40 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 中村恭子(横浜隼)
1997 43 望月仁弘(慶応) 3-0 新川彰人(東大) 41 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 池田実穂子(九州)
1998 44 望月仁弘(慶応) 3-0 田口貴志(横浜隼) 42 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 山崎みゆき(福井渚)★
1999 45 望月仁弘(慶応) 2-3 西郷直樹(早大) 43 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 中筋規江(和歌山県協) 西郷大学生で史上最年少名人に
2000 46 西郷直樹(早大) 3-0 土田雅(福井渚) 44 渡辺令恵(横浜隼) 2-0 片瀬亮子(九州)
2001 47 西郷直樹(早大) 3-0 鶴田究(鹿児島県協) 45 渡辺令恵(横浜隼) 2-1 中村恭子(横浜隼)
2002 48 西郷直樹(早大) 3-0 望月仁弘(慶応)★ 46 渡辺令恵(横浜隼) 2-1 齊藤裕理(京都府協)
2003 49 西郷直樹(早大) 3-0 土田雅(福井渚) 47 渡辺令恵(横浜隼) 1-2 齊藤裕理(京都府協) 西郷永世名人に
2004 50 西郷直樹(早大) 3-0 土田雅(福井渚) 48 荒川裕理(京都府協) 2-1 吉峰翼(東京東)
2005 51 西郷直樹(早大) 3-0 土田雅(福井渚) 49 荒川裕理(京都府協) 0-2 楠木早紀(大分県協) 楠木中学生で史上最年少クイーンに
2006 52 西郷直樹(早大) 3-0 前田秀彦(府中白妙) 50 楠木早紀(大分県協) 2-0 上野玲(京都府協)
2007 53 西郷直樹(早大) 3-0 土田雅(福井渚) 51 楠木早紀(大分県協) 2-0 鋤納麻衣子(大阪暁)
2008 54 西郷直樹(早大) 3-1 三好輝明(福井渚) 52 楠木早紀(大分県協) 2-0 山下恵令(東京明静)
2009 55 西郷直樹(早大) 3-1 岸田諭(篠山) 53 楠木早紀(大分県協) 2-0 池上三千代(東京東) 楠木永世クイーンに。西郷永世名人11連覇の新記録。
2010 56 西郷直樹(早大) 3-2 三好輝明(福井渚) 54 楠木早紀(大分県協) 2-0 吉峰翼(東京東)
2011 57 西郷直樹(早大) 3-2 川崎文義(福井渚) 55 楠木早紀(大分県協) 2-0 山下恵令(東京明静)
2012 58 西郷直樹(早大) 3-2 三好輝明(福井渚) 56 楠木早紀(大分県協) 2-0 本多恭子(大津あきのた)
2013 59 岸田諭(篠山) 3-0 千代間大和(早大) 57 楠木早紀(大分県協) 2-0 本多未佳(石川県協) 西郷永世名人出場辞退

参考 名人戦結果(1955年以前)[編集]

  • 以下は全日本かるた協会成立以前のもの。
年度 名人戦 備考
名人 勝敗 挑戦者
1952 1 鈴山透(京都浅芽生) 4-0 林栄木(古河明静) 東日本、西日本の両かるた連盟共同
1953 鈴山透(京都浅芽生) 中止 林栄木(古河明静)
1955 2 鈴山透(京都浅芽生) 3-2 林栄木(古河明静) 日本かるた連盟主催