ドナドナ

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みんなのうた
ドナドナ
歌手 岸洋子
作詞者 アーロン・ゼイトリン
安井かずみ
作曲者 ショロム・セクンダ
編曲者 小森昭宏
映像 アニメーション
映像制作者 小薗江圭子&みわとしこ
初放送月 1966年2月
再放送月 2008年12月
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ドナドナ」 (Dana Dana, Dona Dona, Donna Donna, Donay Donay) は、世界の多くの国で歌われているイディッシュ中東欧ユダヤ文化)の歌である。

歴史[編集]

原曲[編集]

1938年Dana Dana (ダナダナ)として作られたイディッシュ語の歌で、ウクライナ生まれのユダヤ系アメリカ人ショロム・セクンダ作曲、ベラルーシ生まれのユダヤ系アメリカ人アーロン・ゼイトリン (Aaron Zeitlin) 原作詞である。1940年から1941年にイディッシュ語ミュージカル Esterke [1]に使われた。

牧場から市場へ売られていくかわいそうな子牛を歌っており、これに関して、ユダヤ人ナチスによって強制収容所に連行されていくときの様子を子牛に見立てた反戦歌とする説があるが、前述の通りこの曲は1938年に作られ、ミュージカルで1940年に使用されているため、1942年に始まったナチスによるホロコーストの描写という説明は史実と矛盾している。ただし、ヨーロッパにおけるユダヤ人排除の歴史はホロコースト以前から存在しており、現在でも反ユダヤ主義を批判した歌として歌われることがある。

英語版[編集]

1956年にアーサー・ゲヴェスとテディ・シュワルツが英訳して歌い、その後ジョーン・バエズDonna Donna として1961年に発売し大ヒット。日本では「ドンナ・ドンナ」として1964年にリリースされた。

曲名が「ダナ」から「ドナ」に改変されたのも、この英訳時である。

フランス語版[編集]

クロード・フランソワが歌った。1965年にはシングル「夢見るシャンソン人形」のB面で、「ドナ・ドナ・ドーナ」というタイトルで日本語でも歌った(2003年のアルバム「Cloclo Mania」にも収録)。

日本語版[編集]

日本語版は、ザ・ピーナッツ岸洋子が競作で発表した。1965年3月、ザ・ピーナッツがシングル「ドンナ・ドンナ」(一部資料には「ドナ・ドナ」との記述もある。その後2000年代に復刻されたCDでは「ドナ・ドナ」に統一)を発売した。最近では2004年11月26日発売の「ザ・ピーナッツ メモリーズBOX」に収録)。

安井かずみの訳、岸洋子の歌により、1966年2月から3月まで、NHKの歌番組「みんなのうた」で放送された。他の歌手では、森山良子ペギー葉山がカバーし、LPレコードに収録している。小学校の音楽の教科書にも掲載された。

歌詞[編集]

イディッシュ語原詩[編集]


אויפֿן פֿירל ליגט דאָס קעלבל,
ליגט געבונדן מיט אַ שטריק,
הויך אין הימל פֿליט דאָס שװעלבל,
פֿרײט זיך, דרײט זיך הין און קריק.

לאַכט דער װינט אין קאָרן,
לאַכט און לאַכט און לאַכט,
לאַכט ער אָפּ אַ טאָג, אַ גאַנצן
מיט אַ האַלבער נאַכט.

דאָנאַ, דאָנאַ, דאָנאַ, דאָנאַ,
דאָנאַ, דאָנאַ, דאָנאַ, דאָנאַ, דאַ,
דאָנאַ, דאָנאַ, דאָנאַ, דאָנאַ,
דאָנאַ, דאָנאַ, דאָנאַ, דאַ.

שרײַט דאָס קעלבל, זאָגט דער פּויער:
װער־זשע הײסט דיך זײַן אַ קאַלב?
װאָלסט געקענט צו זײַן אַ פֿויגל,
װאָלסט געקענט צו זײַן אַ שװאַלב.

לאכט דער װינט אין קאָרן ......

בלידנע קעלבער טוט מען בינדן,
און מען שלעפּט זײ און מען שעכט,
װער ס'האָט פֿליגל, פֿליט אַרױפֿצו,
איז בײַ קײנעם ניט קײן קנעכט.

「ドナ」の解釈[編集]

  • 牛を追うときの掛け声を表す。[2]
  • アドナイ」(我が主よ)の短縮形。ただし、原題は「ダナ」であり、「ドナ」となったのは英訳時の改変である。

アレンジ等[編集]

もの悲しげな旋律で知られるこの曲にもアレンジが存在する。「スーパーロックバージョン ドナドナ」がそうであり、原曲からは想像もつかない旋律になっている。矢尾一樹がMCをしていたアニラジで紹介されたことがある。

  • 1988年SUPER BADがシングル「ドナドナ」をリリース。旋律が明るめにアレンジされている。
  • 1999年聖飢魔IIが同曲をモチーフに、アルバム『LIVING LEGEND』に「戦慄のドナドナ」を収録。伝染病と医療問題をプラクティカルなジョークにからめた(ドナドナとドナーを掛けてもいる)、バンドが得意とする諷刺ソングとなっている。
  • 2001年毒殺テロリストがアルバム『ベスト! 毒殺テロリスト1』に、『ドナドナ〜人身売買〜』というタイトルで収録。
  • 2007年スワベジュンイチがRemixカヴァー。トランスmixとデスメタルmixを収録し『Dona Dona』というタイトルでリリース。
  • 2007年Chocolat & Akitoがカヴァー。アルバム『Tropical』に収録。
  • 2009年筋肉少女帯が同曲をモチーフに、アルバム『シーズン2』に「ドナドナ」を収録。本曲の中では、ドナドナを人物であるかのように描写されている。

応用[編集]

歌の内容から転じて、何かが廃棄、譲渡、売却などにより手元を離れていったり、人が辛い事が待つ場所(逮捕された人物の場合、警察など)へ連れていかれる様が「ドナドナされる」・(あるいは単に「ドナドナ」)と表現されることがある。自動車愛好家などからは故障などによりレッカーされること、自宅での新車購入の際、納車手続きが完了後に下取り車が走り去る姿、鉄道ファンの間では廃車になる鉄道車両を解体所に回送する「廃車回送列車」を、サッカー界でクラブの財政を助けるために下部組織出身の選手が泣く泣く移籍させられることも「ドナドナ」と表現することがある。

脚注[編集]

  1. ^ ニューヨーク大学デジタルアーカイブ内、“Esterke”スコア
  2. ^ 畑中良輔他 『中学生の音楽1』 教育芸術社、2009年2月10日、31頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]