ダレン・シャン (小説)

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ダレン・シャン』(The Saga of Darren Shan)シリーズは、同名の作家ダレン・シャン著の児童向けファンタジー小説。全12巻(外伝を含むと全13巻)。

あらすじ[編集]

「奇怪なサーカス」シルク・ド・フリークを見に行った少年ダレン・シャンは、毒グモマダム・オクタに噛まれた友人・スティーブの命を助ける為、正体不明のバンパイアラーテン・クレプスリーと恐ろしい取引をすることになる。そして、ダレンの運命の歯車は大きく狂っていく…。


登場人物[編集]

主要登場人物[編集]

ダレン・シャン(Darren Shan)
物語の主人公クモが大好きな普通の少年であったが、友人であるスティーブ・レナードと連れ立ってシルク・ド・フリークを観に行った際、クレプスリーの操る毒蜘蛛マダム・オクタに魅了されて盗み出してしまった。しかしマダム・オクタにスティーブが噛まれて意識不明になるという事故が起こり、スティーブを救うためにクレプスリーと取引をし、半バンパイア(半分人間)となった。その後、純化作用により徐々に本物のバンパイアに近づいていく。当初は人の血を飲むことに激しく抵抗したが、衰弱死寸前にサム・グレストの血を飲み克服。その後は気の狂ったバンパニーズ・マーロックを倒したり、仲間のバンパイアの裏切りを報告する等目覚ましく成長し、遂にバンパイアの最高位であるバンパイア元帥にまで昇格する。就任当初はバンパニーズとの争いを話し合いで平和的に解決できるよう望んでいたが、抗争が長引くにつれて戦いも止む無しと徐々に好戦的な性格になっていった。
穏やかで頭も切れるが、バンパイア一族のためには時に非情な一面も垣間見せる。またやや無鉄砲な所もある。蜘蛛や竜をテレパシーで操れる不思議な能力を持つ。
バンパイアとバンパニーズの戦争である「傷ある者の戦」に、大王ハンターとして参加する。元恋人デビー・ヘムロックと警察官のアリス・バージェス、フリークのメンバーを巻き込み、バンパニーズ大王や宿敵スティーブを倒すため戦いを続ける。クレスプリーの死後ハーキャットが自らの正体を探す旅に同行し、そこで未来の地球では人間は消え去り地獄のような状態になっていること、それは闇の帝王によって引き起こされること、更に闇の帝王は自分かスティーブのどちらかであることを知る。帰還後は純化作用に苦しめられ、さらに妹・アニーがわずか16歳でシングルマザーになったこと、アニーの子である甥・ダリウスの父親がスティーブであることも重ねて知り、ショックを受ける。
実はミスター・タイニーが、エバンナとミスター・トールの後に作った「2人の子供」の片割れ。前述の蜘蛛や竜を操る能力も引き継いだタイニーの力による。タイニーの企みの手駒として生み出されたことを知って憤るが、最後はタイニーの思惑に反してスティーブと相討ちに持ち込む。その後、エバンナによって精霊の湖から救われ、リトル・ピープルとして作り直されて「初めてシルク・ド・フリークを観に行った夜」に戻される。そして自身の歴史を修正することに成功し、消滅した。
ラーテン・クレプスリー(Larten Crepsley)
バンパイア。ダレンに自分の血液を流し込み、半バンパイアにした。無垢な少年であったダレンを闇の世界に引き込んだ張本人であり、当初は嫌われていたが次第に師匠、友人としてダレンになくてはならない存在となっていく。それ故、彼の死に際してダレンは激しく絶望し戦の放棄まで考えた。
バンパイアとしての信頼は厚く、バンパイア元帥候補だったが突然辞退してしまったという過去を持つ。ガブナーはその理由を「戦いばかりの日々に嫌気が差したのでは」と推察しているが、真相は不明。シーバー・ナイルの弟子で、シルク・ド・フリークの一員。サンダルを履いている。背が高く、髪はオレンジで一握りしかなく、頬に傷がある(ちなみにその傷は、その昔、酔っぱらった時に綺麗な女性に変身したエバンナにキスをしようとしひっかかれたもの)。その為、バンパイアは自分の身体にある傷を誇りに思い自慢するが、クレプスリーは他者に聞かれたら言葉を濁している。堅苦しい口調は師匠のシーバー・ナイル譲り。自分のことを「我が輩」と呼ぶ(日本語版のみ。当然原作では一人称は‘I’しかない)。かつて「バー・ホーストン」と名乗り、人間と恋をしたこともあった。
大王ハンターの一人として「傷ある者の戦」に参加し、報復の間でスティーブ・レナード、ガネン・ハースト、バンパニーズ大王と戦い、見事大王と名乗る者を殺すが、直後にスティーブに燃えさかる炎に包まれた杭の並んだ穴に突き落とされ、身体を杭で串刺しにされた上に炎で焼かれ断末魔の叫び声を上げながら死亡すると言う壮絶な最期を遂げた。この時、スティーブを道連れにしようとするものの、ガネンに取引を持ちかけられ断念した。
ハーキャット・マルズ(Harkat Mulds)
リトル・ピープルの一人。リトル・ピープルでは珍しく喋る事が出来る(彼が喋る前はリトル・ピープルは喋ることもできず知能もないと思われていた)。ダレンの力量の試練の最中に彼を助け、以降ダレンの親友となる。ダレンを深く信用しており、ダレンが危険な目に合う時は常に一緒にいさせてほしいと頼むほど。訓練によりゆったりとだがかなり流暢に話せるようになったが、ミスター・タイニーの前ではぎこちない話し方に戻ってしまう。左足を引きずっていたため、喋る前はダレンとエブラに「レフティ」と呼ばれていた。戦闘では斧をよく使う。
生前はカーダ・スモルトだった。今もバンパイアとバンパニーズの和解を望む気持ちは変わらず、傷あるものの戦のあとはバンパイアとバンパニーズの和解に尽力する。
ハーキャット・マルズという名前は、「Kurda Smahlt」のアナグラム。
スティーブ・レナード(Steve Leonard)
半バンパニーズ。通称スティーブ・レード(Steve Leopard)。父親を知らず母親とも不仲。オカルトを好み、多少乱暴な部分はあるが、かつてはダレンの一番の親友だった。バンパイアに憧れており、シルク・ド・フリークに行った際クレプスリーの正体を見破り、手下にしてもらうよう頼むが、「血が悪い」と激しく拒絶される。この時、クレプスリーに「悪魔」と罵られたことが、彼の心に大きな傷を残し、後の人生を狂わせることとなる。マダム・オクタに噛まれて生死の境をさまようが、ダレンがクレプスリーと取引したことで一命を取り留めた。しかし、ダレンが自分を騙してバンパイアの座を横取りしたと思い込み、ダレンとクレプスリーに激しい憎悪を抱くようになる。その復讐の誓いに、左手のひらに小さな十字架を刻んだ。
頭脳明晰であるが、性格は極悪非道で、少しでも彼の本性を知る者なら誰でも恐れ、また憎んでいる。ダレンを苦しめるためなら人殺しも全く厭わず、クレプスリーや自分の旧友でもあるトミー・ジョーンズを殺害し、まだ8歳のシャンカスさえも殺害した。シャンカスを殺害したときなど、稀に動揺を見せることもあるが、自らの残虐行為は「全てダレンの裏切りが原因」とダレンに責任を負わせる形で自分勝手に正当化している。
ダレンの窮地を助ける形で再会し、バンパニーズハンターを騙り「傷ある者の戦」に参加するダレンに協力する振りをするが、戦いの最中にダレンとクレプスリーへの復讐のため半バンパニーズになったことを明かし、クレプスリー殺害後、自身こそが真のバンパニーズ大王であることを明かす。その後も散々にダレンを弄び、ダレンとの最後の決戦に臨むが、すぐに止めを刺さなかったことが仇になり敗北する。デズモンド・タイニーに全ての真相を聞かされ、全てはタイニーの計略であったことを知り、ダレンを憎む理由を見失い自らの残虐行為を省みるものの、ダレンの挑発に乗せられ相討ちに持ち込み、ダレンと共に川に沈み死亡した。その後は精霊の湖に、エバンナに見放される形で永遠に閉じ込められた。
アニーの息子ダリウスの実父であり、彼女を妊娠させたのも復讐のためではないかとダレンは推測している。

バンパイア[編集]

 他のバンパイアから血を注ぎ込まれた人間はバンパイアになる。作中では、手の指先につけた小さな傷を押し付けて血を流し込む方法が用いられる。この傷は時間が経っても消えず、バンパイアの証の一つともなっている。

バンパイア元帥[編集]

パリス・スカイル(Paris Skyle)
バンパイア元帥の一人。人間年齢800歳という最年長のバンパイア。戦争によって片耳を失っている。2歳でバンパイアの仲間になった。数多くの伝説を持つが、「コロンブスの船に乗っていた」「ジャンヌ・ダルクと共に戦った」「ブラム・ストーカーを刺激して『ドラキュラ』を書かせた」など眉唾物が多い。シェークスピアと友人で、彼の血を飲み干し、失われた詩を書き起こしたと言われる。かつて半バンパニーズだったバンチャに自らの血を注ぎ込み、バンパイアに引き入れた。老衰のためかなり体が弱っており、最期は自身の死期を悟り、掟に従いバンパイアマウンテンの外で大熊と組み合ったまま息絶えているのが発見された。
ミッカー・バー・レス(Mika Ver Leth)
バンパイア元帥の一人。全身黒ずくめ。人間年齢279歳と、4人の元帥の中では一番若い。シーバー曰く「何事にも反対せずにはいられない」。
アロー(Arrow)
バンパイア元帥の一人。名前の通り、頭や腕に矢の入れ墨を彫っている。かつて人間の女性と恋に落ちたが、その女性をバンパニーズに殺された過去を持つ。そのためバンパニーズに対する憎しみは人一倍強い。
バンチャ・マーチ(Vancha March)
バンパイア元帥の一人。ダレンがバンパイア・マウンテンに初めて来た頃にはまだ不在だった。手裏剣を使う野性味あふれる戦士で、戦闘の時は主に素手か手裏剣で戦う。大王ハンターの一人。
かつては半バンパニーズだったが、その生き方に耐えられなくなり、バンパニーズ一族とは以後一切関わらない事を条件に離脱。行く当てのなかった頃、パリスに出会い、血の交換をして半バンパイアになり、姓も変えた。自分のことを女性にモテると思っている。自分達バンパイアが太陽の光に弱いのはタイニーの仕業だと思っており、太陽を『タイニーの手下』と呼んで100年近く「戦い(上半身裸で太陽光を浴びる)」を挑んでいるが、成果は上がっていない。自然と共に生きることに強いこだわりを持ち、自分で倒した獣の皮で作った服しか着ず、火を通した肉は口にせず、飲み物は血と牛乳と水しか飲まない。
傷あるものの戦の後はハーキャットとともに和解に尽力する。

バンパイア将軍[編集]

ガブナー・パール(Gavner Purl)
バンパイア将軍の一人。ダレンが初めて出会う将軍で、クレプスリーの旧友。親しみやすい人柄だが、息遣いが荒く、いびきがうるさい。バンパイア・マウンテンから逃走中のカーダとダレンを追ってきた際は、叱責しながらも二人に協力した。だが、途中で遭遇したバンパニーズと戦っている最中に、カーダにナイフで刺され死亡する。カーダの裏切りの最初の犠牲者。外伝では、彼と彼の恋人リズの悲恋が語られる。ピンクの象柄の入った黄色いトランクスを履いているが、その理由も外伝で語られている。グルーチョ・マルクスの友人で「俺の弁護士の次にがめつい奴だ」とよく言われていたらしい。
カーダ・スモルト(Kurda Smahlt)
バンパイア将軍の一人。唯一バンパニーズと仲が良く、バンパニーズとの和解を目指している。争う事を嫌い、何事も話し合いで解決しようとする平和主義者で、頭もよく切れる。ダレンのことを気遣い、力量の試練の際もダレンへ惜しみなく協力した。そのことから、ダレンもカーダの事を兄のように想い慕っていた。頬にバンパニーズにつけられた細い3本の傷跡がある。バンパイア・マウンテン内部の地図を作っている。上記の通り、基本的に争い事を好まない性格ではあるが、娯楽の間でエラに勝負を持ちかけられた際に、勝利を収めたことがあるため、見かけによらず戦闘能力は高いと見受けられる。
史上最年少でのバンパイア元帥就任を間近に控えていたが、バンパニーズ大王の誕生を知ってバンパイア一族の存続を断念。起こり得る戦争で仲間が皆殺しにされる前にバンパイア一族をバンパニーズに吸収させようと考え、一族を裏切って非戦派のバンパニーズをバンパイア・マウンテンに入れた。また、力量の試練に失敗したダレンをバンパイア・マウンテンの外へ逃がそうとした。その際、バンパニーズの侵入を知ってしまったガブナーを口封じに殺害するも、叙任式典の最中にダレンに裏切りを暴かれ、仲間のバンパニーズも皆殺しにされた挙げ句、自身も裏切り者として死刑にされるという最期を迎えた。尤もカーダの話によれば、計画が成功したとしてもバンパイア以上に裏切り者を蔑むバンパニーズの手で処刑されただろうとのこと。結果はどうあれ、一族を救うために自身の命も顧みず純粋に己の信念と正義を貫き通した姿は、ダレンだけではなく、他のバンパイアにも大きな影響を与えた。
死後、タイニーと取引をし、彼の亡骸はリトル・ピープルのハーキャット・マルズに作り変えられ、ダレンのもとに送り込まれ、死してなおダレンの窮地を救ってきた。
エラ・セイルズ(Arra Sails)
一族の中で数少ない女性バンパイア。クレプスリーの元恋人で、以前は夫婦同然の暮らしをしていた。プライドが高く、自分が認めた相手としか握手をしない。また、戦闘に関しても他のバンパイアやバンパニーズとも引けを取らない。娯楽の間でダレンを打ちのめした後、彼を認め握手を交わした。その後は、「力量の試練」の練習を指導したりするなど、ダレンにとって強い味方になっていたが、バンパイア・マウンテンでの戦いでグラルダーに致命傷を負わされ、後に死亡する。

その他[編集]

バネズ・ブレーン(Vanez Blane)
バンパイア・マウンテンのゲームズマスター。かつてライオンと戦ったらしく、片方の目が潰れている。かなりの強面である。ダレンを含む数々のバンパイアを鍛え上げた。パンパニーズとの戦いで最終的に両目の視力を失うが、若手のバンパイアを育てるのにあまり支障は出ていない。「傷ある者の戦」が激化し、大した修行もできずに若手を前線に送り出すしかない現状を嘆いていた。
シーバー・ナイル(Seba Nile)
バンパイア・マウンテンの需品長にしてクレプスリーの師。蜘蛛を操る事が得意。バンパニーズとの争いで片足を負傷して引きずっている。パリス・スカイル亡き後は最年長のバンパイアとなった。
サイラッシュ
カーダの部下の一人。カーダの裏切りが明るみに出た際にカーダを守るべく飛び出したが、カーダ自身に制止され、持っていた短刀で自ら命を絶った。

バンパニーズ[編集]

ガネン・ハースト(Gannen Harst)
バンパニーズ大王の側近であり、バンチャ元帥の実弟。スティーブを半バンパニーズにし、大王であることを確かめさせた張本人。冷静沈着な参謀で、無益に血を流すことを好まない。スティーブの残虐行為を快く思ってはいないが、バンパニーズ大王に逆らうことはできないと全て容認している。その反面、「一生自分を許すことはできない」と自責の念も抱いている。
傷ある者の戦の後は、バンパイアとバンパニーズの和解に尽力した。
マーロック(Murlough)
第3巻でダレン達を襲ったバンパニーズ。必要以上に人間を殺害するなど気が狂っているが、頑なに掟を守る一面もある。クレプスリーの故郷の町の地下水道に潜伏していた。自分を「頭が良い」と思っており、よく自慢する。ダレン達との戦いの末に敗北し、最期はダレンに己の敗北を認め息絶えた。その後、亡骸は潜伏していた地下水道に葬られた。
グラルダー(Glalda)
目の下にアザのあるバンパニーズ。カーダの裏切りによってバンパイア・マウンテンに侵入したバンパニーズ達のまとめ役。エラに致命傷を負わせるが、その直後にダレンに殺害される。
レジー・ベジー(Reggie Veggie)
半バンパニーズ。通称R.V.。人間だった頃はサーカス好きな気さくで優しい大男だったが、やや行き過ぎた動物愛護精神の持ち主だった。そのためウルフマンが縛り付けられていることに怒り、ウルフマンを解き放ってしまうが、結果としてウルフマンに両腕を食いちぎられてしまった。このことを契機に(スティーブと同様勘違いであり完全な逆恨みだが)ダレンを憎むようになる。事件で両腕を失ったため、現在は両腕にスティーブの作ったフックをつけているが、このフックを毟り取られると本当の手を失ったかのように絶叫する。半バンパニーズになって日が浅い頃は、目に赤いコンタクトレンズを入れて、肌を紫に塗っていた。「ベジー」というあだ名は彼がベジタリアンだったことに由来し、学生時代につけられたものだが、ダレンと別れてからは肉も食べるようになり、「V」の意味もバンパニーズのVだと名乗っていた。
バンパニーズになった後は平然と人殺しを行っていたが、スティーブに子供であるシャンカスを殺すよう指示された時には殺すのを躊躇したりする一面もある(『週刊少年サンデー』版では、その際シャンクスに「見かけほど悪い人ではない」と言われて戸惑った表情を見せている)。物語終盤、無関係なシャンカスを平然と殺害したスティーブの非道ぶりに嫌気が差し抹殺を図るが、ガネンを気絶させた(『週刊少年サンデー』)版では、ガネンの背中をフックで切り裂いた)後、スティーブによって返り討ちに遭い、両腕を取り戻した幻影に笑みを浮かべて死亡する。
モーガン・ジェームズ(Morgan James)
バンペット。表向きは刑事でバージェス警部と共にバンパニーズによる連続殺人事件を担当していて、取調べの最中ダレンをわざと逃がし、報復の間で大王ハンターたちと戦う。その際バージェス警部に顔半分を銃で撃たれ、そのせいで上手く喋れなくなった。武器は主にショットガンを使用する。物語終盤でミスター・トールを殺害し、更にダレンを追いつめるもハーキャットに斧で首を刎ねられ死亡する。『週刊少年サンデー』版では、「ハーキャットに斧による一撃を背中に受け死亡」に変更された。
バージェン(Bargen)
第8巻で地下室にいたバンパニーズのリーダー。

シルク・ド・フリーク[編集]

ハイバーニアス・トール(Hibernius Tall)
通称、ミスター・トール。その名のとおり、とても背の高いシルク・ド・フリークのオーナー。目は真っ黒で蛙のように嗄れた太い声。歯は真っ黒であちこち欠け、舌は黄色で汚らしく、息も臭い。未来予知をはじめとした様々な能力を持つ。
バンパニーズにサーカスを襲撃された際、モーガンの撃った銃弾からメンバーを庇い命を落としていまう。今際の際に、エバンナの弟(=タイニーの息子)であることが明かされた。リトル・ピープルとして過去に戻ったダレンから、未来(バンパイアとしてのダレンの生前の経験)の日記を受け取り、歴史が変わった後の(バンパイアにならない)ダレンに託すことを約束する。
エブラ・フォン(Evra Von)
シルク・ド・フリークの一員。少年。ダレンが半バンパイアになって初めての友達。蛇のようにを持ち、脱皮もする。緑、金、黄、青の鱗もある。舌が長い。また、手と足に妙な水かきを持つ。目を開けて寝る。両親は普通の人間で、エブラを見て腰を抜かし孤児院に捨ててしまった。かつてはあくどいサーカスで見世物にされていたが、ミスター・トールがそのオーナーを殺す形で助け出され、フリークの一員となった。劇中で成長してマーラと(本人曰く「大恋愛の末に」)結婚、3児の父になる。言葉に強くトラスカの言葉もある程度わかる。
シャンカス・フォン(Shancus Von)
シルク・ド・フリークの一員。エブラの長男。蛇少年。ダレンの苗字にちなんで名付けられた。エブラと同じ様に鱗を持ち、初登場時すでに舞台デビューしていた。しかし、8歳になった直後にシルク・ド・フリークを襲撃してきたモーガンとRVに拉致され、ダレン達の奮闘も空しくスティーブに首の骨を折られ絶命した。
アーチャ・フォン
シルク・ド・フリークの一員。エブラの次男。エブラの息子の中で唯一鱗がなく、本人はその事を気にしている。
リリア・フォン
シルク・ド・フリークの一員。エブラの娘で末っ子。蛇少女。
マーラ・フォン
シルク・ド・フリークの一員。エブラの妻でシャンカス達の母。耳をもいでブーメランのように投げることが出来る。
ウルフマン
シルク・ド・フリークの一員。半狼の人間で、非常に獰猛。人間の血と狼の血が混ざっていておかしくなっている。サムとR・Vを襲い、R・Vの手を噛みちぎる。その直後サムを殺害。唯一、最後の戦いに参加しなかったメンバー。
ハンス・ハンズ(Hans Hands)
シルク・ド・フリークの一員。手男。手だけで世界一速い短距離選手より速く走れる。足の無い父親の影響による特技らしい。
トラスカ(Truska)
シルク・ド・フリークの一員。金髪の美しいひげ女。はさみで切れないほど頑丈なひげを自在に生やして伸縮させることが出来る。夫と娘を惨殺された過去を持つ。当初はアザラシのほえるような独特の言葉でしか喋れずバンチャ元帥やエブラとしか会話ができなかったが、エブラに教わったことで普通の言葉も喋れるようになった。報復の間での事件後は、ダレンの手助けをするなどの活躍もあった。
コーマック・リムズ
シルク・ド・フリークの一員。蛇人間の皮を欲しがっている。体中のどこを切ってもまた生えてくる。R.V.に頭を切られたことがあるが、その時は首を一撃で切断されなかったせいか頭が2つ生えてきた。R.V.に切られる以前は「死んだら困る」と頭だけは試したことがなかった。マンガでは一発で切ったにもかかわらず2つ首が生えてきた。
シーザとシーブ
シルク・ド・フリークの一員。よじれ双子一卵性双生児)。曲芸師。第二巻で「姉妹」と明言された。
アレクサンダー・リブス
シルク・ド・フリークの一員。曲芸師。ガリガリにやせている。骸骨に近い風貌。肋骨を叩き、口を開けると音がポーンと飛び出す。後にバンパニーズに殺害される。
ラムス・ツーベリーズ
シルク・ド・フリークの一員。胃が2つある。デブデブに太っていて、何でも食べられる。ショーでは大食いでステージを盛り上げるが、普段は食事しているところを他人に見られるのを嫌がっているらしい。
ガーサ・ティース
シルク・ド・フリークの一員。歯女。どこもかしこもみんな太い。歯が異様に頑丈で、チェーンソーでも傷一つ付かない。旅好き。
ブラッドリー・ストレッチ
シルク・ド・フリークの元一員。骨がゴムのように柔らかく、身体の形を自在に変えられる。エブラ曰く普段から悪質なイタズラを繰り返しており、特にリトル・ピープルに対してはローブに火をつける、テントを壊す等の嫌がらせを続けていたらしい。その結果、リトル・ピープルに食べられて死亡する。アラブの宮殿で行ったショーで王に気に入られ、まじないがかかった金のブレスレットをもらった。
パスタ・オマリー
寝たまま本を読むことができる。起きた後、本人は内容を覚えていないが、本について質問するときちんと答える。第12巻でバンパニーズ及びバンペットに殺害される。

タイニ一家[編集]

デズモント・タイニー(Desmond Tiny)
通称、ミスター・タイニー。本人は「デス・タイニー(destiny:運命)」と呼んで欲しいらしい。
本作における黒幕的存在で、物語の鍵を握る重要人物。いつも心臓の形をした懐中時計を持ち歩いており、基本的に寿命もない。幼い子供の血は美味いと発言するなど、争いと暴力を好む残忍な性格だが、ごくまれに微笑むなどの人間らしい表情をみせることもある。時間を移動する能力や一瞬で人を殺す能力など様々な人間離れした能力を持ち、その能力を使い他人や世界を影で操り常に争いが起こるよう仕向ける。だが完全な神というわけではなく、更に古い掟(エバンナ曰くあえていうのなら『天』)に縛られている。芸術品や歴史的価値のある物を集めているが、文学には全く興味がない。
20世紀後半頃から世界が平和に向かっていると感じ、それを阻止し世界を自分が望むままの暴力と残忍さで満たすため、自分の傀儡である「闇の帝王」の誕生を画策する。その候補となったのがダレンとスティーブであった。それぞれの母親に怪しまれないタイミングで彼らを作り出し、2人がバンパイアとバンパニーズそれぞれのリーダーになるように仕向けた。スティーブがダレンを逆恨みしたことも、クレプスリーがダレンを家族から引き離して手下にしたのも、すべてタイニーが仕組んだとおりの展開。ダレンとスティーブを戦わせ、勝ち残った方を「闇の帝王」として共に世界を操ろうと企むが、ダレンがスティーブと相討ちに持ち込んだため阻止される。ダレンとスティーブを精霊の湖に閉じ込めるが、エバンナの頼みでダレンを助けることを許可し、リトル・ピープルに作り変えて過去に送った。
レディー・エバンナ
未来予知をはじめとした色々な能力を持つ『魔女』。本人はその呼称を非常に嫌い、あくまでも『魔術使い』であるらしい。タイニーの娘。
普段は醜く(本人曰く、初めてなった人間の姿)、ぐるぐる巻きにしたロープを衣服として身につけているが、姿は好きに変えられる。バンパイア又はバンパニーズの子どもを産むことができ、その子供はエバンナの血を受け継いでいるため、様々な能力があるが、本人は産みたがらない。趣味で飼育する毒蛙にすみかを守らせている。
ダレンとスティーブが死んだ後、タイニーと取引をして「エバンナが子供を産むかわりに、タイニーはダレンをリトル・ピープルとして蘇らせて過去に送る」ことを決めた。子供の父親をバンパイアにするかバンパニーズにするかはエバンナに託されたため、子供はそれぞれの血を引く二卵性双生児になり、エバンナの子供を新たな旗頭として再び戦争を起こさせようとするタイニーの目論見は破られる。さらに、タイニーが文学に興味がないことを利用し、過去へ向かうダレンにダレンの日記を託す。
リトル・ピープル
デズモント・タイニーの部下。青いローブを着た、雑食の小人達。シルク・ド・フリークで働いていることもあり、たいてい4人から6人シルク・ド・フリークにいる。
継ぎの当たった顔で、緑色の瞳を持ち、耳は皮膚の下に埋まっており、多くの者は会話が不可能。鼻や味覚はないので、腐った肉や泥を食べようが関係ないらしい。彼らにとって空気(酸素)は毒であり、特殊な薬品を染み込ませたマスクがないと10時間程で死んでしまう。バンパイアほどではないが、身体能力は高い。
デズモンド曰くエルフやレプラコーンというのは、何も知らずにリトル・ピープルを目撃した人間が勝手に名前を付けたもの。元々は死んだ者の魂で、ミスター・タイニーとの取引によりリトル・ピープルとして生き返ったものである。
レフティ(Lefty)
#主要登場人物の項を参照。

その他[編集]

サム・グレスト(Sam Grest)
シルク・ド・フリークに憧れる少年。大好物はオニオンピクルスで、小さいプラスチックの瓶に詰めて持ち歩いている。人懐っこく博識で、小難しい言葉をよく使う。家では犬や猫などの動物を沢山飼っている。第2巻でウルフマンに殆どの内蔵を食い荒らされ死亡するが、完全に死ぬ前にダレンが血を飲み干したため、魂の一部がダレンの中に残った。『週刊少年サンデー』版では原作と違い死の間際まで意識がはっきりしており、自らダレンに自身の血を飲み干すことを頼み、彼に感謝の言葉と「ダレンに会えてよかった」と言い遺して、静かに息を引き取った。
スタンリー・コリンズ
とても熱心なボーイスカウトの指導者。子供の頃からボーイスカウトのメンバーで、3人の息子がいる。ダレンが夜の道中でぼうっと立っていたことに驚き駆け寄ったところクレプスリーに気絶させられ血を吸われている。
マイケル
クレプスリーとダレンが立ち寄った町の広場でホッケーをして遊んでいた少年。ダレンをホッケーに誘う。
ダニー
マイケルのチームとホッケーをしていたチームのキャプテン。反則を繰り返し、ダレンの急所をつねったため、激昂したダレンに向こうずねを両足とも折られた。
血の番人
バンパイア・マウンテンに住む普通の人間。バンパイア達に新鮮な血を提供する代わりに、死んだバンパイアの内臓を食料として受け取っている。
リズ
外伝に登場するガブナーの恋人。人間の看護士。年を取らないガブナーに対し、老いていく自分を見られたくないと別れを切り出し、ガブナーの前から去った。その際「ピンクの象のトランクス」を贈った。

シャン家[編集]

ダーモット・シャン
ダレンの父親。あちこちの建築現場で働いている。心臓発作を起こして倒れたことがある。
アンジェラ・シャン
ダレンの母親。趣味は切手集め。
アニー・シャン(Annie Shan)
ダレンの妹。ダレンとは仲の良い兄妹だった。16歳でスティーブに身を捧げダリウスを生むが、後にスティーブに騙されていたことを知る。その後はシングルマザーとして一人息子を育てていたが、死んだはずの兄が戻ってきたことで状況が一変する。
ダリウス・シャン
スティーブとアニーの子供。低身長で痩せており、やや小生意気。スティーブからダレンやバンパイアについて徹底的に悪く教え込まれていたが、スティーブの残虐行為を目の当たりにし真実を知る。スティーブに血を入れられたため、バンパニーズの細胞が混ざっていたが、ダレンが血を注いだ事で半バンパイアとなった。その後アニーと共にバンパイア・マウンテンへ逃れた。
デリク・シャン
ダレンの親戚(父方の叔父)。物語には直接登場しないが、ダレンがたびたび偽名として使っている。
マグダ
デリクと同じく、物語には直接登場しないがダレンの祖母。ダレンがバンパイアマウンテンへ向かう時に案内してもらったメスオオカミに付けた名前。

バンピライツ[編集]

デビー・ヘムロック(Debbie Hemloc)
ダレンが恋心を抱く少女。のちに成長し教師となり、バンパニーズ側の策略で転入してきたダレンと再会する。彼女もダレンに好意を抱くようになるが、対外的には「教師と生徒」であることや、ダレン(の外見)がまだ成長しきっていないことを理由に、恋仲になることは躊躇している。少々高飛車だが見た目とは裏腹に勇敢な性格であり、クレプスリーも感心するほどの精神力の持ち主。後半では国語の教師として登場し、アリスと共にバンピライツを結成し「闇のレディー」として傷ある者の戦に身を投じる。
アリス・バージェス(Alice Burgess)
元警部。連続殺人事件の捜査中にダレンらと出会い、バンパイアやバンパニーズのことを知り、デビーと共にバンピライツを組織する。また、ダレン達が隠れていたアパートを包囲した際は過激な言葉で挑発したり、バンチャに逃走の為の人質にされた時は激しく罵るなど血気盛んな性格であるが、同時に強い正義感の持ち主でもある。デビーと共に、「闇のレディー」と呼ばれている。元警部という人脈を生かし、バンピライツに軍人・警官を入れたり、スタジアム内の情報を伝える。
リトル・ケニー
バンピライツの一員で、ホームレス。怪我を負ったダレンを「闇のレディー」のところまで連れて行った。
デクラン
バンピライツの一員で、ホームレス。怪我を負ったダレンを「闇のレディー」のところまで連れて行った。

ダレンの故郷[編集]

アラン・モリス
ダレンのクラスメート。背が低い。後に遺伝科学者となる。その後、竜の開発に取り組み、見事成功する。
トミー・ジョーンズ
ダレンのクラスメート。ボクシングを習っている。後にプロのゴールキーパーとして活躍する。試合の前日にシルクドフリークに訪れダレンと再会するその際、日を改めてスティーブの事について話をすることを約束する。だが、試合終了直後、ダレンの眼前でレジー・ベジー殺害されてしまった。
ドルトン
ダレンの通っていた学校の先生。スティーブを気に入っている。数学はあまり得意ではない。
トニー・モリス
アランの兄。学校一の暴れ者で退学になった。図体がでかく、意地も悪く、おまけに顔もまずい。クレプスリーからシルク・ド・フリークのちらしをもらい、それがアランの手に渡った。
クィン
ダレンが以前通っていた学校の教師。
デイブ・モーガン
ダレンが以前通っていた学校の生徒。
サム・ホワイト
ダレンが以前通っていた学校の生徒。引っ越しで転校した。
ダニー・カーテン
ダレンが以前通っていた学校の生徒。
シーラ・リー
サム・ホワイトの恋人。

クレプスリーの故郷[編集]

ブローズ
学校視察官。ダレンが学校に送り込まれた時にホテルに来た。その後、ダレン達が殺人容疑をかけられた際に情報提供者として警察に来る。その際は、ダレン激しく罵倒した。
ドナ・ヘムロック
デビーの母親。料理の腕前は天才的で、デビー曰く学校の勉強よりも料理の勉強のほうが大変だったらしい。
ジェシー・ヘムロック
デビーの父親。
アンドリューズ夫妻
アパートでデビーの隣に住んでいる。留守であったデビーの代わりとしてバンパニーズに夫婦共々殺害される。
ヒューゴン
アパートでデビーの隣に住んでいる。アンドリューズ夫婦と同じくバンパニーズに殺害される。
マイケル・コーベット
クレプスリーの故郷の町の住人。古書店店主。
ケビン・ビースティ
オカルト現象に詳しい歴史学者。バンパニーズによる連続殺人事件についてバンパイア犯行説を唱える。
マーラーズ校[編集]
チバース
マーラーズ校の校長。9時を十分過ぎないと来たためしがない。月曜日は特に遅い。自転車で学校に来る。口答えは断じて認めない。
リチャード・モントローズ
マーラーズ校の生徒。マーラーズ校でのダレンの最初の友人。うす茶色の髪をした小柄な少年。スミッキーにいじめられている。独自の速記術で先生や生徒の発言を全て書くことができる。国語のクラスではダレンの右隣に座る。ダレンが半バンパイアとして捕まり、警察署から逃走した後、助けを求めた際には拒絶していた。
スミッキー・マーティン
マーラーズ校の生徒でいじめっ子。リチャードに恐喝するなどしていじめていた。
タラ・ウィリアムズ
マーラーズ校の生徒。国語のクラスでダレンの左隣に座っていた。バンパニーズに殺害される。
ケビン・オブライエン
マーラーズ校の生徒。へまばかりしている。
デリック・バリー
マーラーズ校の生徒。国語のクラスではダレンの前に座る。
グレッチェン・ケルトン
マーラーズ校の生徒。国語のクラスではダレンの後ろに座る。スミッキーに、グレてるグレッチェンとからかわれている。
スマーツ
マーラーズ校のいかにも熱血漢といった感じの数学教師。
シボーン・トーナー
マーラーズ校の卒業生。フルートができる。

異世界(未来の世界)[編集]

スピッツ・エイブラムズ(Spits Abrams)
異世界で暮らしている元船乗り。1930年代に海賊をしていたが、船が難破しそこをミスター・タイニーに助けられ異世界で暮らすこととなる。タイニーに「その内やって来る2人に付いていけば夢が叶う」と言われ、数年後にやってきたダレンとハーキャットに精霊の湖まで付いていく。酒が大好きで特にウイスキーに目が無い。嘘をつくときに(海賊の船の話だけ)せわしなく目を左右に動かす癖がある。異世界ではジャガイモを栽培してポティーンというかなり強い酒を造っていた。ハーキャットの正体を探る旅で重要な役割を果たすが、粗暴な性格でハーキャットとは意見が合わないことが多かった。
海賊時代にはコックをしており人間の肉を調理していたが、仲間に見咎められ海賊から厄介者扱いされるようになる(『週刊少年サンデー』版では人肉嗜食という設定に問題があったためか、自身の快楽のために人を殺害していたに変更されている)。夢というのも元の時代に戻ることなどではなく湖から精霊を引き上げてその肉を食べることであり、それを阻止しようとするダレンやハーキャットと戦うことになる。最終的にドラゴンに焼かれてそのまま精霊の湖に飛び込み死亡した。
クラシュカ
異世界に住む人々。血の番人と何らかのつながりがあると思われる。グロテスクを崇拝しており、生け贄を捧げている。クラシュカという名前は、彼らが叫んでいた言葉が「クラシュカ」と聞こえたことからダレンが便宜上付けた名前である。グロテスクから採れる液体を聖水のように保管している。その液体を巡りダレンたちと交渉するも、途中で乱入してきたスピッツが暴れたせいで大勢が死亡してしまった。
グロテスク
人間が蛆虫に変化したとしか考えられないような吐き気を催す外見の、その名の通りグロテスクな生物。体中から腕の無い手が無数に生えておりそれぞれの手を動かす事ができる。牙からは空気に触れると爆薬になる液体を分泌する。自らの液体が詰まったビンをスピッツに投げつけられ爆死した。

クモ[編集]

マダム・オクタ(Madam octa)
シルク・ド・フリークの一員。クレプスリー(ダレン)の毒蜘蛛。非常に賢く、強い毒をもつ。胴体は緑と紫と赤が入り乱れ、長い足は毛むくじゃらで、まるまると太っている。ダレンの友人のスティーブを噛んだ。最終的に、バンパイア・マウンテンで野生の蜘蛛とつがいになって暮らしている。かなり長生きしている。
バー・シャンの蜘蛛
バーハーレンのクモとマダム・オクタの子供。毒蜘蛛。親よりは毒は弱いが、数匹でかかれば親と同等の毒。名付け親はシーバー・ナイルで、ダレンの名字から。
バーハーレンの蜘蛛
バンパイア・マウンテンに住みついている蜘蛛。巣は傷に効く薬。マダム・オクタのつがい相手もこの種。マダムより小さい。昔バーハーレンというバンパイアがバンパイア・マウンテンに持ち込んだといわれている。

オオカミ[編集]

ストリーク(Streak)
リーダー格のオス。名付け親はダレン。腹に線がある。
ルディ(Rudi)
子供のオオカミ。鼻をすり寄せるせいで赤くなった為、赤鼻のトナカイ・ルドルフから名をとった。名付け親はダレン。
マグダ(Magda)
ダレンをバンパイアマウンテンまで案内した年老いたメスオオカミ。名付け親はダレン。ちなみにマグダはダレンの祖母の名。

世界観[編集]

作品世界においては、「特定人が産まれてこないように過去を変えても、他の人物が同じ役割を果たす」と言われている(ヒトラーが引き合いに出されている)。ミスター・タイニーを超える存在が居て、歴史(運命)を変えないようにしているからである。
本作において主人公が作者と同じ姓名である理由も、これに関連したものである。
ダレンが過去に戻ったのは、「少年時代のダレンがバンパイアになることを防ぎ、ひいてはダレンとスティーブが傷ある者の戦において対立の旗頭にされることを防ぐ」ためであるが、これだけでは先述の通り、他の誰かが2人の“役割”を果たすために人生を狂わされてしまう。そこで(バンパイアにならず)作家となったダレンが、ミスター・トールを介して託された自身の日記をもとに物語を書くことで、文学嫌いのタイニーの盲点を突く形でその目論見を世間に公表し、戦いの当事者であるバンパイアやバンパニーズに注意を促そうとしたのである。

用語[編集]

バンパイア
10年に1歳(半バンパイアは5年に1歳)しか歳をとらない生き物。子供を作ることができない(エラが言うには女性のバンパイアが少ない理由の1つらしい)ため、体の一部(ほとんどは手の指10本)に傷をつけ、バンパイアと相手(たいていは人間だが、半バンパニーズの場合も同様)の血を注ぎ込み、混ぜることで仲間を増やす。12年に一度、バンパイア総会に行かなければいけない。また、死ぬときはバンパイア・マウンテンの外で勇敢に戦わなければならない。人間の血を飲んで生きるがある程度加減して飲み、殺すことはない。大抵のバンパイアは週に一度の割合で吸う。死んで一日以上経って酸っぱくなって悪くなった血を飲むと頭をやられて死ぬことがある。また、相手の血を飲み干した場合は、相手の魂を一部取り込むことができる(基本的に血を飲み干すのは相手に頼まれたときだけ)。犬や牛、羊等の動物の血を飲んでも命をつなぐことはできるが、猫、猿、蛙、蛇、大抵の魚の血は飲むことができない。
伝承では不死の悪魔とされているが、人間の血を飲むために人間よりは生命力があるというだけであり、不死ではない。戦うことを好み、掟を重視する高潔な種族。テレパシー、フリット(高速移動)、催眠術など様々な能力があるが、半バンパイアが使える能力は限られる。鏡には映るが、体を形成する原子が人間とは違うため、写真には写らない。棺で寝ることを好む。完全なバンパイアは小さな傷なら唾で治すことができる。生き方の違いから、バンパニーズとは不仲。カーダの尽力も空しく全面戦争に突入してしまう。
その後、バンパイアの能力はミスター・タイニーがバンパイアを闇の世界に閉じこめるために授けたことが明かされる。
バンパイア・マウンテン
12年に一度、世界中のバンパイアが集まる「バンパイア総会」が開かれる場所。人にその存在は知られていない。元帥などはこの城で暮らしている。マウンテンまでの道のりは険しく、道具や乗り物を使ったりフリットしてはいけない決まりがある(傷ある者の戦が始まってからは、情報伝達を速やかに行うため掟が緩められ、フリットは許可された)。広間や部屋が数え切れないほどあり、それぞれが迷路のような通路で結ばれている。広間の一つ一つには歴代の勇敢なバンパイアの名前が冠されている。常に工事で広間や通路が増え続ける反面、時には落盤の発生等で使えなくなる場所もあるため、誰一人として全てを把握しきれてはおらず、カーダが地図を作ろうと努力していた。
バンパイア元帥
全てのバンパイアを束ねる王のような存在。唯一、掟に縛られない存在で、力量の試練に失敗しても処刑されない(だが試練に失敗した元帥は大概、死を望む)。バンパイア元帥になるには、まずバンパイア将軍になり、その後は多くの功績を積んで誰からも尊敬されるようなバンパイアにならなければならない。ダレンの場合は例外的にバンパイアマウンテンでのバンパニーズとの戦いに大きく貢献したため、その功績を称えられて元帥となった。
バンパイア将軍
バンパイアマウンテンでの、重要な会議に参加したりできる官職。また、掟を破ったり正気を失うなどしたバンパイアを裁く権限を持つ(人間で言う警察のようなもの)。バンパイア将軍になるには、ある程度の功績を積んだ上で力量の試練を受けて自分の力量を他のバンパイアに示さなければならない。また、バンパイア将軍の中でも特に優れていると認められたものはバンパイア元帥に昇格する事もある。クレプスリーも以前はバンパイア将軍だったが、元帥への昇格の話が出てきた頃に将軍を辞めてしまった。
バンピライツ
バンペットに対抗して生まれた組織。殆どがホームレス。バンペットと同じで、バンパイアの基礎を教え込まれた戦士。バンパイアでないので飛び道具を使える。リーダーはデビー・ヘムロックとアリス・バージェス。
血の石
はるか昔にミスター・タイニーから贈られた石。実は竜の脳。伝説ではバンパイアが滅んでもこの石があれば復活できるといわれているが、血の石の中に入っているバンパイアの血の遺伝子を使い、ミスター・タイニーが再生させるというだけの話。もし再生させてもタイニーは細工をして元のバンパイアとは違う凶暴で知能の遅れたバンパイアにしてしまう。
力量の試練
バンパイア将軍を志すバンパイアが受ける試練。バンパイア将軍を志していなくとも、自身の力量を周囲に示すために受けるバンパイアも多いとされている。数ある課題の中から5つをくじのような物で選び、体力と勇気、運を量る。内容は、激流の中に沈む大きなメダルを取ってくる、炎が吹き出す部屋で炎を避け続けるなど様々で、一つとして楽にこなせるものは無い。試練に失敗した場合、ほとんどは失敗と同時に死亡し、仮に死ななかったとしても掟により処刑される。元帥に限り処罰とは無縁のため処刑の対象にならず、ダレンは2度受け、2回目に成功した。
楽園
まっとうな人生を送れば、たどり着けるとバンパイアたちが信じているところ。宇宙の彼方にあると言われている。人間のいう天国のような所。
バンパニーズ
基本的にはバンパイアとあまり変わりないが、大きく違う所がある。クレプスリーによると、かつてはバンパイアと同じ種族だったが、700年前にバンパイアの掟にある無益に人を殺してはならないという掟が出来た事に不満を抱いた者達が独立し、バンパニーズと呼ばれるようになった。バンパイアと大きく違うのは、人間の血を飲んで生きるが、全て飲み干す(つまり必ず殺すことになる。クレプスリー曰く「全ての血を飲み干し、その魂を取り込む事こそ気高いと考えている」とのこと)。その影響で、肌が紫で赤い瞳を持つなど、姿も化け物に近い。バンパイアと同様の様々な能力がある。また若いバンパニーズは血を飲み続けることで何十年もかけて、肌を紫色に染めていく。バンパイアより規律に厳しい。バンパイアと同じように高潔な種族であり、血を飲む時人間を死なせはするがそれ以外に無益な殺生はしない。
バンペット
バンパニーズに従う人間。バンパニーズの基礎を詰め込まれているが、バンパニーズの血が流れていないので、飛び道具を使える。茶色のシャツに黒のズボン姿、頭をそり上げコメカミにVの刺青を入れて目の周りを赤く塗りたくっている。バンパニーズの中にはよく思わない者もいる。
バンパニーズ大王
本来は階級が存在しないバンパニーズにおいて、バンパニーズ一族を支配し、バンパイア一族との戦いを勝利に導くと言われている大王。炎の棺から無傷で出てきたものが、これになる。なお、全てのバンパニーズが大王を崇拝しているわけではなく、「バンパニーズ大王に従わなければ一族が滅びる」という言い伝えがあるため仕方なく従っているバンパニーズも少なくないという。
炎の棺
はるか昔にミスター・タイニーから贈られた、バンパニーズの持っている棺。この中に普通の人間やバンパニーズが入ると瞬く間に炎で焼き尽くされて死んでしまうが、「バンパニーズ大王」になる者は、この中に入っても無傷で出てこられるらしい。
バンパイア・バンパニーズの能力
  • テレパシー
  • フリット(高速移動のようなもの。人間の目には見えない)
  • 唾で傷を治す
  • ガスを吐いて眠らせる
  • 催眠術(バンパイアになりたての頃か生命の危機にさらされているときのみ使える。1巻でダレンがアニーに使うほか、外伝でガブナーがリズに使った)
  • 視覚、嗅覚、聴覚が優れている。
  • 力が強い。
  • 人間と比べて、体が頑丈にできている。
  • 写真に写らない。
  • 日光に弱い。ただし、長時間浴び続けると危険というだけで、浴びた瞬間灰になるようなことは無い。
半バンパイア・半バンパニーズ
半バンパイアや半バンパニーズは、バンパイア・バンパニーズの血を受けながら完全に本物になっていない状態。人間の血が残っているので昼間でも活動する事が出来るが、バンパイア(バンパニーズ)の技を使う事が出来ない。催眠術は使える。写真ではわずかにぼやける程度。純化作用が進むにつれ、本物に近づいていく。半バンパイアの時にバンパニーズの血を流し込めば、半バンパニーズになる。逆に半バンパニーズにバンパイアの血を流し込むことも可能。ただし血を入れ替えた直後は互いの血が毒になるため、双方とも苦しむ上、成功する確率はかなり低く、失敗すると両方共死亡する(バンチャ・マーチ曰く「死ぬとしたら一度目の発作」)。ちなみに、ダレンとダリウス、パリスとバンチャの2組が作中で語られるが、2組とも成功している。他の例では全て失敗している。
純化作用
半バンパイアおよび半バンパニーズが、徐々に本物に近づいていく現象。バンパイア・バンパニーズの細胞が人間の細胞よりも優勢なうえ、それが人間の細胞を、バンパイア・バンパニーズの細胞に変換していくために起きる。ダレンは作中で2回純化作用に見舞われている。純化作用の間は、体毛が急激に伸びたり体力が有り余ったりするほか、味覚以外の感覚が異常に鋭敏になるため生活しづらい状況になる。味覚はなくなり、何を食べても段ボールを噛んでいるように感じる。また、一度に2~3年分身体が成長する。
傷ある者の戦
バンパイアとバンパニーズの戦い。双方の共通の掟により、武器に銃等の飛び道具を使っていない。途中で「バンピライツ(フリークのメンバー及びホームレス)&バンパイア」対「バンペット&バンパニーズ」の戦いになった。激闘の末、ハーキャット、バンチャ、ガネンらの努力で最終的には和解に進んだ。
大王ハンター
バンパニーズ大王を唯一倒すことができる者たち。ミスター・タイニーがバンパイアマウンテンまで来て直々に指名した。他のバンパイア達は、バンパニーズ大王を倒す旅には関わってはいけない(ただし、他のバンパニーズと戦うことはできる)。また、バンパイアでなければ力を貸してもらってもよい。
  • ダレン・シャン(Darren Shan)
  • ラーテン・クレプスリー(Larten Crepsley)
  • バンチャ・マーチ(Vancha March)の3名。
シルク・ド・フリーク
巡業サーカス。異形の者が集まり、客を呼んでショーをする。団長はミスター・トール。
竜の世界
ハーキャットの前世を探る旅で、ダレンとハーキャットが送り込まれた異世界。その名の通り竜が支配する世界であり、精霊の湖が存在するのもこの世界である。果てしなく続く荒野、恐竜ほどの巨体を持つ化け物ガエル、謎の怪生物グロテスクの棲む神殿など、あらゆる面でダレンたちの世界とはかけ離れている。当初、ダレンたちは現在より遥か過去の世界、或いはどこか別の惑星であると考えていたが、後にこの世界は傷ある者の戦が終結した後、闇の帝王が支配する未来の世界だということが判明する。
闇の帝王
エバンナやミスター・トールが誕生を予言した、荒廃しきった未来の世界に君臨する暴君。自分に逆らう者は容赦なく叩きのめし、暴力で自分のほしいままに世界を作り変える。ハーキャットとダレンが旅した、荒んだ世界は闇の帝王が誕生した場合の未来の地球であった。当初は闇の帝王の出現は運命として定められていて、何があっても絶対に誕生してしまう、しかもそれは傷ある者の戦で勝利した側のリーダー(つまりダレンかスティーブ)であるとされていた。しかし実はミスター・タイニーが自分の望むように世界を作り変えるため、私利私欲の為運命をねじ曲げて生み出した存在であることがタイニー自身の口から判明した。
精霊の湖
人生を全うに生きられなかった魂がたどり着く場所。自分からは出られず、外にいる人が死者を引き上げたことのある網を使って引き上げれば、魂は生前の姿に戻れる。但し、その場に自分の生まれ変わりのリトルピープルがいると、魂は同時に2つの体に留まれないため、本体が優先されリトルピープルの細胞が死んでゆく。
環境戦士
自然を守り道路建設などに反対する架空のNPO団体。R・Vが所属していた。

刊行情報[編集]

映画版[編集]

ダレン・シャン
Cirque du Freak: The Vampire's Assistant
監督 ポール・ワイツ
脚本 ポール・ワイツ
ブライアン・ヘルゲランド
製作 ポール・ワイツ
アンドリュー・ミアノ
ユアン・レスリー
ローレン・シュラー=ドナー
製作総指揮 ダン・コルスラッド
サラ・ラドクリフ
ケリー・コハンスキー
コートニー・プレジャー
音楽 スティーヴン・トラスク
撮影 ジェームズ・ミューロー
編集 レスリー・ジョーンズ
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 2009年10月23日
日本の旗 2010年3月19日
上映時間 108分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $40,000,000[1]
興行収入 $39,232,113[1] 世界の旗
$13,869,515[1] アメリカ合衆国の旗
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2000年ワーナー・ブラザーズが映画化権を取得したが、2004年に放棄された。その後、2005年1月14日ユニバーサル・スタジオが映画化権を購入し、2008年2月より撮影を開始。2009年10月23日よりアメリカなど世界数カ国で公開された。日本での公開は2010年3月19日。

ストーリーは中盤まで第1巻に沿ったものだが、ダレンとスティーブの当初の年齢が16歳(1993年~2009年)、バンパニーズの皮膚が変色していない、原作にいないキャラクターが登場するなど、原作との相違点やオリジナル要素がかなり多い。

物語の第一章目となる今映画だが、興行成績も全く奮わず原作ファンの評判も悪いため、次回作の制作は白紙状態である。

日本語吹替版では、イメージソングとして倖田來未の『Can We Go Back』が使用されている。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
ダレン・シャン クリス・マッソグリア 山本裕典
スティーブ・レナード ジョシュ・ハッチャーソン 浪川大輔
ラーテン・クレプスリー ジョン・C・ライリー 内田直哉
デスモンド・タイニー マイケル・セルベリス 銀河万丈
ミスター・トール 渡辺謙
トラスカ サルマ・ハエック LiLiCo
エブラ・フォン パトリック・フュジット 高橋広樹
ウルフマン トム・ウッドラフ・ジュニア
コーマック・リムズ ジェーン・クラコフスキー
アレクサンダー・リブズ オーランド・ジョーンズ
ラムス・ツーベリーズ フランキー・フェイソン
ガーサ・ティース クリステン・スカール
ガブナー・パール ウィレム・デフォー 山路和弘
マーロック レイ・スティーヴンソン 藤真秀
アニー・シャン モーガン・セイラー
レベッカ ジェシカ・カールソン 新野美知

漫画版[編集]

新井隆広作画で、小学館週刊少年サンデー』2006年36・37合併号から2009年10号まで連載された。単行本は全12巻。単行本の巻末には新井隆広による製作秘話が載せられている。なお、外伝のみコミカライズされていない。

2009年夏には英訳され、アメリカやイギリスなどでも発売されている(2009年現在は5巻まで発売されている)。

単行本[編集]

原作との相違点[編集]

  • 一巻でチラシを受けとった人
  • デビーがバンパニーズ側の策略で転入してきたダレンと再会した時の反応。
  • クレプスリーの髪型。
  • スピッツが人の肉を切り刻んで調理していたという部分が、自身の快楽のために人を殺していたに変更されている。
  • エバンナがスティーブを蘇生させなかった理由。
  • ダレンが自身の歴史を修正した後の行動。
  • ハーキャットがたまに目を細める(原作ではまぶたがない)
  • ダレンとスティーブがフリットを習得している。
  • スティーブも純化作用を起こしている。
  • 9巻でクレプスリーが怪我をした理由

脚注[編集]

外部リンク[編集]