シックス・ネイションズ

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シックス・ネイションズSix Nations6か国対抗)は、ヨーロッパの強豪6カ国が参加する国際ラグビー大会。ロイヤルバンク・オブ・スコットランド (RBS) が冠スポンサーのためRBSシックス・ネイションズとして開催されている。全勝優勝をグランドスラム、英国・アイルランド勢(ホームユニオン)の中での全勝をトリプルクラウンと呼ぶ。

歴史[編集]

1871年スコットランドイングランドの間で、史上初のテストマッチ(国代表チーム同士の正式な対戦)が行われた。次いで1875年にはアイルランド1881年にはウェールズの代表チームが初めて結成され、それぞれイングランドとの間で最初のテストマッチを戦った。

まもなく、これら4か国の間では、毎年ほぼ総当たりでテストマッチが行われるようになったため、総合成績によって順位を決めるようになった。1882年から1883年にかけてアイルランド対ウェールズ戦を除くすべてのカードが開催され、イングランドが3戦全勝したのが第1回大会とされている。

1910年からフランスが大会に加わり、大会は「ファイブ・ネイションズ5か国対抗)」と呼ばれるようになった。しかしフランスはアマチュアリズムに反して選手に報酬を支払ったとされたため、1932年に大会から除外され、4か国による開催に戻った。1940年から第二次世界大戦のため中止。1947年に再開され、同時にフランスも復帰した。2000年からイタリアの参加を受け入れたため、現在の大会名に変更された。 2013年3月時点で、最多優勝はウェールズの34回、次いでイングランドの32回。

各国の特徴[編集]

イングランド代表[編集]

2003年ワールドカップで北半球勢として初めて優勝を果たした。2005年までの10年間で6カ国対抗で5回優勝した。伝統的に強力FWを前面に出すスタイルで、激しいぶつかり合いや、塊となって進むモールが多い。パワープレーを重視し、バックスにボールが出てもキックの比重が高い。このため「世界一退屈なラグビー」などとたびたび揶揄される。SOには華麗なドロップゴールを決める選手が多い。代表選手は、ローレンス・ダラーリオジョニー・ウィルキンソン

スコットランド代表[編集]

1871年に、史上初めての国際試合としてスコットランドとイングランドの間で試合をした伝統国。正統的なチーム作りでキックで地域を取るなど堅実なプレーをし、過去7回のワールドカップで6回ベスト8以上に進出している。1991年ワールドカップではベスト4に進出し、準決勝のイングランドとの死闘は語り継がれている。イングランドとの定期戦はカルカッタカップと呼ばれている。1877年に解散したカルカッタ・フットボール・クラブの余剰金(ルビー銀貨)を溶かしてカップを作ったもので、1878年からこの定期戦の勝者に与えられるようになった。

アイルランド代表[編集]

ナショナル・カラーのグリーンのジャージで、魂のこもった熱い試合をすることから、ファンが多い(アイリッシュ魂)。固い結束力やひたむきな守備は見るものの胸を打つ。かつては貧しさから新世界への移民が後を絶たなかったことから、4年に1度のワールドカップや毎年の6カ国対抗は親族が集う場の役割も果たしている。近年は若年層の強化に成功しランキングも上位に入っている。サッカーとは異なり、アイルランド共和国北アイルランドの統合チームである。

ウェールズ代表[編集]

1970年代に黄金時代を迎えて世界中を席巻し、「レッド・ドラゴン」の異名で恐れられた。当時の主産業は石炭産業で、選手は昼間は炭鉱員として働き、仕事が終わるとラグビーでナショナル・ヒーローになるというのがウェールズの古き良き時代だった。バックス展開も華やかで、フォワードの強さとバックスのひらめきを融合したラグビーをした。英国皇太子を英語で「プリンス・オブ・ウェールズ」と呼ぶ関係もあり、ダイアナ妃がよく観戦に訪れていた。

  • 上記ホームユニオン(イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランド)内で他3か国に勝利したチームはトリプルクラウンと呼ばれ、称えられる。
  • ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズはホームユニオンから選ばれた選手で構成する選抜チームである。4年ごとに南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランドと順次遠征しており、ライオンズとして出場した選手にはキャップも与えられる。

フランス代表[編集]

ワールドカップで準優勝3回の名門。個人主義に基づいてバックスの個人技を評価する。フレア溢れる洗練されたプレーや流麗なトライを見せ、次々とフォローが湧き出てパスがつながるところから「シャンパン・ラグビー」と称される。その反面で、個人の身勝手なプレーから危機に陥ることがしばしばで、反則も多く、不安定な試合運びをする。パリ近郊のマルクシなど国内9か所に青少年の育成学校を設立し、勉強をしながらラグビーに専念できる学校法人のシステムを整えている。2007年にはワールドカップを開催、全48試合で過去最高の224万人、平均4万6800人を集客した。主な人気選手は、フレデリック・ミシャラク、セバスチャン・シャバルら。

イタリア代表[編集]

2000年に新加入した新興国だが、ワールドカップには全大会連続出場を続けている。ハーフ団にいい選手を生む。最近はFWが強力でパワープレーを前面に押し出す。主な人気選手はマウロ&ミルコ・ベルガマスコ兄弟、セルジオ・パリセらがいる。彼らはフランスの強豪スタッド・フランセに所属。

歴代優勝国[編集]

国名の太字は全勝優勝を表す。

イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズの4か国により創設
1882-83  イングランド
1884  イングランド
1885 優勝国決定できず
1886  スコットランド イングランド
1887  スコットランド
1888 優勝国決定できず
1889 優勝国決定できず
1890  イングランド スコットランド
1891  スコットランド
1892  イングランド
1893  ウェールズ
1894  アイルランド
1895  スコットランド
1896  アイルランド
1897 優勝国決定できず
1898 優勝国決定できず
1899  アイルランド
1900  ウェールズ
1901  スコットランド
1902  ウェールズ
1903  スコットランド
1904  スコットランド
1905  ウェールズ
1906  ウェールズ アイルランド スコットランド
1907  スコットランド
1908  ウェールズ
1909  ウェールズ
フランス加入、5か国に
1910  ウェールズスコットランドの旗 スコットランド
1911  ウェールズ
1912  イングランド アイルランド
1913  イングランド
1914  イングランド
1915-19 第一次世界大戦のため中止
1920  ウェールズ スコットランド イングランド
1921  イングランド
1922  ウェールズ
1923  イングランド
1924  イングランド
1925  スコットランド
1926  スコットランド アイルランド
1927  スコットランド アイルランド
1928  イングランド
1929  スコットランド
1930  イングランド
1931  ウェールズ
フランス除外、4か国に戻る
1932  ウェールズ
1933  スコットランド
1934  イングランド
1935  アイルランド
1936  ウェールズ
1937  イングランド
1938  スコットランド
1939  アイルランド
1940–46 第二次世界大戦のため中止
フランス復帰、5か国に
1947  アイルランドイングランドの旗 イングランド
1948  アイルランド
1949  アイルランド
1950  ウェールズ
1951  フランス アイルランド ウェールズ
1952  ウェールズ
1953  イングランド
1954  ウェールズ イングランド フランス
1955  ウェールズ フランス
1956  ウェールズ
1957  イングランド
1958  イングランド
1959  フランス
1960  フランス イングランド
1961  フランス
1962  フランス
1963  イングランド
1964  ウェールズ
1965  フランス アイルランド
1966  フランス
1967  フランス
1968  フランス
1969  ウェールズ
1970  フランス ウェールズ
1971  ウェールズ
1972 優勝国決定できず
1973 5か国とも2勝2敗
1974  アイルランド
1975  ウェールズ
1976  ウェールズ
1977  フランス
1978  ウェールズ
1979  ウェールズ
1980  イングランド
1981  フランス
1982  アイルランド
1983  フランス アイルランド
1984  スコットランド
1985  アイルランド
1986  フランス スコットランド
1987  フランス
1988  ウェールズ フランス
1989  フランス
1990  スコットランド
1991  イングランド
1992  イングランド
1993  フランス
1994  ウェールズ
1995  イングランド
1996  イングランド
1997  フランス
1998  フランス
1999  スコットランド
イタリア加入、6か国に
2000  イングランド
2001  イングランド
2002  フランス
2003  イングランド
2004  フランス
2005  ウェールズ
2006  フランス
2007  フランス
2008  ウェールズ
2009  アイルランド
2010  フランス
2011  イングランド
2012  ウェールズ
2013  ウェールズ
2014  アイルランド

日本でのテレビ放送[編集]

かつてはNHKがBSで放送していた。現在日本での放送は、スポーツ専門チャンネルJ SPORTSで全戦生中継されている。

関連項目[編集]

外部サイト[編集]