アドラティクリット

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アドラティクリット
生息年代: 中生代ジュラ紀後期, 168–164 Ma
アドラティクリットの想像生態復元図
地質時代
中生代ジュラ紀中期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithoscia
階級なし : 頬竜類 Genasauria
亜目 : 装盾亜目 Thyreophora
下目 : 剣竜下目 Stegosauria
: ステゴサウルス科 Stegosauridae
亜科 : ダケントルルス亜科 Dacentrurinae
: アドラティクリット属 Adratiklit
学名
Adratiklit Maidment et al., 2020
シノニム

Adratiklit boulahfa Maidment et al., 2020

A. boulahfa

アドラティクリット学名Adratiklit、「山のトカゲ(ベルベル語で)」の意)は、モロッコから化石が産出している、中期ジュラ紀1億6800万年から1億6400万年前のゴンドワナ大陸に生息した最古級から2番目のステゴサウルス科恐竜[1]。また、北アフリカから記載された初めての装盾類である。一番最古の剣竜類は今現在は中国で発見されたバシャノサウルス英語版。剣竜類はジュラ紀のローラシア大陸に多様かつ豊富に存在していたが、ゴンドワナ大陸の堆積物にその化石が存在することは非常にまれだった。アドラティクリットはこの「Adratiklit boulahfa」の一種のみ知られている。

概要[編集]

アドラティクリットのホロタイプには背椎のみが含まれているが、上腕の骨や追加の椎骨など、他にもいくつかの化石が知られている。化石化した上腕骨の長さは61センチメートルもあった。

背骨と前足の一部しか発見されていない為、現時点では、スパイクの種類や範囲や、どのような背中の板を持っていたかは不明。ダケントルルスミラガイアに近い属であることから、大きい背中の板を持たずに長い首を持っていた可能性がある。推定全長は約7メートルと考えられている[2]

分類[編集]

南アフリカの分類群であるケントロサウルスパラントドンよりも、ヨーロッパ剣竜類ステゴサウルス科であるダケントルルスミラガイアに近縁の種である。 これにより、これまでヨーロッパのジュラ紀後期に限定されていると考えられていたダケントルルス亜科のステゴサウルス科がアフリカにまで進出していたことがわかった。

系統樹[編集]

ステゴサウルス科

アルコヴァサウルス

パラントドン

トウジャンゴサウルス

ケントロサウルス

アドラティクリット

ダケントルルス

ミラガイア

ジャンジュンゴサウルス英語版

ヘスペロサウルス

ロリカトサウルス

ステゴサウルス

脚注[編集]

  1. ^ 小林快次『新発見の恐竜大集合!』講談社講談社文庫〉、2023年6月27日、夏
  2. ^ 真鍋真『恐竜』Gakken学研文庫〉、2023年6月27日、夏

関連項目[編集]