おたく狩り

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おたく狩り(おたくがり)とは、おたくを対象とした強盗恐喝行為のこと。また警官が、おたく風の若者のみに集中的に職務質問を行い、微罪によって任意出頭を求め、場合によっては逮捕する事象を言う事もある。なお、世間を騒がせた猟奇的な事件を、被疑者のおたく的趣味と関連付けて報道する事象を言う事もあるが、特にそれは「おたくバッシング」と呼ばれる。

目次

[編集] 概要

おたく狩りとは、「おたく」と称される趣味層の者達に対して行われる強盗行為を言う。アニメのDVDやキャラクターグッズ、テレビゲームなどを好む「おたく」の若年男性が集まる秋葉原東京都)や日本橋でんでんタウン大阪市)などの都市部で行われることが多い。類似した行為として、「コミケ狩り」等がある。

また、「おたく狩り」という用語が最初に登場したときには、警官によるおたくへの集中的な職務質問のことを指していた。

どちらの事象についても、「おたく」という存在が「狩り」をする上で恰好の「獲物」であるということ、および、社会的風潮によって「狩り」の対象にすることへの罪悪感が低い事が背景にある事が指摘されている。

両方の意味での「おたく狩り」に関連して、警視庁の生活環境課と地域指導課は、ウェブサイト「刃物の話」にて、イラストを使ったやや子供向けの説明を行っている[1] 。ここで警視庁は、例示した電気街に新作のゲームソフトを買いに行く相談をしている少年たちの会話の中で、強盗行為としての「オタク狩り」に言及している。更に少年たちの会話は続き、おたく狩りからの護身用にカッターナイフを持ち歩くという事は、銃刀法や軽犯罪法に違反する場合がある為、警察による取締りの対象になるという事が、解説されている。

[編集] 強盗・恐喝行為としての「おたく狩り」

古典的な暴行恐喝の手口と手法は同じではあるが、特異な点は次のとおり[要出典]

  • 二人以上で組み、複数で行われるケースが多く、単独で行うことはない。
  • おたく狩りは、一人歩きのおたくが狙われるケースがほとんどである。
  • おたくがよく買い物に出入りする店の周囲に張り込み、おたくが入店する前に「狩り」に及ぶケースが多い(買い物を済ませた人間に対して「狩り」をしても大した金額が得られないため)。この場合、店先から人気のない所までおたくを連れていくが、犯人の仲間が周囲を取り囲み騒ぎながら連れ去ってしまう。このため通行人からは、若者がふざけあっているようにしか見えないおそれが高い。
  • 加害者については、特に少年である場合「○○退治」と称して行い、自己の正当化を主張するケースがある。この場合に特に見られる問題点として、「再犯率が高い」「被害者に対して加害者(特に少年)の情報が一切知らされない」「逮捕された事を逆恨みして報復行為に及ぶ」「違法行為に対しての知識が不足している」等が挙げられる。

おたくハンターはおたくを狩る理由として「臭くて汚いから」と述べる事が多い。しかしながら、実際におたくと呼ばれる人間の体臭を嗅いて確かめているとは常識的に見て考えにくく、自身や仲間内での価値観に基づく一種のステレオタイプの嫌悪感や軽蔑などを利用した理由付けが根源にあるものと思われる。

金銭を持って買い物にやってくるおたくを対象とするので確実に金を取れおたくは暴力に弱いと思われている事から、加害者側としてはノーリスク・ハイリターンと考えられており[2]。、おやじ狩りに代わって横行するようになった。また、前述のように加害者側は「汚くて臭いおたくを退治する」という意識・理由付けのもとで襲撃しているので、違法行為を犯しているという意識が薄く、逮捕されても全く反省しない者もいるという[3][4]

2006年8月には、観光客が高校生らに「オタク!オタク!」と言われながら暴行を加えられたことがある。[要出典]この樣に、オタクであるかどうかに拘らずこの種の被害は波及しており、もはや「おたく狩り」という言葉自体が、この種の強盗犯らが自己を正当化しようとする為だけの表現・符牒になっている一面がある。

また、夏と冬のコミックマーケット期間中には、徹夜で並んでいる参加者がトイレ等に行くために列から離れ単独行動した所を狙い襲撃するという、通称「コミケ狩り」や、おたくが乗るとされる痛車に対して、ステッカーを剥がしたり車体に傷をつけるなどの器物損壊行為を行う「痛車狩り」も発生している。

[編集] 警察官による職務質問としての「おたく狩り」

「オタク狩り」という用語は、週刊SPA!2005年2月1号の記事においては、秋葉原などにおいて警察官が検挙率や点数(ノルマ)を稼ぐため、無抵抗なオタクを選んで職務質問を行い、カッターナイフの所持などを理由に「任意出頭」させる事例を指しており[5]、また護身用であれども催涙スプレースタンガンなどを所持するのも同じく「任意出頭」させられる原因となるため、有用な護身術が制限される問題もある。中には、「オタク狩り」行為を目的として、当該警察署管轄外の地域での巡回を行う警察署も存在する。

任意とはいうものの、警察官には「質問を継続するため」にある程度の行為が許されており、無理に職務質問を拒否してその場を去ろうものなら公務執行妨害に発展する(転び公妨)ことすらあり得るため、実質的にはほぼ強制となっている。そして職務質問を受ければ、ほとんどの場合何らかの口実を作られて任意出頭を求められることになる。

また、過剰なまでの人員を動員して特定人物を「狩る」ことが行われる事もあるため、その一例を挙げる。2008年6月、迷彩柄カバンを持った一人の若い男性が職務質問を受け、大型のはさみと刃を落としたナイフ付きのマルチツールがカバンの中に入っていたため任意同行を求められたが男性は応じなかった。そのため警官18人が男性を取り囲んだ。また、パトカー4台も出動している。[6][7]

ただ、日本人おたくの間でも序々にではあるが対策が進んでおり、一般の不良青少年によるもの、警察官によるものに共通する事項として

  • 一人で歩かない
  • 人目の多く、明るい道を歩く
  • 下を向いて歩かない、自信を持つ
  • 知らない人について行かない、連れ去られない
  • 独り言など、悪い意味で目に付く行動をしない

などの実例がおたく同士の仲間内で交換されている。

不当逮捕問題に取り組んでいる渡辺幸之助の見解によると、こうした傾向は竹花豊が東京都副知事に就任した2003年ごろに、竹花の意向によって、職務質問による検挙のノルマが増えたことに関係しているとの事である。こうした事情が、前述した様な「間違った正義感」と結びついて、警官による「おたく狩り」が発生したのではないかと指摘されている[8]

そのため、秋葉原において電子部品や工具を購入する場合は注意を要する。工具や電子部品を購入した後に職務質問を受け、所持品検査でドライバー等の「特定侵入工具」「特殊開錠用具」、刃物、「催涙スプレー」、「特殊警棒」、「スタンガン」などの凶器に相当すると認識されるものが見つかった場合、諸法により逮捕される場合がある。加えて関連店舗がアニメ・ゲーム・同人誌関連店舗に押されて減少、品揃えの悪化などもあることから、トランジスタ技術など電子工学関連専門誌や電子工作関連Webサイトの記事などで部品購入先としてDigi-Keyなど通信販売専門店を紹介していたり、そのような手段でなければ少量入手の難しい部品を使用しているなど、これらの購入手段を通信販売へ移行する動きが見られる。また、この様な状況自体もまた秋葉原地区のこの種の店舗の減少に追い打ちを掛ける一因になっていると考える向きもある。

[編集] メディアの報道による「おたく狩り」(おたくバッシング)

秋葉原通り魔事件東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件のように、おたくの関係する事件(被疑者がおたく風である場合が多いが、単にマンガ好きであるに過ぎない場合や、被害者の場合も含めて)が発生すると、その都度マスコミ(主にキー局全国紙週刊誌など大手の全国メディア)によるおたく狩り的な報道が行われる(反面、ローカル局制作の番組や地方紙ではあまり大きく報道されない)。それらの報道により、おたくのマイナスイメージのみが全国に広まることになる。

週刊SPA!や、保坂展人はこうした風潮を「おたくバッシング」と評した。

このような一方的な取り上げ方に対する「おたく」側の自衛策の一つとして(地方のメディアを含めた)全てのマスコミを敵視・無視する態度がとられることがある。「秋葉原通り魔事件」では、マスコミの露骨な形での世論操縦を目的とした「誘導尋問」ともいえるインタビューには一切応じないようにしようとする呼びかけが、インターネット上で散見された。

[編集] 脚注

  1. ^ 「刃物の話」 警視庁
  2. ^ 恐喝:「ビビる」オタクを 「50人から300万円」2容疑者逮捕--大阪 毎日新聞 2009年6月10日
  3. ^ 「オタク狩りにご用心・前編」 探偵ファイル - 2002年
  4. ^ 「オタク狩りにご用心・後編」 探偵ファイル - 2002年 - オタク狩りグループへのインタビュー
  5. ^ カッターナイフやその他の鋭利な工具の所持については軽犯罪法1条2項に抵触する場合があるが、刑事訴訟法199条1項の規定により、原則として、その事を理由に逮捕する事はできない。また、開梱などの仕事で必要があって所持する場合は「正当な理由」に該当するため、逮捕することはできない。
  6. ^ 今、秋葉原で職務質問に素直に応じないと、こーなる
  7. ^ 秋葉原で職務質問された青年、1時間30分間も大勢の警察官に取り囲まれる
  8. ^ 週刊SPA!2005年2月1号

[編集] 関連項目

類義語

[編集] 外部リンク