コミックマーケットが抱える問題

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コミックマーケットが抱える問題(コミックマーケットがかかえるもんだい)とはコミックマーケット準備会が主催する同人誌即売会であるコミックマーケットComic Market、通称:コミケあるいはコミケット)が抱える問題と課題である。

コミックマーケットの歴史は2008年で31年を数える。この歴史の一面を見た場合、ある意味では漫画アニメなどサブカルチャー系の同人の世界が数々の諸問題の影響などを乗り越えてきた歴史を反映しているとも言える。現在もまた、表現の自由と規制、同人イベントの参加者のモラル、イベントの肥大化とそれに付随して発生する問題を抱えている。

本項では特に、肥大化の進むコミックマーケットに固有の問題を列挙する。同人誌同人ゲームの抱える著作権問題および過激な性的描写による表現などの問題は「同人誌」の項を参照。

なお以下に挙げる諸問題の多くについてはコミックマーケット準備委員会が発行するカタログに概略が記載され、参加者への注意も毎回喚起されているものである。

目次

[編集] イベント肥大化と会場施設面の問題

[編集] 会場容量の限界

コミックマーケット参加者の入場待機列(東京国際展示場西館付近にて撮影)
コミックマーケット参加者の入場待機列(東京国際展示場西館付近にて撮影)
コミックマーケット参加者の企業スペース入場待機列(東京国際展示場西館屋上にて撮影)
混雑する場内(C62)

近年、参加者の人数は一日あたり15万人を超え、20万人に達することもある状態が続いており(実際、2008年夏のC74の一日目、二日目、三日目の入場者数はそれぞれ17万人、18万人、20万人であった[1])、身動きがとれないほどの混雑した場所もあったとの報告が毎回ある(例えば、[2]など)。だが同人イベントに使用可能な施設においてはビッグサイトを超える規模のものが国内には事実上存在しないため、一つのネックとなっている。数十万人単位の参加者の誘導と会場警備には多くのボランティアが参加しているが1990年代後半から2000年代前半は参加人数の急増により、主に数量的な警備体制の限界がささやかれた。[要出典]

近年では子連れの参加者も目立ってきているが会場内の混雑状況は子供にとって過酷な環境であり[3]事件や事故に巻き込まれた場合の対策が不十分な点も問題視されている。コミックマーケット準備会は出来る限り子連れで来ることを控えてもらうよう呼びかけているが、[要出典]コミックマーケットカタログには「迷子札」をつけるように指示をしているだけであり、参加者各自の判断に任されている状況である。

精神科医であり、コミックマーケットの一参加者でもある斎藤環2005年9月30日インターネット放送『マル激トーク・オン・ディマンド』の番組内でコミックマーケット68・開場後の場内の様子を紹介し、参加者が膨大であるにも拘らず運営がほぼ混乱なく整然と行われているイベントであることを指摘している。

[編集] テロ行為

コミックマーケットでは過去に時限発火装置によるいやがらせが発生した。これ以来準備会では不審物の対策として、参加者自身による不審物確認を促す一斉点検放送を定時に行っている[4]

また、2008年8月のC74に対しては2ちゃんねる等における脅迫行為が複数あり、当日は手荷物確認が実施された(なお、これらうち「コミケ会場に手榴弾を投げ込む」という書き込みを行った者に対し、懲役1年6か月、執行猶予4年、併せて保護観察付きの判決が下された)[1]。だが、一部の人々からはさらに進めてボディチェックや金属探知機爆発物検知装置などによる検査などを行うべきという意見もある[要出典]。しかし参加者の絶対的な多さ、検査に掛かる所要時間、検査機器の調達コストなどを考慮すると、この様な検査を大規模に導入するには様々な課題が残るとされている。


[編集] 周辺地域への影響

一般参加者の入場待機列が長大になるなど大量の参加者が周辺地域に及ぼす環境面や安全面、交通への影響は大きく、開催継続に際してのリスク要因となっている。

[編集] 交通混雑

夏はお盆8月15日頃)、冬はクリスマスから年末シーズンにかけてという人出の多い時期に開催されるため会場へ行き来する参加者と他の観光施設へ向かう客とで交通機関に大きな影響を及ぼしている。特に午前中から昼頃にかけては台場などへ行く観光客、午後から夕方にかけてはそこからの帰宅客とが結果的にそれぞれ同一ルートとなり、混雑に拍車が掛かることも多い。[要出典]

台場・有明地区への交通手段としてはゆりかもめりんかい線都営バス(国展01・02・03)、日の出桟橋発着の海上バスなどがある。だが大量輸送機関はりんかい線しかなく[5]、りんかい線を除けばいずれもコミケット参加者の輸送だけでも専用ダイヤや臨時便などの特別輸送体制が敷かれている状況である(都営バス#臨時系統を参照)。

[編集] 他のイベントとの兼ね合い

コミックマーケットの開催期間はお盆休みと年末の書き入れ時であり、周辺地域で開催される他の大型イベントと重なりやすい。このため、各方面に様々な影響を及ぼしている。

過去には東京ビッグサイトに会場を移転して最初の開催では会場内にコミケットと無関係な他イベントを併設して開催されたが、併設イベントからコミケットに対する苦情が発生し、以後[要出典]コミケットは全館貸切での開催が前提となった。

夏コミ期間は中央区主催の東京湾大華火祭と重なる場合があり、花火観覧客と交通規制によってレインボーブリッジや晴海通りが渋滞する。また台場・有明地区に所在する企業や商業施設が開催する夏期イベント[6]とも重なり、交通機関や周辺道路が渋滞する。

また冬コミ期間中にも同様に、台場・有明地区で数多く開催される歳末セールの人出と重なる他、近隣でも品川区勝島東京シティ競馬(TCK)で恒例となっている年末開催があり、とりわけ毎年5-7万人前後の来場者を記録する東京大賞典については1999年以降は12月29日に開催されており[7]、日程がぶつかっている上に東京大賞典は16時頃の発走であるため、競馬観戦とコミケットの終了後の帰宅時間帯のピークが重なっている。りんかい線が天王洲アイル駅までの部分開業であった頃には、大井競馬場前駅から乗車する競馬観戦の帰宅者と天王洲アイル駅で乗り換えるコミケットからの帰宅者とで東京モノレールが凄まじい混雑となり、コミケット帰りの者たちは大きな荷物を抱えて乗り込んでくることから競馬帰りの客からかなりの苦情が出ていた。これは現在ではりんかい線の全通によりある程度は緩和されてはいるが、今度はりんかい線や京浜東北線を利用する乗換客・帰宅客のために競馬場からの無料送迎バスが発着する大井町駅などの混雑が著しくなっている。[要出典]

2002年冬のC63では29日にパナソニックセンター有明スタジオM-1グランプリが開催され、これの設営が28日、撤収が29日深夜から翌30日早朝にかけて実施されることから、徹夜組との混乱が予想されたが、この心配は杞憂に終わった。翌2003年冬のC65でもM-1とコミケ期間は重なった。2004年以降はM-1側がコミケとのバッティングを避けたのか開催時期は重なっておらず、2005年ではM-1は会場はテレビ朝日本社スタジオに、敗者復活戦は神宮球場に変更された。ただし2006年の敗者復活戦は再び有明に戻り、有明コロシアムで行われている。


[編集] 参加者・来場者の問題行為

徹夜組や一部の心ない参加者の出すゴミ。

[編集] 徹夜組

[編集] 徹夜組の定義と概要

徹夜組」(または「深夜来場者」)とは、当日の公共交通機関の始発便の最寄駅到着時間(ツアーバスが到着する朝4:30)前、さらには前日の段階から会場周辺に徹夜で並んで待つ参加者の事を指す。ただし一般的に持つ「徹夜」または「徹夜行為」の意味が曖昧の為、準備会では主に「深夜来場者」という表現を利用する(例えば、深夜来場し列内で睡眠を取る行為は「徹夜」ではないとする主張を防ぐため)。また「徹夜組は規約違反者であるためコミケットの参加者とは言えない」という考えを持つ者が、徹夜行為を行わない普通の参加者と区別する意味で用いる事もある。

準備会ではこのような徹夜行為を禁止しているにもかかわらず、コミケット開催期間中の会場周辺では数千人規模での徹夜行為が行われている[8][9]

[編集] 徹夜組の問題点

準備会はコミックマーケットカタログ上で、徹夜行為は会場を借りることを困難にし、継続開催を危うくさせる行為であると訴えている。会場が借りられなくなる理由として準備会では以下のようなものを挙げている。

  • 徹夜組の中にかなりの少年が含まれており、東京都青少年の健全な育成に関する条例により深夜徘徊とされ補導対象になる。
  • 泥棒・恐喝などの犯罪が発生したことから、警察から毎回厳重な注意を受けている。
  • 深夜の周辺の建物・敷地への進入、芝生の破壊、ゴミの散乱について、各所からクレームを受けている。
  • 数千人規模の徹夜が行われるようなイベントはコミケット以外に存在せず、数の多さが重大な脅威となる。

また、これらの徹夜問題の対策として警備活動などを実施せねばならず、これだけでも様々な費用が発生する。この諸経費は、実質的にサークル参加者や企業参加者が負担する形となるため、徹夜組が「一方的にサークル参加者や企業参加者に負担を強いる」行為であることと準備会は示唆している[8][9]

この他に、以下のような問題点も指摘されている。

  • 強盗コミケ狩り)・傷害などの犯罪被害、被害、屋外での徹夜行為による体力消耗による急病人、天候急変なども要因となる低体温症などによる死者の発生を懸念する意見もある[要出典]。実際、冬コミの時期には寒さをしのごうと飲酒しながら屋外で徹夜している者も多く見受けられる(暖を取ることを目的とした飲酒は、かえって体温を低下させる危険な行為である)。

[編集] 徹夜組の現状

コミケット開催期間中の会場周辺では数千人規模での徹夜行為が行われている。警備員の巡回や徹夜禁止の呼びかけなどのスタッフの努力は継続されているものの、徹夜をする者の数がスタッフ数より圧倒的に多く、対処しきれていない現状である。[要出典]

また、ビッグサイト周辺の他、隣接するお台場地域や、始発便で会場に入れる事から「徹夜組として扱われないはず」という考えから、りんかい線沿線・新交通ゆりかもめの沿線地域で、始発便を待ちながら夜を明かす者も多い(しかしこの行為は、主催者にとって、管理できない場所でトラブルが発生する可能性を孕む最悪の行為である)。さらに会場周辺で徹夜する者の一部には、同人誌の購入以上に、徹夜行為を行う事自体や、仲間たちと祭り気分で徹夜を楽しむ事を徹夜行為の目的とする者もおり、事態に拍車を掛ける事になっている。[要出典]

実際に徹夜組から「徹夜組の問題点」節で述べたような事故や犯罪の案件と被害者、あるいは被補導者・被逮捕者が発生した場合、準備会などのコミケット関係者はこれらを「偶然の来場者による出来事」、すなわちコミケットのルールを無視して徹夜で会場周辺にいる以上、これらの者をコミケットとしては「コミケットの参加者」として扱う事はなく、あくまでも無関係かつ偶然に会場及びその周辺に来ていた者によって発生した事象であり、事故や犯罪に遭ったところでコミケットとは無関係の出来事として取り扱い、関知はしないとしている。[要出典]

上述のリスク要因になる徹夜組の存在は、コミケットにとってもリスクマネジメントの観点から看過できるものではなく、イベントの運営や継続における懸念材料の一つとなっている。

[編集] ダミーサークル

人気サークルがコミケ限定で頒布する同人誌を入手する為に、(徹夜組を含む)一般参加者より早く会場へ入場できるサークルチケットを入手する事を目的にサークル参加する者がいる(この中には転売屋も存在する)。サークル参加の落選率の上昇に繋がるなどの理由から問題視される様になっている。

詳細はダミーサークルを参照。

[編集] サークルチケット販売・偽造問題

2000年以降、サークルチケット(出展サークル専用通行証)およびサークル駐車券がインターネットオークションなどにおいて高額で販売(転売)されていることが問題となっている。

コミックマーケットのサークルチケットは当選したサークルごとに3枚ずつ配布されるため、3人が開場前に入れることになる。しかし、元々3人もおらず、また準備に3人必要ないサークル、そしてダミーサークルであればチケットが余る。

一方、一般参加者よりも先に入場することができ大量の列ができる大手サークルにいち早く並ぶことができる[10]本来は一般入場前に並ぶ行為は禁止であるが、徹夜問題と同様に人数があまりにも多いため、コミケ側でも「サークルチケットの名義人と参加者が同一かを調べる本人確認」をするなど徹底した取り締まりが不可能な状況である)チケットや自家用車での来場が可能になる駐車券は高額の金銭を支払ってでも欲しい人が多いためサークルチケットはネットオークションの中でも人気の高いアイテムとなっており、サークルチケットの発送された直後(開催日の約1~2か月前)、すぐ出品されるにもかかわらず1万円~2万円以上の高値で落札されることもある。

金銭を代価とするこの行為をコミックマーケット準備会は認めておらず、出品者やネットオークション業者に対しオークションの取り消しなどの呼びかけを行っているが、単純な所持や本来の目的に則した使用は法的に禁止されているものではないため、事実上出品が黙認されたまま[11]の状態となっている。

サークルチケットの券面には参加日・サークル名・スペースなどの個人情報が記載されており、準備会側でサークル名やスペースがわかれば出品者を特定することはできるが、Yahoo! オークションへの出品で現物の写真を掲載する際、これらの個人情報が記載されている部分を隠蔽[12]するよう処理することや落札者に情報を口外させないことで身元を特定できなくするなど手口が悪質となっており、準備会でもこれ以上手を打てない状態が続いている。

[編集] コスプレ

同人誌の売買と共にコミックマーケットの参加様態の一つであるコスプレに対しては事前登録制、参加が可能な制服の制限、撮影区画の制限、コスチュームのままでの入退場禁止、突起物(衣装の装飾、キャラクターの武器など)や肌の露出に規制などの対策が施されている。またコスプレの内容はスタッフによってチェックされ、スタッフの判断によってはコスプレ可能区画の制限(これを受けると、サークル参加者がそのコスプレで自分のサークルスペースなどに滞在することもできなくなる)や修正の要請(追加でタイツやシャツなどの着用を求められる、装飾品の除去を求められるなど)、あるいは登録不許可となる可能性もある。露出以外では、学生運動を模した「放火犯」と書かれたTシャツが反社会的であるとして不許可になるケースもあった。

しかし、過度に露出の多いコスプレ(特に女性)が警察当局からも指導を受けるなど一部で問題視されているほか、心ない来場者が盗撮行為を行い、それらの写真がインターネットでアップロードされることも多いため、写真全てを取り締まれないなどの問題も残している。「写真撮影を他のイベント同様に登録制にしてはどうか」という提案も出ているがコスプレイヤーやサークル参加者、同人誌を買いに来た参加者だけでなく企業ブースを目当てに来た参加者、さらにはコスプレ撮影のみを目当てに来た来場者などあらゆる参加者及び「偶然の来場者」も登録対象にする必要があり、その処理を行うのに膨大な時間や人員がかかるため、実行に踏み切れない事情もある。そのため現状では撮影機材に関してもコスプレ衣装同様に厳格な制限を定めるとともに、会場で配布する小冊子で注意喚起を行うにとどまっている。

実際にコスプレを禁止するイベントが増加する中、準備会内部でもコスプレの廃止(全面禁止)がたびたび議論の俎上に上げられていたものの、前代表の米澤嘉博の方針により容認されてきた経緯がある。

[編集] 諸事情の理解に乏しい参加者の増加

近年、コミックマーケット特有の事情やルール・マナーをあまり理解しないまま来場する参加者(いわゆる「お客様感覚の参加者」)が増加傾向である。企業系イベントとは違い(カタログ等で)注意事項が周知徹底できない故に発生する問題である。

コミックマーケットでは、全ての参加者は対等の立場であるとされる。このため一般参加者であってもルールとマナー、諸注意事項を理解して参加するというような事前準備が必要があり、毎回発行されるカタログ上で呼びかけられる。しかしながらインターネット上のコミュニティが発達し、またコミックマーケット自体も社会認知度が高まるにつれ、雑誌やインターネット上の掲示板等の情報だけを頼りに来場する参加者が増えてきており、他の参加者やスタッフ等とのトラブルに発展するようになってきた。下記は一例である。

  • 夏コミに、必要な暑さ対策(帽子・日焼け止め・水分)を準備せずに来場し、炎天下に数時間並んだ挙句、入場直前に熱中症で倒れる(数時間並ぶという心構えを予めもつ必要がある)
(冬コミも同様に、必要な防寒対策をせずに来場した挙句、列移動の際に体調を崩し動けなくなる)
  • 長蛇の列や長期の待ち時間に戸惑い、客感覚でスタッフや企業・サークル参加者に「店長を出せ!」と不満を漏らす
(待機が長時間になることは、コミックマーケットでは至極一般的である。また理念上「お客様」も「店員」もおらず、共に対等な参加者のはずであるが、会場には(カタログ購入等の)受付無く自由に入場できるため同様のトラブルは後を絶たない)

これらの問題は準備会にとって、当人だけでなく『「コミケットはしんどいところなのだ」』と準備会がうまくアピールできていないのも一因と示唆している。「コミックマーケット74アフターレポート」 2008年現在、カタログが早期完売する傾向にあり、場合によっては注意事項を読む手段がなくなる場合もあることから、2008年夏のC74からは公式サイト上にも注意事項やマンガレポートを掲載するよう改めた。


[編集] 出品物に関する問題

[編集] 参加者の低年齢化に伴う影響と成年向け同人誌の氾濫

2000年代に入ると、一般参加者としての児童・生徒の参加が増加している。その上、コミックマーケットや各同人誌即売会では成年向けの本と一般向けの本の売り場が厳密に区別されていない[13]ため必然的に成年向け同人誌を目にする機会が多くなり、通常の書店よりも購入が容易になるという問題が発生している。このため、同人誌即売会においてはこのような性描写の氾濫が最も問題視されている(「性描写の問題」と「パロディによる著作権の問題」は本質的には別の問題であるが、同列のものとして混在される傾向がある。後述の「東京都や警察庁の表現規制方針」も参照されたい)。

また、混雑に伴う劣悪な環境に耐えられないとして子連れ参加や、小さな子供の参加は望ましくないとする声も聞かれる[要出典]

[編集] 東京都や警察庁の表現規制方針

コミックマーケットは先に記載の通り多種多様な同人活動の愛好家の交流の場であり、法や倫理に触れない限り「表現の自由」を何より重んじている。しかし2000年以降、青少年の健全育成を目的として著作物・創作物の(主に性的表現に対する)表現規制が強く主張されるようになってきた。

2006年現在、東京都の方針に対してコミックマーケット運営側からは具体的な声明や方針は出されていない。しかし表現規制そのものがコミックマーケットの理念と相反するため、自らコミケスタッフでありかかわりの深い弁護士である山口貴士はコミケカタログに「児童ポルノ規制が同人界に悪影響を及ぼす」との声明を出したりコミケ会場で東京都青少年の健全な育成に関する条例改正に反対する署名が集められている。また、現状でも限られた会場の制約や犯罪・テロ対策などから徐々にではあるがコミックマーケットの規制は増やされている。

また、警察庁に関しては2006年4月にバーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会が設置され同年12月公表の最終報告でも同人誌や同人ソフトが倫理審査を受けていないことに対する問題提起がなされており、この点に関しては拡大準備集会で主催者側から今後の動向を注視する趣旨の見解が示されている。

[編集] 二次創作物とコミックマーケットに対する著作権者の姿勢

コミックマーケットは同人作品の発表・頒布の場であるが、現実を見る限りでは既存の著作物を利用しての二次創作によるものがかなりの割合を占め、その内容も非常に多岐に渡る。また人気作品では二次創作の作品数は膨大になり、販売される量についても、同人側の作者の知名度や人気にもよるが、コミケットで同人作品を大規模に販売する事によって同人活動の費用はもとより自身やスタッフの生活費までをも稼ぎ出す、俗に「プロ同人」などと称される者たちが近年では多数現れる程の金額規模となっている。

その一方で、二次創作で制作されるものの中には性描写・残酷表現などが主眼となっている物も少なからず見られるが、この様な作品は元ネタとされた作品の内容次第[14]では著作権者側にとって、同人誌の内容が甚だ不本意なものである場合も見られ、同人誌はもとより、これらが頒布される事の多いコミケットそのものまでもが問題視される事も少なくない[15]。また、そもそもの部分で、著作物と同人作品として頒布される二次創作物の関係については、現在に至るまであえて曖昧なままにされている部分も少なからず存在する。

これらの事から、二次創作の同人作品とその元ネタとされた作品の間で発生する著作権を巡る諸問題、特に著作権を所有・管理する企業との関係は、同人作品を制作したサークルの自己責任、あるいはサークルと著作権者の個々の問題として単純に片づける事ができる状況ではなくなっているケースも見られ、コミケット自体にとってもデリケートな問題の一つになっている。

準備会も漫然と放置しているわけではなく、過去には広報誌「COMIKET PRESS」で特集したり、著作権についてシンポジウムを開いて漫画批評家夏目房之介らを招いての討論イベントも実施している[16]

現状ではロゴ模写など完全に禁止されたものもあるが、それ以外は一次創作物の丸写し[17]でもない限り、二次創作であることを理由とした規制はコミケットでは一切行われていない。

[編集] 出典・脚注

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  1. ^ a b 「コミックマーケット74アフターレポート」 『コミックマーケット75カタログ』 2008年、1192-1194頁
  2. ^ 「MRまんがレポート74」 『コミックマーケット75カタログ』、2008年、1231頁
  3. ^ 「入場時の注意」 『コミックマーケット75カタログ』、2008年、7頁
  4. ^ 「不審物対応について」 『コミックマーケット75カタログ』、2008年、10頁
  5. ^ ゆりかもめはAGTであるが、これは中量輸送機関に分類される。
  6. ^ 主要なものではフジテレビが夏に開催するお台場冒険王(2009年からはお台場合衆国)、冬開催のホットファンタジー☆お台場など
  7. ^ 1999年は冬コミ開催が12月24日12月26日のため重複しなかったが、代わりに有馬記念と重複。2008年冬コミは有馬記念及び東京大賞典の両方と重複している。
  8. ^ a b コミックマーケットカタログ74 諸注意ページ(PDF) の9ページ目参照。(PDFファイル容量が9.2MBあるので注意)
  9. ^ a b 「徹夜の禁止について」 『コミックマーケット75カタログ』 2008年、9頁
  10. ^ 毎回、徹夜組を含む一般入場が始まる前に延べ数百人レベルの列ができている。
  11. ^ 「コミックマーケット72出展サークル専用通行証・サークル駐車券のネットオークションへの出品について」においても出品の禁止を呼びかけており、またYahoo! オークションにおいてもサークルチケットの出品は違反であるとする報告も多数寄せられている。しかしながらYahoo!オークションに対する同種の訴えはC73C74においても行われたが、Yahoo!オークション側は一貫して非協力的な姿勢しか示しておらず、有効な策が講じられていない(ある程度の報告が寄せられれば出品を取り消されることはあるが、多くの場合、取り消される前に落札されてしまう)。
  12. ^ Yahoo!オークションの特別ルールで、興行チケットを出品する際「チケットの公演タイトル、開催日時が判別できるよう、原則としてチケットの現物写真を掲載するか、公演タイトル、開催日時および座席番号を商品説明に明示すること」とされているが、サークルチケットでこれを適用すれば即座に個人情報が特定されるため、この規定が守られていない。
  13. ^ 同人誌全てが卑猥かつ反社会的なものとは限らないという前提からコミックとらのあなメロンブックスのような大手同人ショップの店舗で販売する場合、成年向けと一般向けを明確に区別し成年向け同人誌が少しでも児童から隔離されるよう、多少なりとも配慮や工夫がなされていることもある。
  14. ^ 例えば、テレビアニメ化されたが本来は児童文学である作品など。
  15. ^ 1990年代にはいわゆる「美少年アニメ」のキャラクターを題材にしたやおい同人誌や、これを収録したノーライセンスのアンソロジー本の氾濫が、アニメ制作プロダクションの二次創作に対する姿勢に影響を及ぼした事もある。コミックマーケット#晴海(3期)を参照。
  16. ^ 米澤嘉博編『マンガと著作権―パロディと引用と同人誌と』2001年8月 コミケット ISBN 4883790894
  17. ^ 一例として、一次創作物のコマを切り貼りして台詞を書き換えたMAD作品などが挙げられる。