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| 属 = [[ゴキブリ属]] ''[[:w: Periplaneta | Periplaneta]]''
| 属 = [[ゴキブリ属]] ''[[:w: Periplaneta | Periplaneta]]''
| 種 = '''クロゴキブリ'''<br> ''P. fuliginosa''
| 種 = '''クロゴキブリ'''<br> ''P. fuliginosa''
| 学名 = ''Periplaneta fuliginosa'' <br/>Serville, 1839
| 学名 = ''Periplaneta fuliginosa'' <br/>Serville, 1838[1839]<ref>[https://www.gbif.org/ja/species/2000167 Periplaneta fuliginosa Serville, 1838]GBIF(地球規模生物多様性情報機構)、2023年2月23日閲覧。</ref>
| 和名 = クロゴキブリ{{efn|[[矢野宗幹]]が1906年に発表した「ゴキブリ類に就きて(上・下)」では学名未詳の'''ムネビロゴキブリ'''とされている。[[名和靖]]が1903年に発表した「ゴキブリの分布について(昆虫に関する随感随想第三回)」には'''ムナビロゴキブリ'''とあり、矢野 (1906)の和名はこれに由来するものとみられる<ref>{{Cite journal |和書 |author=朝比奈正二郎 |title=日本におけるゴキブリ類の研究の記録補遺 |journal=衛生動物 |volume=15 |issue=3 |publisher=日本衛生動物学会 |date=1964 |pages=205-207 |doi=10.7601/mez.15.205 }}</ref>。}}
| 和名 = クロゴキブリ
| 英名 = [[:en:Smokybrown cockroach|Smoky-brown cockroach]]
| シノニム = Periplaneta picea Shiraki, 1906<ref>[http://cockroach.speciesfile.org/Common/basic/Taxa.aspx?TaxonNameID=1178920 synonym Periplaneta picea Shiraki, 1906]Beccaloni, G. W., Cockroach Species File Online (Version 5.0/5.0). 2023年2月23日閲覧。</ref><br/>Periplaneta emarginata Karny, 1908<ref>[http://cockroach.speciesfile.org/Common/basic/Taxa.aspx?TaxonNameID=1178921 synonym Periplaneta emarginata Karny, 1908]Beccaloni, G. W., Cockroach Species File Online (Version 5.0/5.0). 2023年2月23日閲覧。</ref><br/>Periplaneta filchnerae Karny, 1908<ref>[http://cockroach.speciesfile.org/Common/basic/Taxa.aspx?TaxonNameID=1178922 synonym Periplaneta filchnerae Karny, 1908]Beccaloni, G. W., Cockroach Species File Online (Version 5.0/5.0). 2023年2月23日閲覧。</ref>
}}
}}
'''クロゴキブリ'''(黒蜚蠊、[[学名]]:''Periplaneta fuliginosa'')は、[[ゴキブリ目]][[ゴキブリ科]]に属する[[昆虫]]の一種である<ref name=britannica>[http://kotobank.jp/word/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B4%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%AA クロゴキブリ Blattella germanica] [[ブリタニカ国際大百科事典]]小項目事典</ref>。屋内に生息するゴキブリとして代表的かつ著名。
'''クロゴキブリ'''(黒蜚蠊、[[学名]]:''Periplaneta fuliginosa'')は、[[ゴキブリ目]][[ゴキブリ科]]に属する[[昆虫]]の一種である<ref name=britannica>[http://kotobank.jp/word/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B4%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%AA クロゴキブリ Blattella germanica] [[ブリタニカ国際大百科事典]]小項目事典</ref>。屋内に生息するゴキブリとして代表的かつ著名。

学名のPeriplaneta fuliginosa(ペリプラネタ・フリギノーサ)は[[ラテン語]]で「地球上のどこにでもいる黒いやつ」という意味がある<ref>[https://www.tanisake.co.jp/column/gokiburi/post19.html ワイの本名教えたろ!]ゴキブリキャップの株式会社 タニサケ、2023年2月23日閲覧。</ref><ref>[https://encount.press/archives/314388/ ゴキブリ、名前の由来は? 昆虫博士が教える意外なルーツと最強の撃退法]ENCOUNT、2022年5月28日。2023年2月23日閲覧。</ref>。


== 形態 ==
== 形態 ==
=== 卵・幼虫 ===
体長25-30mm。体は扁平で、体色は黒褐色で光沢がある。翅は大きく飛翔することができる。[[日本]]の[[関東地方]]から[[奄美大島]]まで、[[台湾]]、[[中国]]でみられる<ref name=britannica/>。
[[ファイル:Egg-case of Cockroach on the wall - 2.jpg|thumb|135px|クロゴキブリの卵鞘]]
[[ファイル:Larva of Periplaneta fuliginosa - 2.jpg|thumb|135px|クロゴキブリの幼虫]]
卵は長財布やがま口様と形容される小豆色のカプセル([[卵鞘]])に数十個含まれる<ref name="愛知県" /><ref name="BSIpp39-40">[https://bsikagaku.jp/insect/cockroach.pdf 第1章.ゴキブリ]pp.39-40. BSI生物科学研究所「[https://bsikagaku.jp/insect.html 衛生昆虫の微細構造]」洗幸夫、2013年。2023年2月23日閲覧。</ref>。これは産卵する雌の卵巣の附属腺から卵本体を覆うようにして分泌された粘液が乾燥したものであり、乾燥などの天敵から保護する役割を担う<ref name="BSIpp39-40" />。卵鞘の大きさは体長に比例する<ref name="BSIpp39-40" />。

卵本体は[[バナナ]]のような形をしていて白く、弾力性を有する<ref name="BSIpp39-40" />。この弾力性はコリオニンという[[タンパク質]]を主成分とする卵殻由来のもので、卵殻は卵を保護するには薄すぎて適しない<ref name="BSIpp39-40" />。卵本体の大きさは0.8-1.2 × 2.5-3.5 mm<ref name="BSIpp39-40" />。

本種含むゴキブリは[[不完全変態]]であり、卵から孵化した幼虫は脱皮を繰り返して羽化したのち成虫へと成長していく<ref name="BSIp2">[https://bsikagaku.jp/insect/cockroach.pdf 第1章.ゴキブリ]p.2. BSI生物科学研究所「[https://bsikagaku.jp/insect.html 衛生昆虫の微細構造]」洗幸夫、2013年。2023年2月23日閲覧。</ref>。

孵化して間もない幼虫は白く透明で柔らかく、成長すると表皮クチクラ層が空気中の酸素に触れて固くなっていき、固有色を帯び、1時間から2時間ほどして活発に活動するようになる<ref name="BSIpp39-40" />。1齢・2齢幼虫は黒い背面に白い筋が横に2本入り、3齢以降はこの筋がぼやけていき、また体色が黒から黒褐色へ変化していく<ref name="ペストロジー35-1">{{Cite journal |和書 |author=辻英明 |title=頭幅測定以外のクロゴキブリ幼虫齢期判定例 |journal=ペストロジー学会誌 |volume=35 |issue=1 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2020 |pages=15-17 |doi=10.24486/pestology.35.1_15 }}</ref>。老齢幼虫は全体的に赤褐色<ref name="帝京短大紀要5" />。通常8齢が終齢幼虫で、幼虫の齢期判定は頭幅測定によるものが一般的だが、前胸背の幅を比較したり斑紋などの形態から簡易的に判断することもできる<ref name="ペストロジー35-1" />。

幼虫は成虫と比べて雌雄を区別することは困難であるが、1齢幼虫の雌には第9腹板後縁中央部にV字の深い刻み目が見られ、この点で区別可能<ref name="衛生動物23-3" />。以降の齢期の幼虫も腹板の形態変化などで区別をつけることができる<ref name="衛生動物23-3">{{Cite journal |和書 |author=斎藤一三 |author2=林滋生 |title=クロゴキブリ幼虫期の雌雄判別 |journal=衛生動物 |volume=23 |issue=3 |publisher=日本衛生動物学会 |date=1973 |pages=181-184 |doi=10.7601/mez.23.181 }}</ref>。成虫は尾刺突起の有無で雌雄判別されるが、若齢幼虫は雌雄ともにこの突起物を持つ<ref name="BSIp23" />。雌は成長に従って尾刺突起が退化して消えていく<ref name="BSIp23" />。

=== 成虫 ===
体長25-40 mm<ref name=yamano />(25-30 mm<ref name="生活衛生25-1" />、25-35 mm<ref name="帝京短大紀要5">[https://www.teikyo-jc.ac.jp/app/wp-content/uploads/2018/08/journal1982_1-32.pdf ゴキブリ類の分類,生理,生態と駆除.]pp.28-29. 帝京短大紀要(5):1-32. 大森南三郎、1982年。2023年2月24日閲覧。</ref>)で、雄は25 mm内外もしくは25-30 mm、雌は25-30 mm内外もしくは23-25 mm<ref name="愛知県" /><ref name="BSIp1" />。[[ワモンゴキブリ]]や[[ヤマトゴキブリ]]と同様、雄成虫には第9腹板の先端に尾刺突起が1対みられ、雌成虫にはこれがないことから、この突起物の有無で雌雄を判別できる<ref name="BSIp23">[https://bsikagaku.jp/insect/cockroach.pdf 第1章.ゴキブリ]p.23. BSI生物科学研究所「[https://bsikagaku.jp/insect.html 衛生昆虫の微細構造]」洗幸夫、2013年。2023年2月23日閲覧。</ref>。

前胸背面も表面も平滑で<ref name="帝京短大紀要5" />、体色は黒褐色-茶褐色-濃栗色、強い光沢を持つ<ref name="生活衛生25-1" /><ref name="愛知県" /><ref name="BSIp1">[https://bsikagaku.jp/insect/cockroach.pdf 第1章.ゴキブリ]p.1. BSI生物科学研究所「[https://bsikagaku.jp/insect.html 衛生昆虫の微細構造]」洗幸夫、2013年。2023年2月23日閲覧。</ref>。雌雄いずれも翅が発達し、触覚も発達していて体より若干長い<ref name="生活衛生25-1" />。

大顎は食べ物を咀嚼する役割を担い、強固に発達していて噛み砕く能力に優れる。その力は紙を噛んで破り、プラスチックやアルミ板にも跡を残せるほどである<ref>[https://bsikagaku.jp/insect/cockroach.pdf 第1章.ゴキブリ]p.15. BSI生物科学研究所「[https://bsikagaku.jp/insect.html 衛生昆虫の微細構造]」洗幸夫、2013年。2023年2月23日閲覧。</ref>。

垂直な壁でも縦横無尽に動くことができるが、これは脚の爪の間にある板状の爪間盤を床面にひっかけ、粘着物質に覆われた板状の褥盤を使い分けつつ吸着能力を高めることで実現している<ref>{{Cite journal |和書 |author=越前太智 |author2=篠田睦生 |author3=畑中拓 |author4=奥田真奈 |author5=橋本眞子 |author6=棚倉有紀 |author7=岩田真菜佳 |author8=寶谷舞 |author9=藤井陽菜子 |title=クロゴキブリの脚の褥盤の役割の解明 |journal=化学と生物 |volume= 55 |issue=9 |publisher=日本農芸化学会 |date=2017 |pages=651-653 |doi=10.1271/kagakutoseibutsu.55.651 }}</ref>。

[[チャバネゴキブリ]]と違って飛翔能力があり、垂直面から1メートルほど上昇して約20秒飛翔したとの報告例がある<ref>{{Cite journal |和書 |author=辻英明 |title=クロゴキブリの自発飛翔 |journal=環動昆 |volume=14 |issue=1 |publisher=日本環境動物昆虫学会 |date=2002 |pages=47-48 |doi=10.11257/jjeez.14.47 }}</ref>。また上から下への滑空も観察される<ref name="ゴキラボ1">[https://goki.jp/ecology/8721/ 【実験】飛ぶ?泳ぐ?酔っぱらう?ゴキブリの身体能力をアース製薬・研究所で検証]ゴキラボ、2021年3月2日。2023年2月24日閲覧。</ref>。

体表や気門は撥水性で、かつ体重が軽いことから、水上に浮かぶことができる<ref name="ゴキラボ1" />。また、成虫幼虫問わずある程度の潜水能力を持ち、水をくぐれることがチャバネゴキブリと同様に証明されている<ref>[https://goki.jp/trivia/251/ ゴキブリQ&A・飛ぶ?泳げる?なぜ速い?沖縄のGは大きい?]ゴキラボ、2021年3月2日。2023年2月24日閲覧。</ref>。ただし、長時間泳いだり、進む方向を決めることはできず、潜水は必要に迫られてとる行動と考えられる<ref name="ゴキラボ1" />。

フンは直径1-3 mmの楕円形〜円形で、茶色に近い黒の顆粒状。外見はチャバネゴキブリのフンとほとんど同じだが、刺激臭を放つチャバネゴキブリのフンとは対照的に本種のフンは無臭である<ref>[https://kurashio.co.jp/%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e6%90%8d%e3%81%af%e3%81%aa%e3%81%84%e2%9d%a2/%e3%82%b4%e3%82%ad%e3%83%96%e3%83%aa%e3%81%ae%e3%81%b5%e3%82%93/ ゴキブリのふん]クラシオ、2019年11月22日。2023年2月24日閲覧。</ref>。他の個体をおびき寄せる集合フェロモンが含まれる点は共通している<ref>[https://www.pref.saitama.lg.jp/b0714/eiseigaityu/goki.html ゴキブリのなかま]埼玉県、2021年12月14日。2023年2月24日閲覧。</ref>。顆粒状のフンのほか、水分が十分与えられている環境下では粘性や流動性を持つフンを排便することがあり、このフンがパッケージに付着するなどの汚染害をもたらすことがある<ref>{{Cite journal |和書 |author=渡辺泰弘 |author2=田原雄一郎 |title=クロゴキブリの餌の色と糞の色との関係 |journal=ペストロジー学会誌 |volume=19 |issue=1 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2004 |pages=21-24 |doi=10.24486/pestologygakkaishi.19.1_21 }}</ref><ref>{{Cite journal |和書 |author=高橋知代 |author2=久志本彩子 |author3=田原雄一郎 |title=ゴキブリの糞の形状 一家住性ゴキブリ成虫5種の糞の形状と特徴一 |journal=ペストロジー |volume=20 |issue=1 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2005 |pages=15-18 |doi=10.24486/pestology.20.1_15 }}</ref>。

== 分布 ==
[[日本]](主に[[本州]]中部以南、[[四国]]、[[九州]]<ref name="熊本大学">[https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2015-file/release160208-2.pdf 縄文時代のゴキブリの卵を発見!]熊本大学、2016年2月8日。2023年2月23日閲覧。</ref>)、[[台湾]]、[[中国]]、[[朝鮮半島]]、[[ユーラシア大陸]]([[ロシア]])、[[南アメリカ大陸]]([[ブラジル]])、[[アメリカ合衆国]]など、世界中に分布する<ref>[http://cockroach.speciesfile.org/Common/basic/Taxa.aspx?TaxonNameID=1178919 species Periplaneta fuliginosa Serville, 1838]Beccaloni, G. W., Cockroach Species File Online (Version 5.0/5.0). 2023年2月23日閲覧。</ref><ref name="愛知県">[https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/gairai/search/pdf/74_2021.pdf クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa (Serville, 1839)]愛知県「[https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/gairai/handbook/ 愛知県の外来種 ブルーデータブックあいち2021]」p.74. 2023年2月23日閲覧。</ref>。

=== 日本 ===
本種は日本在来の昆虫ではなく、原産地を[[中国]]南部とする外来種で<ref name="熊本大学" />、[[江戸時代]]に同地から日本へ侵入してきたと考えられていた<ref name="熊本大学2">[https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2022-file/release22907.pdf 縄文時代(5000年前)に成立していた現代日本のゴキブリの棲み分け 一縄文土器に残る卵鞘圧痕の研究からわかったこと一]熊本大学、2022年9月7日。2023年2月23日閲覧。</ref>。しかし、2016年に[[宮崎市]]田野町の[[本野原遺跡]]から発掘された縄文時代後期の約4300年前の土器にクロゴキブリのものと類推される卵鞘の痕が発見され<ref>{{Cite web|url=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO04024910U6A620C1000000|title=国内のゴキブリの起源か 縄文土器から「第2の発掘」|website=NIKKEI STYLE|date=2016-06-28|accessdate=2020-08-15|publisher=日本経済新聞・日経BP}}</ref><ref name="熊本大学" />、その後2022年に[[宮崎県]][[えびの市]]の上田代遺跡、[[鹿児島県]][[鹿屋市]]の小牧遺跡から発掘された縄文土器からも同様の圧痕が検出された<ref name="熊本大学2" />。

従来は[[18世紀]]頃に大阪の[[堺市|堺]]の港を通じて上陸し定着したものとされていたが<ref name="熊本大学" />、こうした発見により、本種は縄文時代の時点で日本に生息していた在来種だとされている<ref name="熊本大学2" />。

時代が下るにつれて日本国内で生息域を拡大していき、1950年代時点では分布は東京以南とされていた<ref>{{Cite journal |和書 |author=原淳 |title= 衛生害虫としてのゴキブリ|journal=順天堂医学 |volume=2 |issue=4 |publisher=順天堂医学会 |date=1956 |pages=230-238 |doi=10.14789/pjmj.2.230 }}</ref>のが、1960年代時点で[[東北地方]]の都市で確認され<ref>{{Cite journal |和書 |author=朝比奈正二郎 |title=特異な食品害虫類について |journal=食品衛生学雑誌 |volume=3 |issue=1 |publisher=日本食品衛生学会 |date=1962 |pages=17-20 |doi=10.3358/shokueishi.3.17 }}</ref>、1976年には[[北海道]]で暖房設備が整った建物内からの発見・採集が記録されている<ref>{{Cite journal |和書 |author=青山修三 |author2=青山達哉 |author3=間瀬信継 |author4=佐々木均 |title=札幌市におけるヤマトゴキブリの初記録 |journal=衛生動物 |volume=64 |issue=4 |publisher=日本衛生動物学会 |date=2013 |pages=219-222 |doi=10.7601/mez.64.219 }}</ref>。現在は北海道から沖縄諸島に至るまで分布している<ref name="愛知県" />。


== 生態 ==
== 生態 ==
[[本州]]中部の場合、一般に5-7月に[[羽化]]し、5-10月に[[産卵]]を続ける。[[卵鞘]]には22-26個の卵が入っており、27℃では41日で孵化する。[[孵化]]後300-350日後に[[成虫]]になるものが多く、成虫は25℃で200日前後生存する。雌成虫は一生で20-30個の卵鞘を産む<ref name=yamano>{{PDFlink|[http://www.bunchuken.or.jp/wp-bunchuken/wp-content/uploads/2013/02/62_7.pdf 山野勝次「昆虫学講座 第5回 ゴキブリ目」]}}『文化財の虫菌害』62号、2011年12月、pp.32-33</ref>。
活動期は5月から10月で<ref name="semco">[https://www.semco.net/products/pest/pest-roach.html#t1 クロゴキブリ - Periplaneta fuliginosa -]環境機器株式会社。2023年2月24日閲覧。</ref>、夜間観察においては7月から10月に多く見られたとの報告がある<ref name="ペストロジー18-2">{{Cite journal |和書 |author=中野敬一 |title=都市屋外のゴキブリ生息調査 一Ⅳ 屋外公共施設におけるゴキブリ相と季節消長一 |journal=ペストロジー学会誌 |volume=18 |issue=2 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2003 |pages=85-90 |doi=10.24486/pestologygakkaishi.18.2_85 }}</ref>。[[本州]]中部の場合、一般に5-7月に[[羽化]]し、5-10月に[[産卵]]を続ける<ref name=yamano />。[[卵鞘]]には22-26個の卵が入っており、27℃では41日で孵化する<ref name=yamano />{{Efn|9月中旬以降に産み付けられた卵はこの状態で越冬休眠し、翌年5月から6月に孵化することになる<ref name="ゴキラボ3" />。}}。[[孵化]]後の幼虫は7回から8回ほど脱皮を重ね<ref name="BSIp2" />、300-350日かけて[[成虫]]になるものが多く、成虫は25℃で200日前後生存する<ref name=yamano>{{PDFlink|[http://www.bunchuken.or.jp/wp-bunchuken/wp-content/uploads/2013/02/62_7.pdf 山野勝次「昆虫学講座 第5回 ゴキブリ目」]}}『文化財の虫菌害』62号、2011年12月、pp.32-33</ref>。卵や幼虫は越冬休眠可能で、卵鞘、大型幼虫、小〜中型幼虫のいずれかの段階で休眠を挟む<ref name="ゴキラボ2" />。成虫になるまでに1年から2年半かかることもあり、卵から成虫を通した寿命は越冬休眠の回数などの条件次第で3年を超える可能性がある<ref name="ゴキラボ2">[https://goki.jp/ecology/22/ ゴキブリを知る!クロゴキブリ(成虫)の体の構造・寿命・活動時間・隠れ場所]ゴキラボ(辻英明監修)、2021年8月19日。2023年2月24日閲覧。</ref>。1センチほどの隙間を好む<ref name="semco" />。

ゴキブリは共通して1度の交尾で一生分の卵を産むことができる。求愛行動では、雄が翅を広げて性フェロモンの分泌液をまとった腹部背面をさらし、雌がその分泌液を舐めとる。雄は雌の動きが鈍いうちに交尾に乗じる<ref>[https://goki.jp/ecology/239/ 1匹いたら100匹いる?ゴキブリのやばい繁殖力!まさかの単為生殖も]ゴキラボ(辻英明監修)、2021年8月17日。2023年2月25日閲覧。</ref>。

雌成虫は卵鞘を3日から4日(または2日前後<ref name="ゴキラボ3">[https://goki.jp/ecology/26/ 【写真】ゴキブリの卵の特徴を解説!死ぬときに卵を生む?どこに産卵する?]ゴキラボ(辻英明監修)、2021年8月26日。2023年2月24日閲覧。</ref>)ほど保持し、適切な場所を見つけて唾液で器物に貼り付ける。このようにして生涯で10回<ref name="ゴキラボ3" />から20回程度の産卵を行う<ref name="生活衛生25-1">{{Cite journal |和書 |author=米本申一 |title=調理場における衛生動物について |journal=生活衛生 |volume=25 |issue=1 |publisher=大阪生活衛生協会 |date=1981 |pages=4-15 |doi=10.11468/seikatsueisei1957.25.4 }}</ref>。1卵鞘あたりの卵数は個体差が大きく、1214個の卵鞘を観察したところによれば、卵数は1卵鞘あたり12個から31個の範囲をとり、平均は23.1個、一番多く見られたのは卵数25個の卵鞘で17.6%を占めた<ref name="ペストロジー18-1">{{Cite journal |和書 |author=斎藤一三 |title=クロゴキブリ卵鞘ごとの孵化幼虫の雌雄比 |journal=ペストロジー学会誌 |volume=18 |issue=1 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2003 |pages=45-47 |doi=10.24486/pestologygakkaishi.18.1_45 }}</ref>。孵化率は88.4%で、雌雄比はほぼ等しい<ref name="ペストロジー18-1" />。孵化幼虫数は平均19匹<ref name="ゴキラボ3" />。

基本的に屋外にコロニーを作るが、水気のあるところであれば屋内でもコロニーを作ることがある<ref name="日本防疫">[https://www.nihonboueki.co.jp/contents/dictionary/detail/kurogokiburi/ クロゴキブリの駆除方法と効果的な対策]日本防疫。2023年2月25日閲覧。</ref>。家住性を持つゴキブリとしては他に[[チャバネゴキブリ]]や[[ヤマトゴキブリ]]がいるが、住処とする建造物はそれぞれ異なり、チャバネゴキブリはビルや飲食店、ヤマトゴキブリは民家や農家、本種クロゴキブリはアパートや民家に住み着く傾向にある<ref>{{Cite journal |和書 |author=緒方一喜 |author2=田中生男 |author3=小川智儀 |title=ゴキブリのすみつき要因に関する研究 : 第1報 家住性ゴキブリのすみわけ実態調査成績 |journal=衛生動物 |volume=26 |issue=4 |publisher=日本衛生動物学会 |date=1975 |pages=241-245 |doi=10.7601/mez.26.241 }}</ref>。一方で、北米中南部では野外性が強い種と報告されている<ref name="ペストロジー18-2" />。

比較的耐寒性に優れるが、低温下、また高温下であっても屋外活動が鈍ることが示唆されている<ref>{{Cite journal |和書 |author=坂下琢治 |title=ゴキブリ類の家屋周辺における捕獲状況 |journal=ペストロジー学会誌 |volume=17 |issue=2 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2002 |pages=69-79 |doi=10.24486/pestologygakkaishi.17.2_69 }}</ref>。[[摂氏]]18度以下で活動的でなくなり、16度前後で発育が停止するとされる一方、10度条件下でもわずかな摂食行動が確認されている<ref name="都市有害生物管理6-1">{{Cite journal |和書 |author=木村悟朗 |author2=谷川力 |title=厳冬期と早春の路上で確認されたクロゴキブリの死亡個体 |journal=都市有害生物管理 |volume=6 |issue=1 |publisher=都市有害生物管理学会 |date=2016 |pages=39-41 |doi=10.34348/urbanpest.6.1_39 }}</ref>。成虫は幼虫と比べて耐寒性に劣り、越冬できないとする報告がある<ref>[https://goki.jp/ecology/9773 ゴキブリは冬に死ぬはウソ!どこから侵入?どこにいる?どう対策すればいい?]ゴキラボ(辻英明監修)、2021年10月15日。2023年2月24日閲覧。</ref><ref name="都市有害生物管理6-1" />。1齢幼虫を除く幼虫・成虫同士は別居性・排他性を示すが、低温下では逆転して同居性・集合性を示す<ref name="ペストロジー18-2" /><ref>{{Cite journal |和書 |author=大野茂紀 |author2=辻英明 |title=温度によるゴキブリ4種の潜伏行動の変化|journal=衛生動物 |volume=25 |issue=1 |publisher=日本衛生動物学会 |date=1974 |pages=95-98 |doi=10.7601/mez.25.95 }}</ref><ref name="環動昆3-1" />。


=== 食性 ===
[[雑食]]性。各種食品、木材、[[パルプ]]、皮革など、食害対象は広範である。これらの消化は腸内バクテリアによって実現されており、35℃を超える高温環境におかれ続けるとそれらバクテリアが死滅し、消化機能不全により本種は死亡する。
[[食塩]]や[[ハーブ]]という例外はあるが[[雑食]]性であり、ペットフード、残飯、ビール、野菜、魚介類、肉類、人髪、埃、油、未成熟の[[銀杏]]、ミミズの死骸、樹液、鳥のフン、キノコ、[[ナメクジ]]の粘液に至るまで、食餌対象は広範にわたる<ref>[https://www.earth.jp/gaichu/wisdom/gokiburi/article_001.html 人類の敵ゴキブリにも、苦手なものがある!?][[アース製薬]]、2017年5月18日。2023年2月24日閲覧。</ref><ref>{{Cite journal |和書 |author=中野敬一 |title=都市屋外のゴキブリ生息調査Ⅲ一都市公園におけるゴキブリ夜間観察一 |journal=ペストロジー学会誌 |volume=17 |issue=1 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2002 |pages=21-28 |doi=10.24486/pestologygakkaishi.17.1_21 }}</ref>。生物分解性緩衝材と水のみで十分成長するとする報告がある<ref>{{Cite journal |和書 |author=高橋知代 |author2=久志本彩子 |author3=小長谷貴昭 |author4=田原雄一郎 |title=家住性ゴキブリの餌となる生物分解性梱包緩衝材 |journal=ペストロジー |volume=21 |issue=1 |publisher=日本ペストロジー学会 |date=2006 |pages=1-4 |doi=10.24486/pestology.21.1_1 }}</ref>。餌がない環境では[[共食い]]することが観察されている<ref>[https://az.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_view_main_item_detail&item_id=5420&item_no=1&page_id=13&block_id=17 ゴキブリにおける線虫感染に関する研究]pp.23-24. 小林益子、2021年。麻布大学学術情報リポジトリ。2023年2月24日閲覧。</ref>。


体内に共生する微生物のおかげで貧しい食環境でも生活でき<ref>[https://az.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_view_main_item_detail&item_id=5420&item_no=1&page_id=13&block_id=17 ゴキブリにおける線虫感染に関する研究]pp.22-23. 小林益子、2021年。麻布大学学術情報リポジトリ。2023年2月24日閲覧。</ref>、絶食への耐性もある。幼虫は餌・水なしで1ヶ月から2ヶ月程度生存し、成虫も雄と雌とで2倍の違いがあるが、平均1週間は耐える<ref name="ゴキラボ2" />。特に幼虫ほど耐性は強く、77日飲まず食わずで生き残った個体も記録されている<ref name="ゴキラボ2" />。この絶食耐性は高温ほど弱まることが観察されている<ref>{{Cite journal |和書 |author=小山正仁 |author2=柴山淳 |author3=富岡康浩 |title=(10)餌水がない条件におけるクロゴキブリの生存日数(一般講演,日本家屋害虫学会第27回年次大会講演要旨) |journal=家屋害虫 |volume=28 |issue=1 |publisher=家屋害虫研究会 |date=2006 |pages=103 }}{{NDLJP|10507855}}</ref>。
不衛生で湿度の高い環境に好んで棲み、また集合フェロモンで個体間の凝集、接触が盛んである。このため、人の健康上有害な物質や病原体を媒介する[[衛生害虫]]である。また、糞による汚損、汚染ももたらす<ref name=yamano/>。1970年頃までは[[ポリオウイルス]]の媒介者と見なされていたが、[[2000年代]]では否定されている。


=== 天敵 ===
耐寒性が高い。最近では北海道においてもその存在が確認されており、日本に生息する屋内性のゴキブリでは、越冬可能な唯一の種である。天敵は[[アシダカグモ]]・[[カエル]]・[[サトセナガアナバチ|セナガアナバチ]]・[[ムカデ]]などである。
ゴキブリ類を捕食する動物として、[[アシダカグモ]]を始めとするクモ類、[[ネコ]]、[[ネズミ]]、[[ハムスター]]、[[ムカデ]]、[[ゲジ]]、[[ハチ]]、[[アリ]]、[[カマドウマ]]、[[カマキリ]]、[[ヤモリ]]、[[トカゲ]]、[[カエル]]が挙げられる。また、エメラルドゴキブリバチ、ゴキブリヤセバチ、ゴキブリコバチという寄生蜂も存在する<ref>{{Cite journal |和書 |author=高木正洋 |title=ゴキブリの生態 |journal=生活衛生 |volume=29 |issue=2 |publisher=大阪生活衛生協会 |date=1985 |pages=66-78 |doi=10.11468/seikatsueisei1957.29.66 }}</ref><ref>[https://meetsmore.com/services/cockroach-control/media/87509 ゴキブリの天敵10種!ゴキブリを食べる生き物を紹介!ペットにするのはあり?]ミツモアMedia、2022年4月21日。2023年2月24日閲覧。</ref><ref>[https://goki.jp/measures/1634/ ゴキブリの天敵13種!猫・アシダカグモ(軍曹)・ヤモリなど]ゴキラボ、2021年8月9日。2023年2月24日閲覧。</ref>。この他、潰瘍病変が多発するコロニーでの死亡率が高かったとする研究や、ゴキブリウイルスの自然感染によるものと考えられる死亡例も報告されている<ref>{{Cite journal |和書 |author=須藤千春 |author2=川本文彦 |author3=熊田信夫 |title=ゴキブリウイルスに対するクロゴキブリの感受性について |journal=衛生動物 |volume=31 |issue=1 |publisher=日本衛生動物学会 |date=1980 |pages=7-13 |doi=10.7601/mez.31.7 }}</ref>。


== 日本へ経路 ==
== 人間とかかわり ==
下水やゴミ置き場など不潔な場所に多く生息し、人の健康上有害な物質や病原体を媒介する[[衛生害虫]]で、不潔感や不快感を抱かれる[[不快害虫]]でもあり、駆除対象となる<ref name="日本防疫" />。また、糞による汚損、汚染ももたらす<ref name=yamano/>。駆除対象となる一方で、殺虫剤への抵抗性が発達してきていることが問題となっているチャバネゴキブリと異なり、本種や[[ヤマトゴキブリ]]は屋外にも屋内にも交流を持ち、屋外から耐性のない個体が入るというその生態から、殺虫剤への抵抗性はチャバネゴキブリほど問題になっていない(ただし将来抵抗性を持つ可能性はある)<ref name="環動昆3-1">{{Cite journal |和書 |author=辻英明 |title=建築物におけるゴキブリの生態と防除 |journal=環動昆 |volume=3 |issue=1 |publisher=日本環境動物昆虫学会 |date=1991 |pages=32-34 |doi=10.11257/jjeez.3.32 }}</ref>。[[ポリオウイルス]]や[[赤痢アメーバ]]の媒介者となることがあるが、どちらかといえば[[不快害虫]]としての性格が強い<ref name="日本防疫" />{{Efn|一般家庭で出るゴキブリは排水管を移動するなどして付いた[[サルモネラ]]菌などの黴菌を持ち、この個体が食器に這うなどした結果下痢や食中毒の原因となることがある<ref>[https://fumufumunews.jp/articles/-/22921?page=2 【Gの生態#1】ゴキブリが“害虫”と呼ばれるワケ「[[飼育されたGは素手で触っても問題ない」ってほんと!?]fumufumu news([[主婦と生活社]])、2022年8月25日。2023年2月25日閲覧。</ref>。}}。[[喘息]]のアレルゲンとなることがある<ref>{{Cite journal |和書 |author=根本俊和 |author2=青木秀夫 |author3=池愛子 |author4=小林節雄 |title=ゴキブリ喘息の1例 |journal=アレルギー |volume=22 |issue=10 |publisher=日本アレルギー学会 |date=1973 |pages=635-639,659 |doi=10-15036/arerugi.22.635 }}</ref>。
本種は日本在来の昆虫ではなく、人類の海上移動に伴い侵入してきた[[外来種]]である。原産地は[[中国]]南部であるとする説が有力。


このようにネガティブなイメージが持たれる本種だが、動物園などの企画展やふれあいコーナーで展示されることがいくらかあり<ref>[https://eee-plan.com/event/28413 閲覧注意!ゴキブリ展G(グレート) 世界中の厳選されたゴキブリたちが大集結!]イープラン(eee-plan)、2019年2月7日。2023年2月25日閲覧。</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20220124235111/https://www.city.sapporo.jp/zoo/siiku/2004musi/2004worm_top.html 「毒蟲たちの怪奇な世界」展示ライブラリ][[札幌市円山動物園]]、2015年9月12日。2022年1月24日アーカイブ。2023年2月25日閲覧。</ref><ref>{{Cite journal |和書 |author=坂本昇 |author2=野本康太 |title=企画展「ごきぶり」開催報告 |journal=伊丹市昆虫館研究報告 |volume=4 |issue= |publisher=伊丹市昆虫館 |date=2016 |pages=23-33 |doi=10.34335/itakon.4.0_23 }}</ref><ref>[https://www.asahi.com/sp/articles/ASPCQ6V3TPBWUTIL00Z.html ゴキブリ、意外とかわいい? 足立区生物園で企画展]朝日新聞デジタル、2021年11月23日。2023年2月25日閲覧。</ref>、[[群馬県立自然史博物館]]のように所蔵する施設もある<ref>[http://www.gmnh.pref.gunma.jp/musetheque/list/hdic;jsessionid=74F7DFCE2FFC102544FF08CCADC90CC6?Item1_3=269 研究活動 > 収蔵情報 > 昆虫 > ゴキブリ類]群馬県立自然史博物館。2023年2月25日閲覧。</ref>。展示のほか、速さを競わせるゴキブリレースや<ref>[https://m.crank-in.net/news/38171/1/amp <閲覧注意>夏の思い出「ごきぶり展」開催、ふれあいコーナー&ゴキブリレースも実施]クランクイン!、2015年8月8日。2023年2月25日閲覧。</ref><ref>[http://www.shikoku-np.co.jp/national/life_topic/20150604000504 ゴキブリ「怪走」順位競う、岡山/虫の日イベント]四国新聞、2015年6月4日。2023年2月25日閲覧。</ref>、ゴキブリの人気投票企画といったイベントでも本種が利用されている{{Efn|例として磐田市竜洋昆虫自然観察公園のゴキブリ展にて行われた「GKB48総選挙」<ref>[https://m.youtube.com/watch?v=4HeVMZEGHak ゴキブリ人気投票「GKB48総選挙」制すGはだれ!?]竜昆ちゃんねる(YouTube、磐田市竜洋昆虫自然観察公園)、2022年3月1日。2023年2月25日閲覧。</ref>。これは48種のゴキブリの人気を投票で争う企画だが、投票対象にはアシダカグモや[[エメラルドアシナガバチ]]もおり、実際のゴキブリの数は46種である。直近の2022年の総選挙では257票を得て6位となった(1位は[[オレンジスポットドミノゴキブリ]])<ref>[https://m.youtube.com/watch?v=8Sy1wJwJz_c 今年の神7は誰だ!? ついに発表!]竜昆ちゃんねる(YouTube、磐田市竜洋昆虫自然観察公園)、2022年5月1日。2023年2月25日閲覧。</ref>。}}。
日本では宮崎市田野町・[[本野原遺跡]]から発掘された縄文時代後期の約4300年前の土器にクロゴキブリのものと類推される卵鞘の痕が発見されている<ref>{{Cite web|url=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO04024910U6A620C1000000|title=国内のゴキブリの起源か 縄文土器から「第2の発掘」|エンタメ!|NIKKEI STYLE|accessdate=令和2年8月15日|publisher=}}</ref>。この発見以前は18世紀前半に[[南西諸島]]に上陸し、以後島伝いに分布を北上させたとみられていた。


一応食すことはできるが、フリーライターの[[ムシモアゼルギリコ]]は可食部が少なく食用に向かないとしており<ref>[https://dot.asahi.com/tenkijp/suppl/2016030600008.html 啓蟄☆虫を食べる人が世界で増加中!?「食材としての昆虫」その魅力とは]AERA dot. (tenki.jp)、2016年3月6日。2023年2月25日閲覧。</ref>、YouTuberの[[ホモサピ]]は台所に出るような本種は[[生物濃縮]]を理由に「食べたら病気になる」とし、食べないよう注意喚起している<ref>[https://m.youtube.com/watch?v=rQnypi29-Zg 丸いゴキブリ食べてみた]ホモサピ(YouTube)、2021年12月25日。2023年2月25日閲覧。</ref>。
また、日本に限らず様々な地域を渡り歩いて分布を拡げた[[汎存種|コスモポリタン]]でもあり、ほぼ世界中で姿を見ることができる。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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2023年2月24日 (金) 19:27時点における版

クロゴキブリ
卵鞘を付けたクロゴキブリ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ゴキブリ目 Blattaria
: ゴキブリ科 Blattellidae
: ゴキブリ属 Periplaneta
: クロゴキブリ
P. fuliginosa
学名
Periplaneta fuliginosa
Serville, 1838[1839][1]
シノニム

Periplaneta picea Shiraki, 1906[2]
Periplaneta emarginata Karny, 1908[3]
Periplaneta filchnerae Karny, 1908[4]

和名
クロゴキブリ[注釈 1]
英名
Smoky-brown cockroach

クロゴキブリ(黒蜚蠊、学名Periplaneta fuliginosa)は、ゴキブリ目ゴキブリ科に属する昆虫の一種である[6]。屋内に生息するゴキブリとして代表的かつ著名。

学名のPeriplaneta fuliginosa(ペリプラネタ・フリギノーサ)はラテン語で「地球上のどこにでもいる黒いやつ」という意味がある[7][8]

形態

卵・幼虫

クロゴキブリの卵鞘
クロゴキブリの幼虫

卵は長財布やがま口様と形容される小豆色のカプセル(卵鞘)に数十個含まれる[9][10]。これは産卵する雌の卵巣の附属腺から卵本体を覆うようにして分泌された粘液が乾燥したものであり、乾燥などの天敵から保護する役割を担う[10]。卵鞘の大きさは体長に比例する[10]

卵本体はバナナのような形をしていて白く、弾力性を有する[10]。この弾力性はコリオニンというタンパク質を主成分とする卵殻由来のもので、卵殻は卵を保護するには薄すぎて適しない[10]。卵本体の大きさは0.8-1.2 × 2.5-3.5 mm[10]

本種含むゴキブリは不完全変態であり、卵から孵化した幼虫は脱皮を繰り返して羽化したのち成虫へと成長していく[11]

孵化して間もない幼虫は白く透明で柔らかく、成長すると表皮クチクラ層が空気中の酸素に触れて固くなっていき、固有色を帯び、1時間から2時間ほどして活発に活動するようになる[10]。1齢・2齢幼虫は黒い背面に白い筋が横に2本入り、3齢以降はこの筋がぼやけていき、また体色が黒から黒褐色へ変化していく[12]。老齢幼虫は全体的に赤褐色[13]。通常8齢が終齢幼虫で、幼虫の齢期判定は頭幅測定によるものが一般的だが、前胸背の幅を比較したり斑紋などの形態から簡易的に判断することもできる[12]

幼虫は成虫と比べて雌雄を区別することは困難であるが、1齢幼虫の雌には第9腹板後縁中央部にV字の深い刻み目が見られ、この点で区別可能[14]。以降の齢期の幼虫も腹板の形態変化などで区別をつけることができる[14]。成虫は尾刺突起の有無で雌雄判別されるが、若齢幼虫は雌雄ともにこの突起物を持つ[15]。雌は成長に従って尾刺突起が退化して消えていく[15]

成虫

体長25-40 mm[16](25-30 mm[17]、25-35 mm[13])で、雄は25 mm内外もしくは25-30 mm、雌は25-30 mm内外もしくは23-25 mm[9][18]ワモンゴキブリヤマトゴキブリと同様、雄成虫には第9腹板の先端に尾刺突起が1対みられ、雌成虫にはこれがないことから、この突起物の有無で雌雄を判別できる[15]

前胸背面も表面も平滑で[13]、体色は黒褐色-茶褐色-濃栗色、強い光沢を持つ[17][9][18]。雌雄いずれも翅が発達し、触覚も発達していて体より若干長い[17]

大顎は食べ物を咀嚼する役割を担い、強固に発達していて噛み砕く能力に優れる。その力は紙を噛んで破り、プラスチックやアルミ板にも跡を残せるほどである[19]

垂直な壁でも縦横無尽に動くことができるが、これは脚の爪の間にある板状の爪間盤を床面にひっかけ、粘着物質に覆われた板状の褥盤を使い分けつつ吸着能力を高めることで実現している[20]

チャバネゴキブリと違って飛翔能力があり、垂直面から1メートルほど上昇して約20秒飛翔したとの報告例がある[21]。また上から下への滑空も観察される[22]

体表や気門は撥水性で、かつ体重が軽いことから、水上に浮かぶことができる[22]。また、成虫幼虫問わずある程度の潜水能力を持ち、水をくぐれることがチャバネゴキブリと同様に証明されている[23]。ただし、長時間泳いだり、進む方向を決めることはできず、潜水は必要に迫られてとる行動と考えられる[22]

フンは直径1-3 mmの楕円形〜円形で、茶色に近い黒の顆粒状。外見はチャバネゴキブリのフンとほとんど同じだが、刺激臭を放つチャバネゴキブリのフンとは対照的に本種のフンは無臭である[24]。他の個体をおびき寄せる集合フェロモンが含まれる点は共通している[25]。顆粒状のフンのほか、水分が十分与えられている環境下では粘性や流動性を持つフンを排便することがあり、このフンがパッケージに付着するなどの汚染害をもたらすことがある[26][27]

分布

日本(主に本州中部以南、四国九州[28])、台湾中国朝鮮半島ユーラシア大陸ロシア)、南アメリカ大陸ブラジル)、アメリカ合衆国など、世界中に分布する[29][9]

日本

本種は日本在来の昆虫ではなく、原産地を中国南部とする外来種で[28]江戸時代に同地から日本へ侵入してきたと考えられていた[30]。しかし、2016年に宮崎市田野町の本野原遺跡から発掘された縄文時代後期の約4300年前の土器にクロゴキブリのものと類推される卵鞘の痕が発見され[31][28]、その後2022年に宮崎県えびの市の上田代遺跡、鹿児島県鹿屋市の小牧遺跡から発掘された縄文土器からも同様の圧痕が検出された[30]

従来は18世紀頃に大阪のの港を通じて上陸し定着したものとされていたが[28]、こうした発見により、本種は縄文時代の時点で日本に生息していた在来種だとされている[30]

時代が下るにつれて日本国内で生息域を拡大していき、1950年代時点では分布は東京以南とされていた[32]のが、1960年代時点で東北地方の都市で確認され[33]、1976年には北海道で暖房設備が整った建物内からの発見・採集が記録されている[34]。現在は北海道から沖縄諸島に至るまで分布している[9]

生態

活動期は5月から10月で[35]、夜間観察においては7月から10月に多く見られたとの報告がある[36]本州中部の場合、一般に5-7月に羽化し、5-10月に産卵を続ける[16]卵鞘には22-26個の卵が入っており、27℃では41日で孵化する[16][注釈 2]孵化後の幼虫は7回から8回ほど脱皮を重ね[11]、300-350日かけて成虫になるものが多く、成虫は25℃で200日前後生存する[16]。卵や幼虫は越冬休眠可能で、卵鞘、大型幼虫、小〜中型幼虫のいずれかの段階で休眠を挟む[38]。成虫になるまでに1年から2年半かかることもあり、卵から成虫を通した寿命は越冬休眠の回数などの条件次第で3年を超える可能性がある[38]。1センチほどの隙間を好む[35]

ゴキブリは共通して1度の交尾で一生分の卵を産むことができる。求愛行動では、雄が翅を広げて性フェロモンの分泌液をまとった腹部背面をさらし、雌がその分泌液を舐めとる。雄は雌の動きが鈍いうちに交尾に乗じる[39]

雌成虫は卵鞘を3日から4日(または2日前後[37])ほど保持し、適切な場所を見つけて唾液で器物に貼り付ける。このようにして生涯で10回[37]から20回程度の産卵を行う[17]。1卵鞘あたりの卵数は個体差が大きく、1214個の卵鞘を観察したところによれば、卵数は1卵鞘あたり12個から31個の範囲をとり、平均は23.1個、一番多く見られたのは卵数25個の卵鞘で17.6%を占めた[40]。孵化率は88.4%で、雌雄比はほぼ等しい[40]。孵化幼虫数は平均19匹[37]

基本的に屋外にコロニーを作るが、水気のあるところであれば屋内でもコロニーを作ることがある[41]。家住性を持つゴキブリとしては他にチャバネゴキブリヤマトゴキブリがいるが、住処とする建造物はそれぞれ異なり、チャバネゴキブリはビルや飲食店、ヤマトゴキブリは民家や農家、本種クロゴキブリはアパートや民家に住み着く傾向にある[42]。一方で、北米中南部では野外性が強い種と報告されている[36]

比較的耐寒性に優れるが、低温下、また高温下であっても屋外活動が鈍ることが示唆されている[43]摂氏18度以下で活動的でなくなり、16度前後で発育が停止するとされる一方、10度条件下でもわずかな摂食行動が確認されている[44]。成虫は幼虫と比べて耐寒性に劣り、越冬できないとする報告がある[45][44]。1齢幼虫を除く幼虫・成虫同士は別居性・排他性を示すが、低温下では逆転して同居性・集合性を示す[36][46][47]

食性

食塩ハーブという例外はあるが雑食性であり、ペットフード、残飯、ビール、野菜、魚介類、肉類、人髪、埃、油、未成熟の銀杏、ミミズの死骸、樹液、鳥のフン、キノコ、ナメクジの粘液に至るまで、食餌対象は広範にわたる[48][49]。生物分解性緩衝材と水のみで十分成長するとする報告がある[50]。餌がない環境では共食いすることが観察されている[51]

体内に共生する微生物のおかげで貧しい食環境でも生活でき[52]、絶食への耐性もある。幼虫は餌・水なしで1ヶ月から2ヶ月程度生存し、成虫も雄と雌とで2倍の違いがあるが、平均1週間は耐える[38]。特に幼虫ほど耐性は強く、77日飲まず食わずで生き残った個体も記録されている[38]。この絶食耐性は高温ほど弱まることが観察されている[53]

天敵

ゴキブリ類を捕食する動物として、アシダカグモを始めとするクモ類、ネコネズミハムスタームカデゲジハチアリカマドウマカマキリヤモリトカゲカエルが挙げられる。また、エメラルドゴキブリバチ、ゴキブリヤセバチ、ゴキブリコバチという寄生蜂も存在する[54][55][56]。この他、潰瘍病変が多発するコロニーでの死亡率が高かったとする研究や、ゴキブリウイルスの自然感染によるものと考えられる死亡例も報告されている[57]

人間とのかかわり

下水やゴミ置き場など不潔な場所に多く生息し、人の健康上有害な物質や病原体を媒介する衛生害虫で、不潔感や不快感を抱かれる不快害虫でもあり、駆除対象となる[41]。また、糞による汚損、汚染ももたらす[16]。駆除対象となる一方で、殺虫剤への抵抗性が発達してきていることが問題となっているチャバネゴキブリと異なり、本種やヤマトゴキブリは屋外にも屋内にも交流を持ち、屋外から耐性のない個体が入るというその生態から、殺虫剤への抵抗性はチャバネゴキブリほど問題になっていない(ただし将来抵抗性を持つ可能性はある)[47]ポリオウイルス赤痢アメーバの媒介者となることがあるが、どちらかといえば不快害虫としての性格が強い[41][注釈 3]喘息のアレルゲンとなることがある[59]

このようにネガティブなイメージが持たれる本種だが、動物園などの企画展やふれあいコーナーで展示されることがいくらかあり[60][61][62][63]群馬県立自然史博物館のように所蔵する施設もある[64]。展示のほか、速さを競わせるゴキブリレースや[65][66]、ゴキブリの人気投票企画といったイベントでも本種が利用されている[注釈 4]

一応食すことはできるが、フリーライターのムシモアゼルギリコは可食部が少なく食用に向かないとしており[69]、YouTuberのホモサピは台所に出るような本種は生物濃縮を理由に「食べたら病気になる」とし、食べないよう注意喚起している[70]

脚注

注釈

  1. ^ 矢野宗幹が1906年に発表した「ゴキブリ類に就きて(上・下)」では学名未詳のムネビロゴキブリとされている。名和靖が1903年に発表した「ゴキブリの分布について(昆虫に関する随感随想第三回)」にはムナビロゴキブリとあり、矢野 (1906)の和名はこれに由来するものとみられる[5]
  2. ^ 9月中旬以降に産み付けられた卵はこの状態で越冬休眠し、翌年5月から6月に孵化することになる[37]
  3. ^ 一般家庭で出るゴキブリは排水管を移動するなどして付いたサルモネラ菌などの黴菌を持ち、この個体が食器に這うなどした結果下痢や食中毒の原因となることがある[58]
  4. ^ 例として磐田市竜洋昆虫自然観察公園のゴキブリ展にて行われた「GKB48総選挙」[67]。これは48種のゴキブリの人気を投票で争う企画だが、投票対象にはアシダカグモやエメラルドアシナガバチもおり、実際のゴキブリの数は46種である。直近の2022年の総選挙では257票を得て6位となった(1位はオレンジスポットドミノゴキブリ[68]

出典

  1. ^ Periplaneta fuliginosa Serville, 1838GBIF(地球規模生物多様性情報機構)、2023年2月23日閲覧。
  2. ^ synonym Periplaneta picea Shiraki, 1906Beccaloni, G. W., Cockroach Species File Online (Version 5.0/5.0). 2023年2月23日閲覧。
  3. ^ synonym Periplaneta emarginata Karny, 1908Beccaloni, G. W., Cockroach Species File Online (Version 5.0/5.0). 2023年2月23日閲覧。
  4. ^ synonym Periplaneta filchnerae Karny, 1908Beccaloni, G. W., Cockroach Species File Online (Version 5.0/5.0). 2023年2月23日閲覧。
  5. ^ 朝比奈正二郎「日本におけるゴキブリ類の研究の記録補遺」『衛生動物』第15巻第3号、日本衛生動物学会、1964年、205-207頁、doi:10.7601/mez.15.205 
  6. ^ クロゴキブリ Blattella germanica ブリタニカ国際大百科事典小項目事典
  7. ^ ワイの本名教えたろ!ゴキブリキャップの株式会社 タニサケ、2023年2月23日閲覧。
  8. ^ ゴキブリ、名前の由来は? 昆虫博士が教える意外なルーツと最強の撃退法ENCOUNT、2022年5月28日。2023年2月23日閲覧。
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