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=== 実際 ===
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量子ゲートマシンでは、理論的には古典コンピュータに重ね合わせを扱う能力を持たせた、「上位互換」のコンピュータを作ることもできるかもしれないが、2017年現在始まっているIBM Q<ref>https://www.research.ibm.com/ibm-q/</ref>などではまだごく限られた数の量子ビットしか扱えず、既に提案されよく知られている量子アルゴリズムの実証といった限られたタイプの計算から行われるものと思われる。
素因数分解を行うショアのアルゴリズムは、2001年にIBMが世界で初めて15(=3×5)で実行し<ref name="ibm-shor" />、2012年にブリストル大学が21(=3×7)の素因数分解に成功して記録を更新した<ref>{{Cite journal|last=O'Brien|first=Jeremy L.|last2=Zhou|first2=Xiao-Qi|last3=Roberto Alvarez|last4=Lawson|first4=Thomas|last5=Laing|first5=Anthony|last6=Martín-López|first6=Enrique|date=2012-11|title=Experimental realization of Shor's quantum factoring algorithm using qubit recycling|url=https://www.nature.com/articles/nphoton.2012.259|journal=Nature Photonics|volume=6|issue=11|pages=773–776|language=en|doi=10.1038/nphoton.2012.259|issn=1749-4893}}</ref>。量子ゲートマシンでは、理論的には古典コンピュータに重ね合わせを扱う能力を持たせた、「上位互換」のコンピュータを作ることもできるかもしれないが、2017年現在始まっているIBM Q<ref>https://www.research.ibm.com/ibm-q/</ref>などではまだごく限られた数の量子ビットしか扱えず、既に提案されよく知られている量子アルゴリズムの実証といった限られたタイプの計算から行われるものと思われる。


D-Waveなどの[[量子アニーリング]]やその他いくつかのタイプが提案されている、量子イジングマシンは一種の[[専用計算機]]に近いものと言える。
D-Waveなどの[[量子アニーリング]]やその他いくつかのタイプが提案されている、量子イジングマシンは一種の[[専用計算機]]に近いものと言える。

2019年2月1日 (金) 09:28時点における版

量子コンピュータ (りょうしコンピュータ、英語:quantum computer) は、量子力学的な重ね合わせを用いて並列性を実現するとされるコンピュータ。従来のコンピュータの論理ゲートに代えて、「量子ゲート」を用いて量子計算を行う原理のものについて研究がさかんであるが、他の方式についても研究・開発は行われている。

いわゆる電子式など従来の一般的な[1]コンピュータ(以下「古典コンピュータ」)の素子は、情報について、「0か1」などなんらかの2値をあらわすいずれかの状態しか持ち得ない「ビット」で扱う。量子コンピュータは「量子ビット」 (qubit; quantum bit、キュービット) により、重ね合わせ状態によって情報を扱う。

n量子ビットがあれば、の状態を同時に計算できる。しかし、単にこのように計算するだけでは結果を観測する際に、の状態の結果の1つをランダムに知る事しかできず、必要な答えが求められるわけではない。答えを高確率で求めるためには、量子コンピュータ専用のアルゴリズムが必要になる。もし、数千qubitのハードウェアが実現した場合、この量子ビットを複数利用して、量子コンピュータは古典コンピュータでは実現し得ない規模の並列コンピューティングが実現する。

量子コンピュータの能力については、計算理論上の議論と、実際に実現されつつある現実の機械についての議論がある。#計算能力の節を参照。

歴史

1980年代

量子コンピュータの歴史は、1980年に Paul Benioff が量子系においてエネルギーを消費せず計算が行えることを示した[2]ことに端を発し、1982年、ファインマンも量子計算が古典計算に対し指数関数的に有効ではないかと推測している[3]。これらに続き、1985年、ドイッチュは、「量子計算模型」と言える量子チューリングマシン英語版[4]を定義し、1989年に量子回路[5]を考案した。

1990年代

1992年に、ドイッチュとジョサ英語版は、量子コンピュータが古典コンピュータよりも速く解ける問題でドイッチュ・ジョサのアルゴリズムを考案した[6]。 1993年に、ウメーシュ・ヴァジラーニ英語版と生徒のEthan Bernsteinは、万能量子チューリングマシン英語版量子フーリエ変換英語版のアルゴリズムを考案した[7]

1994年にピーター・ショアは、実用的なアルゴリズム『ショアのアルゴリズム英語版[8]』を考案し、量子コンピュータの研究に火をつけた。これは、ヴァジラーニらの量子フーリエ変換や、同年のSimonの研究[9]を基礎に置いている。量子コンピュータ特有のアルゴリズムであるショアのアルゴリズムが、古典コンピュータでは現実的な時間で解くことができない素因数分解を、極めて短い時間で実行出来ることから、素因数分解の困難性を利用したRSA暗号の安全性は実用的な量子コンピュータが実現されれば崩れることを示した。

1995年に、アンドリュー・スティーン[10]ピーター・ショア[11]により、量子誤り訂正のアルゴリズムが考案された。 1996年に、ロブ・グローバー英語版により、その後、様々なアルゴリズムに応用されるグローバーのアルゴリズム[12]が考案された。同年、セルジュ・アロシュは、実験的観測によって量子デコヒーレンスを証明し、 [13] [14] 量子デコヒーレンスが量子コンピュータ実現への障害となることが実証された。 1997年に、Edward FarhiとSam Gutmannにより、量子ウォーク[15]Continuous-time quantum walk、略称: CTQW)が考案された。1998年に、量子コンピュータ用のプログラミング言語である、QCL (Quantum Computation Language) の実装が公開された。

また西森秀稔による、量子焼きなまし法の提案もこの時代であった。

2000年代

ハードウェア開発に大きな進展があり、2008年にイオントラップの専門家デービッド・ワインランドは、個々のイオンをレーザー冷却して捕捉することが出来ることを示し、個々の量子もつれ状態にあるイオンをマニピュレーションする、イオン・トラップ型量子コンピュータの研究が進展した。[16]

ショアのアルゴリズムは、2001年に核磁気共鳴[17]により、2007年に量子光学[18]により、2009年に光集積回路[19]により15の素因数分解 (=3*5) が実装された。

2010年代

2011年に突如として、カナダの企業D-Wave Systemsが量子コンピュータ「D-Wave」の建造に成功したと発表した。D-Waveはこの記事の多くの部分で説明している量子ゲートによるコンピュータではなく、量子焼きなまし法による最適化計算に特化した専用計算機である。発表当初のものは128量子ビットであった[20]。D-Waveが本当に量子コンピューティングを実現したものか否か、当初は疑う向きも多かったものの、確かに量子コンピューティングによるものとする調査論文が英科学誌ネイチャーに発表[21]され、グーグルを筆頭とするベンチャー企業がD-Waveと協業を開始するなど、2018年1月現在、確実視されて来ている。

2012年、セルジュ・アロシュデービッド・ワインランドノーベル物理学賞を受賞した。受賞理由は「個別の量子系に対する計測および制御を可能にする画期的な実験的手法に関する業績」である。

エドワード・スノーデンの開示文書によると、NSAにおいて暗号解読のための実用化が研究されているとされる[22]

2014年9月米グーグル社はUCSBのJohn Martinisと連携し量子コンピュータの独自開発を開始すると発表した[23]

2016年5月、IBMは5量子ビットの量子コンピュータ[24]をオンライン公開した。デイヴィビッド・コーリー ウォータールー大学教授がテストした結果、ほぼ同じ結果を得ることができた[25]。 2017年5月、IBMは同社の汎用量子コンピュータシステムであるIBM Q向け16量子ビット・プロセッサを開発したとアナウンスした[26]

2017年5月、中国の科学研究チームが光量子コンピューターの開発に成功し、初期の古典的コンピューターを超える量子計算能力を初めて示したと発表した。実験・測定結果によると、この試作機のサンプル計算速度は、世界の同業者による実験の2万4000倍以上に達している。古典的計算法と比較した場合も人類史上初のチューブコンピュータと初のトランジスタコンピューターの計算速度の10−100倍に達している。[27]

2019年1月8日、IBMはCESにおいて世界初の商用量子コンピューター(名称:IBM Q System One)を開発したと発表した[28]

ソフトウェア

アルゴリズム

量子コンピュータ特有のアルゴリズムがいくつか知られており、伝統的に有名なものを示す。他の物は、Quantum Algorithm Zoo[29]などを参照。

ショアのアルゴリズム

ショアのアルゴリズム英語版: Shor's factorizationとも)とは、素因数分解問題を高速に(多項式時間で)解くことができるアルゴリズムのことである。古典コンピュータでは非現実的な時間(準指数時間)で解くアルゴリズムしか知られていない。1994年にピーター・ショアによって発見された[8][30]。ショアは本件で、ネヴァンリンナ賞ゲーデル賞を受賞した。

2001年12月にIBMアルマデン研究所にて7qubitの量子コンピュータで15 (= 3×5) の素因数分解に成功した(Nature, 12月20日発行号[17])。

少し改造することで離散対数問題(DLP, ElGamal暗号楕円曲線暗号の安全性の根拠)も多項式時間で解くことができる。このアルゴリズムの基本的なアイデアを拡張したものが、可換隠れ部分群問題についての量子アルゴリズムである。現在は、これをさらに非可換隠れ部分群問題に拡張する研究が進展している。

ショアのアルゴリズムは、量子コンピュータが離散フーリエ変換を高速に実行できることによる。また、アルゴリズム全体は確率的 (BQP) であり、正しい答えが得られるまで、何度も試行する。

N を素因数分解するにあたり、aN に対してな数とし、a の mod N に関する位数、min{x > 0|ax = 1 (mod N)} を求める。つまり、ax の周期 r を求める。位数が高速に求められれば、因数分解は高速に行える。

例えば、N = 15, a = 7 とする。

70 = 1 (mod 15)
71 = 7 (mod 15)
72 = 4 (mod 15)
73 = 13 (mod 15)
74 = 1 (mod 15)
75 = 7 (mod 15)
76 = 4 (mod 15)
77 = 13 (mod 15)
78 = 1 (mod 15)
79 = 7 (mod 15)

1,7,4,13,1,7,4,13,1,7,…という周期 4 の数列が生成される。

よって、周期 r = min{x > 0|7x = 1 (mod 15)} = 4

手順の概略は以下の2つ。

  1. 全ての x に対して、均等な確率となるように初期化する。そして、それを ax mod N のみ確率を持ち、それらは均等になるように変換する。この計算は量子コンピュータ的であるものの、基本的な考えは古典コンピュータと変わらない。そのために、2進数の足し算・引き算や、ビットによる条件分岐などを用意する。
  2. ax mod N は周期 r を持つ。この周期が求める位数である。従って、1で得られた結果を離散フーリエ変換する。すると、周波数 1/r のところの確率が大きくなるので、観測すると、高い確率で r が得られる。失敗した場合は、成功するまで繰り返す。

グローバーのアルゴリズム

n 個のデータの中から、ある特定のデータを n ステップで取得することができるアルゴリズム。正確には、1 から N のある一つの値で、オラクル関数 f(z) が 1 になり、それ以外は f(z) = 0 となる、オラクル関数 f において、f(z) = 1 となる z を求める問題。オラクル関数とは計算量が 0 の関数である。古典コンピュータではおよそ n/2 ステップが必要である。1996年にロブ・グローバー英語版が発表した[12][31]。きわめて広範な種類の確率的アルゴリズムや量子アルゴリズムと組み合わせて、計算時間をその平方根まで落とすことができる。ショアのアルゴリズムほどその効果は劇的ではないが、広い応用をもつことが特徴である。検索条件や検索対象について改良されている。

このアルゴリズムはデータ数に見合うだけ十分なqubit数があることを前提としているが、古典コンピュータにおいてデータに見合うだけの十分な並列度がある場合、f(z) = 1 を探すのは O(1) であり、関数の最小値を探す問題は、O(log log n) である。

ドイッチュ・ジョサのアルゴリズム

量子ウォーク

ランダムウォークを量子コンピュータ上で実行する。いくつかのアルゴリズムがこれを利用して作られている。

離散フーリエ変換

振幅に対して離散フーリエ変換を行うが、振幅は直接は観測できないことに注意が必要。ショアのアルゴリズムで使われている。QCLでのソースコードは以下の通り。変数 q を離散フーリエ変換している。V は conditional phase、H はアダマール変換である。

for i = 1 to #q {
  for j = 1 to i - 1 {
    V(pi / 2^(i - j), q[#q - i] & q[#q - j]);
  }
  H(q[#q - i]);
}
flip(q);

プログラミング言語

量子コンピュータ用のプログラミング言語とその処理系の実装方法が多数提案されており、QCL[32]などがある。詳細は、量子プログラミング言語 を参照。

シミュレーター

量子コンピュータのアルゴリズムをシミュレーションにより実行するためのシミュレーターが多数作られている。一覧については、List of QC simulators[33]を参照。

ハードウェア

ハードウェアは量子ゲートを組み合わせた量子回路によって実現されるが、数学的に等価な量子ゲートが物理的には核磁気共鳴量子光学量子ドット超伝導素子、レーザー冷却などによって構成出来るため、様々な実験的ハードウェアの実現法が研究されている。

核磁気共鳴・電子スピン共鳴

近年、核磁気共鳴(NMR)や電子スピン共鳴を用いた量子コンピュータの研究開発が行われている[17][34][35][36][37]

2001年、7量子ビット量子コンピュータによる素因数分解が実装された[17][34]。核磁気共鳴 (NMR) により、1998年に2量子ビット、1999年に3量子ビット、2000年に5量子ビット、2001年に7量子ビット[35]、2005年に8量子ビットqubit[36]、2006年に12量子ビット[37]が実現した。1量子ビット増えるごとに並列度は2倍になる。

国内では大阪大学[38]や沖縄科学技術大学院大学[39]が主な研究拠点であり、核スピン・電子スピンを用いた量子情報処理の実験が行われている。

窒素空孔欠陥スピン・シリコン核スピン

国内では横浜国立大[40]、京大[41]が主な研究拠点であり、窒素空孔欠陥を用いた量子メディア変換・量子情報処理の実験が行われている。また慶応義塾大学[42] では、シリコン中の核スピンを用いた量子情報処理実験が行われている。

量子ドット

国内では理化学研究所[43]、東京大学[44]が主な研究拠点であり、量子コンピュータの実現に向けた取り組みがなされている。

量子光学

特に光子を用いているものは光子コンピュータ光量子コンピュータとも呼ばれる。 2001年、非線形光学を使わずに、量子コンピュータを作成する方法が考案された[45]。線形光量子コンピュータ (: linear optical quantum computer、LOQC) と呼ばれ、その後の光量子コンピュータの主流となる。

2007年、光子を使い、4qubit量子コンピュータによる素因数分解が実装された[18]。さらに、2009年、光集積回路(シリコンフォトニクス)上で、4qubit量子コンピュータによる素因数分解が実装された[19]

2017年9月、東京大学 工学系研究科の古澤明教授と武田俊太郎助教のグループは、究極の大規模光量子コンピュータ実現法を発明と告知[46]

超伝導素子

超伝導素子を用いた量子コンピュータの量子ビットは、ジョセフソン・ジャンクションを用いた超伝導回路によって構成されている[47][48][49][50]。超伝導回路中の電荷(クーパー対)の自由度を用いた量子ビットを、電荷量子ビット、またはクーパー対箱と呼ぶ。1999年、日本電気において中村、Pashkin、蔡らにより実現された[47]。当時の量子ビットのコヒーレンス時間は約1ナノ秒であった。 超伝導量子ビットは回路量子電磁力学英語版の研究とともに発展し、2004年にはコプラナ導波路により実装された超伝導共振器と電荷量子ビットとの強結合が観測されている[51]。共振器や導波路を組み合わせた回路量子電磁力学は、超伝導量子ビット間の相互作用や、量子非破壊測定を行うとても良いツールとなっている。

SQUIDを含み、磁束量子の重ね合わせ状態を用いた量子ビットを磁束量子ビット英語版と呼ぶ。2003年、デルフト工科大においてChiorescu、中村、Harmans、Mooijらにより実現された[48]。これらはDWAVE社が開発した量子焼きなまし法による最適化手法[20][21]に採用されている。

2007年に電荷量子ビットにおける電荷揺らぎ雑音を回避する量子ビットが提案され、トランズモン型量子ビット英語版と呼ばれる[52]。比較的シンプルな構成で長コヒーレンス時間が実現され、米国を中心に盛んに研究が進められている。 2011年、量子計算や量子誤り訂正に必須となる単一試行の量子非破壊測定英語版が実現し、トランズモン型超伝導量子ビットの量子跳躍が観測されている[53]。これらの技術の背景には、標準量子限界に近い雑音指数を達成する低雑音増幅器(ジョセフソンパラメトリック増幅器)の実現がある[54][55]。 2013年、上記の基礎技術とFPGAによる高速フィードバック処理により量子テレポーテーション[56]の実験が行われ、空間的に離れた量子ビット間の状態転送が実現した。 2014年には160マイクロ秒のコヒーレンス時間が実現し[57]、1999年の発見から15年の間に約10万倍という飛躍的な改善がなされている。 同年、Google社のJohn Martinis[58]らのグループは、誤り耐性符号の一つである表面符号英語版の誤りしきい値を下回る、高い忠実度の基本量子ゲートを実現した[59]。これにより誤り耐性量子計算が現実化し、超伝導量子ビットを用いた量子計算機の開発が一層加速することになる。2015年、9量子ビットによるビット反転エラー訂正英語版を実行し、論理量子ビットのエラー確率を物理量子ビットに比べ約1/8まで小さくすることに成功した[60]。同年には、新しい機能性材料の開発を飛躍的に加速する、フェルミ粒子のディジタル量子シミュレーションが、小さな系にて実装されている[61]。大規模化に向けた取り組みが始まり、2016年には三次元集積技術による実装が議論されている[62]

国内では東京大学[63]と理化学研究所[64]が量子コンピュータや量子情報処理の研究を、NTT物性科学基礎研究所[65]、情報通信研究機構[66]が量子物理の研究を行っており、主な研究拠点である。

海外ではGoogle[58]、IBM[67]、デルフト工科大学(インテル・マイクロソフトが支援)[68]、マサチューセッツ工科大学[69]、チューリッヒ工科大学[70]が主な研究拠点である。

イオントラップ

イオントラップを用いる量子コンピュータでは、レーザー冷却によってイオンの捕捉とマニピュレーションを行なう。 国内では阪大[71]にて量子シミュレータ・量子コンピュータに向けた研究がなされている。

その他

量子回路

量子ゲート

古典コンピュータでの計算は、ブール論理にもとづいた論理ゲートによる論理演算をベースとして行われる。これに対し、量子コンピュータの量子回路では、量子演算の演算子に対応する演算を行うゲートは量子ゲートと呼ばれ、ユニタリー行列でなくてはならない。任意の1量子ビットに対するユニタリー行列は以下の形式で表現できる。可逆計算であることも特徴である。

1量子ビットに対する任意のユニタリー変換とCNOTゲートの組合せによって、n量子ビットの場合も任意のユニタリ変換を構成出来ることが知られている。

NOT

NOTはパウリ行列の1つでもある。

スワップ

制御NOT

CNOTと呼ばれる。XORに相当する。

パウリ行列

アダマール変換

アダマール行列である。

Conditional Phase

CPhaseと呼ばれる。

1量子ビットの場合は、以下の通り。

回転

トフォリゲート

フレドキンゲート

計算能力

理論

ヴァジラーニらは、量子チューリングマシンと古典チューリングマシンの計算可能性が等価であることを示した。したがって、計算可能性の点では既存のあらゆるコンピュータと量子チューリングマシンは変わらない。つまり、量子チューリングマシンで「計算可能」な問題は古典チューリングマシンでも「計算可能」であるし、古典チューリングマシンで「計算可能」でない問題は量子チューリングマシンでも「計算可能」でない。(なお、ここで「計算可能」というのは、計算理論の専門用語であって、「原理的に解くことができない」というような表現から一般の人がイメージするような素朴な印象はおそらくたいていは正確ではない)

計算可能性の理論に関しては以上のようであるのだが、では、計算複雑性の理論としてはどうだろうか、というのが関心のある所であろう。

量子コンピュータは容易に古典コンピュータをエミュレートすることが可能であるため、古典コンピュータで速く解ける問題(汎用問題)は、量子コンピュータでも同程度以上に速く解くことができる。よって汎用問題について、量子コンピュータは古典コンピュータ「以上」に強力な計算速度を持つ。ただし、同程度は可能だとしても、「大幅に上回る」かどうかはよくわかっていない。また、「大幅に上回る」問題の範囲についても、「より大きい」かどうかはよくわかっていない。

量子コンピュータに関係する複雑性クラスBQPがある。BQPとNPの関係は明確ではないが、BQPのほうが大きいだろうと考えられ、2010年代ころより、NPを含むPHにBQPが含まれない、ということを示唆する結果がいくつか示されてきている。

実際

素因数分解を行うショアのアルゴリズムは、2001年にIBMが世界で初めて15(=3×5)で実行し[17]、2012年にブリストル大学が21(=3×7)の素因数分解に成功して記録を更新した[72]。量子ゲートマシンでは、理論的には古典コンピュータに重ね合わせを扱う能力を持たせた、「上位互換」のコンピュータを作ることもできるかもしれないが、2017年現在始まっているIBM Q[73]などではまだごく限られた数の量子ビットしか扱えず、既に提案されよく知られている量子アルゴリズムの実証といった限られたタイプの計算から行われるものと思われる。

D-Waveなどの量子アニーリングやその他いくつかのタイプが提案されている、量子イジングマシンは一種の専用計算機に近いものと言える。

質問

参考文献

  1. ^ 一般的でない例としては、数は少ないが3状態の素子で動作するコンピュータや、多値論理の応用などとして研究されている。MLC NANDフラッシュのように実用例も一部にはある。
  2. ^ Paul Benioff (1980年5月). “The computer as a physical system: A microscopic quantum mechanical Hamiltonian model of computers as represented by Turing machines” (English). J. Stat. Phys.英語版. doi:10.1007/BF01011339. 2017年4月1日閲覧。
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関連項目

関連書籍

以下のリストは量子計算機やその数理について書かれた書籍を発行年代順に並べた。もちろん完全なものではない。

  • 西野哲朗:「量子コンピュータ入門」、東京電機大学出版局、ISBN 978-4501526504(1997年3月10日)。
  • 大矢雅則:「量子コンピュータの数理」、丸善、ISBN 978-4621046074 (1999年5月31日)。
  • 上坂吉則:「量子コンピュータの基礎数理」、コロナ社、ISBN 978-4339023763(2000年5月26日)。
  • C.P.ウィリアムズ、S.H.クリアウォータ(共著)、西野哲朗、荒井隆、渡邊昇(共訳):「量子コンピューティング:量子コンピュータの実現へ向けて」、シュプリンガー・フェアラーク東京、ISBN 978-4431708698(2000年6月14日)。
  • 西野哲朗:「量子コンピュータと量子暗号」、岩波講座 物理の世界 物理と情報(第4巻)、岩波書店、ISBN 978-4000111591(2002年3月15日)。
  • 広田修:「量子情報科学の基礎:量子コンピュータへのアプローチ」、森北出版、 ISBN 978-4627827417 (2002年4月15日)。
  • A.Yu.Kitaev、A.H.Shen、M.N.Vyalyi: "Classical and Quantum Computation"、American Mathematical Society、ISBN 978-0821832295(2002年7月1日)。
  • ゲナディ P.ベルマン、ロンニエ マイニエリ:「入門量子コンピュータ」、パーソナルメディア、ISBN 978-4893621924 (2002年9月)。
  • 西野哲朗:「量子コンピュータの理論:量子コンピューティング入門」、培風館、ISBN 978-4563015510 (2002年12月12日)。
  • G.ミルバーン、林一 (訳):「ファインマン・プロセッサ:夢の量子コンピュータ」、岩波書店、ISBN 978-4000059497(2003年1月29日)。
  • Jozef Gruska(著)、伊藤正美、今井克暢、岩本宙造、外山政文、森田憲一(共訳):「量子コンピューティング」、森北出版、ISBN 978-4627827912(2003年11月19日)。
  • Michael A.Nielsen、Issac L.Chuang(共著)、木村達也(訳):「量子コンピュータと量子通信(I)」、オーム社、ISBN 4-274-20007-8 (2004年12月20日)。※全3巻
  • 石井 茂:「量子コンピュータへの誘(いざな)い:きまぐれな量子でなぜ計算できるのか」、日経BP社、ISBN 978-4822282110(2004年12月23日)。
  • Michael A.Nielsen、Issac L.Chuang(共著)、木村達也(訳):「量子コンピュータと量子通信(II)」、オーム社、ISBN 4-274-20008-6 (2005年1月10日)。※全3巻
  • Michael A.Nielsen、Issac L.Chuang(共著)、木村達也(訳):「量子コンピュータと量子通信(III)」、オーム社、ISBN 4-274-20009-4 (2005年1月10日)。※全3巻
  • 竹内繁樹:「量子コンピュータ:超並列計算のからくり」講談社 (ブルーバックス)、ISBN 978-4062574693(2005年2月20日)。
  • 古澤明:「量子光学と量子情報科学」、数理工学社、ISBN 4-901683-23-3(2005年4月10日)。
  • D.Bouwmeester、A.Ekert、A.Zeilinger(編):「量子情報の物理:量子暗号、量子テレポーテーション、量子計算」、共立出版、ISBN 978-4-320-03431-0 (2007年5月25日)。
  • 西野哲朗:「(図解雑学)量子コンピュータ」、ナツメ社、ISBN 978-4816341311 (2007年7月18日)。
  • 宮野健次郎、古澤明:「量子コンピュータ入門」、日本評論社、ISBN 978-4535784796 (2008年3月25日)。
  • G.ベネンティ、G.ガザーティ、G.ストゥリーニ、広岡一 (訳):「量子計算と量子情報の原理」、シュプリンガージャパン、ISBN 978-4431100096 (2009年5月)。
  • N.D.マーミン、木村元(訳):「マーミン 量子コンピュータ科学の基礎」、丸善、ISBN 978-4621081464(2009年7月30日)。
  • ジョージ・ジョンソン:「量子コンピュータとは何か」、早川書房(ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)、ISBN 978-4150503611 (2009年12月9日)。
  • 赤間世紀:「量子コンピュータがわかる本」、工学社、 ISBN 978-4777515141 (2010年4月1日)。
  • Michael A. Nielsen、Isaac L. Chuang: "Quantum Computation and Quantum Information: 10th Anniversary Edition"、Cambridge University Press、ISBN 978-1107002173 (2010年12月9日)。
  • Colin P. Williams: "Explorations in Quantum Computing"(2nd Ed.), Springer、ISBN 978-1846288869 (2010年12月27日)。
  • Willi-Hans Steeb、Yorick Hardy: "Problems and Solutions in Quantum Computing and Quantum Information"(3rd Ed.), World Scientific Pub、ISBN 978-9814366328 (2011年9月16日)。
  • Jiannis K. Pachos: "Introduction to Topological Quantum Computation"、Cambridge Univ. Press,ISBN 978-1107005044(2012年4月12日)。
  • G.ベネンティ、G.ガザーティ、G.ストゥリーニ、広岡一 (訳):「量子計算と量子情報の原理」、丸善出版、ISBN 978-4621062272(2012年6月5日)。※シュプリンガージャパンから出た本の再刊行。
  • 石坂智、小川朋宏、河内亮周、木村元、林正人:「量子情報科学入門」、共立出版、ISBN 978-4320122994 (2012年6月10日)。
  • ジョン・グリビン、松浦俊輔 (訳):「シュレーディンガーの猫、量子コンピュータになる。」、青土社、ISBN 978-4791767717 (2014年3月20日)。
  • 情報処理学会(編): 情報処理2014年7月号別刷「《特集》量子コンピュータ」、情報処理学会、ISBN 978-4907626013(2014年6月15日)。
  • Eleanor G. Rieffel、Wolfgang H. Polak: "Quantum Computing: A Gentle Introduction"、MIT Press、ISBN 978-0262526678(2014年8月29日)。
  • 中山茂:「量子アルゴリズム」、技報堂出版、ISBN 978-4765533430 (2014年10月1日)。
  • Richard J. Lipton、Kenneth W. Regan: "Quantum Algorithms via Linear Algebra: A Primer"、MIT Press、ISBN 978-0262028394(2014年12月5日)。
  • 竹内薫:「量子コンピューターが本当にすごい」、PHP研究所、ISBN 978-4569824987(2015年5月16日)。
  • 西野哲朗、岡本 龍明、三原孝志:「量子計算」(ナチュラルコンピューティング・シリーズ第6巻)、近代科学社、 ISBN 978-4764904866 (2015年10月31日)。
  • 西野友年:「今度こそわかる量子コンピューター」、講談社、ISBN 978-4061566057(2015年10月23日)。
  • Keisuke Fujii: "Quantum Computation with Topological Codes: From Qubit to Topological Fault-Tolerance", Springer、ISBN 978-9812879950(2016年1月13日)。
  • 宮野健次郎、 古澤明:「量子コンピュータ入門」(第2版)、日本評論社、ISBN 978-4535788053(2016年3月3日)。
  • 中山茂:「クラウド量子計算入門:IBMの量子シミュレーションと量子コンピュータ」、カットシステム、ISBN 978-4877834081(2016年9月1日)。
  • Tudor D. Stanescu: "Introduction to Topological Quantum Matter & Quantum Computation"、CRC Press、ISBN 978-1482245936 (2016年12月7日)。
  • 西森秀稔、大関真之:「量子コンピュータが人工知能を加速する」、日経BP社、ISBN 978-4822251895 (2016年12月9日)。
  • 小柴健史、藤井啓祐、森前智行:「観測に基づく量子計算」、コロナ社、ISBN 978-4339028706(2017年3月10日)。
  • 富田章久:「量子情報工学」、森北出版、ISBN 978-4627853812 (2017年3月3日)。
  • Mingsheng Ying、川辺治之(訳):「量子プログラミングの基礎」、共立出版、ISBN 978-4320124059(2017年3月31日)。
  • 森前智行:「量子計算理論:量子コンピュータの原理」、森北出版、ISBN 978-4627854017(2017年11月13日)。
  • 中山茂:「クラウド量子計算:量子アセンブラ入門」、NextPublishing Authors Press、オンデマンド印刷本 (2018年1月15日)。
  • "Quantum Computing: Progress and Prospects", The National Academies Press, ISBN 978-0-309-47969-1 (2018).

外部リンク